★Bridge★No.40 日比野 至 先生
学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・
リハビリテーション学部 日比野 至(ひびの いたる)先生です。
日比野先生は、「物理療法学」「地域理学療法学」「運動学演習」などの科目を
担当されています。
それでは、先生の思いをご紹介★
■■■ どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨んでいらっしゃいますか? ■■■
■先生の担当されている授業について教えて下さい。
担当している授業には、座学と、演習(座学と実習を組み合わせていく授業)があります。
座学では、「物理療法学」という授業があります。
物理的なエネルギーを使うので、物理療法といいます。
体に電気を流したり(電気療法)温めたり(温熱療法)したらどうなるのかを学びます。
首を引っ張ったり(牽引療法)もします。
単純に温泉に入ることも、物理療法では水治療法といいます。
基本的に、理学療法の中には物理療法と運動療法、あと日常生活(「着る」、「歩く」などの
動作)の練習の3つの分野があります。
「温める」ということ一つとっても色々な手段があって、どれが一番症状に合うかを考える
んです。色々なツールがあるので、何を選ぶか人によって差が出るところですね。
物理療法と運動療法を組み合わせることも多くて、例えば腰が痛かったら、電気を流したあとに手で腰を触るなど、何をどう治療していくのかは人によって違います。
2年生秋までは、どう温めると体にどんな反応があって、表面だけ温めるのか、深いところまで温めるのか、それに応じて選ぶツールがどう変わってくるのか、そういったことを座学で勉強します。
3年生になると、今度は実際に自分たち学生同士で座学で学んだことを試してみます。
温めたら温度はどうなるか、体の反応はどうか、実際にやってみて、レポートにまとめます。
演習は、養成校の指定規則の中で「実習」がありますので、それに向けて準備するための
授業になります。
例えば、1年生では見学実習があって、そこで初めて病院に行きます。
1年生なので、まだ知識もさほどないのですが、患者さんとコミュニケーションを取り、
将来働く現場がどんなところか見てくるんです。
これが3・4年生になると、実際に患者さんの検査や治療をしますので、2年生の演習でそこに向けて事前にちゃんと学習をして、実技をして、それをまとめる、ということを行います。
ノートを準備して、自分がやる実習に関してちゃんと下調べをしてきているのか、実際にやってみてどうだったか、記録させるんです。
3年生になると、もう一歩ステップアップして、これらのことをレポートにまとめます。
なぜレポートかというと、現場に出たときに必要だからです。
実習では、学校のように試験をするわけではありません。
患者さんの検査をしたら、 "この患者さんはこういう状態・症状なので、こういう治療をする"
という自分の考えをレポートにまとめることに追われるんです。
現場でレポートに追われる前に、授業で毎回毎回レポート提出させて、少しでも慣れておいてもらおうということです。レポートを見るのも大変です(笑)
ただ、グループ活動のため、必ず一人1つレポートを書くというわけではないので、レポートを書く学生と書かない学生がでてきてしまいますね。
レポートだけでなく、必要な知識を補うための試験も別途行います。
個人・グループでそれぞれ学ばなくてはいけないことを混ぜた授業スタイルになっています。
■日比野ゼミはどんなゼミですか?
基本的には卒業研究です。
自分で疑問をもって、それを解決する方法をアシストしながら、自ら考えられるように進めて
います。
実験がメインなので、全然ゼミの時間におさまらないですね。
研究は、学生同士で試すしかないのですが、健常者同士で異常がないから、成果がでないんですよね。
ゼミ生は、男ばっかりなんですよ。仲は良いと思います。
研究も、最初は個人で進めてても、同じようなテーマで研究していると同じような疑問に固まってきて、具体的に研究方法を考えたときに、「共同研究にします」って言い始めてグループ研究になることもよくあります。
■学生の間にやっておいたほうがよいことはなんでしょう?
今言ってもわかんないでしょう(笑)
だから、働き出してから成長してくれればいいです。
1年生にいつも言うのは、「自己責任」ですね。
自己責任、自己責任、って折に触れて言います。
勧められて本学に入ってきた学生も多いので、たとえ「理学療法士になる」という目標があったとしても、初めから自分で持っていた夢というわけでもないんですよね。
そこが難しいんです、どう指導していくか。
過去にも、自分の進路について悩んでいて、理学療法士になることを辞めようかな、という相談を受けたことがあります。
そんな時は、その学生の資質や性格を見ながらアドバイスをするようにしています。
今辞めてはもったいないと思えば、続けた方がいいと勧めます。
実際、そう勧めて本学に留まったその学生は、卒業してしっかり働いていますね。
逆に、無理だなと思ったら、早めに親御さんと相談するようにしています。
そんなんじゃいかんのでしょうけど(笑)
やりたいことがまだ見つかっていない学生も多いんです。
でも、将来的にもう一回、「やろう!」と思ったらできますし、
気が無いのに強制はしないほうがいいかなと。
■教えていて、面白いことは何ですか?
学生たちが成長していくのは面白いですよ、素直に。
成長もしない、反省もしないのが一番困る(笑)
■どんなときに、一番学生の成長を感じますか?
やっぱり、話ですね。
同じ専門用語が出てくるようになったりとか。
症状疾患が理解できるようになってきているな、とか。
1年生は、まだまだ子どもという感じです。2年生は、やっとちょっと成長が見られるけれども、やっぱりまだ意識を変えないと、という感じ。同じ領域の「仲間」という感じになってくるのが、実習に行って帰ってくる3年生後半からですね。
3年生で実習に行くと、はっきりと成長を感じます。
話していても違います。
結局、学生の卒業後の就職先はこの業界になりますから、 "同じ領域に入って来たな"っていうのが話していてわかると、ああ成長してきたな、って嬉しく思いますね。
卒業したら、活躍というか、どんどんやりたいことを見つけてやっていって欲しいですね。
■学生とは、よく話をするのですか?
します。
学生が直接研究室にも来ることもありますし、LINEも来ます。
ついさっきも、「聞いて欲しい」って連絡がきましたし(笑)
就職相談なんかも受けますね。
■どんな思いを持って、学生に接していますか?
考えることが苦手な学生もいますが、それでも、目指すゴールは "対患者さん" なので、
たとえまだ知識が無くても、自分第一ではなく、患者さんを第一に考えられるようになって
ほしいと思います。
■■■ 今日の一枚 ■■■
今回は、" 車グッズ "のご紹介です!
先生は、車がお好きなのだそうです。
特に早く走る車が好きで、「本当はフェラーリがほしい・・・」と仰っていました。
上の写真はアメリカ研修時に現地で乗っていた車のナンバープレートです。
ちなみにRAV4とCAMRYに乗っていたそうです(アメリカなのに日本車!)。
壁掛け時計もカッコイイですね!!
他にも、映画やゲーム、レゴなどもお好きだそうです。
日比野先生のスタッフガイドには、こんな言葉が載っていました。
「You are responsible for what you do.
人として成長したい(できる)と思っています。」
「責任」というと、なんだか重くて嫌だなぁと思う学生もいるかもしれません。
でも、一人一人が自分の責任を果たすからこそ、守れるものや、進めていけること、拓いて
いける未来があるのではないでしょうか。
NGU生のみなさんには、本学での学びをもとに、そんな喜びを知る社会人となってほしいな、と思います。
人として成長したい方は、一度先生の研究室を訪れてみてはいかがでしょうか。
次回の★Bridge★も、お楽しみに!
チョッパー子4年生中心の回