<04>先生: 2011年2月アーカイブ
「フェノロサ夫人の日本日記」 杉村明子 ミネルヴァ書房

フェノロサは明治初期に最も日本文化を理解した外国人である。
特に近代日本の美術教育、文化財保護行政に尽くした。
その妻であるメアリー・フェノロサの日記である。
彼女はフェノロサが勤務するボストン美術館日本芸術部長の助手で、
フェノロサの後妻である。
彼女は新聞に寄稿しながら文筆家を目指していた。
彼女の日記はフェノロサが日本での勤務を終了し、
その後のボストン美術館日本美術部長を退職して、
再度日本へハネムーンとしてきた時のものである。
フェノロサはロンドンから、フランス、イタリアを経て、
カイロから「エンプレス・オブ・チャイナ号」で
スエズ、コロンボ、ペナン、シンガポール、香港、アモイ、上海に寄港して、
1896年7月6日に長崎に到着した。
神戸、横浜、東京、京都と四ヶ月間滞在している。
その間の日々を克明に記録している。
フェノロサが日本定住のために、就職活動に奔走する様子が手に取るように書かれている。
彼女の文章表現は繊細で、日本の文化と習慣を厳密に描いている。
原文を読んでみたいものである。
(River Stone 外国語学部教員)