授業・ゼミ風景の最近のブログ記事
今回は、経済学部 松本浩司先生の専門基礎演習にお邪魔してきました!
松本先生の専門基礎演習の授業では、開始10分間、学生は「演習ログカード」を書きます。前回の授業からの1週間における授業の取り組みの状況や、将来に向けた取り組みに関して、自己・他己両面から評価します。みなさん一生懸命書いていました。
さて、「演習ログカード」を書き終わると、今日の本題「ブルサ」が始まります。
本日は日本取引所グループ株式会社東京証券取引所が学校向けに提供しているボードゲーム型の教材「ブルサ」を使った授業です。
(※写真が「ブルサ」です。)
「ブルサ」とは、教科書で学ぶ経済や金融のしくみを、具体的なニュースによる株価の変動を通じて学べるボードゲーム型の教材です。様々な経済事象に基づく株価変動を通じて、経済の具体的な動きを理解できるようになっています。
まずは「ブルサ」のルールについて先生から説明されます。各々、250万円の資金を元手に株式投資など、資産を運用します。投資対象となる3つの企業(自動車製造、スーパー、アパレル生産販売)の特徴が読み上げられると、みなさんしっかりメモしていました。
前提条件が整ったらいよいよゲーム開始です。順次具体的なニュースが読み上げられます。
1つ目のニュースは「太陽電池で走る車、量産化決定」です。
ニュースをきいて3つの企業の株価の変動を予想し、株を売買します。
「株価が変化するところもあれば、変化しないところもある」と途中で先生がヒントをはさんでいらっしゃいました。
全ての班が予想し、株の売買を終えたところで、結果と解説が発表されます。
松本先生は「解説中に出てきたわからない単語についてはメモして後で調べるように」と、指示をされていました。これを着実に行えば、より授業内容が身につきますね。
2つ目のニュースは「景気回復、GDP拡大、ボーナスが上がる」です。先生は「景気が回復するとはどういうことか?」と用語解説をしてくださいました。
先生の解説で特に印象に残ったのは「景気の『気』は、気持ちの『気』でもある。景気は人の気持ちとも連動している」というお話です。経済学は一般人からすると難しそうなイメージですが、「人の気持ち」と言われると身近で親しみやすい印象を受けますね。
学生は、自分の予想した株価の変動と結果が違ったときには積極的に先生に質問していて、意欲を感じました。
その後ニュースが3つ目、4つ目...と続いたところで、今度は「人生カード」を引きます。人生ゲーム同様、カードの指示が資産に影響し、ゲームの結果を左右します。
その後5つ目、6つ目のニュースが続き、
最後は「金利が下がってきた」というニュースです。このフレーズだけでも経済学の要素がたくさん含まれています。
「金利を操作する機関は?」
「どうやって金利を操作する?」
学生に質問を交えながら、金利に関する基本も先生がしっかり解説してくださいました。
最後の最後にまた「人生カード」を引き、色々な声が聞こえる中、株の売買の時間は終了しました。
最終的に残った個々の資産を計算し、順位付けをしてみると、1位の学生はなんとスタート時の250万円から1600万円台まで資産を増やしていました。
1位の学生に感想をきいたところ、「みんなと(株に対する)素質が違う」と鼻高々!?
今回の「ブルサ」を通して株の売買にとどまらず、経済の基本もしっかり復習できたようでした!
"I am going to collect all the evaluation sheets later.And next week, I'm going to give you back the paper sheets to the groups or presenters. OK?"
自分のプレゼンを評価してもらえると、今後の参考になりますよね。
発表者は、次週、評価シートが手許にもどってくるのが楽しみなのではないでしょうか。
"Well, are you ready to start?I guess one presentation will be...maybe around 5minutes or if it's long, about 8 minutes or so. And if we have some time, you can also add some questions or comments after each presentation."
『これは何かわかるか?』
「あんかけスパゲッティ」
「これなんだろう?ネギがのっていませんか?・・・牛丼ですか?」
「ひつまぶしじゃない?」
「これはお弁当ですけれど、上にのっているのはエビフライと・・・コロッケかな?」
「それ、みそかつが載っているんだって」
『学食でエビフライ定食があると、「名古屋や」と思うで。京都にはなかった。』
『シロノワール!ある店の有名スイーツやね。今コレ、東京に飛び火してるんやってね。』
「マウンテンのスイーツパスタ!」
「いちごパスタとかありますよね、あんこが載っていたり。」
「それって美味しいの・・・?」
「コンビニでみつくろって。予算に合わせて買えるから。」
『名古屋(あるいは地元)で美味しいものって何?』
「みそかつ」
「みかん」
「静岡出身なので、お茶」
『ヤスゼルスキは、冷戦時代に社会主義だったポーランドという国の大統領だった人ですね。社会主義国家では、労働者が働いて得る生活の糧というのは、生きていくために必要だから得るのであって、その生活を楽しむとか、食べること自体を楽しむとか、味を比べてこっちが美味しいとかいうことは、道徳的に良くないことだ・・・堕落だ、と思い込まされてきたわけだね。
じゃあ、それをポーランドに強いていたソビエトの指導者たちもそうだったというと、そんなことはないんですよ。クレムリン宮殿なんかでは、めちゃくちゃ豪華な食堂があって、世界でもっとも高価な食事が饗されているわけだけれど、労働者階級にはそういうことをしてはいけないと。それは、ポーランドやロシアだけではなくて、つい最近まで中国も同様ですね。
日本はというと、江戸時代から「食を楽しむ」ことはあったんだけど、時として、普通の食事をちょっと超えると、もう「贅沢」という言葉が付いて回ってしまうということが起こるわけやね。
例えば、名古屋の食堂で"海老ふりゃぁ"が出たら、今なら普通だけれど、40年前は子供たちは飛び上がって喜んだわけですよ。それ以外の最高の料理だと、ハムカツ。ハムカツ知ってる?他の肉類なんて、そんなに出てこないけれども、そういうものが出てくると、貧乏な国でも楽しめる、喜べる。
ところが、社会主義の国家においては、そうではない。生活の為に食べるのであって、美味しそうに食べるべきではない、禁欲を貫かなければならないと。これは完全に曲がっているし、間違っているんだけれど、このヤルゼルスキは、指導者としてそれを国民に押し付けてきた立場にあったんだね。クレムリンの最高指導者は、その様子を尻目に豪遊していたわけです。だから崩壊していくわけだけれど。
で、ヤルゼルスキは、一市民にもどってみると、「飯を食う」ということは、ちょっと良いものだな、と思い始めるわけですよ。今までは、質素な食事で、ちょっと飢えているという状態が好ましかったのに、ちょっと良いもの食べて、ちょっと甘いものを食べて。
これと対極にあったのが、マリー・アントワネットが言ったといわれる「パンが無いのならお菓子を食べたらいいじゃない」というセリフですね。でも、そこには、悪気はないんやで。パンを食べられない、という状況が、わからなかったんだな。「私の部屋にもパンはないけれど、お菓子ならあるからお菓子を食べるわ」というわけで。
我々の感覚から言うと、飢えているだとか飽食だとか、あるいは喜びを持つか持たないかということは、本当に、生き方によって変わってくるよね。できることなら、みなさんには、食事は単なるエネルギー源ではなくて、食べる喜びに近付いてほしいと思いますね。
まぁ、話はそれましたけど、食の楽しみ方すら制限されていた、という状況が、当時のポーランドにはあった、ということやな。』
「 "敗者の味"っていうくらいなんでオチはどうなるのかと思っていたんですけれど、最後は割と良いじゃないですか。著者自身も、"敗者の味"もそんなに悪くない、と言っていますし。この話は難しいですけれど、短くまとめると、「食というものは、人生を左右する」ということだと思って。どんな食べ物でも、時間の無い時に食べる食べ物と、時間があって気分が高揚しているときに食べる食べ物って、同じものでも全然感じ方が違うじゃないですか。それと同じことを感じる話だな、って思いました。」
『この話の"敗者"っていうのは、ヤルゼルスキ元大統領のことですよね。社会主義政権を一生懸命守らなければいけないと思っていた指導者が、労働者階級のほうから攻撃されて、潰れていくんですよ。で、労働者はもっと民主化を望んでいるんだということがわかって。そういう意味では、国全体としては良い方向に向かっているわけやな。ただし、国が良い方向に民主化したからといって、経済が良くなるとは限らない。社会主義政権の時の方が、経済は統制されているから、必要最低限のものはみんなに行きわたっていたんです。ところが、民主化されると、それを簡単に手にできる人もいるけれど、職にも就けず、食事にもありつけない人も一方で出てくるわけです。だから、ヤルゼルスキは、自分の望んでいた方向とは違ったけれども、国全体はいい方向に向かっていて、「敗者」なんだけれども、「自由」というものを彼は確認する・・・ちょっとええ話やと僕は思っていますね。』
「ヤルゼルスキは、冷戦という緊張状態・・・いつソ連が介入してくるかもしれない中で、民主的な運動が起こり、ハンガリーの例や"プラハの春"のように軍事介入によって国が壊滅的になってしまうのを防ごうと思って、ポーランドを守るために独立自由管理労働組合「連帯」をおさえこむ戒厳令を出して・・・その中で『食べることは、飢えをしのぐのが目的だった』と語るのが、とても印象的でした。冷戦が終わって、罪に問われたりもしているけれど、家族と食べる楽しさを、やっと今、味わえているのが、幸せなことだなと思いました。」
「この大統領は戦争に負けてしまった人で、でも負けてしまったが故に家族と食べる幸せを手に入れたから、結果的に良かったと思います。」
『この話の当時は、国境の向こうにはソ連の戦車がいっぱい並んでいて、そういう状態の中で「連帯」が動き出していて・・・「連帯」って、造船労働者・鉄鋼労働者ですからね。本来は一番、ポーランドという国を支えてきた人達なわけですよ。その社会主義を守ってきた人達、そこから目覚めていったということです。そうすると、ヤルゼルスキから見ると、自分たちの足元を固めてくれていた人達、あるいは、彼らの為に僕は大統領をやっていると思っていたら、足元からどんどん雪解けしていくわけです。ふっとみたら、ソ連はこっち向けて、今にも攻撃しようとしている。そんな中で、自分から指導者としての色々な権限を放棄していく。すると、今度は一転、今まで人民を騙してきたとか、抑圧してきたということで、犯罪者になってしまう。個人的に悪い人でもなんでもないんだよね。だけど政治の流れの中でそうなっていって。そういう歴史をかみしめながら、家族と飯を食うのは、やっぱりええもんだな、と。』
『名古屋学院大学は、ポーランドとか中欧にスタディツアーをやっていますけれど、僕も一遍見てみたいと思いますね。ヤルゼルスキの時代というのは、報道でしか知らないしね。そこから雪解けをしたけれども、ポーランドは、今また経済的に厳しい状況にあるわけです。これからドイツが移民問題で経済的にしんどくなってくると、一番とばっちりを受けるのはポーランドだから、また同じ事が繰り返されないとも限らない。ひと時の雪解けを家族とともに楽しんでおかなきゃ、と思ったりしますね。』
『はい、今日は名古屋飯から始まって、ヤルゼルスキで終りましたけれど、食の地域特性の話でした。来週のテーマは、「食の自由・不自由」となっています。今日と似ているようで、ちょっと違いますから。』
************************************
・・・いかがでしたでしょうか。
木村先生のお話は大変興味深く、次週が楽しみになりました。普段何気なく行っている「食」が、歴史や文化の積み重ねで築かれたものだと思うと、手元の小さなお皿から、世界が広がっていくようです。
「文化交流論」は、国際文化学部の選択科目です。
興味のわいた国際文化学部生の方は、履修してみてくださいね。
チョッパー子
今回は、商学部髙木直人先生の「発展セミナー」に、再びお邪魔してきました!
本日の講義テーマは、「グループディスカッション その2」。
履修者にとっては、先週に引き続き、2回目のディスカッション練習です。
ディスカッションの基本については、必修科目「基礎セミナー」の教科書にも
書かれていましたね。
(※この教科書は、本学オリジナルのもので、大学生活から始まり、学内施設案内や周辺地
域の情報、学内コミュニケーションツールの使い方や情報収集の仕方、レポートの書き方、
プレゼンの方法、メールのマナーに至るまで、大学生に必要な知識がこれでもかと詰め込ま
れた1冊になっているのです!)
今日は、この教科書の「ディスカッションの基本」を踏まえつつ、時間制限を設け、
手法をアレンジしながら、実際にディスカッションを行いますよ!
今回は、素敵なごほうびも用意されています★
みなさん、気合が入りますね!!
さて、ここから本題です。
せっかくなので、このブログを読んでいるみなさんも一緒に考えてみて下さいね。
今回のテーマはこちら↓
「設問 このケースの問題点は何ですか?」
今回は、以前Bridgeでご紹介した赤楚先生の、「英語学講義1」の
授業にお邪魔してきました!
さっそく、どんな授業だったかのぞき見してみましょう★
■■■「英語学講義1」前半授業風景■■■
講義の前半は、黒板を使っての英作文です。
学生さんは、先生に当てられた問題の解答を、前の黒板に書きに行きます。
学生さん達の解答が出そろうと、赤楚先生は、1つ1つに訂正・解説を加えていきます。
英作文の解説だけでなく、「文章の中で出てきた地名がアメリカのどの辺りにあるのか」といったプラスアルファの知識も盛り込まれていて、とてもわかりやすいです。
「いつも言うてるけど、これしか答えが無い、というわけやないで。
ここにある答えが唯一の答えやないからな。
他の表現であってもかまわないし、自分の書いた文章で、
『これでもええんちゃうか?』っていうやつは、言えよー。」
先生がこう言うと、学生さんからは、自分の表現が正しいか、質問が出ていました。
このように聞いてもらえると、自分が考えている文章が正しかったか、ちゃんと確認できますね。不安を残すことなく、すっきり後半に進めそうです。
■■■「英語学講義1」後半授業風景■■■
「それじゃあ、後半のシンタックス (syntax:統語論)に入っていくぜー。」
さて、授業の後半では、いよいよネイティブの脳内文法研究の歴史を追体験していきますよ!
まず最初に、先週までの内容の簡単な復習です。
詳しい内容は割愛させていただきますが、先週までの内容では、ネイティブの脳内には、文法的な文を作り出すボックス(SYNTAX)があり、単語ボックス(Lexicon)と協力し文を作っていること、
さらに,
その文には、語順に関するルール(Phrase Structure Rules)が有り、このルールにしたがって、文が作り上げられていること、そのルールだけでは説明できない構文があることまで勉強しました。
※ここでは特別に解説をつけます。
「先週言ったけれども、日曜日辺りに、ノートを見直したか?
見直してなかったら、1週間丸々頭の中が消えてるから、
しっかり思い出さなあかんで。
先週のノートしっかり見てな。
では、今から言うフレーズの樹形図を書いて、
どのPhrase Structure Rulesが使われているか考えてみて。」
履修者は、樹形図を書く練習問題を解きます。
問題に当たった学生さんは、黒板に答えを板書し、先生が全員にむけて解説をします。
前半の文法問題と同じ形式ですね。
さて、せっかくなので、ここからはみなさんも一緒に考えてみましょう!
(問)代名詞は、文の内外の先行詞を指し示すことができますが、以下の4つ文のうち、
ネイティブには代名詞=Tomと解釈できない英文が1つだけあります。
それは、どの英文でしょうか?
① Tom loves his mom.
② Tom's mom loves him.
③ He loves Tom's mom.
④ His mom loves Tom.
答えは決まったでしょうか?
授業では、どの文だと思うか、履修者に挙手で意見を聞いていました。
答えは、③です。
でも、なぜこの文の代名詞"He"="Tom"と解釈できないのでしょうか?
この問題を考えるために、Phrase Structure Rulesを使い、
樹形図を書いてみます。
皆、作成できました。
さあ、ここから先は、今日新しく習う内容です。
研究が進んだ結果、新しく次の脳内ルールがあることが発見されました。
どんなルールかというと・・・
「代名詞は、先行詞をC-commandしてはいけない」
???
初めてこの授業を聴講したチョッパー子は、反射的に「難しそうだ、分からないかも」と思ってしまいましたが、そこに飛び込んできたのが、先生の言葉です。
「難しいことやってるんと違うで。
丁寧にやっていったら、誰でもできる。
『難しそうなことをやっているから、もうやめとこう』
と思って自分の頭を働かせることを止めたらダメだぜ。」
自ら考えること。
考えることから逃げないこと。
★Bridge★ の中でも、赤楚先生は、授業をするときに、このことを常に念頭に置いていると仰っていましたね。この授業でも、先生は、言葉を替え表現を替え、何度も話に織り交ぜて学生さんに伝えていました。
というわけで、難しそうではありますが、ここは我慢して、続きを見てみましょう!
まず、C-command(C統御)とは、何でしょうか。
樹形図を想像して下さい。
枝分かれしていく品詞のうち、図のCに注目して下さい。
Cは、1つ目の角より下にあたるD・EをC統御することができますが、上にあるA・B はC統御することができません。
このルールを、C-commandと呼びます。
ここで、先ほどの脳内ルールをもう一度見てみましょう。
「代名詞は、先行詞をC-commandしてはいけない」
これを、先ほどの4つの文に当てはめてみましょう。
授業では、当たった学生さんが、黒板に樹形図を書いて、先生に添削を受けていました。
"his"からさかのぼって1つ目の角の下に、"Tom"はありません。
これはOKそうです。
これも、"him"から逆のぼって1つ目の角の下に、"Tom's"はありません。
おや?こちらは、"He"から逆のぼって1つ目の角の下に、"Tom's"がきてしまっていますね。代名詞が先行詞をC-commandしてしまっています。
ネイティブ脳内ルールでNGが出るパターンにあたります。
このせいで、③の代名詞は、Tomを指すと解釈できないのですね。
こちらは、"His"から逆のぼって1つ目の角の下には、"Tom"はありません。
この「代名詞は、先行詞をC-commandしてはいけない」という脳内ルールの発見に、30年という歳月が費やされたそうです。
さあ、今日の授業では、ネイティブの脳内では、Phrase Structure Rulesのような線形の考え方だけでなく、階層的な情報を頭の中で扱っているのではないか、脳の中では階層に係わる情報を利用しているのではないか、ということが分かりはじめたところまで研究の追体験が進みました。
どの言語が母語であっても、誰から教えられることなく、私たちは、こういった脳内ルールを持っているのだそうです。こうしたことが、研究の結果、1つずつ発見されていったのですね。
来週は、どのように研究が発展するでしょうか。
赤楚先生が仰っていたように、来週までにノートを見直して、今日の内容を忘れないようにしないといけませんね。
高校までの勉強と違い、大学では、自らテーマを決めて研究することが求められます。
文系の研究の追体験がしてみたい学生さんは、是非、赤楚先生の「英語学講義1」を履修してみてくださいね!
チョッパー子
今回は、前回の★Bridge★でご紹介した
飯島滋明先生の「平和学入門」の授業にお邪魔してきました!
「平和学入門」は、平和にかかわるさまざまな問題を紹介し、
学生の皆さんなりの考え方を身につけてもらうことを目標とした授業です。
本日の講義のテーマは、
『「ヒロシマ」「ナガサキ」と原子爆弾投下』 。
初めに、「ヒロシマ」「ナガサキ」に投下された原子爆弾についての映像資料を視聴しま
した。
原子爆弾に関する資料映像は、日本で生まれ育った人ならば、一度は目にしたことがあるの
ではないかと思いますが、いつ見ても胸がしめつけられ、戦争の恐ろしさを感じます。
映像資料のあとは、いよいよ、講義です。
講義は、「第2次世界大戦(1939年)が始まった時には、日本はすでに戦争状態だった」
というところから始まりました。
満洲※1事変、日中戦争、第二次世界大戦、太平洋戦争、戦争の状況の変化から原爆投下、
ポツダム宣言受諾まで、アジア・太平洋戦争のながれを復習しながらも、具体的な数字や
例・逸話に資料などを交え、多角的な視点から当時の事情がひもとかれていきます。
(※1「シュウ」の字は、現在、歴史の専門家の間では、「洲」を使うことが多いそうです。ここでは、教科書で習った歴史は、不変ではないのだということも学びました。)
※ ※ ※
さて、ここからは、授業の内容に少し触れながら、チョッパー子が見つけた、
先生の授業の工夫を5つほどご紹介していきます★
<工夫①>資料の活用
授業では、アジア・太平洋戦争の流れをまとめたものと、それに関する資料が配布されました。
資料には、国連人権理事会の資料室に掲載されているパネル(一部)の画像を印刷したもの
があり、世界的に見ると、「1931年9月、日本軍が中国の満洲地方を宣戦布告なしに侵略
する」と記されていることが分かります。
また、タイの「死の鉄道博物館・調査センター」掲示の"Japan Invades Asia"のマップ
からは、日本がいかに広範囲の国々に侵攻していったかが分かります。
配布資料とは別に、真珠湾攻撃に関する資料として、先生は、当時のアメリカの新聞を見せて下さいました。
ハワイといえば、人気リゾート地ですが、現在でも海軍基地に行くと、当時の新聞などが買えるそうです。
先生が見せて下さった新聞には、"WAR DECLARED "と大きく見出しがありました。記事は、3千人が日本の攻撃により亡くなる、といった内容だということです。
こういった海外の資料は、戦争を色々な視点から見ることに役立ちますね!
<工夫その②>私見を交えない話し方
先生の授業では、"先生の私見"がほとんど出て来ません。
起こった出来事や、その理由、具体的な数字などの積み重ねで話が構成されており、
「私は~と思う」という先生の私見が極力取り除かれているのです。
学生のみなさんは、終わりに、今日の授業の内容をレスポンスシートに5行以上でまとめた
上で、私見を書きます。
チョッパー子には、学生さんたちの私見に及ぼす影響を極力抑え、自らの意見を大切にして
もらうための工夫に感じられました。
(注:このブログ記事はチョッパー子の私見満載です。
その点に留意して読み進めて下さい。)
<工夫その③>具体的な数字や例を示す
前回の★Bridge★内でお話がありましたが、飯島先生のお話は、非常に具体的です。
例えば、原爆の威力についてのお話では、以下のような説明がありました。
「4000℃の熱って、想像できますか?
広島に投下された原子爆弾では、4000℃の熱が、30~40秒続きました。
(広島の被害状況を大学で置き換え、この教室に原子爆弾が投下されたとすると)
距離的には大学から金山駅くらいまでは何も残らない状況でした。
一面焼け野原ですね。」
他にも、空襲に関することだけでも、こんなに具体的な数字が使われていました↓
「東京大空襲ではわずか2時間の爆撃で10万人死亡、100万人が家を失いました。
それまでの戦争で、2時間の戦闘で10万人死んだ例はありません。」
「日本の66都市が空爆を受け、名古屋では、8千人ほどの人が亡くなっています。」
「名古屋を含む、模擬爆弾(いわゆるパンプキン爆弾)による原爆投下実験が30都市で
行われました。」
「沖縄上陸戦では、約20万人が亡くなりました。
民間人が約9万4千人含まれているといわれています。」
「長崎では、1945年12月までに、7万3千人の方が、亡くなったと言われています。」
具体的な数字や、知っている場所に置き換えることで、イメージの手助けになりますし、
記憶に残り易くなりますよね。
<工夫その④>Q&A方式で要点を整理
先生は、まず疑問を投げかけてから、内容を解説する、という順番で話されることが
多かったです。
例えば・・・
「ポツダム宣言は、なぜポツダムで行われたのでしょうか?
ポツダムって、どこかわかりますか?
ポツダムは、ドイツの都市で、しかも軍事都市だったのです。
"ドイツはもう降伏しているんだぞ、日本も降伏しろよ"という意図を含ませて、
わざとドイツで開催したんですね。」
他にも、
・なぜ日本は、絶望的な状況にありながら、なかなかポツダム宣言を受諾しなかったのか?
⇒「今降伏したら、天皇が殺されるかもしれない!」との考えから、降伏しなかった。
・広島・長崎に投下された原子爆弾の威力は、どちらが大きかったのか?
⇒投下された原子爆弾の名前: 広島:リトルボーイ 長崎:ファットマン
名前からも想像できる通り、持っている威力は長崎の方が大きかった。
・なぜ原爆が投下されたのは、広島と長崎だったのか?
⇒第1目標は広島だった。これはアメリカ人の捕虜が居ないとされていたからであり、
また、中国地方最大の軍事都市であったから。
第2目標は九州の小倉だったが、この日、小倉には雲が多く、爆弾が投下できなかった。
飛行時間にも制限がある為、第3目標である長崎へ向かったものの、こちらも雲が多かった。
しかし、雲の切れ目が一瞬できたことから、そこに爆弾を投下した。
なので、広島はほぼ狙った場所に投下できたが、長崎は市の中心地からかなり離れた
場所になった。原子爆弾を投下した飛行機は、燃料が残りわずかであったため、沖縄に
着陸した。
このように、
「押さえておきたいところ」が初めに問われて明確だと、話が頭に入り易くなり、
流れがおさえやすくなりますね!
<工夫その⑤>今日の授業は、次に繋がる
授業中に、そこここで使われるフレーズがあります。
そのフレーズは、こんな風に使われます↓↓
「・・・日本が唯一のヒバク※2国という言い方は正しくありません。当時広島の人口は
約35万人でしたが、広島への原子爆弾投下で、1945年12月までに亡くなったのは、
朝鮮人韓国人約2万人を含む、約14万人とも言われています。
なぜこんなに朝鮮人韓国人が広島にいたのか?
それは今後授業で話します。」
きゃー!
先生、その話、そこで終るのは殺生というものです!
唯一のヒバク国じゃないって、どういうことですか...!?
どうして?
どうして広島には、当時そんなに多くの外国人がいたのですか?
続きが聞きたい...!
他にも、授業のそこここで、「詳しくは次回」「今後」のお話が沢山!
これは、授業を欠席するわけにいきません。
千夜一夜物語ではありませんが、次回を期待させる工夫のひとつかと思います。
(※2原子爆弾投下など、戦争行為の際には「被爆」という漢字を、
原子力発電の事故などの際には「被曝」という漢字を、
両者を合わせた場合には「ヒバク」と表記されることが多くあります。)
※ ※ ※
授業にお邪魔してみて、飯島先生の授業は、興味深くあっという間に惹きこまれ、なおかつ
考えさせられるものでした。履修者250人を超える授業であるにも関わらず、響くのは先生
の声のみ。学生さんはみんな、話に聞き入っていました。
チョッパー子も、叶うことなら、毎週逃さず聴講したいくらいです。
そのチャンスがあるのは、他でもない、このブログを読んでくれている学生の皆さん、
あなたたちです!
まだ先生の授業を受けたことのない学生の皆さん、是非、
飯島先生の「平和学入門」を履修してみてくださいね。
チョッパー子
今回は、商学部髙木直人先生の授業「発展セミナー」にお邪魔してきました!
「発展セミナー」では、企業が学生に求めている様々な要素の中から、
特に「やる気」について考え、自らにとって意味ある大学生活を描ける
ようになることを目的とした授業構成がなされています。
内容の前に。
この授業、入室した瞬間から、ちょっと変わっているのです。
というのも、座席が、1年生、2年生、3年生で分けられており、
授業内で出た下級生の疑問質問に、上級生が答える、というスタンスを取っているのです。
先生が、1年生に質問を投げかけてわからないと、今度は上級生に水が向けられます。
1年生にとっては、分からないことを知ることができ、
上級生にとっても、おさえておきたいことの確認になりますね!
さて、それでは早速、「発展セミナー」の授業風景を見ていきましょう!
本日のテーマは、
「学生生活を充実させるために必要な学習計画表の作成」。
授業は、資料を使って進められます。
■1週間の予定表【大学時間割】作成
まずは、配布された資料に、1週間の授業の時間割を書き出します。
1年生はパソコンを持ってくることになっていて、CCSの履修登録表で自分の授業
予定を確認します。1年生は、上級生や先生から教えてもらい、
画面の見方や先生への質問メールの送り方などを、その場で体験しながら学びます。
先生は、1人1人に気を配りながら、きめ細かい指導をされていましたよ!
ちなみに、上級生は、スマートフォンで履修登録表の確認を行っていました。
先生の口調は、優しいけれど明快な関西弁。
とっても親しみやすく聞きやすいのです!
「1コマの授業に、どれくらいの予習・復習時間が見込まれているか知ってるか?
大学で90分講義、家庭で180分の勉強が、大学で1コマ分の単位をもらう
ということの条件や。1週間で、どのくらい勉強しないとあかんか?」
先生のこのセリフに、学生さんたちからどよめきが。
愕然としている様子も見受けられました。
ここでは、先生から、大学での学習ペースや予習の仕方、
時間配分のコツや単位修得ペース、就職活動と学業の両立など、
4年間の大学生活を俯瞰するのに必要な考え方を教えていただきました。
■1週間の予定表【大学以外】作成
次に、アルバイトなどの大学以外での予定を書き出していきます。
「朝、何時に起きるか書いてみ。時間割と連動するはずや。
これが健康管理になるんや。」
先生が、学生さんたち身に付けてほしいことの一つとしてお話しされていたのが、
自分で健康管理をする大切さです。
「...アルバイトばっか入れたらあかんで。バイトするなとは言わへん。
けど、バイトはあくまでも、学生生活をエンジョイするためにするもので、
学業に支障を出すほどするものではない、ということ。」
自分で自由にできることが多くなる大学生だからこそ、生活習慣が乱れてしまうこともあります。
先生は、アルバイトの失敗例や、睡眠時間についての知識など様々なエピソードを交え、
自己管理の大切さ、そのために必要な情報や、判断能力を養うことについてくり返し
注意を与えていらっしゃいました。
さて、1週間の予定がわかったところで、ここからさらに、
「将来の夢のために使う時間」
「健康管理に使う時間」
「検定取得や就職関係に使う時間」
を曜日別に書き出していきます。
「長い目で見なければならないこと、 瞬間的に判断しなくては
いけないことを、よく考えてな!」
学生さんたちが書き出しを行っている間にも、先生からは、
学生さんたちのキャリアプランニングの手助けになる情報が、どんどん提供されていきます。
正規雇用・非正規雇用の生涯年収差や、退職年齢・退職後に必要な蓄えについてなど、
具体的な数字を用いたシミュレーションは、自分の思い描く未来をどう実現していくか考えるのに、
大変参考になります。
■「将来の夢のために使う時間」について
「夢は持ってください。 自分では"こんなんでええかなー"と思うことでも、
夢を持つのは自由だから。夢もない人生なんて、面白くないやん、なぁ?
何でもええよ、夢!」
先生の好きな言葉は「年中無休」ではなく「年中夢求」。
そのあたたかな口調からは、学生さんたちが自分の夢を見つけて、その夢に向けて努力ができるよう
応援する気持ちが伝わってきます。
ちなみに先生の夢は・・・ここでは内緒。
気になった方は、ご本人に、聞いてみてくださいね!
■「健康管理に使う時間」について
「健康管理、これはムチャクチャ大事。
ええか? "太く短い人生"は、ほとんどありえません。
最近は、"細く長く"生きてるかな?
自己健康管理ができないことで病院生活を送るなよ(笑)
だから、"健康大事!"っていう意識は今から持っておいてください。
みんな "健康管理やろう!"と思わな、やりませんから。」
先生は、ご自分でなさっている健康管理の方法を引き合いに、ユーモアあふれる、
でもとても大事なお話をしてくださいました。
まずは意識すること。
学生さんたちは、お話しを聞いて、自分で健康管理する大切さがよくわかったのではないでしょうか。
■「検定取得や就職関係に使う時間」について
「資格講座の説明会、聞きに行った人、手挙げてみ。
...はい、みんな、資格ってどんなものがあるかわかるか?
聞きに行かなわからんよな。
だから、講座を受ける受けないに関わらず、説明は聞きに
行ってください。」
先生からは、1年時の必修科目である「基礎セミナー」のテキストを用いて、
商学部生にお勧めの資格や、
"こういった分野の職業に就きたい人は●●の資格を持っておくと良い、取得するなら●級を" など、
夢を形にするための行動目標となる情報も盛り沢山に提供されます。
...改めて確認してみると、学生生活は思った以上に忙しいのではないでしょうか。
自分の生活をイメージしながら書き出しを行うことで、どんどん、自らの大学生活が
彩られていきます。
また、すべきこと・やりたいことを具体的に書き出すことで、自覚が促される効果もありそうですね!
■「自分らしさ」を見つめなおす作業として、「人生年表」の作成
授業後半では、「学生生活を充実させるために必要な学習計画表」に自分で書き出したことをふまえ、
「自分らしさ」を見つめなおす作業として、「人生年表」を作っていきます。
しかしこの人生年表も、一味違うのです。
なんと、今までの人生だけではなく、62歳まで書く仕様になっているのです!
「 "自分の人生は、自分で考えないと誰も助けてくれませんよ。"
ということで、"今までの私"と"これからの私"を、しっかり
書いてみてください。
結婚したかったら、いつくらいに結婚するか具体的に書いてもいいし、
一生働きたければ一生働くと書けばいい。
車が買いたかったら、いつ頃どんな車が買いたいか書いたらいいし。
書けることを書いてください。」
最近では、大学でキャリアプランニングの仕方を学んだことを前提に、入社後の将来設計を
エントリーシートに書かせる企業もあるのだとか。
自分の人生を、自分で設計できる人材が求められている、という企業の考え方も同時に学びながら
、学生さんたちは、自分の将来を描き出していきます。
「これ、ええんちゃう?」
年表全部を埋めることはなかなか難しいですが、先生が、記入できている部分から話を広げる
お手伝いをして下さいます。
探してみると、個性がキラリと光る部分が出てくるのですね。
思わず前の席の子が振り返ってしまうくらい、面白そうなエピソードもあったようです。
「先生は、何歳で結婚したんですか?」
先生ご本人の人生についての質問も出ていました。
先生は、笑顔で、色々とお話をして下さいました。
この後宿題も出され、充実した90分の授業でした。
どうでしょう、詳しい授業内容が、知りたくなりませんか?
チョッパー子は、どのお話も、学生さんたちが「これから」を思い描く手助けになるものばかりで、
夢がある人も、まだ何をしたいかわからない人にも、必ず役立つ内容だと感じました。
商学部生のみなさん、是非、髙木先生の「発展セミナー」を履修してみてくださいね!
チョッパー子
今回は、前回の★Bridge★でご紹介した榎澤幸広先生の授業「現代社会と法律」にお邪魔してきました!
「現代社会と法律」は、履修者250人を超える、大型授業です。
しかし、そんな大人数にもかかわらず、私語がありません。
★Bridge★でのお話にもありましたが、真面目に勉強している人のために、
私語厳禁が徹底されているのです!
みんな授業が始まった瞬間から、先生の話に集中しています。
この授業では、まず初めに、前回の授業の簡単なまとめを行います。
まとめは全員がそれぞれに行い、任意で、前に立って発表してもらう形式でした。
多くの人の前でのプレゼンは良い経験になりますね!
授業で使用する資料を配布する間、タイ・コンケン大学への短期留学の紹介がありました。
先生ご自身の中国留学の体験をもとに、語学力向上や日本文化の良い点・悪い点の発見が
あったこと、スイカの屋台の方と仲良くなり、その際に友好関係を築くために工夫された点
など、コミュニケーション力アップのヒントがたくさん詰まったお話を伺うことができました!
「法律の授業で留学のススメ?」と思われるかもしれませんが、これが後々効いてくるのですよ~!
さて、資料も学生さんの手に渡り、いよいよ今回のテーマに沿って問題を検討していきます。
今回のテーマは《なぜ、法律が必要なのか?》。
先生の作ったお話をもとに、法律の必要性について考えていきます。
お話は、あなたが船の難破で、無人島に辿り着くところから始まります。
食料はたくさんありそうですが、人は誰もいなさそうです。
ここで第一問。
①あなたはここで、どのように生活しますか?
制限時間は5分なので、みんな、静かに集中して考えます。
制限時間の後は、周りの人と意見交換をします。
自分の考えを周囲にいる人達と共有し、比べてみると、
自分と似た考え方や、異なる考え方、いろいろな考え方に出会うことができます。
食料は豊富そうなので、当面無人島で生活していくという意見、
すぐにSOSを出すという意見、
イカダなどを作って島を脱出するという意見・・・
みんな色々な意見を持っていましたが、
他人からの制限を受けず、"何でも自由にできる生活"であるという点が問題①のポイントです。
さて、お話は進み、次の問題です。
数か月後、島に新たに2人の人間が流れ着いてきました。
幸い同じ言葉を話し、同じような文化を持つ人たちでした。
②あなたは彼らとどのな生活をしますか?
ここで再び5分のシンキングタイムです。
今度はどのような意見が出たのでしょうか?
再び周囲の人と意見交換タイム★
榎澤先生は、学生さんたちがどんなことを書いたのか、教室内を回って見ていきます。
その後、この検討問題2では、榎澤先生の目に留まった学生さんに意見を発表してもらいました。
新たな仲間と協力しあうという人、お互いに距離をとって生活していくという人・・・
わずか数人に聞いただけでも、意見は様々です。
さて、新たなメンバーが加わった無人島には、"他人との関係"が発生しました。
3人という少人数ではありますが、"社会"が生まれたわけです。
"社会"は英語で"society"ですが、福沢諭吉がこの英単語を初めに訳した時には、
"人間交際"と訳したのだそうです。人と人との関係を築くこと、という意味合いの
単語なのだそうです。
さて、人が人との関係を築こうとするときは、お互いが仲良くしていくためにルール(法律)が必要になります。
法律というと、悪人を罰するのが目的のような気がしてしまいますが、
本来は、みんなが仲良くするために考えられたものなんですね。
このことは、この授業の中だけでも、先生は何度も繰り返していました。
法律の本来の存在意義、重要事項ですね!!
最終問題では、無人島だと思っていた島に、先住民族がいることがわかります。
この島に関する知恵をたくさん持っているようですが、言葉や文化が全く違います。
③あなたは彼らとどのような生活をしますか?
さて、本日最後のシンキングタイム&意見交換です。
先住民族に生活の知恵を教えてもらう、協力しあって生活する、
あるいは、彼らとは別々に暮らすなど、ここでもさまざまな方向性の回答がありました。
どのような形にしろ、
諍いなく生活していくためには、お互いの事情を考慮したルールが必要になりそうです。
また、法律のもう一つの役割は、
諍いが起こり、憎しみの連鎖と復讐が繰り返されることを防ぐことなのだとか。
なるほどです。
検討問題③では、社会がより複雑になり、多文化・多言語状態になりました。
社会が複雑になればなるほど、ルールも複雑になってきます。
「法律って難しいな。」
「なんでこんなに膨大で細かいことまで書くのかな?」
そう思われるかもしれませんが、「言った・言わない」で争いにならないように、
言葉や文化が違えば違うほど、文書にして細かくルールを示しておく必要がある
のだそうです。
ほんの短い1文にも、争いを避けるための知恵が詰まっており、
それが積み重なったものが現在の法律なのですね。
お互いの言語や文化を理解しようとする相互努力は、歴史のいたるところで繰り返されてきました。
さて、学生のみなさんは、言語や文化の相互理解の手段として、どのような手段があると思いますか?
その一つの形が、留学ですよね。
チョッパー子はここで、冒頭で先生からあった"留学のススメ"にピリリと説得力が加わったなぁ~と感じました★
なぜ、法律が必要か?答えが示されたところで、今回の授業はここで終了。
学生さんたちは、今日の検討問題3題に対する自分の意見と、
今日の授業で得たこと学んだことを3点以上書き出したレポートを提出して帰ります。
退出時も徹底されているのが、私語厳禁のルールです。
これはもちろん、まだ真剣にレポートを書いている人のため。
"まじめに勉強をしている人を大切にする"という先生の姿勢が、
最後の最後まで貫かれています。
授業を受けてみると、法律というものが、歴史的背景や、文化の違いなどを考慮し、
この国に住む人たちが仲良く共存していくためのルールだということが非常に分かりやすく
体験できました。
重要な部分は、説明の中で何度も視点を変え言葉を変えくり返し出てくるので、
しっかり覚えられますね★
どの学部の学生さんにもお薦めできる内容で、
早く次の授業が聞きたい!とワクワクするような授業でした♪
チョッパー子
今回は、経済学部教授 児島完二先生の13週目7/8(火)1限 情報経済論にお邪魔しました。
児島先生の授業は、本学独自のICTシステム(=CCS)を全面的に取り入れたスタイルです。
先生のシラバスには 【学習到達目標:「実力がつく」授業を目指します。ネットワークの関連知識では、講義開始時よりも理解が深まるようにします。具体的には、就職活動や社会で活躍する時に必要となる情報ネットワークに関する基礎知識を確立します。】 と記載があり、昨年12月に掲載したBridge No.3のインタビューでは、 「いかに全体の満足度を高めるかが腕の見せ所!」と授業に対する思いを話して下さっています。
そんな児島先生の、履修者100名で大教室での授業をご紹介します。
この授業の一部ではパソコンを使いますが、児島先生はパソコンの代わりにスマートフォン(以下、スマホ)の使用を許可しています。スマホからもCCSにログインできることは学生の皆さんもご存知ですね。
先生の授業は、課題(宿題)や授業内の小テスト、その日の授業の理解度調査までもCCSのメニューを活用して行っているのが大きな特徴!
どのようにCCSを活用しているのかを以下にご紹介します。
①「予習」と「小テスト」
この授業を履修している学生さんは、日頃から「授業の予習をCCSの「自学自習」システム」で行います。選択問題が10問程度設問されており、これを予め解いておくことで授業の内容も頭に入りやすくなります。
(^^)予習していれば満点取れるはず!
問題を解く様子→
スマホなら移動中やちょっと空いた時間にサクッと問題を解くことができますね!
②提出課題(宿題)の評価・講評
小テストが終わると次は先週の宿題でもある「ミニッツペーパー」の評価が始まります。
先生は、提出された解答の一覧をスクリーンに映し出し学生に紹介していきます。良い解答は褒め、そして何が良いのかを皆で共有します。逆に、良くなかった解答は、何が良くないのかを説明し共有します。「答えが間違っている」という指摘ではなく、内容は合っていても自分の言葉で書けていないもの(インターネットで検索して貼付けた誰かの文)だったり、箇条書きの解答はnot goodと評価されます。学生は、紹介された解答が自分のものとすぐに気づき、ドキッ!とします。もちろん、他学生の解答も集中して見ています。しっかり説明されるので、自分の解答でなくとも、参考になります。
1対多数の授業であっても、1対1の気分になれる工夫がここにあります。
③授業の進行はiPadで
今日の授業テーマは『#13 Webの進化と社会の変化』
世界的に有名なGoogleをモデルに話が進みます。Googleがいかにして私たちの社会、特に経済社会に変化や影響を与えてきたかという内容です。
そして、授業を進める先生の特徴がここにも!
授業の内容や資料は全てiPadに用意されていて、先生は手元のiPadの画面を、プロジェクタを使ってスクリーンに投影しています。先生が「ここが大事!」など強調させたいときはiPadのアプリを使ってPDFの画面に書き込むとそのまま投影されます。話の流れに沿って強調されるので、学生の皆さんにとっても、すぐ分かる上に見やすくて、理解しやすいようです。
ほぉ~!ハイテクな時代ですね~(゜o゜)!!
授業内容を終えると、本日投影したiPadのスライドを一通り復習します。
もしも板書が追いついてなくても、同じスライドをもう一度見ることができるのは嬉しいですね!先生自身にとっても、パソコンより準備が簡単で、手軽に授業で使える所がiPadの魅力の一つなのだそうです。
④宿題(ミニッツペーパー)
復習の後は、今日の宿題となる「ミニッツペーパー」に取り掛かりました。
■本日のお題は『Googleの検索技術であるページランクを授業で説明したように簡潔に述べる。』
お題は授業の冒頭でも、「今日の課題は○○だからしっかり授業を聞いておいてください」と、予め案内がありました。
学生の皆さんは提出期限(当日22時まで)にこれを仕上げなければなりません。
みんな頑張れ!
⑤学生の理解度に沿ったおさらい小テスト
今回は授業の最後におさらいの小テストも行いました。もちろん小テストはCCS上にありますので、各自パソコン or スマホ で解答します。
この小テスト、実は学生のみなさんが毎授業後に行っているCCSの「授業理解度調査」の結果をもとに、児島先生が必要に応じて実施しているものだそうです。当日の授業の理解度を学生の皆さんが4択の中から回答します。
「わかりにくかった」「わからなかった」という反応が特に多かった回の授業内容を、この小テストで振り返り、フォローすることで、学生の皆さんにより理解を深めてもらえるよう工夫されているのです。
このように様子を見ながら先生が察知して工夫してくださるので、「自分だけが理解していないのかも・・・」「先生に分りませんと言えない」などの不安な気持ちを抱える学生も、安心して取り組むことができますね。
そして、ここでも特徴を発見!
小テストの回答率や残り時間などを示す画面がスクリーン上に映し出されています。
この授業の履修者数に対し、今テストを行っている受験者数やその回答率が一目瞭然!
実はこれで "真の出席" も分かっちゃいますね (-_-)!!
この日も、授業が終わってから当日22時までに学生の皆さんは「授業理解度調査」をポチっとクリックして先生に自分の理解度を伝えました。これこそ、先生と学生とで『授業をより良いものにする働きかけ』の一つですね!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
この様に、児島先生の授業は、本学独自のICTシステム「CCS」を駆使した、
「分かる・身につく・力になる」授業でした! CCSという有効なツールと先生の工夫で、大人数の授業がスムーズに行っていてすごい~!
ブログを読んでみて気になった経済学部生の方は、是非、先生の授業を履修してみてくださいね。
チョッパー子