「聖書」と一致するもの

奨励動画 第5回「人生は空しい...か?」

今週のチャペルアワーの奨励(礼拝説教)の動画配信のご案内です。
第5回は、「人生は空しい...か?」というタイトルで、増田喜治先生(リハビリテーション学部教授)が奨励をご担当くださいました。



・5月26日(火)13時~
 奨励者:増田喜治先生(リハビリテーション学部教授)
 奨励題:「人生は空しい...か?」
 聖 書:旧約聖書 コヘレトの言葉 1章1~2節、4章9・12節、12章13~14節

一応補足しておきますと、このハイクオリティな動画編集はキリスト教センターの職員が行なったものではありません!増田先生がお知り合いに依頼されて編集してもらったそうです(笑)
映像技術はもちろんのこと、増田先生のお話からも"パッション"が伝わってくる映像になっています。

チャペルに集ってはいなくても、ぜひ心穏やかに神さまに心を向けつつご視聴ください。
なお、次回以降の配信スケジュールは以下の通りです。

・6月2日(火)13時~
 奨励者:黒柳志仁先生(国際文化学部准教授)

・6月9日(火)13時~
 奨励者:髙見伊三男先生(スポーツ健康学部教授)

乃木坂46新曲『世界中の隣人よ』のキリスト教的考察

乃木坂46ファン必見!?伝道師による前代未聞の「乃木坂46×キリスト教」のコラムです。

2020年5月25日、乃木坂46の新曲『世界中の隣人よ』(作詞:秋元康/作曲・編曲:taka)のミュージックビデオが公開されました。新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、自分たちに何かできることはないだろうかというメンバー自身からの問いを受けて制作された曲だそうで、自粛を続けることの大切さや、医療現場などで日々必死に頑張っておられる方々への応援などがこの曲には込められています。MVは、それぞれのメンバーの自宅などでリモートで撮影した映像が使用されており、メンバーたちもまた一人の当事者として自粛を続けている様子がうかがえます。


ところで、僕自身は別に乃木坂46というグループの熱烈なファンというわけではないし、彼女たちの活動を常日頃から見守っているわけでもありません。なんなら、「乃木坂46の曲のタイトルを一つ挙げてください」と言われたら、僕はこの「世界中の隣人よ」だけしか答えられません。では、どうして今回、この曲に着目したのか。それは、この曲のタイトルの中にある「隣人(りんじん)」という言葉が気になったからです。

「隣人」、この言葉はキリスト教の重要なキーワードの一つです。キリスト教の祖である「イエス」という人物はかつて、人々に次のような教えを説きました。「隣人を自分のように愛しなさい」(新約聖書 マタイによる福音書 22章39節ほか)。これは、元々は旧約聖書のレビ記19章18節に書かれている言葉で、イエスはそれを「最も重要な掟の一つ」として引用したのです。

隣人という言葉は普通、「となり近所に住む人」というような意味でしか使われません。「アパートの隣人から騒音に関する苦情がきた」とかですね(例えが悪くてすみません...)。まぁだからこそ、僕はこの曲のタイトルを見たときに「おっ」と思ったわけです。ちなみに、作詞を手掛けた秋元康氏がキリスト教の信者であるなどということは聞いたことがありません。でも、様々な分野に精通しておられる秋元氏ほどの人物であれば、「隣人愛」という言葉も、またその言葉が実は聖書に由来しているということも、きっとご存知なのではないかと想像します。

「隣人愛」という言葉自体はこの曲には使われていませんが、以下のようなフレーズがあります。

  隣人よ そこにいて あなたの想いは伝わっているから
  手を握らなくても そのは分かち合えるよ

アイドルグループの歌う楽曲にありがちなキーワードとして「愛」という言葉が挙げられるかと思いますが、この曲の中で歌われている「愛」は、他の曲に見られるような「性愛」を意味するものではありません。見やすいようにボールドで強調しておきましたが、上の2行の歌詞を囲い込むようにして「隣人」と「愛」という言葉が配置されているのがお分かりいただけるでしょうか。「性愛」ではなく、またただの「となり近所に住む人」への愛でもなく、「自分以外の他者」「世界中のあらゆる人」への愛、つまり「隣人愛」について歌われていることが、巧みに構成されたこの2行の歌詞には暗に示されているのだと読み取れるわけです。

もう一つ、気になった歌詞がありました。

  隣人よ 微笑んで 私と一緒に歌ってください
  壁の向こう側に この声は聴こえていますか?
  お互いに一人じゃないとわかって...

この中に「壁(の向こう側)」という言葉が出てきます。「壁」というと、僕はある聖書の言葉を思い出します。「キリストは、私たちの平和であり、二つのものを一つにし、ご自分の肉によって敵意という隔ての壁を取り壊し、」(新約聖書 エフェソの信徒への手紙 2章14節)。イエス・キリストは、異なる誰かと誰かの間に存在する「隔ての壁」を取り壊し、和解と一致、そして平和を実現してくださるお方である...。イエスが人々に教えた「隣人愛」を実践することで、自分と他者との間には「平和」が生まれる。そのように信じています。

ただ、今回この曲を聴いて思ったのは、「壁は絶対に取り壊さなければならないものなのか?」ということです。人間が他者との間に「壁」を作るのは、自分を守るためであり、自分の中に踏み込んでほしくない領域があるからです。それは、たとえば家族であっても同じで、「隠し事はしてはいけない」などと言って、親が子どものプライバシーを侵害するようなことがあってはいけません。夫婦でも、家族同士でも、親友同士でも、お互いの間に取り壊してはいけない「壁」が存在するのです。

もしかすると、隣人愛というのは、「壁の向こう側の誰かへの愛」というように表現できるものなのかもしれません。キリスト教においては、他者との間にある壁を乗り越えたり壊したりして実践するような愛が「隣人愛」であると聴くことがありますし、僕自身もそう思ってきたのですが、「隣人よ 微笑んで 私と一緒に歌ってください/壁の向こう側に この声は聴こえていますか?/お互いに一人じゃないとわかって...」という歌詞を聴いたとき、必ずしもそうじゃないのかもしれないという思いに至りました。壁の向こう側にいたとしても、それが誰か分からないとしても、その人のことを覚え、祈ることができるならば、それこそ本当の「隣人愛」なのではないでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の影響下においては、支え合いの精神、他者への愛、つまり「隣人愛」が不可欠です。自分勝手な行動によって、知らぬうちに、誰かを苦しめてしまうようなことがあってはならないからです。
乃木坂46のメンバーの思いが、この曲を通じて多くの人の心に届けられますように。そして「隣人」を自分のように大切にする愛が世界中に広がり、この危機を皆で乗り越えていけますように。

配信予告

明日は奨励動画配信の日です。
第5回は「人生は空しい...か?」と題して、増田喜治先生(リハビリテーション学部教授)が担ってくださいました。

・5月26日(火)13時~
 奨励者:増田喜治先生(リハビリテーション学部教授)
 奨励題:「人生は空しい...か?」
 聖 書:旧約聖書 コヘレトの言葉 1章1~2節、4章9・12節、12章13~14節

お楽しみに。

もうきた。

いつのまにか春がすっとんでいって、初夏がきています。
学生さんは11日からオンライン授業が始まりましたね!2月頃から時が止まったように感じる部分もあったかもしれませんが、これで新しい学生生活のスタートをきった感じなのではないでしょうか。

職員も接触をへらすために交代勤務になっていまして、自宅でブログを更新しようとすると端末の小さな画面で目がショボショボして(老眼の気配かしら・・・)文字入力に不安をおぼえるため、出勤日に書き溜めて投稿予約をすることにしていますので、ちょっとライブ感の少ない(?)更新が多くなっております。
あ、今回はライブです。
そんなわけで更新作業をしていると、なんとなく今この場所で発する「ことば」が、まったく違う時と場所に届くことがあらためて不思議に思えてきます。そんな気持ちで手元の聖書を見ると、何千年も前の中東で発せられた「ことば」たちのかたまりじゃないですか。今ここにあるなんてすごいことだなと思ったしだいです。

(伝道師じゃないほうより)

今だからこそ読んでみたい聖書箇所 その5(最終回)

ただの普通のクリスチャンの私がここ読みやすそうじゃないかしら?と勝手に選んでみた企画その5(最終回)です。
前回までは旧約聖書ばかりでしたが、最終回は新約聖書からおすすめしたいと思います。なんといってもキリスト教がキリスト教なのはこの新約聖書の部分があるからですから!新約聖書のなかにはイエス・キリストの伝記ともいえる福音書があります。4種類あって(一つにまとめたらいいのにというツッコミはなしで)全部おすすめですが今回のおすすめはマルコによる福音書です。

おすすめポイント1
キリスト教はイエス・キリストの生涯を知らないとまったくわけわからないので、ここを避けては通れない!ということで。
もちろん有名なエピソードや言葉が満載ですから、楽しく読んでいけますよ。

おすすめポイント2
4種類ある福音書の中で一番あっさりしているというか、シンプルにまとまっています。つまりちょっとだけ短いということ・・・。

クリスマスの話(イエスの誕生エピソード)が載っていないのでこれだけだとちょっと物足りないかも・・・という気持ちもなくはないぐらいシンプルです。その点ではルカによる福音書もありかなー、やっぱり福音書、1つ読んだら他の3つも読みくらべてみてください。という結論(?)が出たところで、今回のシリーズを終えたいと思います。

おうち時間に聖書を読むのはいかがですか?ただの普通のクリスチャンの私がここ読みやすそうじゃないかしら?と勝手に選んでみた企画その4です。
今回はやっぱり有名エピソードてんこ盛りの創世記(そうせいき)です。聖書の最初の書物、やはりここはおさえておきたい書物です。おすすめの中ではちょっと長めの86ページですが、そうはいっても100ページないのでまだまだいけますよね!

おすすめポイント1
超有名エピソードが満載!
ちょっとあげてみると・・・エデンの園、アダムとエバ、カインとアベル、ノアの洪水、バベルの塔、ソドムとゴモラ・・・どれか一つでも目にしたり耳にしたことはありませんか?美術、文学、映画、色々な形で影響しているものが多いのですが、それだけ作品になる面白さをもっているってことですよ!

おすすめポイント2
1つ1つのエピソードが短い!
だいたいどれも1~3ページほどの長さなので、細切れの時間でも読めます。たまに系図(〇〇の妻は△△で・・・というやる)がズラズラと書いてある部分もありますが真面目に全部読んで途中で心折れるぐらいなら、ざっと面倒なところはスキップしてしまいましょう。

おすすめポイント3
やっぱり聖書の最初ですから、読んでおくとキリスト教の「起承転結」の「起」の部分(後々大きく転結がくる)ともいえる書物。ここを読んでおけば、後半部分の理解度もかわってくる、はずです。

さて次回でひとまずこのシリーズは最終回ということで、次回もお楽しみに!

ただの普通のクリスチャンの私がここ読みやすそうじゃないかしら?と勝手に選んでみた企画その3です。

前回は中二病の心をザワつかせること間違いなしのコヘレトの言葉をご紹介したわけですが、今回はコヘレトの言葉と同じように、ソロモンという聡明で有名な王が書いた風の愛の詩、雅歌(がか)をご紹介していきます。

おすすめポイント1
愛の詩と紹介しましたが、本当に最初から最後まで愛の詩です。これってキリスト教の聖典だよね?っと確認したくなるほど神という言葉が1つも出てこない書物なので、神って言われてもね・・・となる方でも読みやすいのではないかと・・・。

おすすめポイント2
こんなラブソング聞いたことがないぐらい甘い、甘くて甘くて甘ーい、愛のポエムです。読んでいるだけでちょっと赤面しそうなほどの詩。現実世界で出会うことのない甘い世界にひたれます。コヘレトの言葉を読んで世知辛い気分になった時に読むと、落差にびっくりします。いやー本当に同一人物が書いていたらと思うと・・・

おすすめポイント3
11ページほどと短い。(毎回おすすめポイントで書いているような・・・)
甘さがクセになったころに終わるため中毒性もあるかも?

そんなわけでおうち時間に聖書、おすすめです!

ただの普通のクリスチャンの私がここ読みやすそうじゃないかしら?と勝手に選んでみた企画その2でございます。

今回は中二病の心をザワつかせること間違いなし、コヘレトの言葉です。
コヘレトの言葉は、ソロモンという聡明で有名な王が書いた風の言葉・・・詩のような格言のような知恵文学といわれる書です。

おすすめポイント1
なんと言っても、タイトルにあるように、中二病の心をザワつかせること間違いなしの言葉が満載。全体に流れる「むなしさ」が斜め上だか下だかを向きがちな気持ちをくすぐります。

おすすめポイント2
まあまあ短い。
16ページほど。
普通の単行本ぐらいたくさんあの文書が続いたら、ちょっと途中で胸焼けしそうですが、たった16ページなので何度も読んでコヘレトの言葉の世界観に浸るにもちょうど良い長さ。

おすすめポイント3
1の時に「むなしさ」を強調しましたが、よくよく何度も読むうちに・・・いや、ここからは私が書くのは野暮ってものなのでやめておきましょう。

けっこうな数のキリスト教主義学校のモットーだとかにもなっている有名な聖句もある名言集、ぜひ一回読んでみてくださいね。

今だからこそ読んでみたい聖書箇所 その1

先日「今こそ読みたい聖書」という記事をあげていたのですが、せっかくなので今回からシリーズで具体的に"時間がある"今だからこそ読んでみたい聖書箇所を数か所ご紹介していこうと思います。ただの普通のクリスチャンの私がここ読みやすそうじゃないかしら?と勝手に選んでみた企画その1でございます。

ではでは、今だからこそ読んでみたい聖書箇所 その1は旧約聖書の中のヨナ書です。
大きな〇〇〇に△△こまれてしまったヨナという人の話。

おすすめポイント1
短い。
とにかく話が短いのです。
なんとたったの3ページ!
(新共同訳の聖書では4ページ)

おすすめポイント2
短いわりに壮大なストーリー。
映像化したら見どころ満載になること間違いなし。各ページに盛りあがりがあるのに、さらりと進んでいきます。

おすすめポイント3
聖書の中でも有名なエピソードで、ミケランジェロが描いたシスティーナ礼拝堂の天井絵をはじめ、たくさんの芸術作品になっているので知っていると鼻高になれるかも。と書いているこの"鼻高"のキーワードにも反応しちゃうかも。

つまり、たったの数ページ読むだけで今まで素通りしてきたものが「おお!これはヨナの話のやつ!」という気分が味わえる(かもしれない)お得な聖書箇所です。
ぜひ読んでみてくださいね。

今こそ読みたい聖書

おうち時間に聖書でも読んでみませんか?

といって、読もうとするには聖書のこの厚みみただけでやめちゃいますよねー。
聖書協会共同訳01.jpg 聖書協会共同訳02.jpg

でも聖書って普通の本と同じように最初から最後まで一気に読まないとついていけない本じゃないんですよ。いわゆる短編集みたいなもので、書かれた年代、著者もバラバラ、伝記や歴史、詩、物語、法律、格言、手紙などなどジャンルもバラバラな66の文書が集まってできています。つまり、「なんかやだー」「つまんないー」「わかんないー」となったらおしまいではなく、次の文書に飛んでしまえば良いのです。そうやって自分の楽しめる文書を探してみるのもおおいにありです。
あ、もちろん最初から通して読むのもおすすめですよ。

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