★Bridge★の最近のブログ記事

★Bridge★No.44 持田 辰郎 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・


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法学部 持田 辰郎(もちだ たつろう)先生です。

 

持田先生は、「哲学史」「哲学と人間」「心身関係論」「日本語表現」などの科目を担当されています。

それでは、そんな持田先生の思いをご紹介★

 

 どんな思いをもって、授業に臨んでいらっしゃいますか? 

 

■なぜ哲学を研究しようと思ったのですか?

 

なんとなくかっこいいから!それだけです(笑)

卒業論文のテーマがデカルトだったので、そのまま研究を続けてきましたね。

 

■哲学の面白いところは?

 

良く言えば全く自由で、悪く言えば何の基準もない学問なので、極論「事実などというものはどうでもいいのだ」と平気で言えて、自分の頭さえあればいいと(笑)そういう意味では気楽かな。

 

■学生はどんな内容に興味を持ちますか?

 

僕が「これは面白いだろう」と思っている話は、意外と学生の食いつきが悪かったりして(笑)

かと思えば、僕が「こんなものは当たり前で、授業でやるほどでもないかな...でも一応話しておかないと」と思っていたものに感動してくれたり。学生、わかんない!(笑)

 

流れや説明の仕方をしっかり決めておくと、ダメみたいですね。なんだかしっくりいかない。緊張感がなくなるんだろうね。進行を意識するあまり、学生の顔を見なくなるのかな。言い方が悪いかもしれないけれど、なりゆきまかせに近い方が良い手ごたえのことが多いですね。

 

■何回かレポートを書いていると、学生は変わってきますか?

 

変わってきますね。

きちんと出席して、文章を書こうという意志のある学生は、俄然良くなります。

文章が書けなかったのが書けるようになったり、最初はプリントの中身や僕の言葉でしか書けなかったのがだんだん自分の言葉で書けるようになったり。

といいながら、全然変わらない学生もいますけれど(笑)

やっぱりしょっちゅうサボる学生は変わりませんね。

 

■学生に伝わったらいいと思う面白い点は?

 

みんなが当たり前だと思い込んでいることが、実はそうでもないんだよ、と分かってくれたらいいですね。大抵の話は"当たり前"じゃないんだよね。

色々なケースで話をして、別の考え方や方法があるとわかってくれたらいいですね。

もちろん授業で取り扱うのは一般的な話で、個人個人の生活には何の関係もないんだけど、色々な瞬間に「ああ、こんなこと別にこだわらなくてもいい」と思ってくれたらいいよね。

 

やっぱりみんな頭固い!高校までの教育ってスゴイ(笑)

「こういう風にすべきだ」でガチガチなんです。

1つが正しくて、それ以外は全部間違いみたいな。

 

僕は、「答えの出るものなんか、考えたってしょうがないでしょう?」ってよく言うんです。

学生はみんなそれを聞くと唖然としますね。

でも、答えがあるなら、聞けばいいじゃない。考える必要ない。

「テストなんて答えが用意されているんだから、それが解けたところで何の価値があるんだろうか?どういう価値ある?」ってきくと、学生は「えっ?」っていう顔をする。

 

みんな高校までの"答えのある教育(しかもマークシート!)"ができることが賢いと思いこんでいるんだよね。それには僕の方が唖然とするのだけれど。高校までの成績がふるわなかったから「私ダメだ」「僕はダメだ」と思っている学生が多いんじゃないかな。

色々な能力があることと、マークシートが上手く解答できることは意味が違うよね。

 

 

■どんな気持ちで学生と接していますか?

 

さっきも言ったけど、最近の学生は、みんな考え方が固いです。

高校までの偏差値教育の価値観に侵され過ぎている人が多い。

 

良い方も悪い方もどっちも良くないんですよ。

成績が良い人は、"たかが学校の勉強ができたくらいで"自分ができる人間のつもりになるし、

成績が悪い人は、"たかが学校の勉強ができなかったくらいで"自分はもうダメだと思いこむし。

学校はそういう評価をするところだから、僕も当然成績をつけるけれど、「こういうルールで、こういう成績をつけますよ」ということを明らかにしています。いうなればゲーム感覚で楽しんでほしいですね。

 

授業の最初に本日のテーマを示しておいて、授業の最後にレポートを書かせます。

毎回レポートを提出させ、合計点で評価します。    

毎回点数化してCCSで送るので、学生は自分が今何点かすぐにわかります。

 

■今、NGU生に伝えたいことは?

 

高校までの偏差値教育から脱しましょう!

今までうまくいかなかったから、第一希望の大学に落ちたから、自信がないという学生がいますが、「もうちょっと自信もてよ!」と言いたいですね。それが年々強くなってきていると思いますね。ちゃんと良いところあるんだから。

 

"一定の学力がある者を大量生産しましょう""周りに合せなさい"というのが、日本型教育というのですかね...学力レベルを一定水準で保つには必要なのかもしれないですが...そこはもうちょっとクールにかわして、自分で考えたわが道を行ければいいわけでしょう?

素直に周りに合わせて、その物差しと比較して落ち込んだり、あるいは物差しに合わせられなくて社会でやっていけないと感じてひきこもったり。

一人一人みんな違うんです。自分は自分だけれども、「どうしてもあわせなさいよ」と言われたときにだけ、「はいよ~、あわせてあげますよ~」という感じで、もっと気軽で柔軟な、余裕のある対応ができるといいよね。

 

 

それと、何もしない時間って大事なんです。

周りから見ているとぼーっとしているだけかもしれないですが、この時間は実はものすごーく大切なんです。

何もしていないように見えても、頭は働いているからね。

今日あった出来事や将来のこと、気になる問題なんかが無意識のうちにずーっと頭の中を回っているんです。そうやって考えていると、いざ判断する時に考えていた下地が効いてくるんです。

 

昔は自然とそういう時間があったんですが、今の学生には少ないですよね。

なぜか?スマートフォンですよ!

電車に乗っても、昔と違ってみんなスマホ見てますよね。

ずーっと刺激を受け続けている訳です。

そうなると、バックグラウンドで何かを考えられるような時間がほとんど無い。

 

人間は、外からの刺激を全部受け入れていたらとてもじゃないけれど耐えられないんです。色々な人がいますから、感覚が鈍い人もいれば、鋭い人もいて、刺激を敏感に受けとめてしまう人もいるんです。例えば、精神疾患の患者さんなんかは、極端に感覚がシャープで外からの刺激を受け入れすぎてしまうことが多いと言われています。そのため、うまくバランスがとれなくなるのかもしれません。

 

そういった点でいえば感覚の鈍い方が楽でしょうが、逆に言えば芸術やスポーツの世界なんかでは、感覚の鋭さがものをいうでしょう。だから、それ自体はどちらが良いというものではないのです。

 

ここでスマホの話に戻りましょう。

もとの性質が鈍かろうが鋭かろうが、スマホを使用すると、外からの刺激を強烈に受けて情報を増やしていますよね。だから、もともとは鈍かった人だって、ずっとスマホに触れていれば情報過多になって、心のバランスが崩れる可能性があるんですましてや、もとから感覚の鋭い人は刺激がさらに増えるので、良いわけがない。しかも、大量の刺激に幼いころから曝され続けて...要するに、世の中の刺激が強過ぎちゃう。大学でも、「たくさん情報に触れましょう、集めましょう」という雰囲気になっていますけれど、どうも話が違うな、と僕は思っています。

そういった意味では、授業の履修も、全てのコマを埋めてしまうのではなくて、ある程度空き時間の余裕を持った方がいいですよね。

 

ちょっと話がそれてしまうかもしれませんが、僕は、人生で一番大切なことは「どれだけ忘れるか」だと思っています。

必要なことは、必要な時に聞いて判断できればよくて、終わったら忘れてしまえばいいわけで。

紙に書いておけば覚えておく必要もないし、今は便利ですので他にも記憶媒体はいくらでもありますしね。

 

大事なのは判断力だと思うんです。

判断する過程で色々考えますので、そういった意味では思考力トレーニングのためにある程度の知識は必要かもしれません。

でも、そこで大事なことは覚えた知識の量ではなくて「考える力がついているか」ということなんです。

仕入れた知識の多くは、大概一生使わない(笑)

実はもうほとんど必要ないことが多いんですから。

 

 

何もしていない時に考えを巡らせていると、それが溜まって良いアイディアが生まれることがあります。

色々考えてしまって、眠れない夜を過ごすことはありませんか?

眠れないことに焦って睡眠薬を飲む人もいますけど、僕はあの時間こそとても大切だと思っています。

僕も、夜なかなか寝付けないことがありますが、その時考えたことを枕元においたメモに書き留めておくようにしています。昼間パソコンで書き直すと結構いいアイディアがあったりして、論文ができあがることもあります。全部じゃないですよ、9割方はダメなんですけどね(笑)でも1割あれば十分でしょう?やっぱり、他から刺激を受けずにピュアに頭が回転しているんだと思うんです。

 

何もしない時間が大切だということは、要するに、外からの刺激を止める時間を作ろうということですね。

 

 

 お薦め本 

 

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『 心の脳科学「わたし」は脳から生まれる

坂井克之著 中公新書

 

持田先生はこんな風に仰っていました。

 

「僕は哲学屋であって、心理学者や精神病理学者、脳科学者ではないのですが、この4つの分野は互いに互いを無視できないんです。この本はその中でも脳科学者の書いた本です。

簡単に言えば、脳と心の関係について「心とはなんだろうか」という話です。ただ、この本の著者は科学の限界をわきまえていますね。

脳の仕組って、わかっていないことが多いんです。分からない部分について、ああでもないこうでもないとみんなが考えているわけです。」

 

あなたも、人の心と脳の不思議にせまってみませんか?

 

 今日の一枚 

今日の一枚は、"先生の趣味"

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立山 真砂岳周辺にて

 

先生のご趣味は登山です。

この日は素晴らしい紅葉で、ライチョウに迎えられながら山を満喫した持田先生。

ですがなんと、この日は御嶽山の大噴火があった日だったのです。

翌日下山して新聞を読んだら、御嶽山の噴火の記事が目に飛び込んできて、大層驚かれたのだとか。

学生から「先生大丈夫ですか!?」という心配メールが届いて嬉しかったそうです。

 

 

 

気付かないうちに既存の常識にとらわれて、苦しくなっていませんか?

眠れぬ夜を過ごしていませんか?

そういう学生の皆さんは、是非持田先生の研究室の扉を叩いてみましょう!

自分の殻が破れるかも!?

加えて先生の素晴らしい山登りの写真を見たら、心洗われること間違いなしです!

 

 

次回の★Bridge★も、お楽しみに!

 

 

チョッパー子4年生中心の回

★Bridge★No.43 廣 美里 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

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スポーツ健康学部 廣 美里(ひろ みさと)先生です。

廣先生は、「アダプテッドスポーツ」「スポーツ初級AB」「学校保健Ⅰ・Ⅱ」「スポーツ実技6(ダンス)・9(バレー)」などの科目を担当されています。
妹さんとともにバレーボール全日本女子の強化選手をされていたこともあります!
というわけで、今回はちょっぴりそのお話からスタートです!



■バレーボール全日本女子の強化選手だったと伺いましたが。

 

大分昔の話ですが(笑)もともとは私のファンレターから始まったんです(笑)

 

■ファンレターから?

 

私は、もともと陸上をやっていたんです。
でも、中学生のころ、TVで全日本女子バレーの試合を見た瞬間に、「私が次にやるスポーツはバレーだ!」と思っちゃったんです。
当時、私と同じくらいの身長の選手が、いっぱい活躍していたんです。


それで、高校からバレーを始めて。
体育の教員になると決めたので、周りの勧めもあって、バレーができて、なおかつ体育の先生になれるという理由で筑波大学に進学しました。
インカレで1・2を争う大学だったので、練習も相当しましたし、練習相手も強豪でした。

バレーボールをやると決めたころ、あるチームの選手にファンレターを送っていたら、その選手が自分のチームの監督に「こんな子が名古屋にいるらしいよ」と話してくださったみたいで。返事がくると思わないじゃないですか、ファンレターなんて。なのに、自分がファンレターを送っていた選手のチームの監督さんから手紙が来て...「なんで監督!?」って驚きました(笑)よく読んだら、選手スカウト的な内容で。

私がそのファンレターに「妹もいる」と書いたから、妹も巻き込んで。まぁ妹は怒りますよね、「お姉ちゃん、私に無断で勝手に私のこと書いたの!?」って(笑)


■当時妹さんはバレーをされていたんですか?


「お姉ちゃんがバレーするなら、私もしようかな」くらいのノリですよね(笑)

だから、バレーで苦しい場面になると、よく怒ってました。

「私はバレーする気なかったのに、お姉ちゃんがっ!」って(笑)


■スポーツの得意なご家族なんですね。


うちは、身長が高い家系なんです。

両親が、「うちの子たちは大きくなるから、長身でスポーツができないのはかわいそうだ」という発想だったようで、小さいころからよく運動をしていました。

でも、スポーツは気持ちいいですし、今振り返ったときにスポーツというキーワードで人生を歩んでこられたのは本当に良かったと思っています。

いろんなさわやかな方とも出会えますし。

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先生は、TULLY'S COFFEEにはまっているとのこと




それでは、そんな廣先生の思いをご紹介★


 どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨んでいらっしゃいますか? 

■どんな気持ちで学生と接していますか?

教職を目指す学生には、中学校や高等学校といった学校現場で教員として働くために大事なことを少しでも伝えられたら、と思っています。

学生は、今までずっと教えられる側..."生徒"の立場でした。しかし、卒業後は立場が180度変わって教える側である教員になります。その時に、ある程度リスクマネジメントできるように、色々な情報提供をしようと心がけています。

実技に関して言えば、自分の携わる競技の特性や面白さについて、少しでも深く理解してほしいと思っています。

どんなスポーツをするにせよ、「ああなりたい!」という憧れがあるから、続けられるんだと思います。ですから、本人にとってそれが本当に面白くて、楽しくて、ずっと続けていきたいと思えるスポーツになってくれたら嬉しいですね。


■スポーツの良さとは?

 

1つの目標に向かってみんなで競いあえるという点で、スポーツは非常にいいコミュニケーションツールです。ルールを共有していれば言葉がいらず、どんな国際感覚でも共にプレーできますし、ルールを少し変更すれば、弱い人でも強い人でも一緒にコラボできるという特性があります。

「できる・できない」、「早い・遅い」、「強い・弱い」に関わらず、そこに集まった人たちがその種目を楽しめるといいよね。


■教える側になって苦労された点は?

 

私は、以前高校の教員をしていました。

女子を教えることが多かったのですが、私がバレーをやっていたことを知っている生徒には「バレーをやってきた先生だからできない子の気持ちがわからないんだよ」という目で見られながらのスタートになることがありました。その垣根をどう崩していくのか、ということは、苦心した点です。


それと、「そんなことはできて当たり前でしょ。」とは絶対に言ってはいけないということです。

先生の一言や一つの事情でスポーツ嫌いになることもありますので、嫌いになるきっかけを絶対に与えないように気をつけますね。もちろん、どれだけ気をつけていてもうまくいかないこともありましたし、失敗ばかりですけれど、それが理想ですよね。

 

■先生のご指導で、学生がやる気を出すきっかけになった例はありますか?

 

やる気がでてきた、という定義が難しいですけれど、スポーツが苦手そうだった学生が、サボることなく授業に参加するようになったのを見ると、嬉しいですよね。

きっかけはわかりません。

後から聞くと、へー、そういうきっかけで?という理由もあって。

「先生のあの言葉がきっかけだったよ。」とか「先生とこういう風にしたとき初めて分かったよ。」とか、色々なパターンがあるので、『これをやればうまくいく』ということはないです。

 

基本的にスポーツを好きになってほしいので、「下手だ」とか「ダメだ」ということを言わないようにしているんです。最後の授業が終わる時に、学生が「よかった」という顔をするのが見たくて、ああでもない、こうでもないと考えながら授業をやっています。

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いつでも豆が挽けて、おいしいコーヒーが飲めます★


■ゼミはどんな風に運営されていますか?

 

私のゼミは、将来教員になりたい学生や、スポーツの中でも特に球技に興味がある学生が多いです。コミュニケーションをとりながら、議論してお互いに高め合っていけるゼミになればいいなと思っています。気軽に研究室に集まって気軽に話せるような機会を大事にしたいですね。

 

ゼミの時間は、なるべくゼミ生同士コミュニケーションがとれるようにしています。

スポーツイベントをみんなで見に行くこともあるんです。キリンカップ(サッカー)やバレーの試合を見に行ったこともあります。

せっかくなので、大学の中だけでスポーツをするのではなく、スポーツ観戦から得られるものがあるといいと考えています。スポーツの生観戦は楽しいですから、みんなはしゃぎますね。

 

■球技に興味がある学生が多いという事ですが、球技は団体競技ですよね?

どのように研究ご指導されるのでしょうか?

 

例えば、ゲーム内容の分析は研究方法の1つですね。

勝つチームのデータを分析して、勝ち負けにどんな傾向があるか、どんな技術が優れていると勝率が高いのか...そういったことをビデオなどの資料から分析するんです。最近では、インターネット上にも参考になる映像が沢山ありますし、球技は戦術研究をすると面白いですね。

 

また、体育の教員になりたい学生もいるので、中高生の運動部活動について、教員の多忙化や行き過ぎた指導による体罰などの問題をどのように是正して言ったらいいのか?というところに焦点を絞って研究してみたりします。


■先生のご研究について教えてください。

 

私は、スポーツをする学生が主体的に・自主的に活動することが、自信を持っていいパフォーマンスをする近道だと思っています。よいパフォーマンスをするために、メンタル面を含めて、周囲がどのように選手のサポートしたらいいのか、といったことを研究しています。

 

スポーツにも色々な弊害がありますし、やればやるほど体にも心にもストレスが溜まることがあります。でも、スポーツをすることによって、自己肯定感や自尊心を育むことはとても大切ですし、スポーツを通じて素晴らしい人が育ってくれたらいいという思いが常に私の中あるから、この研究をしているのだと思います。

 

 

■今名学生に伝えたいことは?

 

ルールや競技の特性は大事ですね。体育の教員になりたい学生は、そういったところを分かって卒業してもらいたいですね。

 

せっかく名古屋学院大学のスポーツ健康学部を卒業するので、スポーツと一生涯関わることができるための学びをしてほしいと思います。

 

私は今、バレーボール協会の事務局長をしています。運営にあたって、多方面の様々な方たちにお手伝いをしてもらっています。300人くらいでしょうか。月~金曜日はお仕事を頑張って、土日は各種の試合で審判をしてくださったり、会場へ行ってコートを作ってくださったり、小学校に出向いて指導してくださったり、様々な形で協力してくださるんです。

 

スポーツを共通項として、社会人としての仕事とは違う場所で競技の運営・普及に携わり、楽しい出会いと繋がりがうまれているんです。

 

本学の学生たちも、最初はプレイヤーかもしれません。でも、将来的に支える側・育成する側と形を変えて、そのスポーツに生涯たずさわっていける、そんな風になってほしいですね。


 お薦め本 

 

「スラムダンク勝利学」

辻秀一著 集英社インターナショナル

 

漫画の中には、スポーツ指導のエキスがある!

「この本を読んでから本家のスラムダンクを読んだら、めちゃくちゃ感動して、

良くできているなと思いました。スラムダンクは名作!」

ということで、この一冊をご紹介いただきました。

 

 今日の一枚 

今日の一枚は、"先生のはまっているもの"

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TULLY'S COFFEE にはまっているという廣先生。

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年初めに売り出される福袋には、干支の絵の描かれたマグカップが入っているのだそうです。

シンプルで優しい色合いがかわいい♪

お勧めはピッコロバンビーノとハウスブレンド。

なかなか店舗が無いのが残念とのこと。もっと店舗が増えるといいですね。

 

 

できることもできないことも全部含めて、自分が今すべきことに全力で向き合ってこられた先生お話は、とても面白くて、聞いていて清々しく、かっこいいです。先生は学生のみなさんに伝えたいことをご自分で体現なさっているな、と感じました。

 

廣先生のように、自分が一生携われるものに出会いたい学生のみなさん。先生の研究室の扉をたたいてみてはいかがでしょうか。

 

 

次回の★Bridge★も、お楽しみに!

 

 

チョッパー子

★Bridge★No.42 岡本 純 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・


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商学部 岡本 純(おかもと じゅん)先生です。


岡本先生は、20184月現在、「マーケティング論」「国際マーケティング論」「国際経営論」
「国際経営演習」「消費者行動論」などの科目を担当されています。
20184月からは、商学部の学部長をされています

それでは、先生の思いをご紹介★  



 どんな思いをもって、ゼミや授業に臨んでいらっしゃいますか? 


●岡本ゼミは商品開発など、実践的で活発なゼミですね


ゼミナールには、2つタイプがあると思うんです。
一生懸命書籍を読んで考えるタイプのゼミと、活動するタイプのゼミです。
マーケティングは、考えることに加えて実学の部分が多いので、
後者に入るのではないかと思います。

活動するといっても、内々でやっていたのでは学生はあまりピンとこないので、
企業の方たちと一緒に考えたり、企業から依頼されたことを学生の視点で
やってみると、いい勉強になるかな、と思い取り組んでいます。

ここに他大学も加わると、良い競争になるんです。
例えば、企業主催のコンペティションに参加しますが、他の参加校が全国に名の知れた
有名大学だと、それだけで学生は怖気づいてしまうんです。

でも、その中で、「そうじゃない、入試時の大学のレベルという意味では本学の方が低い
かもしれないが、要は入学してから何をするかということが大事で、まったく気遅れする
ことはない。社会人になってからでも、周りの人間がどこの大学の出身かということに
気遅れせず、その中で働いていかなくてはいけないのだから。」と励ますと、
なんとなく頑張っていますよね(笑)


最初にゼミ生に言うのは、「よく遊びなさい」ということです。

「よく遊べ」っていうと、やんちゃな学生は「ずっとパチンコやっててもいいんですか!?」
とか言うわけです。

そんな時は「いいよ。でも、遊ぶからにはとことん遊べよ。名古屋市内のパチンコ店を
全部回って、どこの地域にはどんな店があって、どういう雰囲気で、どんな台があって、
どんな客層で...って調べてくるなら、それはそれで一つの勉強になるじゃないの。」と
言っています。

なぜこんなことを言うのかというと、もともとマーケティングという学問自体の特性として、
どんな商品を扱って、どんな価格で、どう売り出すのか、といった戦略を机上で考えてる
だけでは仕方ないからなんです。

世の中がどう動いているのか、
人の流れや経済状況といった企業を取り巻いている外部環境がどうなっているのかを肌で感じて、
それをもとに戦略を考えていかなければ、絵に描いた餅になってしまいます。

よく、商品開発をやっている学生に「なんでこの商品にしたの?」と聞くと、
「自分がこれが好きだからです。」と言うことがあるんです。

「じゃあ、今その商品はどういう情況に置かれているの?」と聞くと、「いや...。」と、
商品をとりまく状況がわかっていないことがあります。

好きなこと自体が悪いわけではないのですが、社会科学ですから、企業の方と話す場合でも、
「自分が好きだから、なんとなくこの色にしました」ではダメで、
データで示すとか、実際に自分が町中を見て回ったとか、そういったことが極めて大切なんです。


社会科学は、1+1=2というような答えがハッキリ出るわけではなくて、
評価の基準がコレと決まっていない学問なんです。

特にマーケティングは、"自分にはこういう資格があります"という形で認めてもらう学問
ではないので、学生には、社会に出る時にも、

他人と比べても負けないということを何か一つ作りなさい
それについてはとことん調べて研究したので、
他の有名大学の学生と比べても引けをとらないということを作りなさい、
と言っています。

そのためには、"大学の中"だけで勉強するのではダメなんです。
例えば、企業の方に質問するときに、単純に「●●を教えて下さい。」と言って、
はたして教えてくれるのか、と。

「きちんとアポをとって、時間通りに会社に出向いて、『今コレを調べているので教えて下さい』
と言っても、全然相手にされなかった!」と怒って帰ってきた学生もいました。

「聞き方が悪いんじゃないのか?ある程度質問内容を絞って、自分たちで下調べをして、
ちゃんと相手から答えが出るように質問したのか?」と聞くと、
「わからないから教えてくれと言っただけです。」と。

それでは教えてもらえるわけがなくて、そういった意味でも社会人の方と関わりながらというのは
いい勉強になりますし、そこで必要とされるスキルは、社会に出てからも同じですよね。

その学生は、もう一回調べ直して、再度アポをとって、出直していましたね。


●岡本ゼミは、どのように運営されているのですか?

私は、ゼミ選考時に自ら学生を選んだことが1度も無いんです。
じゃあ誰が選んでいるのかというと、1つ上の先輩に選ばせています。
先輩になる次年度4年生として、ゼミに受け入れる新3年生を選ばせて、
そのかわり自分たちで選んだのだから、面倒を見ろよと(笑)

私自身は、「今日はみんなで●●へ行きましょう。」といって学生を連れていくことは、
まずありません。

「●●へ行きなさい。」と指示することもありませんし、
マーケティング論の教科書をゼミで使うこともありません。

学生に、「プロモーションには、どんなものがありますか?」と尋ねても、
1・2年生の頃に無作為に授業を履修していると、全く分かっていないんですね。
マーケティング自体がわからずに私のゼミに来る学生もいます。
そんな状況で、企業の方にお話を聞くと、業界用語が出てきて全く話がわからないと。

「コレ、なんですか?」と聞きに来るので、少しは教えますけれど、
「本を読まないとダメなんじゃない?」と言うと、
そこで初めて自分に不足しているところに気づいて、一生懸命勉強を始めるんです。

「グループで勉強会をするので、そのための本を貸して下さい。」と言いに来たり。
私から「これをこういう風にしなさい。」とは言いませんね。

ですから、「こういう企画があるけれども、やるか?」とゼミ生に聞くと、
「やる」というときもあるけれど、「やめときます」という場合もあります。
入賞すると賞金が出るコンペなんかは、「やります!」っていうことが多いですかね(笑)



ゼミ生には、真面目な子だけではなくて、やんちゃな子もいます。
髪の毛が真っ赤で、最初は「おお...」と思ったりする学生もいますが、
やはり企業と協働していく中で、直すべきところに自分から気づきます

3年初頭は、まだきちんと挨拶もできませんし、言葉遣いもダメで、
企業の方にメールをしても怒られてしまう、という状態です。
いい加減なことをすると、「どうなっているんだ!」と企業の方も怒りますよね。

私は、企業との協働を含めたゼミの活動の中で色々と学んでくれればいいと思うので、
口やかましく言ったりはしないですが、企業の方と約束をしていたのに、
期限までにできなかったとか、忘れちゃったとか、そういう学生がいると、
その時は研究室に呼んでめちゃくちゃ怒ります。

学生は叱られて泣くこともありますが、それを繰り返しているうちに、
最初はダメダメだった学生も変わっていきますから、その成長は見ていて楽しいところです。


学生にとっては、結構無茶なことを言うこともあるのだろうと思います。
「これを明日までに仕上げなさい。」「え...それだと徹夜なんですけれど...」といった
やりとりもあるんですが、「いや知らない。前から言ってたことだろう。」とか(笑)


共同研究のために他大学に行くこともあって、その間、ゼミ以外の授業にも出席できなく
なることがあるんです。そうすると、最初のうちは、学生が「休まなければいけない授業の
先生に、岡本先生から頼んでくれ」と言いにくることがあるんです。

でも私は、その先生のところに行って自分で頼みなさいと言います。

もちろん、そのために何らかの書類の提出が必要であれば、書きます。
でも、学生自身が、どうしたらいいか...例えば「こういった理由で授業に参加できないので、
別の課題を頂けないでしょうか?」ということを自分の言葉で言えば、授業に2回出席でき
なかったからといって単位を落とすということは無いと思いますし、もしそう言われたら相談
に来なさいと。

「先生が居なかった。」と言う学生もいるんですが、"居なかった"じゃなくて、何曜日の何限なら
在室中なのか予め調べて訪ねていくとか、他にできることはありますよね。

3年生の初頭には、本当なら言わなくてもいいようなことでも分からない学生が、
半分くらいいます。
4年生になるとだんだんわかってきますし、4年生になってもそのままの学生は、
ゼミ生の間で指摘されるようになるので、自分で気づくようになりますね。




ゼミの飲み会なんかでも、ゼミ生たち自身で幹事の持ち回りをさせています。
中には、何度幹事をやっても上手く取り回しできない学生もいるんです。
そうすると、「もうちょっと良く考えてみろ」と言って、次も同じ学生に幹事をやらせます。
「でも...」「でも...」って学生はよく言いますよね(笑)
そんな学生には、「『でも』現実に上手くいかなかっただろう?飲み会1つとっても、
うまく取り回しできないと、『あいつはダメだ』と軽んじられてしまったり、
『あいつに言っても仕方ない』と頼りにしてもらえなくなったりするんだから。」と話します。

たかが飲み会と思われるかもしれないですが、
外野から見ていて、こういう事がうまい学生は、就職してからもうまくいくことが多いんです。


勉強することももちろん重要ですが、
大学生活ではトータル的に学ぶことが多いですから、飲み会一つであっても、
自分で色々工夫して行動しないと、仲間とうまく付き合っていけないんじゃないの、ということは
良く言うんです。


●普段のご様子からは、厳しくご指導されている姿が想像できませんが。

"笑いながら怒る"って有名らしいですよ(笑)
ゼミ生から言わせると、話しているうちに、何かのきっかけで私が"ピクッ"となると、
その瞬間に全員に「ヤバっ」という雰囲気が伝わってシーンとする、と。
今年は7社ほどの企業と関わりがありますが、ゼミ生にプレゼンの練習を見てほしいと
頼まれると、ボロクソ言って帰る感じです(笑)

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お話を聞かせてくださっている先生は、こんなに穏やかな笑顔なんです↑



学生は、夜遅くまで頑張っていることもよくあります。
中には、「今日はバイトがあるから帰ります。」という学生もいますが、
例えばそれは、小学生の「塾があるから帰ります。」っていうのと同じだよな、と話します。
言い訳するなら他の学生が納得できる理由を考えなさいということです。

グループで協働しているところにそういう学生がいると、だんだん頼りにされなくなって、
弾かれていくんですよね。ゼミに入ったのは何のためなのか、興味が無いならうちのゼミに
来るなということになるので。




●それだけ頑張ったら、就職活動でも強みになりますし、学生の自信にも繋がりますね。

そうですね。
就職の面接で、ゼミ活動で何をしてきたか話すと、企業の方もくいついてきたという話は
聞きますね。

自分たちがどれだけ頑張ったのかということが重要で、
社会人になったときも、それが一番自分の力になるんじゃないかな、と私は思っています。



●ゼミ生を指導していて、よかったと思うときは?

毎年岡本ゼミでは、2・3・4年生が60人ほど集まるパーティをしますが、
卒業する4年生が2・3年生に「甘く見ていると(岡本ゼミは)無理だよ。」と
アドバイスしていて(笑)

苦労はするけれど、やっただけみんな仲良くなるし、楽しいよ。とも言ってくれるので、
そういった意味ではいいのかなと。

教員になってからは、学生と遊んでいる時が一番楽しいです(笑)
学生をイジリ倒して、わーーーっと盛り上がるのがいいですね。
夜遅くまで活動している時には、ピザを頼んで、わいわい言いながらみんなで食べたり。

ゼミ生それぞれに個性があって、最初は「こいつ、大丈夫か?」と...真面目過ぎての場合も、
ぶっ飛びすぎての場合もありますが...思うこともあるんですが、
今まで明らかに接点が無かったような学生たちが集まると、案外すごく仲良くなることがあって、
見ていて面白いですよ。

本当に情けないと思う学生にはガンガン言いますから、結構学生は泣きますけれど。
そういう学生ほど、最後のパーティで泣いていたりして、
そんな姿を見るとよかったな、と思いますね。

ゼミ生には「生まれてから勉強でこんなに苦労したことはありません。」って言われて(笑)
「受験があったでしょ?」って言うんですけれど、
「いや、これほどではありませんでした。」って(笑)
「でも、良かったです、ありがとうございました。」と言われると、私も良かったなと
思いますし、そんな学生たちが、就職が決まった時にプレゼントなんか持ってきて
「先生、ありがとうございましたっ!」って言ってくれたりすると本当に嬉しいですよ。



今、学生であるNGU生に伝えたいことは?

授業では、受講生も多いですし、大事ことを90分の授業の中だけで聞けるわけがないんですね。
ですから、"今日はココがポイントだよ"というところを理解して帰りなさい、ということです。

常に100%集中することは無理なので、授業でもゼミでも学生に求めるのは、
自分で興味のあることをとことん突き詰めてみなさい、ということです。

マーケティングといっても幅が広いので、先ほどの「よく遊べ」と一緒で、
例えば商品開発に興味があるのであれば、本を読むなり、自分で調べに行くなりして、
自分で徹底的に突き詰めて勉強するということが、大学生活では重要なんじゃないかな。

岡本ゼミの過去の活動紹介はこちら↓



 先生のお薦め本 

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「ホイラーの法則 ステーキを売るな シズルを売れ!

E・ホイラー著 ビジネス社

 

岡本先生と今回ご紹介する本には、こんな繋がりが!
先生は、マーケティングに興味を持つことになった"きっかけエピソード"を
こんな風に教えてくださいました↓↓

この本は、マーケティングの基本的な内容で、難しい本ではないので、お勧めします。
私が通ったアメリカの大学で、マーケティングの授業で使われたのがこの本の原書です。

マーケティングの授業の先生が、マーケティングの教科書を使わずに、これを持ってきたんです。
そして、「これを読んでおきなさい。」って言うわけです。

授業でやることといったら、

"この本の内容の良い点を自分たちで述べなさい、
その際に、自分が気づいた本の中には無い事例を用いて、それを説明しなさい"

ということだけ。

本の内容はというと、"手紙を書くな、電報を打て"とか、"もしもと聞くな、どちらと聞け"とか、
今のマーケティングの中心となっているような考え方です。
マーケティングには半分心理学が入っていて、
要はお客さんの心をとらえるにはどうしたらいいかということなんです。


私がマーケティングが面白いと実感したのは、アメリカで日系の新聞社で働いたことが
きっかけでした。

もともと実家が卸問屋で、アメリカでフランチャイズの店をやりたいという思いがあって、
アメリカに行ったんです。
フランチャイズがアメリカから日本に入って来るか来ないかという時代です。
アメリカの大学に入るのは簡単だと聞いていたのに、結構難しかった(笑)貧乏学生で、
ずっとドミトリーに住んで、大学に通っていました。

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先生の身の回りには、そこここに"USA"が!



アメリカでは、大学卒業後1年間働くことができるので、初めは年配の女性を週3回
スーパーマーケットにお連れするというアルバイトをしていました。

その方がある日系新聞社のオーナーで、その御縁で新聞社の仕事をすることになったんです。

最初は印刷の仕事をしていたんですが、1年ほど経って営業の仕事をさせてもらえるように
なりました。
広告を取ってくる仕事で、基本給400ドル、後は歩合制。取ってきた広告の3040%の収入が
得られる仕組みです。広告の紙面には空欄があって、自分でその空欄を確保する仕組みになって
いました。先に、広告掲載用の自分のスペースを押さえてしまうんです。

広告を取れない人は、少量のスペースしか押さえられず、歩合制ですから当然給料も少ないん
ですよね。

なかなか広告が取れないと、ディスカウントして必死になって広告を取るんですけれど、
自分で多くの広告を取れるようになると、押さえられるスペースも増えて、給料も多く入る、と。

実は、最初の3ヵ月は、基本給400ドルしか入って来なかったんです。
私が「広告出して下さい。」と頼んでも、
「なんでお前に(頼んで広告を)出すの?」というわけです。

そこをちゃんと考えなきゃいけなくなった時、授業で扱ったこの本の内容を思い出したんです。

アメリカでは、週末に子供を預けて夫婦で食事やパーティに出かける習慣があります。
その間、親は子供を預かってもらいたいわけです。
そんな時に、「お金は結構ですから、ベビーシッターをやりますよ。」と言うと、ものすごく喜ぶ。

日曜日といえば、ゴルフにも行きたい。
でもアメリカって、芝生をキレイにしておかないと"地区の美観を損ねる"といって区画の
管理組合から罰金を科せられるので、芝刈りもしないといけない。
ここでも、「お金は結構ですから、やっておきますよ。」と請け負うと、これも喜ばれる。

そのうち、広告が入らないときに、ベビーシッターや芝刈りの手伝いをしている家の方に
「広告をいれてほしい」と頼むと、ぽん、と1面広告をいれてくれたりするようになりました。


要は、相手のかゆいところに手が届く存在になれということだったんです。
これが、"ステーキを売るな、シズルを売れ!" ですよね。
他にも、どうやって販売を拡大していくのかとか、日本語と英語が半々の日系紙をどうやって拡販
していくかとか考えているうちに、「マーケティングって面白い」と実感して。


今は違いますが、マーケティングという学問自体が、日本ではまだそれほどパッとしていなくて、
マーケティングは実学であって学問ではないんだっていうような考え方だった時代なので、
マーケティングといえば圧倒的にアメリカが進んでいたんです。

そのアメリカで、興味を持って大学院の講義を受けたり、
友人知人から「日本人はバカにされるけれど、それを逆手にとると結構うまく行くんだ」
というような話を聞いてアメリカンドリームを目の当たりにすると、やっぱり面白いんですよ。

自分はできないんですけれども学生に言っていることは(笑)、相手がいる場合、
自分が正しいということよりも、相手をいかに気持ちよくさせて仕事してもらうかが重要だ
ということです。

 今日の一枚 


今日の1枚は、 " 先生の趣味 " です! 



車(特に改造)



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先生のデスクトップの画像です↑

真ん中の赤い車はGolf。愛情を持って改造した愛車でしたが、 

走行中にエラーに次ぐエラーが出るようになり、

部品を全て元の規格のものに直して手放したそうです。





アメフトやモーグルを経験されて、とってもアクティブな岡本先生。
とにかく動くものは何でも好き!とのこと。

中でもお好きなのが、です。
小さいころからF1が好きで、車に乗るのも好き。
改造も自分でされるのだとか。

「自分で車をイジるのが特に好きです。
自宅には車グッズが大量にあって、模型や自動車関係の本だらけです。
今は、VOXY(自らシャコタンにしました!)AudiBMWに乗っています。」


ドイツ車の魅力を聞いてみたところ、ドイツの車は、速い!真っ直ぐ走る(日本の車は
まっすぐな道でもハンドルから手をはなすとゆらゆらしますが、ドイツの車はまっすぐ走る
のだそうです。)とのこと。

「もう大人なので(笑)外からみても、全く改造していないように見えて速かったり、
驚くところが改造してあったりというのがいいですね。本当はアメリカンドリームカラー
のゴールドがいいんですけれど。」

「ターボ」「スーパーチャージャー」「ツインチャージャー」「ボアアップ」...
こんなワードにワクワクする方は、岡本先生と車のお話で盛り上がれるかも!?



※ ※ 


今回は割愛しましたが、アメリカにいらした頃のお話も含め、
とっても面白いお話を伺うことができました!

大学で「ゼミ活動に全力投球した!」と胸をはりたい学生のみなさん、
岡本先生の研究室の扉を叩いてみてはいかがでしょうか?






次回の★Bridge★も、お楽しみに!



チョッパー子

 



 


★Bridge★No.41 川﨑 めぐみ 先生

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 学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・



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商学部学部 川﨑 めぐみ(かわさき めぐみ)先生です。


 

川﨑先生は、20184月現在「日本語表現」「日本語表現上級」などの科目を担当されています。


それでは、先生の思いをご紹介★


 どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨んでいらっしゃいますか? 


■自分の授業から得て欲しいことは?


言葉の学問は、実学と基礎研究の中間なんですよね。

実際のコミュニケーションに必要な"ツールとしての言葉"と、

ある言語の文法がどのような組み立てになっているか考える"基礎研究としての言葉"があって。

そもそも「日本語表現」という科目自体が、レポート作成や卒業論文作成といった大学生活に

必要な日本語や、今後の社会生活で必要になる日本語の表現方法を学んでいく授業ですので、

実学的な側面に焦点を当てることが多くなりますけれど、言語の面白さって、そこじゃない(笑)


文法と聞くと、「難しい」と思うかもしれませんが、実際にはパズルというか、

法則性を解き明かしていく過程が面白いんですよね。

特に、私の専門は"擬音語・擬態語"っていう未開拓分野なので、

未知の法則が明らかになっていくのは、本当に面白いんです。

言葉の組み立て方を学ぶことは、実生活には役に立たないかもしれませんが、

論理の基礎にもなります。

言葉は論理そのものですし、言葉そのものの仕組にも目を向けてほしいと思っています。

「文法は嫌だ。」って毛嫌いしないで、面白いと感じてもらえるようにしたいな、と

思っています。



■先生が、言葉の面白さに気づいたきっかけは?


学生時代に、方言の研究で卒業論文を書こうと思ったんです。

「どんな素材がいいかな?」と考えた時に、私の母親が変な言葉を使うと気づいて。

母は、やたら擬音語・擬態語を使うんです。

これを研究したら面白いんじゃないかと思ったんです。


いざ研究を始めてみると、方言の擬音語・擬態語はほとんど知られていなくて。

そんなきっかけで擬音語・擬態語という未開拓分野に分け入っていくことになりました。

それから、未知のモノに突入していく面白さに目覚めたというか(笑)


一方で、言葉の仕組みの面白さに気づいたのは、授業で使われた文法本がきっかけでした。

文法を詰め込むのではなく、自分で文法を発見するスタイルのテキストだったんです。

学校文法を当てはめていけば大体は説明できるけれども、それだけでは矛盾が生じる例を

扱って、その矛盾部分の文法にも説明がつく理論を考えていく、といった授業でした。

その法則性を見つけるのが、ものすごく面白かったんですよね。


音声学の授業も面白かったですね。

この音とこの音に挟まれた時に、真ん中の音が変化する、とか。

いくつかのパターンや法則をみつけて、その法則を最もシンプルに表すように記述をせよ、

といった問題が出るんですが、シンプルに、美しく説明できたときの快感といったら(笑)

数学の解き方に似ているかもしれませんね。

そんなキッカケがあって、言葉にのめり込んでいったんです。


■授業では、言葉の面白さに気づくような工夫をされているのですか?


それがなかなか難しくて。

2018年度は、なるべく学生が自ら考える形式のものにしようと考えています。

私の授業を履修している学生が「日本語表現の授業って、英語みたいだ。」

言っていました。「国語の授業っぽくない。」と(笑)

校までは、授業中に与えられたものを読み解くだけ、ということが多かったと思います。

県によっては、高校入試に国語文法が出題されないところがあるんです。

そうなると、まず中学の授業で文法はやらない。

読解のみで、しかも先生が黒板に書いたことを丸暗記すればテストの点が取れる。

「国語は暗記だ!」なんて仰る先生もいるくらいです。

そうなると、後々困るのは誰かというと、学生なんですよね。

大学までに学んでおくべき内容を補える授業になっていますが、できれば、

言葉の面白さを発見していける授業にできたらいいと思っています。



■授業は、どんな風に進めていますか?


今は、テキストに沿っての問題演習が中心です。

授業中に問題を解いて、基本的に全員に当てます。

前回当てなかった学生は今回優先的に当てる、という具合です。

作文は、2018年度は漢検協会が実施している文章検(文章読解・作成能力検定)の書き方、

考え方を取り入れて行っていく予定です。


大学では、トップダウン式ではなく、学生がお互いに添削しあうようなものがいいと

考えています。

隣の人のリアルな作文が見られることで、お互いに高め合えるんじゃないかと。

そのほうが気づきが多いだろうと思って、テキストを作っている最中です。


■川﨑ゼミはどんなゼミですか?


私のゼミは、言葉に関するものであれば、どんなテーマで研究してもいいということに

しています。

2018年度のゼミ生はコミュニケーション能力に興味のある学生が多いので、コミュニケーションに

焦点をあてて進めていこうと考えています。

例えば、店舗でのコミュニケーション...お客さんと店員の会話や店員同士の会話において、

言葉遣いがどう違うのか、とか。

先行研究はありますが数は多くないので、色々な事例を集めて「こうなっている」と理論的に

説明できれば、一つの成果になりますね。


それと、コミュニケーションが苦手な人が、どんなところに苦手意識を持っているのか明らかに

していけるといいと思っています。

どこにつまづいているのか、コミュニケーションの得意な人と苦手な人の会話はそれぞれどんな

特徴があるのか、言葉の使い方・タイミングはどう違うのか、といったことを観察できると面白い

ですね。


また、内省力を磨けるようにしたいですね。

内省力...自分のことを振り返るって、就職活動でも大切ですからね。

内省力の有無は、案外頭の回転の良さに直結してるように感じます。

自己評価が低い学生が多いので、まずは自己評価を上げてほしいですね。


私自身は、「ゼミ」に所属したことがないんです。

私が学んだ大学では、「研究室」という巨大な組織があって、留学生を含めて100人近くが所属

していました。

内容としては演習に近くて、毎週2・3人ずつ自分のテーマについて報告し合っていました。


学部生時代はほとんど訓練でしたね。

例えば、崩し文字を普通の文字になおして、その中から1つ言葉を決めて、

平安初期から現在までの辞書類や文学作品に使われている例を全て拾っていくっていう

訓練もしていました。



■今学生であるNGU生に伝えるとしたらどんなこと?


「考えろ」かな(笑)


ゆっくり時間を取って考えることができるのは、大学の時だけです。


「色々な物事に対して、じっくり、深く考えなさい。」と伝えたい。



授業の中に、様々な気づきが、絶対にあるはずなんです。

先生は、90分間ずっと話しているでしょう?

あれを文字にすると、とんでもない量になるんですよ。

「あーつまんないなー。」じゃなくて何かないかな?と、

普段から探求して考えるようにしてほしいし、そうでないと授業ってつまらないですよね。


最近思うのは、じっくり、深く、色々と発展させて考えているときは、

欲しい情報が向こうからやってくるということです。

たまたま手に取った本に、本当に必要な情報が書いてあることがある。

"セレンディピティ"って、聞いたことがあるでしょうか?

"偶然の幸運"と訳されるんですが、セレンディピティのやってくる確率が本当に上がるんですよね。

ですから、普段から興味を持って、自分の好きなことを突き詰めてもらいたいです。


あと、「授業で先生たちが使っている『カッコ良さげな言葉』は、どんどん使っていこう!」

変な使い方をしても許されるのは、大学生だけだから(笑)

大学は色々試してみる場ですし、知的な言葉のやりとりができる仲間がいますからね。

使うことによって使い方が身についていきますし。

先生から仕入れた、普段使わないような言葉を使ってみるといいと思います(笑)


 今日のお薦め本 


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「日本語の科学が世界を変える」


松尾 義之 著/筑摩選書



「英語、英語」ともてはやされますけれど、日本語によって生まれる気づきがあります。

英語にはない発想によって、ノーベル物理学賞を受賞した京都大学の増川先生のお話です。

授賞式では、挨拶の初めに言った"I'm sorry, I cannot speak English."以外は、

全て日本語で喋ったそうです。

グローバル化の中で、そういう多様性ともいえる部分は無視されがちだけれど、

日本語にも目を向けてほしいなと思い、その意味でこの本を選びました。


日本語には漢字があって、その漢字の組み合わせで新しい概念を作ることができますよね。

そのおかげで、日本語だからこその気づき・概念があるんです。


日本語の文法は、室町時代から、俳句の作り方といった視点から言葉の使い方が研究され

始めました。

"国学"とか"本居宣長"とか聞いたことありませんか?

その流れを汲んでいるのが私たち国語学の研究者です。

日本語学ではなくて、国語学という流れだったんですね。


もちろん英語、外国語にも同じことが言えて、英語には英語独特の発想があり、

言語学として研究発展してきました。


今、ちょうどそれが融合しつつあるというか、お互いに気づきを与えているんです。


世界では、日本語で書かれた論文は読まれないかもしれませんが、

日本語で書かれた研究の蓄積はものすごい分量なんです。

それを全部英訳したら、世界に対するインパクトはものすごいことになるはずなんですよね。

どちらか一方ではなく両方必要なんです。


韓国の釜山で日本語を教えていたことがありますが、韓国では、英語あるいは日本語を介してでないと、

なかなか研究ができないという分野もありました。

マレーシアなど東南アジアでは、「学問の言葉=英語」というような風潮があります。


研究に日本語はいらないという風潮になってきていますが、

普段から使っている言葉は心の底からにじみ出てきたものですから、大きな気づきになりやすい。

身近な言葉で研究できるということには、とんでもないメリットがあるんです。


ですから、「漢字、めんどくさい!」って思わないで、身近な物の価値に気づいてほしいです。





 今日の一枚 


 


今回は、" 猫グッズ "のご紹介です!


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コミカル猫スタンプ&招き猫↑





先生は、がお好きなのだそうです。

よく見ると、先生の研究室は"にゃんだらけ"。

授業で使うプリントにも、このスタンプを使うことがあるそうです。

猫たちが、先生の忙しい日々を癒してくれているのですね!


身近でありながら、謎の多い"言語"という迷宮に興味がある!そして、猫に目が無い!という学生のみなさん。

素敵な笑顔の川﨑先生が、未知の世界へと優しく案内してくださるかも。

是非、先生の研究室の扉を叩いてみてください!





次回の★Bridge★も、お楽しみに!



チョッパー子














































































































































★Bridge★No.40 日比野 至 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

 

 

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リハビリテーション学部 日比野 至(ひびの いたる)先生です。

 

日比野先生は、「物理療法学」「地域理学療法学」「運動学演習」などの科目を

担当されています。

  

それでは、先生の思いをご紹介★

 

 

 どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨んでいらっしゃいますか? 

 


■先生の担当されている授業について教えて下さい。

 


担当している授業には、座学と、演習(座学と実習を組み合わせていく授業)があります。

 


座学では、「物理療法学」という授業があります。

物理的なエネルギーを使うので、物理療法といいます。

体に電気を流したり(電気療法)温めたり(温熱療法)したらどうなるのかを学びます。

首を引っ張ったり(牽引療法)もします。

単純に温泉に入ることも、物理療法では水治療法といいます。

 


基本的に、理学療法の中には物理療法と運動療法、あと日常生活(「着る」、「歩く」などの

動作)の練習の3つの分野があります。

 


「温める」ということ一つとっても色々な手段があって、どれが一番症状に合うかを考える

んです。色々なツールがあるので、何を選ぶか人によって差が出るところですね。

物理療法と運動療法を組み合わせることも多くて、例えば腰が痛かったら、電気を流したあとに手で腰を触るなど、何をどう治療していくのかは人によって違います。

 


2年生秋までは、どう温めると体にどんな反応があって、表面だけ温めるのか、深いところまで温めるのか、それに応じて選ぶツールがどう変わってくるのか、そういったことを座学で勉強します。

 


3年生になると、今度は実際に自分たち学生同士で座学で学んだことを試してみます。

温めたら温度はどうなるか、体の反応はどうか、実際にやってみて、レポートにまとめます。



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演習は、養成校の指定規則の中で「実習」がありますので、それに向けて準備するための

授業になります。

 


例えば、1年生では見学実習があって、そこで初めて病院に行きます。

1年生なので、まだ知識もさほどないのですが、患者さんとコミュニケーションを取り、

将来働く現場がどんなところか見てくるんです。

 


これが3・4年生になると、実際に患者さんの検査や治療をしますので、2年生の演習でそこに向けて事前にちゃんと学習をして、実技をして、それをまとめる、ということを行います。

ノートを準備して、自分がやる実習に関してちゃんと下調べをしてきているのか、実際にやってみてどうだったか、記録させるんです。

 


3年生になると、もう一歩ステップアップして、これらのことをレポートにまとめます。

なぜレポートかというと、現場に出たときに必要だからです。

 


実習では、学校のように試験をするわけではありません。

患者さんの検査をしたら、 "この患者さんはこういう状態・症状なので、こういう治療をする"

という自分の考えをレポートにまとめることに追われるんです。

現場でレポートに追われる前に、授業で毎回毎回レポート提出させて、少しでも慣れておいてもらおうということです。レポートを見るのも大変です(笑)

 


ただ、グループ活動のため、必ず一人1つレポートを書くというわけではないので、レポートを書く学生と書かない学生がでてきてしまいますね。

 


レポートだけでなく、必要な知識を補うための試験も別途行います。

個人・グループでそれぞれ学ばなくてはいけないことを混ぜた授業スタイルになっています。


実習の様子.JPG

 

 

■日比野ゼミはどんなゼミですか?

 


基本的には卒業研究です。

自分で疑問をもって、それを解決する方法をアシストしながら、自ら考えられるように進めて

います。

 


実験がメインなので、全然ゼミの時間におさまらないですね。

研究は、学生同士で試すしかないのですが、健常者同士で異常がないから、成果がでないんですよね。



ゼミ生は、男ばっかりなんですよ。仲は良いと思います。

研究も、最初は個人で進めてても、同じようなテーマで研究していると同じような疑問に固まってきて、具体的に研究方法を考えたときに、「共同研究にします」って言い始めてグループ研究になることもよくあります。

 


 

 

■学生の間にやっておいたほうがよいことはなんでしょう?

 


今言ってもわかんないでしょう(笑)

だから、働き出してから成長してくれればいいです。

 


1年生にいつも言うのは、「自己責任」ですね。

自己責任、自己責任、って折に触れて言います。

 


勧められて本学に入ってきた学生も多いので、たとえ「理学療法士になる」という目標があったとしても、初めから自分で持っていた夢というわけでもないんですよね。

そこが難しいんです、どう指導していくか。

 


過去にも、自分の進路について悩んでいて、理学療法士になることを辞めようかな、という相談を受けたことがあります。

そんな時は、その学生の資質や性格を見ながらアドバイスをするようにしています。

 


今辞めてはもったいないと思えば、続けた方がいいと勧めます。

実際、そう勧めて本学に留まったその学生は、卒業してしっかり働いていますね。

 


逆に、無理だなと思ったら、早めに親御さんと相談するようにしています。

そんなんじゃいかんのでしょうけど(笑)



やりたいことがまだ見つかっていない学生も多いんです。

でも、将来的にもう一回、「やろう!」と思ったらできますし

気が無いのに強制はしないほうがいいかなと。

 

 


■教えていて、面白いことは何ですか?

 

学生たちが成長していくのは面白いですよ、素直に。

成長もしない、反省もしないのが一番困る(笑)

 



■どんなときに、一番学生の成長を感じますか?

 

やっぱり、話ですね。

同じ専門用語が出てくるようになったりとか。

症状疾患が理解できるようになってきているな、とか。

 


1年生は、まだまだ子どもという感じです。2年生は、やっとちょっと成長が見られるけれども、やっぱりまだ意識を変えないと、という感じ。同じ領域の「仲間」という感じになってくるのが、実習に行って帰ってくる3年生後半からですね。



3年生で実習に行くと、はっきりと成長を感じます。

話していても違います。



結局、学生の卒業後の就職先はこの業界になりますから、 "同じ領域に入って来たな"っていうのが話していてわかると、ああ成長してきたな、って嬉しく思いますね。

卒業したら、活躍というか、どんどんやりたいことを見つけてやっていって欲しいですね。

 

 


■学生とは、よく話をするのですか?

 

します。

学生が直接研究室にも来ることもありますし、LINEも来ます。

ついさっきも、「聞いて欲しい」って連絡がきましたし(笑)

就職相談なんかも受けますね。

 

 


■どんな思いを持って、学生に接していますか?

 

考えることが苦手な学生もいますが、それでも、目指すゴールは "対患者さん" なので、

たとえまだ知識が無くても、自分第一ではなく、患者さんを第一に考えられるようになって

ほしいと思います。

 

 

 今日の一枚 

 

 

今回は、" 車グッズ "のご紹介です!


 


IMG_5724.jpg                                ↑アメリカで乗っていた車のナンバープレート


IMG_5727.jpg                                            ↑友人にもらった壁掛け時計



 

先生は、車がお好きなのだそうです。

特に早く走る車が好きで、「本当はフェラーリがほしい・・・」と仰っていました。

上の写真はアメリカ研修時に現地で乗っていた車のナンバープレートです。

ちなみにRAV4とCAMRYに乗っていたそうです(アメリカなのに日本車!)。

壁掛け時計もカッコイイですね!!

 

他にも、映画やゲーム、レゴなどもお好きだそうです。

 

 

 

 

日比野先生のスタッフガイドには、こんな言葉が載っていました。

 

You are responsible for what you do.

人として成長したい(できる)と思っています。」

 

 

「責任」というと、なんだか重くて嫌だなぁと思う学生もいるかもしれません。

でも、一人一人が自分の責任を果たすからこそ、守れるものや、進めていけること、拓いて

いける未来があるのではないでしょうか。


NGU生のみなさんには、本学での学びをもとに、そんな喜びを知る社会人となってほしいな、と思います。


人として成長したい方は、一度先生の研究室を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

次回の★Bridge★も、お楽しみに!

 

 

チョッパー子4年生中心の回

 

 

 

★Bridge★No.39 蒲生 智哉 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

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商学部 蒲生 智哉(かもう ともや)先生です。

 

蒲生先生は、サービスマネジメントを専門研究されており、本学では「経営戦略論」「経営管理論」

「経営組織論」「経営学総論」「生産管理論」などの科目を担当されています。

 

それでは、先生の思いをご紹介します★

 

 

 どんな思いをもって、授業に臨んでいらっしゃいますか? 


 

■学生を教える時に核になっていることはなんですか?

 

講義では、まず、知識ですね。

経営学で"社会を見る眼鏡"を作ってほしいと思っています。


 

商学や経営学を大学で学ぶ意義って、何でしょうか。

「学ぶ」のは別に実学でもいいわけですよね。

高校あるいは中学校を出て、すぐに働くならば、自分の仕事を通して、専門的というか特殊的に

実学で身に着けていくことができます。

しかし、その場合は、自分の働いた範囲、身の周りの狭い世界の話になりがちです。


 

大学ではどうでしょう。

僕は経営学が専門ですけれど、経営学には、百数十年の歴史で培われてきた理論や研究功績が

あって、それは、いわゆる"社会を見る目"なんですね。

特に社会科学では、人々の行動を見て、「社会ってこうなってますよ」ということを見ることが

できる。

ある種の眼鏡みたいなものです。僕の授業の中では、まずそれを身に着けてほしいですね。


 

学生にとって未知の世界をイメージしろというわけですから、難しいとは思うんです。

できるだけ身近な例で話すようにはしますが、理論ばかりですしね。




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授業中は無表情で淡々としゃべっているという蒲生先生。

「学生には冗談を言っても通じないです。でも、一部ではそれがツボにはまる学生もいるようで、授業アンケートに『無表情で冗談を言わないでほしい、笑いをこらえるのが大変だ』って書いてあったんです。授業中は私語禁止にしていますが、さすがにそれは笑ってください、むしろ笑って(笑)僕ももうちょっと表情豊かにしたほうがいいんでしょうね。」

そんな蒲生先生ですが、インタビュー時には、笑顔も沢山見せてくださいました!






■先生のゼミは、どんなゼミですか?

 

僕のゼミは、「考えて意見が言える」「質問できる」「グループワークできる」という、

いわゆる社会人基礎力と理論的思考力をトレーニングするゼミです。

ゼミって、3・4年生の2年間しかなくて、その後学生は社会に出ていきますから、

グループワークや協働で社会人基礎力を身につけてほしいと思っています。


 

また、ゼミでは、理論ベースの実学もきちんとやってもらいます。

作った眼鏡で、今度は実際に社会をみてきなさいということですね。


 

 

春学期前半は、僕の翻訳書をテキストにしています。

グループワークでテキストの内容について報告をさせて、ディスカッションをするんです。

すごく難しい本ですが、せっかく眼鏡を作ったのなら、とりあえずそれで社会を見たときに、

なぜそうなっているのか考えられるになってほしいと思うんです。


 

それができたら、次はグループに分かれて、どこかでインタビューしたり現地調査できるテーマを

考え、プロジェクトを立ち上げます。

2017年度は3つのチームがあります。最初に2つ、他のゼミと共同で金山商店街プロジェクトを

行うチーム、豊根村の人口減少に関して研究するチームが決まりましたが、もう一つのチームは

テーマがなかなか決まらなくて、報告に来るたびに「違う。面白くない。」って僕がダメ出しを

して(笑)

商店街をテーマにしようとしていたので、「他のチームと同じテーマをやろうと思った意図は

なんだ」と叱ったこともあります。



要するに楽をするなということですね。

他のチームがやっていることを自分たちも選んで、楽をしようとしてはダメなんです。

そのチームは最終的に篠島の観光政策について研究することになりました。



これである程度「理論」と、「実学」の部分がバランスよくできるんじゃないかと思います。

 

 



■各チームのインタビューや調査は、夏休みのうちにするのですか?

 

はい。

中でも豊根村は、僕自身興味があるので、調査に同行する予定です。

村は茶臼山スキー場の近くで、静岡・長野・愛知という3つの県の愛知県側のはざまにあります。

ニンニクを特産品にしようと試みているようです。

色々と気になるところがあるので、学生たちに聞いてもらおうと思っています。



 

■テーマは人口減少をくいとめる方法ですか?


 

豊根村の村長さんは、「小さく持続する村」をコンセプトに村づくりを推進しているんです。

でも、「小さく持続する村」って、なんというか、ちょっと聞くだけだと閉鎖的な印象じゃ

ないですか?少子高齢化が進めば、村の人口は減りますよね。その中で村が持続していくためには、

観光にしろ移住にしろできるだけ人を誘致していかなければ成り立たないでしょうから、

もうちょっとポジティブなコンセプトがあってしかるべきだと思うんですけれど...。


ですから、学生が豊根村人口減少に歯止めを掛けるというテーマで調査研究したら、面白いと

思います。

チームの学生が村の方にすぐにアポをとることができたので、色々と話を聞かせてもらう予定です。



 

■発表はどういった形でするのですか?

 

9月初旬に、北海学園大学(北海道)に行って研究報告します。

その後、いかに研究をビジネス化していくか考えていきます。

実は、10月末までエントリーのできる『キャンパスベンチャーグランプリ』というビジネスプラン

コンテストに参加予定なんです。

様々な大学が参加するコンテストで、書類選考で通れば、地区決勝大会で発表、そこで優秀な成績を

修めれば全国大会と、全国区でプレゼンができます。審査には様々な項目があって、それらに関して

きちんと考えていくことが、いわゆる"ビジネスプランを考える"ということ繋がります。

 

自らの研究成果を、こういったところに落とし込んで、

研究とビジネスを結び付けて考えられるようになってくれればいいなと。


 

ひとつ、大学生の指導時に意識していることがあります。


 

名古屋あるいは東海地方の方って、外に出る傾向が少ないですよね。

僕自身、色々な土地を転々と渡った経験から、特に外の世界を見ることが大切だと思っているんです。


ですから、本学の学生に、他大学の、できれば名古屋以外の学生との接触を持たせることで、

学内だけ・自分たちだけの関係性ではなく、広く学外とも繋がっていると意識できる活動をさせて

あげたい。

そのために、こういった外部の催しに参加することで、学外に目を向けてもらえたら、と思って

います。

そのほうが学生たちにとっても刺激になると思うので。

 

 

■サービスマネジメントには、どのように興味を持たれたのですか?

 

元々近代組織論を研究していたのですが、組織論的観点からチーム医療を研究し始めたんです。

チーム医療は、いわゆる"活動"なので、そういった動的なところをみられるのはサービスだろう

ということで、大学院でサービスマネジメントの先生に就いて学びました。

博士課程2年生の時には、フィンランドに半年間留学し、この分野の第一人者であるグルンルース氏

ところでも学びました。


 

フィンランドでは、博士課程まであるビジネススクールに通いました。

日本とは全然違いますね。

色々な国籍の学生がいましたし、学費は無料なので自分の生活費だけで済みますから、助かりました。

生活自体も日本とは違ったし、フィンランドに行ったことで研究に対する観点も変わりました。


 

大学院生修士課程の頃は、友達と朝から晩まで寝る間も惜しんで勉強、勉強でした。

博士課程になると、その友達がいなくなり、一人で研究を続けなくてはいけなくて大変だったんです

が、ガツガツではなく、ちゃんとメリハリをつけて、「やるときにやる」という考え方に変わりまし

た。


 

サービスマネジメントの研究は好きですね。

ありがたいことに、この分野の人間だと認識してもらっているようで、色々なところから研究の

お誘いをいただきます。

研究者って、みんなそうだと思うんですけれど、学外の研究者間の評価があるとモチベーションが

湧くと思うんですね(笑)

そういう意味で、サービスマネジメントの分野で研究できていることは、良いと思っています。



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英語、日本語の辞書が機能的に配置されている先生のデスク。

                                以前翻訳した、C.グルンルース氏の著作の新版を再翻訳中。






■学生に教えていて、面白いと感じるのはどんな時ですか?


 

学生に、自分が伝えたい事がきちんと伝わって、

彼らもその観点から考えられるようになっていることが

わかると、楽しいというか、有意義というか、ありがたいと思いますね。

 

リアクションペーパーや論述試験などで、ケーススタディ的な論述をさせるのですが、

その論述が理論的な観点から考察されているとわかる時は、やはり楽しいですね。

 

僕は、今のところ「サービスマネジメント」という科目は担当していないんです。

2017年度から、他の先生が担当でサービスマネジメントの授業が始まりました。

でも、ゼミ生には、その内容を伝えても伝わらないんですね。

体系立ってサービスマネジメントを学んでいれば伝わると思うんですが、サービス分野の基礎的な

ことが、今のゼミ生世代には浸透していない。

こうなると、どんなに優秀な学生がいても話が伝わらないので、基礎の基礎から始めなければならず、

 

がゆい思いをします。



 

 

■今、NGU生に伝えたいことは?


 

「大学に来た意義をちゃんと考えなさい」ということですね。

ただ遊ぶだけで得られるものは何もない。


 

よく「遊びも大切だ」ということを言うけれども、ただ遊んでいるだけ、っていうのは

大学に来た意義とは全く関係ないわけで、遊びたいだけならフリーターでいいわけです。



大学で学ぶ選択をしたのですから、ちゃんと勉強しなさい。

大学で学んだ内容で、ちゃんと社会を見られる観点を、自分で身に着けていきなさい。


 

遊びやバイト、社会活動をするのもいいですが、

そこでも自分が学び、手に入れた眼鏡で物事を見て、

効率性や効果を考えて行動できるような人間になってほしい。


 

たまに、ただ遊んでいて勉強せず、課題を中途半端にやってくる学生がいますが、

それは違うだろう!と。


意味のないことをやらせているつもりはないので、何のために課題を出しているのか、

そういった意義をちゃんと考えてほしいと思います。


 

そういった意味では、自分で「これでいいや」と安易に終わらせず、できる限り追究してほしい

とも思います。



大学院生の頃、僕は寝る間も惜しんで勉強していました。

厳しいかもしれないけれど、そういったちょっとしたハングリー精神を持って頑張ってほしい

ですね。






 今日の一枚 


 

今日の1枚は、 " 最近のお気に入り " です!


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万年筆、ペーパーナイフ、無針ホチキス

 

「実は、今年(2017年)の7月に、人生9回目の引越しをしたんですよ。

僕、生まれは高知県で、育ちは高校まで宮崎県、それ以降岡山県、滋賀県、フィンランド、もう一度

滋賀県、東京都、名古屋と移り住んでいます。

家には必要最小限のものしか置かないので、一人で引越しできちゃうくらい荷物が少ないです。

家具も必要最小限で、大きなものは引っ越しの際にリサイクルショップに引き渡します。

人から頂いたものは捨てられずにいますけれど、基本、モノに執着しない

自分で買っても、引越しの度に毎回手放しちゃう(笑)」


 

モノに執着しないという先生ですが、手にされた万年筆は、贈り物で頂いたお気に入りなのだとか。


 

「あまりモノには執着しませんが、強いて言えば文房具ですかね。

比較的変わったものを集めます。文房具こそイノベーションのかたまりです。

 

 

余談ですが・・・

基本的にゼミではプライベートは見せないという先生。

学生にとっては生活感が感じられないようで、電車に乗っている姿を珍しがられたことすらあるのだ

とか。

実は、キレイ好きで、お料理もなさる(なんと林檎の皮むきが得意!)という一面もあるのですよ★

 

 

 

 先生のお薦め本 


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「チーズはどこへ消えた?」

スペンサ―・ジョンソン著  門田美鈴訳 扶桑社



先生は、こんな風におっしゃっていました。

 

「有名な本なのでご存知の方も多いでしょうか、簡単に言えば『ずっとその場にいても

しょうがないよ。変化に関しての恐怖感を取り除くべきだよ。』というお話です。

環境は刻一刻と変わっていきます。いつまでもあると思っていたチーズは、気づけばどこかに

消えてしまいます。チーズが消えたらな、どこかに探しにいくなり何なりしたほうがいい。

そのためには自分も変わっていく必要があるし、変わることに関してして恐れてはいけないと。


 

現状に慣れてしまうと、楽じゃないですか

でもそうすると、もうそこから成長が無いわけですよね。

新しい環境に適応していくことは、当人にとってはある程度負荷になりますが、

視野も広がって新しい考え方もできるようになります。

そういった意味で、以前の自分より成長していくわけです。

変化は自分の成長を促してくれる要因になると思うんです。」

 

 

 

様々な土地で暮らし、変化に適応していらした蒲生先生らしいチョイスですね!

本学の図書館にもありますので、是非手に取って読んでみて下さい!

 

 

 

 

大学生らしい学びに全力投球してみたいNGU生のみなさん、

先生の研究方法やフィンランドのお話を伺いに、蒲生先生の研究室の扉を叩いてみては

いかがでしょうか?

 

 

次回の★Bridge★も、お楽しみに!

 

 

 チョッパー子


★Bridge★No.38 木船 久雄 先生

|
学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

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経済学部 木船 久雄(きぶね ひさお)先生です。

 

木船先生は、「現代社会と経済」「資源経済学」「資源・エネルギー政策」「マクロ経済学入門」などの科目を担当されています。

20173月までは学長をされていたので、4月から久しぶりに授業を担当されます!

 

それでは、先生の思いをご紹介します★

 

 

 どんな思いをもって、授業に臨んでいらっしゃいますか? 

 

僕は、エネルギーや環境について専門研究していますし、社会科学系の教員ですので、

やはり学生にはできるだけ広い社会を見てほしいという意識がありますね。

 

高校までは、教科書や与えられたものを覚えてくような勉強方法が中心だったかもしれませんが、

大学では、物事の流れ・・・なぜそういう出来事があって、私たちはそこからどんな教訓を得て、

今何をしなきゃいけないか、というようなことを自分で考えたり、興味をもって調べていくことに

なります。


社会は本に書かれていることに留まらず広く色々なことがあるので、世界全体に目を向けて、

そういうことに気がついてほしいし、チャレンジしてほしいです。

ですから僕も、授業では、自分が色々なところで経験したことを話すようにしています。




 

●木船ゼミはどんなゼミ?


 

僕のゼミは資源経済学系のゼミですが、学生には、新聞記事の発表と解説を必ずさせています。

春学期は自分の興味のある経済・社会の問題を、どんな記事でもいいから取り上げて、解説して、

質疑応答する、ということをしました。


できるだけ世界の問題や時事についても意識してほしい。

社会で起こっていることについて、一家言持てるようになってほしい。

 

授業やゼミを、自分の考えを持つ機会にしてほしいと思っているので、できるだけ、

「世の中にはこんなこともあるよ、あんなこともあるよ」という情報を提供するように心がけています。

なぜそうなるのか、そこから自分がどんなメッセージを感じるのか、考える機会をなるべく多く作りたいと思っていますね。

 

 

ゼミではいくつか夏休みの宿題を出しました。

まず、新聞記事の解説を1週間に1本。

社説・論説を取りあげて、要約して、自分の意見をコメントしなさいという課題です。



 

次に、月に一回読書感想文の提出があります。中学生みたいですけれど(笑)

本を読む事自体が大切だと思っているので、こういう本を読みなさいという指示はしようと思っていません。でもいいから、とにかく月に一冊本を読んで、読書感想文を書くんです。

 

今、なかなか学生は文章を書かないからね。段落の1文字下げとか、意識しないんですよ。

なぜかというと、メールはみんな左あわせでしょ。だから、感想文を提出させて、多少添削してコメントして返すときに、「段落を気をつけてね」と書いたりします。

いずれ卒論を書かなきゃいけないし、社会人になったら業務報告も書かなきゃいけないですからね。



 

今年は、6年ぶりに授業を担当しているので、結構、自分も教えられることがありますね。

学生が何を読書感想文の題材にしているかというとね、これがライトノベルなんです。

ゲームがらみだったり、アニメになったり、小説になったり、もうマルチメディアでそういう世界が

あるんですね。僕が知らないタイトルの本ばかりですよ。で、本屋で探してみたら、ライトノベルの

コーナーって、いっぱいあるんだよね!びっくりしちゃいましてね、そこは勉強させられました(笑)

 


新聞記事と読書感想文はゼミの課題でもあったので、春学期中も課題として出していたんですが、

4・5・6月課題を出していない人には夏休み中の宿題2です。

これがとっても嫌がられているんですよー!(笑)

それでも、やらなきゃいけないことは、ちゃんと最後までやらなきゃいけないんだって、

そういう思いで題を出しています。



 

最後に、夏休みの宿題がもう1つあります。

3年生は秋学期に調査研究報告書を作成しますので、それを作るための事前調査の企画書を用意すること。

2年生も、秋学期に自分の調査内容をパワーポイントで発表させようと考えているので、テーマを決めて

下調べするための企画書を用意してくること。

うふふ、これも嫌がられてるよー(笑)

学生は、小中学校の頃みたいに、最後の1週間でバタバタ焦ってやるのかな(笑)

 

 

くり返しになりますけれど、決められた教科書や範囲だけ暗記すればいいわけじゃない

できるだけ機会あるごとに広く社会に興味を持てるように、このメッセージを伝えようと思っています。

そうしないと、自分が何に興味があるのか、わかんないもんね。

視野を広げるために、学外はもちろんのこと、大学内でもいいから、色々な人がいるところでアルバイト

やボランティアをしてもいい。留学もいいですね。

スマホでゲームばかりやっているとか、同じような仲間でいつも一緒にいるとか、そういうところから

一歩外に出て、多くの機会に触れてほしいです。




 

●木船先生は、エネルギーや環境問題には、どういったきっかけで興味を持たれたのですか?


 

自分が好きでやってきたかっていうと、成り行きでこうなったっていうのが、実際のところです(笑)

 

僕、正直、大学時代あまり真面目に勉強したわけじゃなくって(笑)

でも、海外には興味があったので、大学2年生のとき、初めてソ連(1975年だから、「ロシア」じゃなくてまだ「ソ連」だった頃です。KGBのいるソビエト連邦!)を周ってヨーロッパ旅行をしたんです。

ユースホステルの仲間たちと一緒に、1月半くらい。

まだ19歳の頃です。

それが自分にとって人生初の海外旅行でした。

ソ連に2週間くらい居て、そこからローマを経由してヨーロッパの国々を巡って、最後ロンドンから帰ってきました。


それからの学生時代は、アルバイトをしたらバイト代はみんな旅行に使ってましたね。

旅行のためにアルバイトしていたようなもんです。


大学3~4年に掛けて、2ヶ月ほどインドにも行きました。

そこで世界が広いって分かったし、「あ、これでも人間は生きていけるんだ」っていう自信を持ったりも

して(笑)

 


そんなわけで、海外に関わる仕事がしたいという思いがあって、卒業後は商社に勤めたんです。

輸出入の通関業をやっているところで、業務にあたり「通関士」という資格をとることになりました。

当時は毎晩のように夜は酒盛りし、麻雀し、ダンスをし、楽しいサラリーマンだったんだけど(笑)、

その試験を受けなければいけなかったので、どんなに楽しい遊びをしていても10時になったら帰って、

4時に起きて2時間くらい毎朝勉強するようにしたんです。そういう生活をしていたら、

「あれ?僕ってこんなに真面目に勉強できるんだ」って、そこで初めて気がついた!(笑)


 

勉強するとそれなりに面白いし、なるほどと思うことも多くて。

せっかく貿易関係の仕事をしているから、貿易の理論を勉強しようと思って、資格試験が終わってからも

朝起きて勉強するスタイルは続けていたんですよ。その時の貿易理論の本の著者が、田中喜助という方で、

早稲田大学の先生だったんです。「この先生に就いて勉強したいな」と思って田中先生のゼミを志望して、試験を受けたら通ったので、3月に会社を辞めて。こうして大学院に行って、修士のテーマとして資源貿易の理論をやったんです。


 

博士課程に行こうかどうしようか迷っていた時に、たまたま日本エネルギー経済研究所というところが人を募集していて。「木船くん、こういう研究をしているなら、君、ここ受けてみたら」って勧められて、

「どうしましょうかねー」って受けてみたら通っちゃった(笑)そういうわけで、その研究所でエネルギー関係の勉強をして。

エネルギーだとか、資源の現状を含めて勉強させてもらったのは、まさにこの研究所なんですよ。

だから研究所の人脈もいまだに繋がっているし、その研究所からMIT(マサチューセッツ工科大学)に

2年ほど勉強に行かせてもらったんです。そういうこともあって、研究所時代は鍛えられましたね。


 

日本の社会科学系の教員の育て方って、あんまりシステマティックじゃないんですよね。

理系の場合、講座制があって、教授がいて准教授や助教がいて、そこに大学院生がいますよね。

研究室にはまさにヒエラルキーができていて、丁稚奉公させられるし、その間に文章の書き方を含めて

研究の仕方を学んでいくんです。

でも日本の社会科学系って、あんまりそういうことが丁寧にされない。

それを考えると、僕は研究所にいられたので、「てにをは」を含めて自分の文章に手を入れてくれる人が

いて、すごくラッキーでした

そういった意味でも、僕は研究所に育ててもらったというか、恩を感じています。


 

途上国のエネルギー問題を研究し始めたのは、大学に来てからなんです。

1992年に本学に就任しても、初期の7年近くは、研究所と大学の二足の草鞋をはいていました。

その時に、研究所のプロジェクトで、途上国におけるJICA((独)国際協力機構)関連の仕事を

したんです。


イランのプロジェクトから始まって、ポーランド、中国、インドネシア、トルコ、フィリピン、ベトナム...。大学の仕事があるので現地に行くのは夏休みや春休み、短いタームだと1週間とか。

そんなわけで、否応なく途上国のエネルギー問題をやらざるを得なくなったんです、成り行きで(笑)

 

でも、なんでもやり始めると、初めは興味がなくても結構面白くなってくるんです(真面目にやるとね!)

誰でもそうだと思うのだけれど、


どうせやるなら真面目に面白く、

うせ生きるんなら楽しく生きよう


前向きに、ね。この仕事に関しては結構前向きですね、僕

 

 


 

●先生の研究分野の面白いところは?   

                                                                               

 

資源や国際関係の面白いところは、自分が想像もしないことが起こることじゃないですかね。

 

前述の話でいうと、JICAのプロジェクトはODA(政府開発援助)ですから、プロジェクトの形成段階では、JICAの職員が日本政府の代表として現地に行って交渉するんですね。そして交渉後には必ず会議メモを作って、お互い代表者が何が決まり何が決まらなかったかという確認のサインをして帰ってくるんです。


けれども、次に行くと「あれ?この前来たときにはこう言っていたはずなのに、また1からなの?」とか「資金を出してるのは日本なのに、何を勝手な事を言ってるんだよ(怒)」というようなことがしょっちゅうあるんです。


日本人だけの社会では通常通用しないようなことが当たり前のように起こったり、価値観が違ったり。

「日本はお金持ってるんだから、色々やるのは当たり前だろ」とか。

Give &TakeじゃなくてGive&Giveですよね(笑)


 

でも、そんな中で、日本人でも「この人すごいな!」という人がいるんですよ。

タフネゴシエーターというか、僕だったら諦めて「もう帰ろう~」って言っちゃいたいところを、

お互いにとってハッピーな解決方法を見つけるために根気強く、タフなネゴシエイトをする人がいる。

あれはすごいですよ。


 

こういった自分の体験も含めて、教科書からでは分からないことが色々見られるから面白い

「そんなリスキーなこと、何も面白くない」という人もいると思いますが、僕は結構楽しめるというか、

良いのか悪いのか分かりませんけど、行き当たりばったりを楽しんじゃいますね。

 


 

学部長表彰を受賞するような学生でも、視野が狭くなっていることがあるよね。

成績評価のために、授業の出席点にこだわったりして。

出席点にこだわるよりも、その時間何を学んだかのほうが大切だろうと思うのだけど。


もちろん大学は教育機関ですし、大学の成績にこだわること自体が悪い訳ではないんですが、

大学生ですから、いつも自分のいる庭だけ見ているんじゃなくて、庭の外を見る、世界を見るっていうことをしてほしいね。

それが「自由度の大きな大学生の時間の使い方」ではないでしょうか?

 

世の中、教科書に書いてあることばっかりじゃないよ、ということをできるだけ伝えたいし、

胆力というか、自分が考えていることを自分の言葉で話せるようになってほしいと思いますね。

教科書読んで覚えて、抽象的な発言をするのでは何も面白くないし。

自分が自分の経験から何を考えるのか、一人一人個別の人生のもと、発言してもらうのが面白いよね。



 

■自分が「この先生は面白い」と思うかどうかによって、入ってくる情報量が全然違って。

誰が、どういう風に伝えるかも大事ですよね。


 

僕の授業はどうだろうね、寝てる人もいるし。

あてても「わかりません」って言う学生もいるしね。

「どう思うの?」って聞いているのに、「わからない」って。

 

外部での講演は、興味ある人が来てくれるので、講師としては楽ですよね。

その点、大学の授業はムズカシイよね。皆が興味を持って来てるわけじゃないもんね。

タイトルを見て、この単位が必要だからとか、このコマの時間帯が空いてるから・・・って。

 

今は大教室で授業をしているし、飽きない授業ってどうしたらいいのか、そこは悩みですね。

PPTのスライドもいいけれど、写したり穴埋作業をさせるよりは、本当はストーリーを聞いてほしいんだよね



 

●学長職を終え、久しぶりの授業はいかがですか?


 

「現代社会と経済」は、今年初めて担当しました。

共通教育の科目なので、さまざまな学部の学生がいます。

 

タイトルは「現代社会と経済」と決められているけれど、講義の内容は自分で決めるわけで、例えば高校の「現代代社会」をチェックして、それを参考にどんなテーマにするか15回分設計するんです。大学の授業なので、金融論や財政学、国際経済、社会保障、消費者経済など、取り上げたいテーマが色々があります。それを、1テーマ1回読み切りみたいな感じで15回分にしようと思ったら、結構準備が大変だったんだ(笑)

金融論の先生が、財政学の先生が、15回分やることを、大枠だけとはいえ1回でやるってなかなかだよね。マクロ経済学を授業1回でやる!みたいな(笑)

おかげで、勉強させられた(笑)

もう6年も現場にいないと「ああ、今こんな風になっているんだ」とかね。


 

娘から、「お父さん、学長終わったら、木~日は授業がないから週休4日じゃない?」って言われて。

「バカモノ見てみろ」と。

「月火水どころか、木金土日まで、パソコンにむかってカタカタ働いてるじゃんか!」って(笑)

新入社員みたいだったよ(笑)

 


いかにサボっていたかってことだよね。

現代の事をちゃんとキャッチアップして、フォローして、見ていなかったな、っていうのがよくわかりました。学長のころだって、日経新聞は毎日読んでいたんですが、誰かに話をするわけではないですからね。

でも人に話をしようと思ったら、ちゃんとデータをチェックしてグラフを書かなくちゃいけない。

そう思って準備していたら、時間がかかりましたね。


 

そういう意味では、インターネットはありがたかったよね。

政府の財政赤字が1100兆円だというけれど、実際いくらだ?と調べようすると、インターネットですぐに財務省や総務省のデータが探せる。

インターネットがなかったら、僕、授業準備できなかったよ、ほんとに!(笑)


 

「現代社会と経済」だから、昔の資料を使っていても役に立たないでしょう?

現在赤字がどれくらいで、それにどう対応しようとしているのか、政府はいくら医療費や年金財政に予算をかけていて、医療費41兆円のうち、誰がお金を使っているのか、とか。

学生には、抽象論じゃなくて、できるだけ現実のデータやグラフを示して「ああ、半分以上70歳以上の人にお金がかかっているんだな」というようなことも含めてわかるような授業を心掛けています

 


それと、今公表されている一番最新のデータを「●●年●月のデータが一番新しい」と言いながら紹介するようにしました。

2016年度までは公開データとしてわかっているのに、2012年までのデータまでしか扱わないとなると、

そりゃサボってる気になるでしょ?

 


ただ、データを示しても、その数値や年号が重要なわけじゃなくて、大きなトレンドとか、因果関係とか

世の中の流れの方が重要なんだよね。

その流れを見るために、実際のグラフとしてはこういう風に急激に医療費は伸びていて、と示すんです。

そこから、年々倍々ゲームで医療費が伸びてきているのはなぜなのか、それは寿命が延びているからで、

寿命が延びるということはお金のかかることで、若者たち、君らみんな大変なんだぞ、っていうことを

知ってほしい。そう思ったら、最新のデータを扱わなくちゃ、ってなるよね。


 

興味のある学生がいたら、データの出所はここなので、こういうところを調べればいいですよ

という意味も含めて示していたつもりです。


 

 

●今、学生に一番伝えたいひとことは?


 

自分の殻を破りなさい。

「自分の枠はこれだけだ」「私はこの程度だから」と決めないで、

それを越えてチャレンジしてみてください。


 

「何したらいいですか?」って聞かれたら、「留学してみたら」って言うけれど。

カルチャーショックって重要だよね。

名古屋学院大学には、良い留学プログラムがたくさんありますから。


目的が無くても、何も無いからこそ、行けば変わるから。

一歩、もう少し外に出てチャレンジしてみたらいいと思うよ。



 

 今日の一枚 

 

今日の1枚は、 " レアな持ち物 " です!


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オイルサンドのサンプル

 

砂の中にオイルが含まれており、これを生成して合成原油が作られます。

これは、カナダはアルバータ州の砂漠の地下深く1000m付近で採取できる、非常にに重たいオイルサンドで、ここから合成原油をもとに、ガソリンや軽油などの油製品が作られていくそうです。

このサンプルは、その生成過程でさまざまな状態になったオイルサンドなのだとか。

 

今まで頂いた中で、非常にありがたかったもの、ということでご紹介いただきました。

 

 

 

木船先生は、気さくで話題の幅が広く、お話を伺っていてとても面白い方です。

このブログを読んでちょっとでも興味をもってくれたNGU生のみなさん、

木船先生の研究室を訪れて、先生とお話をしてみてはいかがでしょうか。

目的があっても無くても、何も無いからこそ、小さなことが自分を変える事なきっかけになるかも

しれませんよ。

 

 


次回の★Bridge★も、お楽しみに!


 

チョッパー子4年生

★Bridge★No.37 宮坂 清 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

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国際文化学部 宮坂 清(みやさか きよし)先生です。

 

宮坂先生は、「社会学入門」「宗教社会学」「文化人類学入門」「文化人類学」「日本の民俗学」

「南アジア文化社会論」などの科目を担当されています。

 

  

それでは、先生の思いをご紹介★

 

 

 どんな思いをもって、授業に臨んでいらっしゃいますか? 

 

チョッパー子:先生の授業について教えて下さい。

 

私は、大きく分けて2つのタイプの授業を担当していて、1つは教養科目、

もう1つは国際文化学部の専門科目です。

 

教養科目の授業には他学部の学生もいますから、広く浅く、これは知っておいた方が良い

という内容の話をしています。

狭くて深い話をしてしまうと、一部の学生は反応してくれるのですが、

その他の学生は「何言ってるの?」という感じになってしまうので、幅広く話してます。

 

やっぱり国際文化学部の専門科目には力が入りますね。

私は、インドの研究をしています。

そこに至るまでにいろいろな地域を訪れ、様々な経験をして専門をインドにした経緯があるので、

学生にも色々なところを見てほしいし、興味があることを見つけたら、

そこにはまり込んでほしいと思っています。

そんな道筋をつけられるような、キッカケになる授業ができたらいいですね、

難しいですけれど(笑)

 

私は、春学期に「文化人類学」「日本の民俗学」、秋学期に「南アジア文化社会論」を

担当していて、これらはそれぞれ全く別の学問なんですよね。

「文化人類学」はヨーロッパ発祥の異文化を研究する学問だし、

「日本の民俗学」は明治時代に柳田國男という人から始まった学問だし、

「南アジア文化社会論」は地域研究の枠組みなので、本当に全然違うんです。

 

それぞれの科目で、何か学生にきっかけを与えられるような道筋をつけたいんですけれど、

なかなかうまく行かない(笑)

でも、授業をしていると、一部の学生は釣り上ってくるというか、

私の話に反応している手ごたえがあるので、そんな学生を増やせる授業をしていきたいですね。


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↑研究室で、先生をいつも見守っているラオスの夫婦神、プーニュー(祖父神)の像。

ラオスで購入した時は、対になる神様だと知らず1体のみで連れて来てしまい、

申し訳ないと仰っていました。

                              いつかニャーニュー(祖母神)も連れて来てあげてください!


例えば、「日本の民俗学」では、一般的にずっと古い時代から続いている庶民の暮らし・文化を

ますが、私はその中でも、とりわけ古代の人々の信仰・宗教に興味があって、そこに特化して話

しています。非常にマニアックな話になります(笑)

ですから、当然学生の中には、「この人は何言ってるんだろう?」とぽかんと見ている学生も

いて、ちょっと気の毒なんですけれど、やっぱり私が大事だと思っていることを授業では伝えよう

思っています。

 

人間の文化・人類の文化を考えると、現在では多くの国があり、様々な文化があって、

"自分の文化"や"異文化"がありますが、歴史を遡っていくと、古代へ遡るについれて、

共通のところに辿り着く気がするんです。

 

だから、「日本の民俗学」で日本のことばかり扱っていても、ずっと遡っていくほど、

「あれ?これ、似たような話がインドにもあるな」とか「似たような話、中国にもあるな」とか、

繋がっていく回路があるような気がするんですね。

 

日本の古代っていう、非常にマニアックな話を聞いているつもりが、

異文化と似ている点がいっぱいある。

いろんな変化を遂げて、今、表面的には違うと思っているものが、

実はルーツをたどると共通のものだった、とか

そういうところを繋げてあげたいと思うんです。

私自身、そういう感覚が好きですし、

単に繋がっているだけじゃなくて、その部分が大事なことを言っているような気がするんですね。

 

他の文化と繋がるということに加えて、現代では忘れられてしまっている大事な感覚がある

ということも伝えたいです。

 

簡単に言ってしまえば宗教なんですけれど、いわゆる宗教というより、もうちょっと大きな、

人がものを見る時の姿勢や感性といったものが大事だと思っているので、そこをなるべく学生に

伝えられたらいいな、と思っています。そんなにうまく行かないですけれど(笑)

 

 


チョッパー子:アイルランドの神話の中に出てきた常若の国が、浦島太郎のお話に似ていると思ったことがあります。

 

浦島太郎的な話は、日本中にありますし、中国やインドにも似た様な話がありますし、

世界中にいっぱいあるんです。

 

海岸から海を見ると、海って、すぐ近くにあるけれど不用意に中に入れば溺れて死んでしまう

恐ろしい世界でもあるわけで、人間から見てある意味「異界」なんですね

 

人間って、自分たちの領域と、そうじゃない世界を分けて、別の世界を想像するという性質が

あるようなんです。

海岸に住む人々は、海の底に違う世界があるんじゃないかって想像するんです。


 

「海という巨大なところから、自分たちはやってきたんじゃないか。」

「そういうところに自分たちのルーツがあるんじゃないか。」

 


海が身近にある人々には、そういう思いがあるんでしょうね。

こういう考え方には、国や文化の隔たりは関係ないんです。

アイルランドに似た話があるのは、多分そういうところで繋がっているんじゃないでしょうか。

竜宮城とか、異界とか他界とか、沖縄だとニライカナイだとか・・・沖縄は、そういった考え方

非常によく残っています。

 

海が身近ではない陸に住む人々は、今度は「山」を異界ととらえるんです。

特に昔の人は、情報量が少ないですから(Google Mapも潜水艦も無いので行けないし(笑))

自分の見える範囲で「あの海の向こう」「あの山の向こう」を想像するわけです。

自分がなかなか行けない場所であれば、ある意味なんでもよくて、「身近な川の向こう側」という

場合もあります。

 

 

 

チョッパー子:なぜインドや文化人類学に興味を持たれたのですか?

 

私は学生のころ、旅行ばかりしていました。

ちょっとしか居なかった国も含めて、25ヵ国くらいでしょうか。


とにかく楽しかったんです。


知らない所に行って、

知らない景色を見て、

知らない人たちと話して、

知らないものを食べて・・・ということが好きで。

学生時代の思い出はそればっかりです。

 

それが一番大きなきっかけで、その中でも一番すごいと思ったのがインドだったんです。

一番巨大で、一番深くて、一生かかっても一部しか分からないだろうけれど、

ぐいぐい惹き寄せられました。

 

チョッパー子:インドは好き嫌いがわかれるとも言われますが、先生は「好き」の方だったんですね。

 

いや、嫌いですよ、インド

 

チョッパー子:ええ!?!?!?

 

「ふざけんなよ(怒)」っていうこと、いっぱいですよ。

私、インド人と喧嘩しますから(笑)

 

チョッパー子:えええ!?普段のご様子からは全然想像できないです!


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↑普段の先生

 

私、インドに行くと、結構ケンカ腰になるんです。

いや、そうしないと付き合えないんですよ(笑)

ある意味アメリカ人と近いというか、どんどん自分を出してくるんです。

こっちが遠慮すると、その分どんどん入り込まれて、ストレスがたまっちゃう(笑)

でも、対等に話せばストレスたまらないので。

日本人だと、多分、間を見たりするんですけれど、そういうことしませんからね。

 

そういう意味でも、インドって面白いんです。

自分も変わるっていうか。

「ああ、自分はこんなに怒るんだ」と、自分の知らない面が出てくる。

「嫌だな、ふざけんな」と思いながら道歩いてたりします(笑)

 

 

今は減りましたが、初めの頃はとまどったし、体も壊すし、色々しんどかったですね。

でも一方で、すごく良いところも見えてしまうというか。

本当に何てことないことが・・・例えば、陽が昇ったとか、子供が笑ったとか・・・

その時はハッとして、だんだん引き寄せられていって。

後から考えると、なんでだろうと思うんですけれど。

 

実は私は、大学を卒業してから5年くらいふらふらしてたんです(笑)

ビルの窓拭きの仕事やなんかをしていました。

ビルからロープでぶら下がっている、アレですね。

あれはいいんですよー、稼ぎがいいし、辞めてフイッと海外に行って戻ってきても、

また雇ってくれたりするので(笑)

日本で稼いで⇒インド⇒日本で稼いで⇒インドを2~3年くり返しましたね。

 

 

でも、単純に行ったり来たりしているだけでは分からないことがあって、

一生懸命文献を読んでいるうちに「これはすごいな」という本に出会うんですね。

「自分もこういうふうになりたいな」「こんな本を書きたいな」「こういう研究したいな」

思ったりするわけです。そして、日本⇒インドを繰り返していてもこれ以上深まらないし、

旅行者としてインドにいるのでは限界があるな、インドのことをもっと知りたいなら、

中へ入っていかなきゃいけないな、と考えたときに、どうしても「今の方法では足りないな」

感じて

 

もちろん、どんどん入って行ける人もいるんですけれど、私は、入っていき方として、

個人的に入っていくより、文化として知りたい、まとまりとして知りたいという欲求が強かった

んです。だから文化人類学には非常に惹かれて、現地に入り込んで調査する、ということをやって

みたいと思いました。

でも、非常に難しい面もあるとわかったし、ちゃんとやりたいと思って、大学院で学び直しました。

 

 

チョッパー子:その時に、「インドに定住する」という選択肢を取っていたら、名古屋学院大学にはいらっしゃらなかったかもしれないですね。

 

そうですね、そうなっていてもおかしくはなかったと思います。

たまたま偶然が重なって、今は名古屋学院大学にいるのですが、そういう風に転んでいても

おかしくない場面はありましたね。

 


チョッパー子:インドへのスタディーツアーは計画されますか?

 

スタディーツアー自体は、好きですね。

学生をどこかに連れて行くと、学生は喜ぶじゃないですか。

そして、その経験があとあとまで影響を及ぼしているのが分かりますし、

そういう場に一緒にいるのは悪くないと私は思っています。

 

でも、私が主体になってインドのスタディ―ツアーをやるっていうと、

それは大変だな、と思いますね。色んな意味で。

 

まず学生はお腹壊すでしょ、

ぼったくられるでしょ、

泥棒にあうでしょ、

そのうちに帰りたいって言うよなー(笑)

 

私が今、研究で訪れているのが、ラダックっていうヒマラヤ山脈の裏側で標高4000m近い場所

なんです。今は飛行機で簡単に行けますけれど、昔は貧乏だったのでバスで丸4日かけて行って

いました。インドの首都デリーから、最短で4日っていう場所なんです。

 

そんな場所ですから、私がまず体調が悪くなる(笑)いまだに(笑)

結構冗談ではなく「引率の教員が倒れた」となりかねない(笑)

薬があって、高山病は軽くて済むんですけれど、あまりにも空気が乾いているし、

気候も食べ物も変わるので、最初はどうしても体調が悪くなるんですよね。

もちろん、学生だって体調不良になるでしょうし。

だから、「良いところ」を見せる前に色々ハードルがあって(笑)

 

見せたいものはあるんだけれど、そこに到達して見せたいものを見せられるかっていう

不安がありますね。

 

インドの中でも、もう少し行きやすい場所を選んで行く、という手はあるかなと思います。

おいおいやりたいとは思っていますが、しっかり考えないといけないですね。

 

 

 

チョッパー子:学生に興味をもってもらうために、授業でとっている手法がありますか?