派遣留学生月例報告書(2016年9月)

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 インドネシア・アチェに来て1カ月がたちました。わたしがアルムスリム大学に留学を決めるきっかけとなった2015年のスタディツアーの際に訪問したときとは違い、現地で生活するとなると文化の違いを毎日身に染みて感じています。
 寮は平屋の一軒家で、個室が4部屋とキッチン(水場はない)、リビング、バスルーム1つある大きな家にひとりで住んでいます。バスルームといってもシャワーはなく、蛇口から出る水を貯めて桶ですくい、浴びるといったスタイルです。食事はおコメを買っているので自炊していますが、屋台や学食で食べても1食50円から100円で買うことができます。生活用品も日本の3分の1で買うことができ、物価はとても安いです。近くにコンビニといった24時間営業のお店はありませんが、いちばや屋台のある通りまでは歩いて5分で行くことができ、不便ではありません。大学までは寮から歩いて10分ですが、毎日真夏並みに暑いので、たった10分の道のりが大変です。電車はなく、住んでいる人たちの交通手段は基本的にオートバイク、行き帰りに友だちに会うと後ろに乗せてくれます。
 留学前にアルムスリム大学から授業の一覧がきており、先に希望を提出して欲しいということだったので、6月の時点で自分が取りたい授業を選び提出していました。アルムスリム大学では、わたしちがはじめての留学生受入れです。留学生だけの授業はないので、わたしは教育学部英語学科の学生と同じ授業を受けています。英語学科のクラスといっても、先生はインドネシア人で英語は訛りがあり、正直聞きとりづらいです。
 授業は毎朝8時からはじまります。イスラームの地域なので、朝5時にお祈りをしてから来るからでしょうか、朝早くても元気です。そして1教科の平均時間は2時間30分です。日本で1時間30分の授業が長く感じていた自分にとって、さらに1時間も長いのはいまだに慣れていないです。わたしは毎日1つの授業しかありません。Speaking for Everyday Communication, Cross Culture Understanding, Bahasa Indonesia, Basic English Grammar, Islamic Studyの5つです。英語で授業ですが、基本インドネシア語なので苦戦しています。先生やクラスメイトは優しく、ゆっくりインドネシア語で話し、わたしに合わせて授業を進めてくれています。インドネシア語検定E級に無事合格してからインドネシアに来ましたが、最初のほうはぜんぜん会話にならずにいました。授業がはじまってからは、インドネシア語を実践的につかう時間ばかりで、片言ですが簡単な会話や日常生活での買い物も苦労しない程度になりました。いまのところは、英語よりインドネシア語の力が伸びていると自分では思います。
 インドネシアに留学、とくにイスラームの信仰が強く、イスラームが認められている場所での留学ということなので、理解を深めようという気持ちでIslamic Studyというイスラームの授業を選択しました。5つのなかでいちばん難しく、毎週苦戦しています。先生は英語ができないので、クラスメイトが隣に座って簡単に訳してくれます。イスラームに興味を持ってくれて嬉しいと、先生も優しく丁寧に接してくれます。大学内に礼拝用の大きなモスクがあるので、たまに教室を出てモスクで集まって礼拝に参加したり、お話を聞いたりという授業の時間があります。アラビア語がわからないのでコーランが読めず、心が折れそうなときばかりですが、日本では絶対に体験できないような授業を受けているので毎日が新鮮です。
 大学でも、街を歩いても、外国人はわたしと一緒に来た深川開斗だけです。とくにムスリムの女性はみんなジルバブをしているので、していないわたしが目立つのでしょう。とても見られます。しかしそれは冷たい視線ではなく、アチェの人たちは暖かく受け入れてくれています。最初の1、2週間はどこ歩いても写真攻めにあい、男女問わずたくさん連絡先を聞かれメッセージが来ました。そのおかげですぐに近所や大学、街で優しくしてくれるたくさんの友だちやお兄さんお姉さんのような存在の人ができました。今月21歳の誕生日を迎えましたが、大学でお世話になっているスタッフの方やできた友だちにサプライズでお祝いしてもらい、はじめて過ごす海外での誕生日は忘れられない1日となりました。
 この1カ月のあいだに1回体調を崩し、吐いてしまい病院に行きました。疲れがたまらないよう、慣れたこれからも体調管理に気をつけながら過ごしたいと思います。10月に入り、これから佐伯奈津子先生の紹介のもと、スタディツアーで訪問した村に再度訪問する予定です。語学だけでなく、アチェでもう一度国際協力についても勉強がしたいという思いから、わたしはアルムスリム大学を選びました。その初心を忘れず、積極的に強を進めていきたいと思っています。(外国語学部国際文化協力学科3年・水谷奈津子)
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