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あの「金魚すくい名人」は,今

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名古屋駅から徒歩5分,「ウィンク愛知」から1分の辺りに「こいこい」という居酒屋があります。

 7月23日(金),本学職員の懇親会がこの居酒屋で催され,私も参加しました。大学の立地場所からすれば,懇親会の場所はやはり金山駅周辺だろう,どうして今回は名古屋駅なのだろうか,などと其処に行くまでは思っていました。

 しかし,その店に到着しオーナーを紹介されて,合点がいきました。この店のオーナーの飯田貴文氏は,本学外国語学部の卒業生(03F)なのです。しかも彼は,在学当時から,学内はもとより世間にもちょっと知られた有名人。

 何故,有名人であったか?彼は,「金魚すくい名人」であったからです。テレビ東京系列(愛知県ではテレビ愛知)で放送されていた「テレビ・チャンピオン」では,「金魚すくい王選手権」で,日本一を三連覇。「金魚すくい名人」の技は,様々なメディアで取り上げられ,あちこちの自治体主催の夏祭りイベントにも招待され,一躍時の人でした。

 飯田さんは,その一芸を評価されて(?),卒業と同時に大手企業に就職。そこを2年で退職し,株式会社KINGYOを立ち上げます。飲食業を主体とするこの会社は,既に名古屋市内6か所で店舗を展開し,年商ウン十億円の企業に成長しているそうです。

 飯田さんの活躍を見ると,「芸は身を助く」という諺が想起されます。しかし,この諺のオリジナルな意味からすれば,これは正しい用法ではないようです。それは,一芸に秀でていれば,それが生計の助けとなる,というのがこの諺の本来の意味(広辞苑)だからです。同氏の場合は,「金魚すくい」の芸そのものが,彼の生計を救ったというのではなく,「金魚すくい」で日本一になるほどの集中力や忍耐力といった資質が,同氏のビジネス展開に活かされたということでしょう。「金魚すくい名人」は,今やKINGYOにすくわれているのです。

 中世のレオナルド・ダビンチを牽くまでも無く,ある分野で一流の人物が,全く違う分野でも素晴らしい才能を発揮する例は珍しくありません。日本でも思想家として高名な寺田寅彦や岡潔は,傑出した物理学者や数学者でした。

 大学の一芸入試や,高校の成績評価に依存しないAO入試は,この側面の可能性に期待を込めた選抜方式と言えましょう。ただし,飯田さんの本学への入学許可は,「金魚すくい」の一芸に拠るものではありません。

 かつての(現在もか?)「金魚すくい名人」は,今や大規模に飲食ビジネスを展開する会社社長です。今日も元気に「金魚」ではなく「金(かね)」をすくうビジネスを展開しています。時間とお金のある在学生は,是非とも名古屋駅周辺まで足を伸ばして,先輩の活躍する姿をご確認ください。大いに刺激を受けること,間違いありません。

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