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韓国の協定大学訪問記(その4)  江陵大学にて

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9月8日(木)曇り,小雨
<韓教授のこと>
 朝食を採りに8時にホテルのレストランに下りて行く。既に,伊藤理事長と姜先生の姿がある。二人は横に並んで席に着き,彼らの前には,テーブルを挟んで江陵大学の韓昌道 客員教授が席をとっていた。
 韓教授は,昨日のホテル前での出迎えにも,夜の晩餐会にも出席されていた。さらに,自宅からここまで来るのには車で1時間強はかかるという。それにも拘らず,我々の朝食にまで付き合おうというのだから,その徹底した接待精神には頭が下がる。
 韓教授のターゲットは伊藤理事長であり,話題の大半はバスケットだ。バスケットを介した江陵大学と本学との交流機会を模索している。交流試合や合同練習という企画はどうか,本学のバスケットチームが合宿に江陵大学に来たらどうか,宿泊施設は用意する,バスケットが無理ならサッカーはどうか,など。

<江陵大学の充実した施設>
 午前9時,江陵大学国際関係教育センターの鄭さんらが,車でホテルまで迎えに来てくれた。午前中は,朴総長との面談と江陵大学内の施設見学だ。
 江陵大学は,医療・観光リゾート・教育師範・工科・人文・スポーツ・軍隊・警察公務など8つの単科大学(日本の学部相当)を抱え,全国から集まってきた15,000人の学生が学んでいる。とりわけユニークなのは,観光リゾート単科大学である。
 観光リゾート単科大学で学ぶ学生たちのために,キャンパス内に実習用のホテルを備える。その建物は,Universtel(ユニバーステル:大学+ホテルの造語)と名付けられ,1階から6階が学生寮,7階と8階がホテルである。この客室は,大学を訪問するゲストに限らず,広く一般客も利用できる。宿泊料金は,VIPルームが1泊12万ウォン(約1万円),一般客室は4万ウォン(3,000円)。海水浴客で賑わうシーズンには,ほぼ満室になるという。
 伊藤理事長は,江陵大学の体育館に垂涎の様子であった。大型体育館は,天井が高く,観客席も用意され,床材は樫の木で,全てがアメリカ仕様であるという。これは,韓教授の自慢の種でもある。「日本では,ここまでお金をかけられない」と,伊藤理事長。

<宮廷料理とチャングム>
12:00から朴総長主催の昼食会。メニューは,伝統的な韓国の宮廷料理だ(嬉しいっ!)。食事処(「チョダン韓食」)の建物は,少し大きめの戸建て民家の様相。とても齢70とは見えない,初老の女性オーナーが店主である。彼女が,にこやかにそして上品に,次から次へと出してくる料理を,逐次,説明してくれる。どれもこれも美味で,人生の幸せを感じる。
小生は,韓国宮廷料理に少し思い入れがある。もう7~8年前になるが,そのきっかけは, NHKで放映された韓国ドラマ『大長今(デジャングム):宮廷女官チャングムの誓い』にハマってしまったことだ。
ドラマの前半では,チャングムがスラッカン(王様の料理を準備する厨房)の女官として生きる姿が描かれ(ドラマの後半ではチャングムが女医になる),料理番組を見るがごとく,ストーリーの展開に並走しながら,様々な食材と料理および調理方法を紹介していた。食の基本思想は,食を通じて人の健康管理を図ろうということだと知る。
日本でも「1日に30品目」の食材を採ろう,と栄養士が言う。少量多品種の食事は,栄養バランスを意識したものであり,王様が食べる韓国宮廷料理はその典型なのだろう。

<再び活魚の店へ>
午後は,国際関係教育センターの鄭さんが,車で近隣の名所(正東津など)を案内してくれた。そして,夕飯は,再び「活魚」の食事処(オファ刺身屋)で晩餐会。
ホストは,学生部長で体育教育学の尹相昊教授だ。自転車競技のアスリートであったといい,しばしスポーツ談議に花が咲いた。
食事処は,鏡浦海水浴場の海岸通りに隣接する食堂街の一画にあり,ホテルから徒歩で15分の距離だ。今回の「活魚」の店でも,当然のように,海ミミズが皿に盛られて出てくる。注意深く,これに箸をつけないようにしながら,活魚を堪能した。
食後には,江陵大学による車の手配を丁重にお断りし,腹ごなしと酔いざましを兼ねて,3人で歩いて帰った。

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