問題解決のための代表的思考法の類として①批判的思考(クリティカルシンキング)
②論理的思考 (ロジカルシンキング)、③水平思考(ラテラルシンキング)等々があり
ますが、本書では研究テーマの見つけ方、そのテーマに対する思索の深め方について、
思考のための有効なプロセスを「体験的」に取り上げてくれています。
それを表しているのが、「朝の頭はそれだけで能率的」「思考の整理方法として寝か
せる」「発想のもとは個性である」「積んどく」「如何にうまく忘れるか」「とにか
く書いてみる」「声に出してみると脳は違った働きをする」等々のキーワード群です。
本著旧版は40年以上にわたり多くの学生に読まれ、思考法のバイブルともいうべ
き存在てす。昨今の生成AIの伸展では、「コンピューター」の情報の記憶と再生とい
う機能をさらに超えて、膨大な情報量をもとに人間の思考の個性にも迫りつつありま
す。これに頼り切ってしまえば独自性は到底育まれません。これを取り込みつつも、
更に今一度、今一歩、自分らしい「考え」とははいかにあるべきかということについ
て考えるべき時と言えるでしょう。
『思考の整理学 ワイド新版』-外山樹比古
(しろとり図書館スタッフ 東空)