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大島康徳さんが語るベースボールの魅力

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3人の登場人物

 5月19日(土),クラインホールで「ベースボールの魅力」と題した公開講演会を催しました。今回の講演会は2部構成で,登壇人物は3人。

 一人目はメインスピーカーの大島康徳(おおしまやすのり)さん。元プロ野球選手,そして監督。現在は,NHKなどで野球解説者をされています。現役時代には中日ドラゴンズ・日本ハムファイターズ両球団で主軸として活躍され,通算安打数は2,204を数え,日本プロ野球名球会の会員です。

 二人目は,犬飼俊久(いぬかいとしひさ)さん。元東海ラジオ放送アナウンサーで,プロ野球中継に関してはプロ中のプロ。現在は,コラムニストとして中日ドラゴンズ関係の記事を執筆されています。講演会の第一部では,聞き手役として登場いただき,大島さんからとっておきの話を引き出す役を担っていただきました。

 三人目は,本学スポーツ健康学部の齋藤健治(さいとうけんじ)先生。齋藤先生が専門とする研究分野は,身体運動のバイオメカニクスです。高校時代は,愛媛県代表の甲子園球児。大学でも野球を続け,現在は本学野球部の部長です。齋藤先生には,講演会第二部で「速いボールを投げる方法」,「バットでボールをより遠くへ飛ばす方法」を科学的・理論的に説明して頂きました。その折,大島さんには,齋藤理論に対する,実践者の立場で実技やコメントをお願いしました。

 

大島さんの人柄と会場

 大島さんは,実に多弁でユーモアあふれるエンターテイナーでした。私を含め大学スタッフ数名は,打ち合わせを兼ねて,講演会が始まる1時間前から大島さんとお話しさせて頂きました。その時間中,彼を中心に笑いの渦でした。もちろん,本番の講演会でもそうでした。

 とにかく大島さんはサービス精神が旺盛で,一人一人の聴衆の顔を覗き込むようにしてお話しします。飾り気ない,ざっくばらんな口調で,ご自身や有名大打者の失敗談,野球選手たちの秘話を語ってくれるのです。会場は何度となく,ドッと笑いが起き,ヤンヤの拍手で沸きました。

齋藤先生を交えて「運動の理論と実践」が話題になると,大島さんはジャケットを脱ぎ,Yシャツ姿で実際にバットを振って実技のデモンストレーション。ブンブンと振り回すというわけには行きませんでしたが,「こうして」,「ああして」,「こうなって」と視覚に訴えるパフォーマンスでした。

 会場は,往年の中日ファンで埋め尽くされました。中には,野球少年と思しき小学生の姿もありましたが,圧倒的に多いのは中高年層。講演後に出されたフロアからの質問や意見も,「語り継がれる野球名場面」を材料にした質問や,プロ野球そのものに対する評論。いわゆる「ドラキチ」が一杯,というところでしょうか。

 

大島さんのメッセージ

 さて,大島さんは何を語ったか? 印象に残った幾つかのメッセージをあげておきたいと思います。

 ○自分の人生は,風に委ねるように,自然任せでここまで来てしまった。

 ○常に「負けてたまるか!」で生きてきた。それは,身近なライバルにも自分にも。

 ○勝者になるには,頭(理論)とハート(熱意)が大切だ。

 ○理論が教える理想的な身体の動きが判ったとしても,身体は直ぐにその通りには動かない。無意識にその動きができるようになるくらい,練習しなくてはならない。

 ○基礎体力のある人間(外人)とそうでない人間(日本人)とでは,理想的な身体の動きが異なるだろう。

 ○「天才イチロー」は努力人間の代表だ。だから,普通の人がイチローと同じくらいの努力では「イチロー」に勝てない。

 ○誰もが「天才イチロー」には成れないが,「イチロー」に近づくことはできる。だから努力しよう。

 

 明日から,BS放送のMLB ( Major League Baseball ) 観戦が一段と楽しめそうです。周りからは「しゃべり過ぎ」だと言われても,きっと大島さんは,多弁の解説を止めないだろうな。

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