★授業のぞき見★スポーツ健康学部こどもスポーツ教育学科『専門演習(2年次配当)』
こどもスポーツ教育学科『専門演習』は、幼稚園小学校の教員としての基盤を培うことを目標として、展開されています。
毎回主担当の先生と補助の先生が変わり、大勢の先生が関わる珍しい形態の授業となっています。前回の授業では、履修生が3グループに分かれ、本学瀬戸キャンパスを会場とした『小学校3年生の遠足』をテーマに、児童に、どんなコースを巡って、どのような活動し、何を得て欲しいか、コンペが行われました。
今回は、栄えある1位に選ばれたチームのプランを、プランを立てたチームの学生を"先生"役に、それ以外の学生と参加の先生方を"児童"役に見立てて、実際に学内を巡った後、振り返りを行いました。
将来教職についてから『遠足の企画、事前調査、計画の練り直し』の必要性を肌で感じて欲しいとの思いで、こどもスポーツ教育学科生を教える11人もの先生方が"児童"役として協力されました!
では早速、その様子をご紹介していきます★
遠足は、希望館の東口からスタートします。
取り仕切るのも、学生です。
「今日は暑いので、水分を摂って、熱中症に注意してください。」
まずは、"先生"役の学生から、本日のスケジュールやコース説明、注意が伝えられます。
その後、"先生"の後に続いて、いざ、遠足に出発です。
当日は良く晴れ、絶好の遠足日和となりました。
日焼け防止グッズを使用したり、日焼け止めを塗ったりと、日焼け対策をする"児童"の姿も見られました。
こんな何気ない場面も、遠足で注意することのヒントになったかもしれません。
山の斜面を利用して建てられた瀬戸キャンパスは、見晴らしが良く、自然に恵まれています。
遠足コースは多くの緑に囲まれ、様々な草花や、白鳥や鯉のいる池などが見え、思わず身を乗り出して見たくなる景色がたくさん。
景色に気を取られて歩いていると、どんな危険があるでしょうか?
廊下や階段など、実際に歩きながら遠足コースを体験していきます。
「 "先生"が、あまり後ろの"児童"を見ていないんじゃないかな?」
歩いている間に、そんなことに気づく学生もいました。
最初の目的地、ラグビー場に到着です。
ここでは、"先生"から、広いラグビー場を利用して、『増やし鬼』『氷鬼』『色鬼』をすることが"児童"に伝えられました。
楽しいゲームの前に、まずは準備運動です。
"先生"の掛け声に従って、""児童"たちが準備運動を行います。
ゲームごとに、"先生"からルールや活動範囲の説明があります。
最初に行われたのが『増やし鬼』。
最初の鬼は"先生"から発表され、"先生"の掛け声で、ゲームスタート。
みんな一斉に逃げ出しました。
晴天に恵まれ、1ゲーム終わるころには、みんな汗だくです。
「先生、水を飲んでもいいですか?」
ゲームとゲームの間には、児童役の先生から助け舟が。
「はい。みなさん、よく水を飲んで下さいね!」
暑い日は、水分補給が大切ですよね。
"先生"役になった学生は、この後、ゲームが終わるたびに、水分補給の声掛けをしていました。
『増やし鬼』では、誰が鬼かわかりにくいこと、『氷鬼』では、意外と早くゲームが早く終わってしまうことがわかりました。
早く終わったら、もう1ゲーム追加で行うなど、遠足先での時間のマネジメントについても勉強になりました。
『色鬼』では、指定された色を求め、参加者が鬼から逃げながら走り回りました。
「地面のラインは反則でしょ!」
これは、活動範囲内の地面にある色が指定されたときの一言。
こんな楽しい一コマも、活動場所に応じた臨機応変なルール設定が必要だという気づきにつながったのではないでしょうか。
さすがはスポーツ健康学部の学生&先生方、動きが活発です。
本気の疾走に、勢い余って転んでしまうゲーム参加者も出ました。
でも、小学校3年生は、もっと真剣に、全力で遊ぶでしょうから、"転んだ"ということすら、『動き回るゲームをしたら、けが人がでるかもしれない』『救急箱を持って行ったほうがいい』といった視点を持つキッカケになったことでしょう。
みんなで楽しくゲームをした後は、記念撮影を行う最終目的地に移動します。
木陰の涼しい道をゆっくり歩くことで、運動で熱くなった体をゆっくりクールダウンさせます。
雰囲気も、スタート時より砕けた印象です。
途中、遠足コース内で草刈作業が行われていました。
先生役の学生が、すぐさま作業員の方と相談し、無事通り抜けることができました。
実際の遠足でも、ルート上で工事や作業が行われているかもしれません。
この経験も、遠足を企画する際の注意点として役立ったでしょう。
「今から記念撮影をします!」
木陰の道を抜けると、そこは白鳥が湖面を泳ぐ池の畔。
"先生"が指示を出し、バラバラと動いていた"児童"たちを並べ、記念撮影の準備をします。
本物の小学3年生は、きっともっと好き勝手に動き回るでしょうから、一つの場所にまとめる時の苦労がしのばれますね。
実際の遠足だったら...と想像する手助けになったでしょうか。
これで、遠足の行程は終了です。
でも、"家に帰るまでが遠足"。
振り返りの為に教室に移動する間も、
「帰り道が急な階段なのは大変」
「蚊に刺された」
「この道は水たまりが多い」など、
注意すべき点のヒントとなる会話がたくさんありましたよ!
教室にもどったら、今日の遠足の振り返りです。
ここからが大事です。
「『討論の内容』は、遠足についてグループで話し合ったことや、どんな意見が出たかを簡単にまとめて下さい。」
「『グループ活動』には、今日の遠足について、指導者側に立った人はその立場から、子どもの役になったグループはその立場からの意見を書いて下さい。」
振り返りは、ポートフォリオ(学習履歴)を用いて行われます。
ポートフォリオには、課題名から始まり、事前準備や目標設定、講義の概要、討論の概要、自己評価などの項目があります。
履修生がこれらを記入して先生に提出すると、後日コメント付きで返却されます。
今日の振り返りは個人で行い、来週は、履修者と参加者の意見の紹介から授業が始まるそうです。
みなさん、時間いっぱいまで、一生懸命ポートフォリオを書きこんでいましたよ!
お一人の先生からは、最後にこんなお話が。
「教員になったとき、何かを任されたら、自ら『やります!』と言えるように、今回の遠足だったら自分はどういう役割を担えたか、他の人たちにどんなアドバイスをきいてみたいか、一週間考えてみてください。」
それぞれの立場で、他の参加者がどう感じたのか、来週の授業が楽しみですね。
今回の遠足に参加されていた先生の中でお2人に、どのような思いで授業をされているのか、少しだけお話をうかがうことができました。
みなさん思い入れが深く、ブログでは一部のみとなりますが、こちらも併せてご紹介します。
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吉田 淳(よしだ あつし)先生
こどもスポーツ教育学科の初代入学者に対する教員の思いは、大きいです。
名古屋学院大学で学ぶ4年間は、教養・学術・専門性といった知識や技能だけでなく、教職への愛着や意欲を高めてもらいたいですね。
今回、授業の一環として遠足モデルプランを作成した『専門演習(2年次配当)』は、教員という仕事へつながることに焦点をあてて展開しています。
幼稚園・小学校の教員としての基礎を養うとともに、3年次生以降の専門科目、研究の基盤にもなっています。
仲間との協力や討論の大切さを学んでくれることも期待しています。
大学4年間でできることは多くはありませんが、教職に就いてから意味のある資質能力を育て、教員として成長できるよう、4年間の教育を展開したいと思っています。
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滝浪 常雄(たきなみ つねお)先生
昨今はアクティブラーニングということも言われていますので、学生たちが積極的に動ける状況を作り出そうと、(遠足シミュレーションを)取り入れました。
『専門演習』の授業では、比較的討論をすることが多いです。
討論は、自分に結果が返ってきて考えが深まるという点は良いのですが、みんなで話し合って合意形成する場面が少ない。こどもスポーツ教育学科の学生ですから、将来的に自分が先生になった時は、討論だけでなく、合意形成して、チームワーク良く進めていかなくてはいけないでしょう。
ですから、実戦に近い形の活動ができないか、ケーススタディ的な内容で授業を実施してみました。
教員の思いは大きいのでしょうね。
大きすぎて潰れやしないかと思うくらい(笑)愛情かけてやっています。
私自身、以前は小・中学校の先生だったのでなおさらですが、『こどもスポーツ教育学科』生ですから、やっぱり是非とも先生に...こどもを教育する立場になってほしいと思いますね。
ですから、私に限らず教員は、教員側として『目指すもの』をもって学生に接しています。
このことは、今回の教員の出席率の高さに現れていると思います。
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今回の遠足には、お忙しい中、11人もの先生が参加されていました。
また、遠足の様子からは、学生と教員とに、しっかりした信頼関係が築かれていることが感じられました。
先生方が、それぞれ愛情を持って、学生に接してこられた結果でしょう。
今、NGUの先生方によって愛情いっぱいに育てられた学生が、将来、愛情いっぱいに子供たちに接する先生になる姿を想像して、チョッパー子も温かい気持ちになりました。
こどもスポーツ教育学科生のみなさん、たくさんの先生方にあたたかく見守られながら、実り多き4年間を過ごしてくださいね。
こどもスポーツ教育学科2年生のみなさん、先生方、ご協力、ありがとうございました!
チョッパー子