授業・ゼミ風景の最近のブログ記事


今回は、経済学部 松本浩司先生の専門基礎演習にお邪魔してきました!


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松本先生の専門基礎演習の授業では、開始10分間、学生は「演習ログカード」を書きます。前回の授業からの1週間における授業の取り組みの状況や、将来に向けた取り組みに関して、自己・他己両面から評価します。みなさん一生懸命書いていました。


さて、「演習ログカード」を書き終わると、今日の本題「ブルサ」が始まります。


本日は日本取引所グループ株式会社東京証券取引所が学校向けに提供しているボードゲーム型の教材「ブルサ」を使った授業です。

(※写真が「ブルサ」です。)

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「ブルサ」とは、教科書で学ぶ経済や金融のしくみを、具体的なニュースによる株価の変動を通じて学べるボードゲーム型の教材です。様々な経済事象に基づく株価変動を通じて、経済の具体的な動きを理解できるようになっています。


まずは「ブルサ」のルールについて先生から説明されます。各々、250万円の資金を元手に株式投資など、資産を運用します。投資対象となる3つの企業(自動車製造、スーパー、アパレル生産販売)の特徴が読み上げられると、みなさんしっかりメモしていました。

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前提条件が整ったらいよいよゲーム開始です。順次具体的なニュースが読み上げられます。


1つ目のニュースは「太陽電池で走る車、量産化決定」です。

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ニュースをきいて3つの企業の株価の変動を予想し、株を売買します。

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「株価が変化するところもあれば、変化しないところもある」と途中で先生がヒントをはさんでいらっしゃいました。


全ての班が予想し、株の売買を終えたところで、結果と解説が発表されます。


松本先生は「解説中に出てきたわからない単語についてはメモして後で調べるように」と、指示をされていました。これを着実に行えば、より授業内容が身につきますね。


2つ目のニュースは「景気回復、GDP拡大、ボーナスが上がる」です。先生は「景気が回復するとはどういうことか?」と用語解説をしてくださいました。


先生の解説で特に印象に残ったのは「景気の『気』は、気持ちの『気』でもある。景気は人の気持ちとも連動している」というお話です。経済学は一般人からすると難しそうなイメージですが、「人の気持ち」と言われると身近で親しみやすい印象を受けますね。


学生は、自分の予想した株価の変動と結果が違ったときには積極的に先生に質問していて、意欲を感じました。


その後ニュースが3つ目、4つ目...と続いたところで、今度は「人生カード」を引きます。人生ゲーム同様、カードの指示が資産に影響し、ゲームの結果を左右します。


その後5つ目、6つ目のニュースが続き、

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最後は「金利が下がってきた」というニュースです。このフレーズだけでも経済学の要素がたくさん含まれています。

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「金利を操作する機関は?」

「どうやって金利を操作する?」


学生に質問を交えながら、金利に関する基本も先生がしっかり解説してくださいました。


最後の最後にまた「人生カード」を引き、色々な声が聞こえる中、株の売買の時間は終了しました。


最終的に残った個々の資産を計算し、順位付けをしてみると、1位の学生はなんとスタート時の250万円から1600万円台まで資産を増やしていました。

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1位の学生に感想をきいたところ、「みんなと(株に対する)素質が違う」と鼻高々!?


今回の「ブルサ」を通して株の売買にとどまらず、経済の基本もしっかり復習できたようでした!




今回は、国際文化学部の工藤泰三(くどう たいぞう)先生
担当されている「基礎英語1」の授業にお邪魔してきました!


この授業では、正式国名紹介に始まり、
人口・面積に関する表現、都市・言語・宗教や
主要産業・輸出入に関する説明の仕方など、
学期を通して「国」に関する様々な英語表現を学びます。

今回は、その集大成として、
履修生が5つのグループに分かれ、
それぞれテーマとする国を1つ選び、
その国の基本情報を英語で発表しました。

授業は、基本的に英語で行われます。
先生の説明も、英語です。
では早速、授業の様子を見てみましょう!

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"As you know, today is the presentation day. 
I'd like everyone to make a good presentation. OK?
First of all, I want to tell you the procedure of the presentation session."

まずは、プレゼンの流れから説明です。

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 "I'm going to give you the presentation feedback sheets, OK?
When you are audience, you listen to the presentation and you have to fill out the sheets. 
How many groups? ...There are 5 groups.
So, except your own group, you have to write 4 feedback sheets. "


"OK, now I talk about how you are going to fill out the sheet.
First of all, please write the name of the members of the presenters.
And the next one is country name, and this part is for your note taking. So listening to the presentation, you can take note here...I am not going to check what you're going to write here, so please use this area freely, as you like. OK? It's not for evaluation."


"And what is the most important is here. I'd like everyone to evaluate the presentations and give the presentation scores, points, listening to the presentations. I'd like you TO MARK the presentations. 

The total scores will be at most 30, OK? 
The best score is 30 and the lowest score is 0.
I'd like everyone to put the scores and write your name and number at the bottom of the sheets, OK?"

どうやら、メモをとりながら他のグループの発表を聞き、
030の点数を付けるようです。



"I am going to collect all the evaluation sheets later.And next week, I'm going to give you back the paper sheets to the groups or presenters. OK?"


自分のプレゼンを評価してもらえると、今後の参考になりますよね。

発表者は、次週、評価シートが手許にもどってくるのが楽しみなのではないでしょうか。


"Well, are you ready to start?I guess one presentation will be...maybe around 5minutes or if it's long, about 8 minutes or so. And if we have some time, you can also add some questions or comments after each presentation."


Do you have any questions?  NO?
OK! I have a bell here. If the presentation gets 5 minutes long, I'll ring the bell one time.When 8 minutes passes, I'll ring the bell 2 times. OK?And if you hear the ring 2 times, please finish the presentation.5 minutes, 1 time. 8 minutes, 2 times.

ベル1回は残り時間あとわずか、2回目で持ち時間を使いきったという合図は、他学部の卒業研究発表会でも行われている方法なので、今後の参考になりますね。

この後は、発表にあたりパソコンの操作方法が英語で説明され、先生の司会のもと、いよいよ各グループのプレゼンの始まりです!

"OK! Let's start today's presentation session!
There are 5 groups to make the presentation today. 
The first presentation is about Kiribati. "



Republic of Kiribati (キリバス共和国)


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"Hello everyone! 
We will make a presentation about Kiribati.
The Official name of Kiribati is "The Republic of Kiribati".
So, where is Kiribati?Do you know? No? "

このグループでは、ちゃんと観衆の反応をみながらプレゼンが行われていました。
工藤先生が以前★Bridge★の中でも仰っていましたが、国の名前を正確に紹介するだけでも、その国がどんな政治体制・主義の国なのか、聞く人に情報を与えることができます。

その教えが、生かされていますね!

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"Kiribati consent of three main Islands...Gilbert Island, Phoenix Island and Line Island. And land area is 811."

この他にも、人口は約100,000人、首都はタラワ、3つのメインとなる島以外にもクリスマス島が有名であること、使われている言語は、キリバス語・英語で、宗教はキリスト教が最も多いこと、主な産業は漁業と工芸品で、輸入品は主に食料品や機械、輸出品は魚、ココナッツ製品であることなども紹介されました。

今までの授業で学んだ表現を、たくさん盛り込んだ内容でしたね。



Federal Republic of Germany (ドイツ連邦共和国)

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"Hello everyone! 
We will make a presentation about Germany.
The land area of Germany is about 357,000.
The total population of Germany is about 80,000, 000. 
Do you know where German capital is?
 It's here.
 The metropolitan name is Berlin.
The area is about 870.
The total population of Berlin is about 3,500,000."

続いての発表は、ドイツについてです。発表国の首都の人口や規模に着目したのは、このグループだけでした。

この他にも、文化的な面では、言語はドイツ語・オランダ語が多く、宗教はキリスト教約62%、イスラム教は5%程度、仏教、ユダヤ教は1%未満であることなどが紹介されました。

"As for the department on GDP, the tertiary industry account for 70%.
German main industry is producing cars, airport, service industry.Import is about 1200,000,000.  
Export is about 1500,000,000."

主に鉄を輸入し、車を輸出しているのだそうです。


Republic of Palau (パラオ共和国)

"Hello everyone! 
We will make a presentation about Palau.
First of all please look at the name of Palau.
The official name of Palau is the Republic of Palau. 
Palau is an Island country in the Pacific Ocean and the Micronesia.
Palau is surrounded by the Philippines, Indonesia and Guam.

紹介する国がどこにあり、周りにどんな国があるのか分かると、イメージしやすくなりますよね。

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The Land Area of Palau is about 480, it's almost as same size as Yakushima Island. 
The population of Palau is about 20,000. 
The capital of Palau is Melekeok.

パラオは、屋久島と同じくらいの大きさなのですね!
チョッパー子は、パラオが想像していたより小さい国であることに驚きました。

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Now I talk about the language talked in Palau. 
The main language is Palauan. 
Also there are 3 languages and miner languages.
64.7% of people use Palauan, 18.5% of people use Filipino, the others use English, Chinese and Caralinian language."

この他にも、主な宗教はキリスト教で、カトリック教徒40%に次いでプロテスタントが26%、他にも少数派としてモデクゲイなどがあること、主な産業は2つで、それは観光と漁業であること、機械、金属、食糧、を輸入し海産物を輸出していることなどが紹介されました。

このグループのスライドは、全体を通して水色をイメージカラーにしており、美しい海に囲まれた島国を想像させる美しいものでした!スライドが見やすいことも、プレゼンでは大事なポイントですよね。




Republic of Rwanda (ルワンダ共和国)

"We are talking about Rwanda.Rwanda is located in between Kenia, Uganda and Tanzania. 
The population of Rwanda is about 12,000,000. The land area is about 26,000
The capital city is Kigali. 
The Language of Rwanda is Kinyarwanda, English, and French."

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"Let me talk about Rwanda's history."

発表では、ドイツ、ベルギーによる植民地時代を経て、1962年に独立を果たしたことが紹介されました。また、ルワンダ虐殺についても、短くはありますが紹介されました。

"In 1994, 1,000,000 people were killed by antigovernment group in 100 days."

発表した5つのグループのうち、このグループが唯一国の歴史に言及していました。

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"The main food in Rwanda is Cassava, banana, avocado, corn, stirabout and mango."

ルワンダの文化食の紹介では、鮮やかな写真とともに食べ物が紹介され、わかりやすかったです。

このあと、ルワンダでは、多くの人がキリスト教徒であることが紹介されました。

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授業では、輸出入についての表現も学んでいます。

"First, Import.
The amount of trade is 1.627million.
Major items are cars, motorcycle, medical machine concerned.

Next, Export.
The amount of trade is as same as import: 1.96 million.
Major items are coffee, accessories and basket.
I want to talk about Rwanda's coffee beans.
Rwanda's coffee beans are very high quality and so many countries import it and now Japan join it.
Starbucks and so many big companies are using Rwanda's coffee beans. 
Japanese love the taste. "


今回の発表では、中でもルワンダの「コーヒー豆」に焦点があてられ、その質の高さから日本をはじめ、世界中の人々に愛されていることが紹介されました。




■ Vatican City (ヴァチカン市国)

"We will make a presentation about Vatican City.
The land area of Vatican City is about 0.44km².
Vatican City is the smallest state in the world. "

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"Vatican City is smaller than Tokyo Disney Land. 
Population is about 800. 
There is no capital because it is a City state. "

ディズニーランドより小さい、と言われると、ヴァチカン市国がどれほど小さいか、よくわかりますね!

他にも、主な産業は出版業、モザイク製作であること、公用語はラテン語であることなどが紹介されました。

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"The white and yellow color of flag comes from the color of the Vatican guard."

地の色以外にも、金色のカギの部分には、キリスト教に由来する意味があるそうです。
国旗デザインの由来を紹介したのは、このグループだけでした。
国旗の意味も、国を理解する上で参考になりますよね。




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以上で、5つのグループの発表は終わりです。


"OK! Thank you very much.
This is all for the presentations so fill out the sheets, please. "

全てのグループの発表が終わり、各々がEvaluation sheetsを記入します。
シートの提出の後は、先生から、プレゼンに関するコメントと、今後のアドバイスがありました。


「まだみんな原稿を"読んで"いますね。
今日、原稿を見ずに話せた人は、どれだけいますか?
気を付けてほしいのは、『書いてあることを読む』ということと、『話す』ということは、全然違うということです。

"Speaking"というのは、自分が知っていること、思っていることを相手に伝えるために声を出す、ということですよね。
今回のプレゼンに限らず、今後徐々に、頭の中にあるものが声になって出る"Speaking"になるといいと思います。

そのために、気を付けてほしいことがあります。


1 発表に必要な単語の発音は、確認しておきましょう。
今の時代、インターネット辞書などでも、発音は簡単に確認できますから。


2)みんなスライドの作り方が上手でした。
ただ、一部、文字が小さいグループがありました。
モニターのサイズは予めわかっているので、自分の作っているスライドを映したときに、どのくらいの大きさになるか分かると思います。
見る人の立場にたって、スライドを作りましょう。


3)絶対にやってほしくないことがあります。
グループ発表時に起こりがちなのですが、ちょっと困ったり、つまったりしたときに、こそこそ、ヒソヒソ、つっつきあったりする。
自分たちでは気付かないかもしれませんが、聞いている方はすごくイライラします。
ですから、これは絶対にやらないでくださいね。


そんなことを踏まえながら、これから少しずつうまくなっていけばいいと思います。」


提出物の回収、多読本の返却・記録シートの提出(履修生は、記録を取りながら英語の本を多読しています)、授業に関するアンケートの実施などが行われ、本日の授業は終了です。


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秋学期も、工藤先生の授業では、プレゼンに必要な表現やスキルを学んでいくそうです。

国際文化学部生にとっては、「基礎英語」は1年生の必修科目です。

卒業までに、「頭の中にあるものが声になって出る"Speaking" 」ができるようになってくれることを期待しています!



チョッパー子

今回は、国際文化学部長、木村光伸(きむら こうしん)先生
「文化交流論」の授業にお邪魔してきました!


2016年度は、「食文化」にスポットライトをあてた授業構成になっています
(学生のみなさん、詳しくは、シラバス参照のこと!)
そしてなんと、履修者少数により、今回は学部長室での授業です★★
みんなで輪になっての授業で、和気あいあいとしたゼミのようです!


今日のテーマは、「食の地域特性」
話題は、「名古屋めし」からはじまります。
今回は、より実況中継に近い形でお届けいたしますので、
実際に先生にお話を聞いているつもりで読み進めていただければと思います。

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食にこだわる

『前回、食は生活の基本であり、食文化というのは、民族や宗教によっても様々で、それは単に食材が違うだけではなく、食べ方が違う、あるいは宗教儀式としてやってはいけないこと、しなければならないことがある、というお話をしました。
同じ宗教でも、宗教的に均一になっているかというと、それだけではなくて、そこに地域的な特色があるはずなんですね。地域の特色として知っておくべきことなのだろうと思います。

さて、地域の特色を考える上で、写真が6枚あります。 これが何かわかるでしょうか?』

先生にこう問われて、履修者のみなさんは、資料の写真について、あれやこれやと話し出します。
(※写真は、「名古屋メシ」で画像検索して出てきたものを、6枚並べてあります。)

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『これは何かわかるか?』

「あんかけスパゲッティ」

 

「これなんだろう?ネギがのっていませんか?・・・牛丼ですか?」

「ひつまぶしじゃない?」


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「これはお弁当ですけれど、上にのっているのはエビフライと・・・コロッケかな?」

「それ、みそかつが載っているんだって」

 

『学食でエビフライ定食があると、「名古屋や」と思うで。京都にはなかった。』

 

『シロノワール!ある店の有名スイーツやね。今コレ、東京に飛び火してるんやってね。』

 

「マウンテンのスイーツパスタ!」

「いちごパスタとかありますよね、あんこが載っていたり。」

「それって美味しいの・・・?」


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それとともに広がってきたのが「米(コメ)を食べる」という表現やね。
「ご飯」じゃなくて「米を食べる」という。
"米"っていうんは、調理前の食材のことで、調理をすると「ご飯」になる。
食へのこだわりが薄れてくると、ネーミングも段々ずれていってしまうんやね。
「米」でも「メシ」「ご飯」でも同じやないかと言ってしまえばそれまでだけれど、
そこに違いがあるのを文化というんやと思うんやね。』

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『あなたがたと僕だと、40歳以上歳が違いますから、食生活そのものが違っていました。
例えば、僕はこどものころ、「スバゲッティ」は食べたことがなかった。
ご飯・味噌汁・焼き魚や煮魚、これでおしまい。
「肉」といわれると「すごい!!」と喜んだけれど、よく分からないミンチのような
肉っぽいものが出てきて、しっかりした「お肉」は、よほどの事がないと食べられなかったです。

貧しかったということもあるけれど、日常生活で贅沢はせず、ちゃんと3食工夫をして食べていました。
 

それでいうと、キッチン用品は何にも無かったけれど、台所に唯一あったのが、
ミンチをつくる機械です。
こんな鉄の塊で、上から肉を入れてぐるぐる取っ手を回すと、ミンチができる。
イカなんかきれいにできましたね。
鰯をつかえば鰯のミンチ。
安い切り落としのお肉があれば、「今日はお肉!」と。
そんなことをせっせとやってましたね。
お料理に洒落た名前なんてなくて、「お母ちゃん今日は何?」って聞くと、
「今日はイカのミンチよ」って・・・見たまんま(笑)』



『じゃあ、僕が高級なものは一切知らないかというと、そうではなくて、
特別な日に一家で外食に行くのです。
それは、お父ちゃんにお金が入った日だったり、いわゆるハレの日だったり・・・
その日は、「何かのついで」に外でご飯を食べるのではなくて「外食しに」行くんです。

外食っていうと、やっぱり夕食で、そういう日は決まって、お昼に映画を見て、それからご飯にいくんです。そういう時は、ちょっと高価なものを食べる。

京都だと、「わらじトンカツ」というのがあって、薄いけれど大きな、それこそ"草鞋"のようなトンカツで。そんなのをごくたまに食べると、大感激するんですよ。「どっから食べよう?」ってわくわくしてね。

お店の人が、子供の僕が食べやすいよう気を遣って箸を持って来たりするんだけれど、
子供心にお箸は使わないのね。
だって、洋食屋さんで、せっかく目の前にトンカツがあって、ソースもあって・・・
(お茶碗ではなく)お皿にご飯がのってる(笑)
そうすると、子供でも流石に、「心改まって食べなければ」と思う(笑)

れが、食の文化なんですね。』




『現代はそれを失いつつあります。
というのも、「いつでも・どこでも・なんでも」食べられる。
大学の学食を見るだけでも、何でもありますよね。
コンビニでも、取り合わせを色々選べる。おにぎり一つでも、何種類もある。』



『みんなお昼ご飯は何食べた?』

「コンビニでみつくろって。予算に合わせて買えるから。」

「お弁当です。昨夜作った中華丼の具で作って・・・卵やウィンナーを朝焼いて・・」

『昔は、「ハレの日」は決まっていて、自分でコントロールできるようなものじゃなかったけれど、今は、『今日は自分へのご褒美』とか言って、自分でハレの日を作ることができるようになったよね。今は、何でも食べるものはありますから、お金さえあれば手に入るし、黙っていたら流されるんですよ。

私たちは「ご飯を食べるかどうか」「食にこだわる」ということを意識的にできているでしょうか。




どこで食べるか、何を食べるか

『四十数年前にも、インスタント食品はあったし、外食もできたけれど、僕みたいなずぼらな人間でも食材を買ってきて何か作ろうと思ったよね。下宿をかわると、周りの風景が変わって、初めての八百屋さんや魚屋さんがあって、そこで買ったものを調理する。

京都を離れて初めて犬山に越してきたときに、どんなに探しても魚屋がなくて、随分がっかりしたんですけれど、なぜか鶏肉屋さんがいっぱいあって、なんとそこに魚があるじゃないですか!
僕はあんまり鶏肉が好きではなかったので、気づかなかったんですが、驚きましたね
今思うと、お魚と一緒に売って衛生的にええんかなと思いますけれども。

その土地々々にあるものを上手く見つけて、マッチングしたもの・・・
例えば、名古屋だったら"名古屋めし"と呼ばれるものを作り出してきた。

これをわざわざ「文化」と呼ばない人もいるけれども、我々の文化の原点だと思うんですね。』


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『海の近くに住んでいる人が、魚に詳しいかというと、必ずしもそうではないこともあって。

何十年も前の話ですが、広島の宮島に住んでいる僕の友人が愛知県に遊びにきたんです。

丁度魚屋に活きのいいハマチがあって、丸一匹買ってきて、刺身にして出したら、「ハマチみたいに脂臭いものは食べられない」という。「そんなことないと思うよ、騙されたと思って食べてみたら?」といって食べさせたら、「ハマチって美味しいんだ!」と驚いているわけです。

当時、広島の養殖ハマチというのは、広島湾内のあまりきれいでない海で育って、しかも運動不足だったんですね。で、彼は思ったわけです。「木村君(先生)は京都の生まれで、魚のことなんか知らないし、愛知県にきて、ろくなものを食べていないに違いない。自分は海辺で魚をずっと見て育って、魚のことはずっとよく知っているから、ハマチなんて不味い魚は食べない。」と。だから、ハマチの刺身の美味しさにえらく感動して帰りましたね。

で、彼は、「僕はハマチが好きになったんだ」と言って、今度は僕が広島に行った時に、わざわざお寿司屋さんでハマチを頼んだんですね。残念ながら、その時は旨くなくて(笑)
・・・そりゃそうですよ、名古屋で(広島湾で獲れたものでない)ハマチを食べたから旨かったわけでしょう(笑)

つまり、どこで何を食べるか、ということなんです。』



食の地域性

『名古屋(あるいは地元)で美味しいものって何?』

 

「みそかつ」

「みかん」

「静岡出身なので、お茶」

「油そば」

「油そば」は、どのようなものか知らないメンバーも多く、どんなものかみんな興味津々。
「味噌煮込みうどんは、なんであんなに堅いの?」「うなぎは庶民の味ではダメ。」など、ひとしきり名古屋めしの話で盛り上がりました。


『名古屋だけじゃなくって、東京に行けば東京の"ご当地の味"があるわけです。

明日から東京で学会があるんです。
参加者は、東京に住んでいる人は7割くらいかな。他は地方から来ている。
ところが、懇親会があると、「江戸前●●の店に行きましょう」とはいかなくて、某有名居酒屋チェーン店とかになるんですよ。遠いところから時間とお金を掛けて来ているのに(泣)

僕なら、名古屋に来てもらったら、名古屋ならではのものが食べられるお店に連れて行って、「名古屋って、ええ店あるなぁ」って思ってもらいたいんだけれど・・・。

食って、そういう「循環」なんですよ。

チェーン店に行けば、どこへ行っても同じものが食べられるという安心感はありますし、
それも1つの文化なんだと思いますけれど。



アメリカなんかでも、どこへ行ってもチェーン店ってありますけれども、お客さんが来たときにチェーン店に連れていったりはしないんですね。

やっぱり、その土地ならではの味を楽しんだり、地域性にどれだけこだわるか、ということなんだと思います。』

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粉食と粒食の文化的な違い

日本人は「主食」という感覚が強いですが、例えばアメリカ人は、日本人と比べるとあまり「主食」という感覚がないんですね。
アメリカ人は、ピザとベーグル食べて生きています・・・というのは極論ですが(笑)
そういうものが多いよね?
日本人にとっては、ピザは、ご飯とか麺類とかと同じ「主食」の分類でしょ?
ピザ屋さんでコースを頼むと、パスタが出てきて、ピザが出てきて、ちょっとソーセージが出てきて・・・「いったいどれが主食か?」と日本人は困ってしまうんです。

そこが粉食と粒食の文化の違いで、粉食文化の人は、あまり主食副食の区別をつけないんですね。ご飯(お米)を食べる地域の方が、圧倒的に主食と副食を分けるんです。

粒食の中で工夫をしようと思うと、例えばヨーロッパではパエリアとか、アジアではお粥とか。フォーみたいなものもありますけれど、お粥が一番一般的で、お粥の何が良いかというと、なんでも具材を入れられる。パエリアと比べると大分派手さが違いますけれど(笑)
中国の田舎にいくと、朝街角でお粥を炊いていたりするんです。
見た目に派手さはないけれど、これがうまいよ!

粉食の方が、様々な形に加工がしやすくて、色々な形になります。
パスタって、我々スパゲッティやマカロニくらいしかぱっと思い付かないですけれど、パテにして加工するものは何でも言うんですね。
そして、全部名前が付いている。
イタリアでパスタを頼もうとすると、僕がメニューを見て分かるものは、スパゲッティくらいしかない。
それだけ考えても、粉食の文化を全然知らないということがわかりますね。

逆に、日本に来た外国のかたも、どれを見てもうどんにしか見えないかもしれない(笑)
そうめんとひやむぎの違い、わかりますか?
そもそも練り方から違うんですよ。
粉食にしても粒食にしても、色々な工夫をして、作られてきたわけです。

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例えば、チベットやモンゴルには、ハダカムギや大麦、あるいは小麦で作る、「ツァンパ」という料理があります。
これが主食で、全部粉にして、バターやお湯で溶いて冷ますと粘土状になるんですよね。

チベットは、農耕民族なので、自分たちで小麦を育てて加工しますが、モンゴルは遊牧民だから、自分で小麦は作らないんです。

僕、前に内モンゴルに行って驚いたのが、遊牧民って農耕民をバカにするんです。
あんな土にへばりつく生き方をしないって。
そういいながら農耕民の作った小麦を食べている(笑)
羊の毛かなんかと交換して。
食べるけれども、頑として自分たちでは作らない。
「そんな文化がどうできあがったのだろう」と、とても驚くのだけれど。


日本人は、圧倒的に、米を作って、しかもそれを炊いてご飯にして食べるという文化にこだわってきたんですけれど、これには「粘り気」が必要なんですよ。

面白いことにヨーロッパもインド南米も、この粘り気がダメで、できるだけパラパラとした長粒米を好むんです。

みなさん南米に行ったら泣きますよ。
だって「おにぎり」ができないですから。
にぎったらパラパラで寂しいよ(笑)
我々がいかに日本米にこだわって生きてきたかということですね。


けして豪華な食べ物だけが記憶に残っている訳じゃないと思うんです。
高価ではないかもしれないし、嬉しい時に食べたものでもないかもしれない。
周りの環境と、自分の気持ちと、食材とはワンセットになって記憶に残っている。
これはすごいことだと思いますよ。


・・・長くなりましたが、生き方との関係、地域、歴史と伝統、そこには「それしかない」という問題・・・そういう色々なものから各地の"ご当地めし"ができあがっているんですね。



図書から読み解く食文化

ここからは、図書を使って、授業が進みます。
履修者は、事前に指定されたページを読んで授業に臨みます。

今日のテーマは、「敗者の味」(『もの食う人びと』 辺見庸 角川文庫 1997 116頁)。
一人一人に感想を聞き、そのエピソードの歴史的・文化的背景などを補足しながら、食文化を読み解きます。

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「ポーランド前大統領(ヤルゼルスキ)が出てくるけれど、冷戦当時の社会情勢や政治的背景がちょっと難しくて分かりにくかった。ヤルゼルスキは軍人の様な質素な生活をしてきて、大統領を辞めたあとに"食べる楽しさ"を知った。家族と楽しく食べたり、美味しいものを食べたり、お菓子を食べたり、それが楽しいことは私達には当たり前だけれど、それを恥ずかしいという感覚になるというのが不思議というか・・・」

『ヤスゼルスキは、冷戦時代に社会主義だったポーランドという国の大統領だった人ですね。社会主義国家では、労働者が働いて得る生活の糧というのは、生きていくために必要だから得るのであって、その生活を楽しむとか、食べること自体を楽しむとか、味を比べてこっちが美味しいとかいうことは、道徳的に良くないことだ・・・堕落だ、と思い込まされてきたわけだね。


じゃあ、それをポーランドに強いていたソビエトの指導者たちもそうだったというと、そんなことはないんですよ。クレムリン宮殿なんかでは、めちゃくちゃ豪華な食堂があって、世界でもっとも高価な食事が饗されているわけだけれど、労働者階級にはそういうことをしてはいけないと。それは、ポーランドやロシアだけではなくて、つい最近まで中国も同様ですね。


日本はというと、江戸時代から「食を楽しむ」ことはあったんだけど、時として、普通の食事をちょっと超えると、もう「贅沢」という言葉が付いて回ってしまうということが起こるわけやね。


例えば、名古屋の食堂で"海老ふりゃぁ"が出たら、今なら普通だけれど、40年前は子供たちは飛び上がって喜んだわけですよ。それ以外の最高の料理だと、ハムカツ。ハムカツ知ってる?他の肉類なんて、そんなに出てこないけれども、そういうものが出てくると、貧乏な国でも楽しめる、喜べる。


ところが、社会主義の国家においては、そうではない。生活の為に食べるのであって、美味しそうに食べるべきではない、禁欲を貫かなければならないと。これは完全に曲がっているし、間違っているんだけれど、このヤルゼルスキは、指導者としてそれを国民に押し付けてきた立場にあったんだね。クレムリンの最高指導者は、その様子を尻目に豪遊していたわけです。だから崩壊していくわけだけれど。


で、ヤルゼルスキは、一市民にもどってみると、「飯を食う」ということは、ちょっと良いものだな、と思い始めるわけですよ。今までは、質素な食事で、ちょっと飢えているという状態が好ましかったのに、ちょっと良いもの食べて、ちょっと甘いものを食べて。


これと対極にあったのが、マリー・アントワネットが言ったといわれる「パンが無いのならお菓子を食べたらいいじゃない」というセリフですね。でも、そこには、悪気はないんやで。パンを食べられない、という状況が、わからなかったんだな。「私の部屋にもパンはないけれど、お菓子ならあるからお菓子を食べるわ」というわけで。


我々の感覚から言うと、飢えているだとか飽食だとか、あるいは喜びを持つか持たないかということは、本当に、生き方によって変わってくるよね。できることなら、みなさんには、食事は単なるエネルギー源ではなくて、食べる喜びに近付いてほしいと思いますね。


まぁ、話はそれましたけど、食の楽しみ方すら制限されていた、という状況が、当時のポーランドにはあった、ということやな。』


「 "敗者の味"っていうくらいなんでオチはどうなるのかと思っていたんですけれど、最後は割と良いじゃないですか。著者自身も、"敗者の味"もそんなに悪くない、と言っていますし。この話は難しいですけれど、短くまとめると、「食というものは、人生を左右する」ということだと思って。どんな食べ物でも、時間の無い時に食べる食べ物と、時間があって気分が高揚しているときに食べる食べ物って、同じものでも全然感じ方が違うじゃないですか。それと同じことを感じる話だな、って思いました。」


『この話の"敗者"っていうのは、ヤルゼルスキ元大統領のことですよね。社会主義政権を一生懸命守らなければいけないと思っていた指導者が、労働者階級のほうから攻撃されて、潰れていくんですよ。で、労働者はもっと民主化を望んでいるんだということがわかって。そういう意味では、国全体としては良い方向に向かっているわけやな。ただし、国が良い方向に民主化したからといって、経済が良くなるとは限らない。社会主義政権の時の方が、経済は統制されているから、必要最低限のものはみんなに行きわたっていたんです。ところが、民主化されると、それを簡単に手にできる人もいるけれど、職にも就けず、食事にもありつけない人も一方で出てくるわけです。だから、ヤルゼルスキは、自分の望んでいた方向とは違ったけれども、国全体はいい方向に向かっていて、「敗者」なんだけれども、「自由」というものを彼は確認する・・・ちょっとええ話やと僕は思っていますね。』


「ヤルゼルスキは、冷戦という緊張状態・・・いつソ連が介入してくるかもしれない中で、民主的な運動が起こり、ハンガリーの例や"プラハの春"のように軍事介入によって国が壊滅的になってしまうのを防ごうと思って、ポーランドを守るために独立自由管理労働組合「連帯」をおさえこむ戒厳令を出して・・・その中で『食べることは、飢えをしのぐのが目的だった』と語るのが、とても印象的でした。冷戦が終わって、罪に問われたりもしているけれど、家族と食べる楽しさを、やっと今、味わえているのが、幸せなことだなと思いました。」


「この大統領は戦争に負けてしまった人で、でも負けてしまったが故に家族と食べる幸せを手に入れたから、結果的に良かったと思います。」


『この話の当時は、国境の向こうにはソ連の戦車がいっぱい並んでいて、そういう状態の中で「連帯」が動き出していて・・・「連帯」って、造船労働者・鉄鋼労働者ですからね。本来は一番、ポーランドという国を支えてきた人達なわけですよ。その社会主義を守ってきた人達、そこから目覚めていったということです。そうすると、ヤルゼルスキから見ると、自分たちの足元を固めてくれていた人達、あるいは、彼らの為に僕は大統領をやっていると思っていたら、足元からどんどん雪解けしていくわけです。ふっとみたら、ソ連はこっち向けて、今にも攻撃しようとしている。そんな中で、自分から指導者としての色々な権限を放棄していく。すると、今度は一転、今まで人民を騙してきたとか、抑圧してきたということで、犯罪者になってしまう。個人的に悪い人でもなんでもないんだよね。だけど政治の流れの中でそうなっていって。そういう歴史をかみしめながら、家族と飯を食うのは、やっぱりええもんだな、と。』


『名古屋学院大学は、ポーランドとか中欧にスタディツアーをやっていますけれど、僕も一遍見てみたいと思いますね。ヤルゼルスキの時代というのは、報道でしか知らないしね。そこから雪解けをしたけれども、ポーランドは、今また経済的に厳しい状況にあるわけです。これからドイツが移民問題で経済的にしんどくなってくると、一番とばっちりを受けるのはポーランドだから、また同じ事が繰り返されないとも限らない。ひと時の雪解けを家族とともに楽しんでおかなきゃ、と思ったりしますね。』


『はい、今日は名古屋飯から始まって、ヤルゼルスキで終りましたけれど、食の地域特性の話でした。来週のテーマは、「食の自由・不自由」となっています。今日と似ているようで、ちょっと違いますから。』


************************************


・・・いかがでしたでしょうか。

木村先生のお話は大変興味深く、次週が楽しみになりました。普段何気なく行っている「食」が、歴史や文化の積み重ねで築かれたものだと思うと、手元の小さなお皿から、世界が広がっていくようです。


「文化交流論」は、国際文化学部の選択科目です。

興味のわいた国際文化学部生の方は、履修してみてくださいね。


チョッパー子


今回は、スポーツ健康学部の、こどもスポーツ教育学科『専門演習』の一環で行われる、遠足のシミュレーションにお邪魔してきました!


こどもスポーツ教育学科『専門演習』は、幼稚園小学校の教員としての基盤を培うことを目標として、展開されています。


毎回主担当の先生と補助の先生が変わり、大勢の先生が関わる珍しい形態の授業となっています。前回の授業では、履修生が3グループに分かれ、本学瀬戸キャンパスを会場とした『小学校3年生の遠足』をテーマに、児童に、どんなコースを巡って、どのような活動し、何を得て欲しいか、コンペが行われました。


今回は、栄えある1位に選ばれたチームのプランを、プランを立てたチームの学生を"先生"役に、それ以外の学生と参加の先生方を"児童"役に見立てて、実際に学内を巡った後、振り返りを行いました。


将来教職についてから『遠足の企画、事前調査、計画の練り直し』の必要性を肌で感じて欲しいとの思いで、こどもスポーツ教育学科生を教える11人もの先生方が"児童"役として協力されました!


では早速、その様子をご紹介していきます★

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遠足は、希望館の東口からスタートします。
取り仕切るのも、学生です。

「今日は暑いので、水分を摂って、熱中症に注意してください。」

まずは、"先生"役の学生から、本日のスケジュールやコース説明、注意が伝えられます。
その後、"先生"の後に続いて、いざ、遠足に出発です。


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当日は良く晴れ、絶好の遠足日和となりました。
日焼け防止グッズを使用したり、日焼け止めを塗ったりと、日焼け対策をする"児童"の姿も見られました。
こんな何気ない場面も、遠足で注意することのヒントになったかもしれません。

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山の斜面を利用して建てられた瀬戸キャンパスは、見晴らしが良く、自然に恵まれています。
遠足コースは多くの緑に囲まれ、様々な草花や、白鳥や鯉のいる池などが見え、思わず身を乗り出して見たくなる景色がたくさん。

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景色に気を取られて歩いていると、どんな危険があるでしょうか?
廊下や階段など、実際に歩きながら遠足コースを体験していきます。


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「 "先生"が、あまり後ろの"児童"を見ていないんじゃないかな?」
歩いている間に、そんなことに気づく学生もいました。

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最初の目的地、ラグビー場に到着です。
ここでは、"先生"から、広いラグビー場を利用して、『増やし鬼』『氷鬼』『色鬼』をすることが"児童"に伝えられました。

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楽しいゲームの前に、まずは準備運動です。
"先生"の掛け声に従って、""児童"たちが準備運動を行います。



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ゲームごとに、"先生"からルールや活動範囲の説明があります。
最初に行われたのが『増やし鬼』。
最初の鬼は"先生"から発表され、"先生"の掛け声で、ゲームスタート。
みんな一斉に逃げ出しました。
晴天に恵まれ、1ゲーム終わるころには、みんな汗だくです。



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「先生、水を飲んでもいいですか?」

ゲームとゲームの間には、児童役の先生から助け舟が。

「はい。みなさん、よく水を飲んで下さいね!」

暑い日は、水分補給が大切ですよね。
"先生"役になった学生は、この後、ゲームが終わるたびに、水分補給の声掛けをしていました。


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『増やし鬼』では、誰が鬼かわかりにくいこと、『氷鬼』では、意外と早くゲームが早く終わってしまうことがわかりました。

早く終わったら、もう1ゲーム追加で行うなど、遠足先での時間のマネジメントについても勉強になりました。



『色鬼』では、指定された色を求め、参加者が鬼から逃げながら走り回りました。

「地面のラインは反則でしょ!」

これは、活動範囲内の地面にある色が指定されたときの一言。
こんな楽しい一コマも、活動場所に応じた臨機応変なルール設定が必要だという気づきにつながったのではないでしょうか。




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さすがはスポーツ健康学部の学生&先生方、動きが活発です。
本気の疾走に、勢い余って転んでしまうゲーム参加者も出ました。


でも、小学校3年生は、もっと真剣に、全力で遊ぶでしょうから、"転んだ"ということすら、『動き回るゲームをしたら、けが人がでるかもしれない』『救急箱を持って行ったほうがいい』といった視点を持つキッカケになったことでしょう。



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みんなで楽しくゲームをした後は、記念撮影を行う最終目的地に移動します。
木陰の涼しい道をゆっくり歩くことで、運動で熱くなった体をゆっくりクールダウンさせます。
雰囲気も、スタート時より砕けた印象です。


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途中、遠足コース内で草刈作業が行われていました。
先生役の学生が、すぐさま作業員の方と相談し、無事通り抜けることができました。


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実際の遠足でも、ルート上で工事や作業が行われているかもしれません。
この経験も、遠足を企画する際の注意点として役立ったでしょう。


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「今から記念撮影をします!」

木陰の道を抜けると、そこは白鳥が湖面を泳ぐ池の畔。
"先生"が指示を出し、バラバラと動いていた"児童"たちを並べ、記念撮影の準備をします。
本物の小学3年生は、きっともっと好き勝手に動き回るでしょうから、一つの場所にまとめる時の苦労がしのばれますね。
実際の遠足だったら...と想像する手助けになったでしょうか。



これで、遠足の行程は終了です。

でも、"家に帰るまでが遠足"。
振り返りの為に教室に移動する間も、

「帰り道が急な階段なのは大変」
「蚊に刺された」
「この道は水たまりが多い」など、

注意すべき点のヒントとなる会話がたくさんありましたよ!


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教室にもどったら、今日の遠足の振り返りです。
ここからが大事です。


「『討論の内容』は、遠足についてグループで話し合ったことや、どんな意見が出たかを簡単にまとめて下さい。」

「『グループ活動』には、今日の遠足について、指導者側に立った人はその立場から、子どもの役になったグループはその立場からの意見を書いて下さい。」


振り返りは、ポートフォリオ(学習履歴)を用いて行われます。

ポートフォリオには、課題名から始まり、事前準備や目標設定、講義の概要、討論の概要、自己評価などの項目があります。
履修生がこれらを記入して先生に提出すると、後日コメント付きで返却されます。

今日の振り返りは個人で行い、来週は、履修者と参加者の意見の紹介から授業が始まるそうです。

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みなさん、時間いっぱいまで、一生懸命ポートフォリオを書きこんでいましたよ!


お一人の先生からは、最後にこんなお話が。

「教員になったとき、何かを任されたら、自ら『やります!』と言えるように、今回の遠足だったら自分はどういう役割を担えたか、他の人たちにどんなアドバイスをきいてみたいか、一週間考えてみてください。」


それぞれの立場で、他の参加者がどう感じたのか、来週の授業が楽しみですね。




今回の遠足に参加されていた先生の中でお2人に、どのような思いで授業をされているのか、少しだけお話をうかがうことができました。

みなさん思い入れが深く、ブログでは一部のみとなりますが、こちらも併せてご紹介します。


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吉田 淳(よしだ あつし)先生

こどもスポーツ教育学科の初代入学者に対する教員の思いは、大きいです。
名古屋学院大学で学ぶ4年間は、教養・学術・専門性といった知識や技能だけでなく、教職への愛着や意欲を高めてもらいたいですね。


今回、授業の一環として遠足モデルプランを作成した『専門演習(2年次配当)』は、教員という仕事へつながることに焦点をあてて展開しています。
幼稚園・小学校の教員としての基礎を養うとともに、3年次生以降の専門科目、研究の基盤にもなっています。
仲間との協力や討論の大切さを学んでくれることも期待しています。


大学4年間でできることは多くはありませんが、教職に就いてから意味のある資質能力を育て、教員として成長できるよう、4年間の教育を展開したいと思っています。

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滝浪 常雄(たきなみ つねお)先生

昨今はアクティブラーニングということも言われていますので、学生たちが積極的に動ける状況を作り出そうと、(遠足シミュレーションを)取り入れました。

『専門演習』の授業では、比較的討論をすることが多いです。
討論は、自分に結果が返ってきて考えが深まるという点は良いのですが、みんなで話し合って合意形成する場面が少ない。こどもスポーツ教育学科の学生ですから、将来的に自分が先生になった時は、討論だけでなく、合意形成して、チームワーク良く進めていかなくてはいけないでしょう。
ですから、実戦に近い形の活動ができないか、ケーススタディ的な内容で授業を実施してみました。

教員の思いは大きいのでしょうね。
大きすぎて潰れやしないかと思うくらい(笑)愛情かけてやっています。
私自身、以前は小・中学校の先生だったのでなおさらですが、『こどもスポーツ教育学科』生ですから、やっぱり是非とも先生に...こどもを教育する立場になってほしいと思いますね。
ですから、私に限らず教員は、教員側として『目指すもの』をもって学生に接しています。
このことは、今回の教員の出席率の高さに現れていると思います。

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今回の遠足には、お忙しい中、11人もの先生が参加されていました。
また、遠足の様子からは、学生と教員とに、しっかりした信頼関係が築かれていることが感じられました。
先生方が、それぞれ愛情を持って、学生に接してこられた結果でしょう。


今、NGUの先生方によって愛情いっぱいに育てられた学生が、将来、愛情いっぱいに子供たちに接する先生になる姿を想像して、チョッパー子も温かい気持ちになりました。


こどもスポーツ教育学科生のみなさん、たくさんの先生方にあたたかく見守られながら、実り多き4年間を過ごしてくださいね。



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こどもスポーツ教育学科2年生のみなさん、先生方、ご協力、ありがとうございました!




チョッパー子
 


今回は、商学部髙木直人先生の「発展セミナー」に、再びお邪魔してきました!


本日の講義テーマは、「グループディスカッション その2

履修者にとっては、先週に引き続き、2回目のディスカッション練習です。

ディスカッションの基本については、必修科目「基礎セミナー」の教科書にも

書かれていましたね。


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(※この教科書は、本学オリジナルのもので、大学生活から始まり、学内施設案内や周辺地

域の情報、学内コミュニケーションツールの使い方や情報収集の仕方、レポートの書き方、

プレゼンの方法、メールのマナーに至るまで、大学生に必要な知識がこれでもかと詰め込ま

れた1冊になっているのです!)



今日は、この教科書の「ディスカッションの基本」を踏まえつつ、時間制限を設け、

手法をアレンジしながら、実際にディスカッションを行いますよ!


今回は、素敵なごほうびも用意されています★

みなさん、気合が入りますね!!




さて、ここから本題です。

せっかくなので、このブログを読んでいるみなさんも一緒に考えてみて下さいね。

今回のテーマはこちら↓


「設問  このケースの問題点は何ですか?」



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最初に、先生から、本日のディスカッションの進め方と、人数調整、時間配分などついての
お話がありました。


このケースを読んで、問題点と思うことを、1人1つ以上出す。


何が一番重要なのか、答えを出す。(グループで1つの答えを出す)。



ディスカッションの時間は40分間、3グループに分かれて行います。
1グループは7~8人で、14年生混合です。
グループ内では役割分担がなされ、司会者、タイムキーパー、書記が決められており、
ディスカッションが始まれば、運営は全て自分たちで行います。



このケースを考えるために、以下のような用紙も配付され、これに沿ってディスカッションが進められました。


髙木先生発展セミナーディスカッション資料_3.jpg


「はい、30秒前!・・・・10987・・・」
ディスカッション開始までのカウントダウンが始まり、少し緊張したような、高揚したような、不思議な空気が流れました。

「始め!」の合図で、全グループ一斉にディスカッションスタートです。

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「まずは、問題点を10個挙げていきましょう。
   ハイ、あなたから!1つずつ、大きな声で。」

司会者になった学生さんを中心に、グループメンバーからどんどん意見が出て来ます。



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「社員Aは、たしかにふざけた言い方をしているけれど、
   社員Cの言い方も挑発的で、問題点だと思います。」

「社員Cは、手を出した時点でアウトだと思う。」

「社員Aは、初めは普通の社員として働き始めたのに、
   問題社員として扱ったのは会社で、対処もしていない。」

「会社を変えますと言っている時点で、会社を嫌っているよね。
   社員Aは、優しくしても、つけあがるのでは?」

グループ1では、司会者の学生さんが、メンバーそれぞれの個性をよく把握しており、発言しやすい雰囲気を作って、活発にディスカッションが行われていました。




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「社員Aの態度は、自意識過剰で、やはりよくないと思います。」

グループ2では、司会役の学生さんが、「今、○○という意見が出ましたが、他に意見がありますか?」など、出てきた意見を短くまとめながら、メンバー全員に周知する工夫がされていました。

これなら、メモが取りやすいですね!




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「このような状態になるまで放っておいてしまった、先輩社員や会社が悪いのでは?」

「一番歳の近い社員Bが、もっとコミュニケーションをとったら良かったと思う。」

「社員Aは、クビになってもいいと自ら言っているのに、会社に残っていて、
   発言と行動が矛盾している。」

グループ3では、司会者以外のメンバーからも、「俺はこう思うけれど、どう思う?」と、他のメンバーへ水が向けられ、発言が少ないメンバーからも意見を引き出す工夫がされていました。




ディスカッションが進むにつれ、様々な視点から意見がでてきて、問題点が浮き彫りになってきます。どのグループでも、途切れることなく活発にコミュニケーションがとられていました。






さて、40分が経ち、いよいよ発表です。
発表は、1グループずつ、報告者を中心に、グループ全員が前に立って行われました。
3つのグループは、それぞれどのような結論に達したのでしょうか。



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「僕らは、社員Aが問題行動を起こさないようにするためには、コミュニケーションを取
ることが一番だと思いました。コミュニケーションが取れれば、会社の雰囲気が良くなり、
上司間での話し合いがあれば、社員Aに対する叱り方や育成方法が変わると考えました。」



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「自分たちのチームは、社員BCDEの初期の対応が悪く、社員Aが問題社員だとわ
かったら、それなりの対応をすべきだったと思います。上司(会社)は問題社員への対応
を勉強すべきだったと思います。初めは普通の社員だったので、問題社員にしたのは、
企業側が悪かったのではないかというのが、僕たちの結論です。」




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「私たちは、社員Aが問題を起こした原因は、主に会社の教育方針にあると思います。若
手を教える立場の社員がしっかりし、部下に対し差別なく平等に接し、上司から若手までコ
ミュニケーションが取れていれば、社員Aが問題行動を起こすことは無かったと思います。」




このブログを読んで下さっているみなさんは、このケースについて、どう考えたでしょうか?



ここからは、ディスカッション資料を読みながら、先生による解説です。


「『入社してきたときには、ごく普通の社員として~』とあるよな。
    ということは、入社した時には将来を期待されて入ってきているわけで
     最初から問題社員ではなかったことが、ここから読み取れるな。」


『しかし』打消しの語がきたら、この後が大事やで。
    入社後数か月して、周りの人間(会社)が社員Aを問題社員として扱うようになった
   ――問題社員をつくったのは、会社や、ということが書かれているということや。」


「【出来事】4行目~6行目の、社員Dの言葉の意味についてのやり取りもポイントや。
    社員Dが言うてることを社員Aが理解できていたか、ということをみんな考えていたか?
    社員Dの表現なら、社員Aは本当の意味を絶対理解できんよな。
    社員Dがどのように注意するべきであったかを考えたか?」



ポイントとなる表現や文章がわかると、今後、同じような問題が出た場合にも理解の手助けとなり、大変有益ですね!

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ここからは、先生の話された内容を以下にまとめますと・・・。

「このケースを考える時に、大学生やったら考えてほしい、ということを言うで。

みんなが報告した内容に関しては当然考えてほしい。また、「コミュニケーションが取れていない」「社員教育ができていない」「問題社員には問題社員の対応をしたらいい」など、どれも間違ってないけれど、
それ以前に、この会社は、問題社員を生み出す体質があった、ということ。
このケース2というのは、普通に採用をしているのに、問題社員を生み出す会社の具体例なわけです。

みんなが言ったように、社員教育の方法が悪かったなら、ちゃんとした社員教育が必要であろう。

また、社員同士の対話(コミュニケーション)が不十分であったことが大きな原因になっているなら、会社として、上司から若手までのコミュニケーションが不足していることの重要性を考えること。

ただ、社員Aがこういう状況になっているのに会社(社員)としては、さらに悪化するような取り組みをしている、ということ。

社員Aをこのようにしたのは、各社員自身(会社)のせいだという自覚がないよな。
社員Aに問題があるのであれば、先輩として、または会社として、彼が復帰できるようにしてあげなあかんということ。


特に注意してほしいのは、
問題社員とされているAが、自分から会社にSOSを出していること
その言葉が、会社としてはちゃんと読み切れてなかった、汲み取れていなかった。
社員Aは、会社にとってプラスになる人材だと思うから採用試験で採用されているわけで、そうでなかったら人事は採用しない。
そこをみんなにちゃんとおさえておいてほしいと思う。
みんなが言っているように、会社の宝である人材を悪くしたのは、他のだれでもなく会社なんよ。


結論からいうと、会社が悪い。

けど、じゃあどこが悪いかと言ったら、みんなが言っていたように色々なところが
部分的に悪いから、それをどう直していきますか、ということを考えてほしい。

単に討論しただけやなくて、君らが管理職になった時に、どういう対応をしたらいいか、
その土台として考えといてほしい

話し合いの過程で感じたことに対して、どういう風に対応したらいいか
まず自分で考えてみて、他の人と議論をしてみて、自分の案を温めながら、それが実際使えるかどうか討論する。他の案も聞いてみて、そちらが良かったら、その案を取り入れたらいいよ。そして、最終的に一番良いと思う結論を得るというのが、ディスカッションの流れや。結論は、誰が当たっても発表できるようにしておいてな。」
先生はこんなコメントを学生にされました。


自分たちが管理職になったときに、どう対応するのか。
先生のこの一言で、今日のディスカッション内容が他人事ではなく、自分が社員AE
誰にでもなり得るのだと、はっとした学生さんもいたのではないでしょうか。
学生さんたちは、先生のお話に、真剣に聞き入っている様子でした。




さて、がんばった後はご褒美タイムです★

3グループには、それぞれ先生から素敵なお役立ちアイテムのプレゼントが★
どのグループの意見も甲乙つけがたかったので、どの賞品に当たるかは、ジャンケン
で決められました!


消しゴム消えるペンです。

勉強にも就職活動にも役立つ素敵アイテムですね!

先生の愛を感じます♪

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ディスカッションには、様々な要素が組み込まれています。

自分の意見を考え、まとめ、発表するだけでなく、グループメンバーの意見を聞き、時間をマネジメントしながら、グループとしての意見をまとめなくてはいけません。コミュニケーションがとれなければ、成り立たないものです。

今回のディスカッションでは、雰囲気はグループそれぞれでしたが、議論が止まってしまうことなく、全ての参加者が発言し、活発に話し合いが行われていました。

春学期を通して「発展セミナー」で学んできた成果ではないでしょうか。
授業を通して、コミュニケーション能力がしっかりついてきているのだと、感じました。

また、自分たちが実際にディスカッションをした後に解説を聞くことで、それぞれの学生さんたちの中で、今日の授業が意味を持って記憶されたように思われました。

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履修者のみなさん、ご協力ありがとうございました!


次回のテーマは、今まで14回の授業内容を踏まえて、
「もう一度、自分の生き方を考えよう」。

春学期を通して、「発展セミナー」を受講して、自分の考え方がどのように変わったのか、
もう一度自分自身に問いかけ、確かめる良い機会となりそうですね。



「発展セミナー」は、多くの学部で開講される、NGU教養スタンダード科目です。
先生によって内容は異なりますが、基礎セミナーの内容を更に深め、発展的な内容を学びます。

選択科目ではありますが、積極的にチャレンジしてみて下さいね。



チョッパー子


 

今回は、以前Bridgeでご紹介した赤楚先生の、「英語学講義1」の

授業にお邪魔してきました!


さっそく、どんな授業だったかのぞき見してみましょう★

 



「英語学講義1」前半授業風景


講義の前半は、黒板を使っての英作文です。

学生さんは、先生に当てられた問題の解答を、前の黒板に書きに行きます。


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学生さん達の解答が出そろうと、赤楚先生は、1つ1つに訂正・解説を加えていきます。

英作文の解説だけでなく、「文章の中で出てきた地名がアメリカのどの辺りにあるのか」といったプラスアルファの知識も盛り込まれていて、とてもわかりやすいです。


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    「いつも言うてるけど、これしか答えが無い、というわけやないで。

     ここにある答えが唯一の答えやないからな。

     他の表現であってもかまわないし、自分の書いた文章で、

     『これでもええんちゃうか?』っていうやつは、言えよー。」


 


先生がこう言うと、学生さんからは、自分の表現が正しいか、質問が出ていました。


このように聞いてもらえると、自分が考えている文章が正しかったか、ちゃんと確認できますね。不安を残すことなく、すっきり後半に進めそうです。


 


「英語学講義1」後半授業風景




「それじゃあ、後半のシンタックス (syntax:統語論)に入っていくぜー。」



さて、授業の後半では、いよいよネイティブの脳内文法研究の歴史を追体験していきますよ!


 


まず最初に、先週までの内容の簡単な復習です。

詳しい内容は割愛させていただきますが、先週までの内容では、ネイティブの脳内には、文法的な文を作り出すボックス(SYNTAX)があり、単語ボックス(Lexicon)と協力し文を作っていること、


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さらに,


その文には、語順に関するルール(Phrase Structure Rules)が有り、このルールにしたがって、文が作り上げられていること、そのルールだけでは説明できない構文があることまで勉強しました。


                         ※ここでは特別に解説をつけます。

PRS.jpg

 

文法用語.jpg











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      「先週言ったけれども、日曜日辺りに、ノートを見直したか?

       見直してなかったら、1週間丸々頭の中が消えてるから、

       しっかり思い出さなあかんで。

       先週のノートしっかり見てな。

       では、今から言うフレーズの樹形図を書いて、

       どのPhrase Structure Rulesが使われているか考えてみて。」




履修者は、樹形図を書く練習問題を解きます。

問題に当たった学生さんは、黒板に答えを板書し、先生が全員にむけて解説をします。

前半の文法問題と同じ形式ですね。

 



さて、せっかくなので、ここからはみなさんも一緒に考えてみましょう!


 


(問)代名詞は、文の内外の先行詞を指し示すことができますが、以下の4つ文のうち、

ネイティブには代名詞=Tomと解釈できない英文が1つだけあります。

それは、どの英文でしょうか?



① Tom loves his mom.

② Tom's mom loves him.

③ He loves Tom's mom.

④  His mom loves Tom.



答えは決まったでしょうか?

授業では、どの文だと思うか、履修者に挙手で意見を聞いていました。




答えは、③です。




でも、なぜこの文の代名詞"He"="Tom"と解釈できないのでしょうか?

この問題を考えるために、Phrase Structure Rulesを使い、

樹形図を書いてみます。


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皆、作成できました。



さあ、ここから先は、今日新しく習う内容です。

研究が進んだ結果、新しく次の脳内ルールがあることが発見されました。



どんなルールかというと・・・




代名詞は、先行詞をC-commandしてはいけない


 


???

初めてこの授業を聴講したチョッパー子は、反射的に「難しそうだ、分からないかも」と思ってしまいましたが、そこに飛び込んできたのが、先生の言葉です。


 


      「難しいことやってるんと違うで。

       丁寧にやっていったら、誰でもできる。

      『難しそうなことをやっているから、もうやめとこう』

       と思って自分の頭を働かせることを止めたらダメだぜ。」


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自ら考えること。

考えることから逃げないこと。


Bridge★ の中でも、赤楚先生は、授業をするときに、このことを常に念頭に置いていると仰っていましたね。この授業でも、先生は、言葉を替え表現を替え、何度も話に織り交ぜて学生さんに伝えていました。


 


というわけで、難しそうではありますが、ここは我慢して、続きを見てみましょう!


 


まず、C-comandC統御)とは、何でしょうか。

樹形図を想像して下さい。


C.jpg



枝分かれしていく品詞のうち、図のCに注目して下さい。


Cは、1つ目の角より下にあたるDEC統御することができますが、上にあるAB C統御することができません。


このルールを、C-commandと呼びます。


 


ここで、先ほどの脳内ルールをもう一度見てみましょう。

「代名詞は、先行詞をC-commandしてはいけない」

これを、先ほどの4つの文に当てはめてみましょう。

授業では、当たった学生さんが、黒板に樹形図を書いて、先生に添削を受けていました。


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"his"からさかのぼって1つ目の角の下に、"Tom"はありません。

これはOKそうです。


2'.jpg


これも、"him"から逆のぼって1つ目の角の下に、"Tom's"はありません。


3'.jpg


おや?こちらは、"He"から逆のぼって1つ目の角の下に、"Tom's"がきてしまっていますね。代名詞が先行詞をC-commandしてしまっています。

ネイティブ脳内ルールでNGが出るパターンにあたります。

このせいで、③の代名詞は、Tomを指すと解釈できないのですね。



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こちらは、"His"から逆のぼって1つ目の角の下には、"Tom"はありません。


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この「代名詞は、先行詞をC-commandしてはいけない」という脳内ルールの発見に、30年という歳月が費やされたそうです。


 


さあ、今日の授業では、ネイティブの脳内では、Phrase Structure Rulesのような線形の考え方だけでなく、階層的な情報を頭の中で扱っているのではないか、脳の中では階層に係わる情報を利用しているのではないか、ということが分かりはじめたところまで研究の追体験が進みました。


どの言語が母語であっても、誰から教えられることなく、私たちは、こういった脳内ルールを持っているのだそうです。こうしたことが、研究の結果、1つずつ発見されていったのですね。


 


来週は、どのように研究が発展するでしょうか。



赤楚先生が仰っていたように、来週までにノートを見直して、今日の内容を忘れないようにしないといけませんね。


 



高校までの勉強と違い、大学では、自らテーマを決めて研究することが求められます。


文系の研究の追体験がしてみたい学生さんは、是非、赤楚先生の「英語学講義1」を履修してみてくださいね!


 


     


チョッパー子

























今回は、前回の★Bridge★でご紹介した

飯島滋明先生の「平和学入門」の授業にお邪魔してきました!

 

「平和学入門」は、平和にかかわるさまざまな問題を紹介し、

学生の皆さんなりの考え方を身につけてもらうことを目標とした授業です。

 


本日の講義のテーマは、

『「ヒロシマ」「ナガサキ」と原子爆弾投下』



初めに、「ヒロシマ」「ナガサキ」に投下された原子爆弾についての映像資料を視聴しま

した。

原子爆弾に関する資料映像は、日本で生まれ育った人ならば、一度は目にしたことがあるの

ではないかと思いますが、いつ見ても胸がしめつけられ、戦争の恐ろしさを感じます。

 

映像資料のあとは、いよいよ、講義です。


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講義は、「第2次世界大戦(1939年)が始まった時には、日本はすでに戦争状態だった」

というところから始まりました。

満洲事変、日中戦争、第二次世界大戦、太平洋戦争、戦争の状況の変化から原爆投下、

ポツダム宣言受諾まで、アジア・太平洋戦争のながれを復習しながらも、具体的な数字や

例・逸話に資料などを交え多角的な視点から当時の事情がひもとかれていきます。


※1「シュウ」の字は、現在、歴史の専門家の間では、「洲」を使うことが多いそうです。ここでは、教科書で習った歴史は、不変ではないのだということも学びました。)


    ※  ※  ※


さて、ここからは、授業の内容に少し触れながら、チョッパー子が見つけた、

先生の授業の工夫を5つほどご紹介していきます★

 


<工夫①>資料の活用


授業では、アジア・太平洋戦争の流れをまとめたものと、それに関する資料が配布されました。


資料には、国連人権理事会の資料室に掲載されているパネル(一部)の画像を印刷したもの

があり、世界的に見ると、「1931年9月、日本軍が中国の満洲地方を宣戦布告なしに侵略

する」と記されていることが分かります。

 

また、タイの「死の鉄道博物館・調査センター」掲示の"Japan Invades Asia"のマップ

からは、日本がいかに広範囲の国々に侵攻していったかが分かります。

 

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配布資料とは別に、真珠湾攻撃に関する資料として、先生は、当時のアメリカの新聞を見せて下さいました。


ハワイといえば、人気リゾート地ですが、現在でも海軍基地に行くと、当時の新聞などが買えるそうです。


先生が見せて下さった新聞には、"WAR DECLARED "と大きく見出しがありました。記事は、3千人が日本の攻撃により亡くなる、といった内容だということです。

 

こういった海外の資料は、戦争を色々な視点から見ることに役立ちますね!

 


<工夫その②>私見を交えない話し方


先生の授業では、"先生の私見"がほとんど出て来ません。


起こった出来事や、その理由、具体的な数字などの積み重ねで話が構成されており、

「私は~と思う」という先生の私見が極力取り除かれているのです。


学生のみなさんは、終わりに、今日の授業の内容をレスポンスシートに5行以上でまとめた

上で、私見を書きます。


チョッパー子には、学生さんたちの私見に及ぼす影響を極力抑え、自らの意見を大切にして

もらうための工夫に感じられました。


注:このブログ記事はチョッパー子の私見満載です。

   その点に留意して読み進めて下さい。)

 


<工夫その③>具体的な数字や例を示す


前回の★Bridge★内でお話がありましたが、飯島先生のお話は、非常に具体的す。


例えば、原爆の威力についてのお話では、以下のような説明がありました。

 

4000℃の熱って、想像できますか?

 広島に投下された原子爆弾では、4000℃の熱が、3040秒続きました。

(広島の被害状況を大学で置き換え、この教室に原子爆弾が投下されたとすると)

 距離的には大学から金山駅くらいまでは何も残らない状況でした

 一面焼け野原ですね。」

 

他にも、空襲に関することだけでも、こんなに具体的な数字が使われていました↓

 

「東京大空襲ではわずか2時間の爆撃で10万人死亡、100万人が家を失いました。

 それまでの戦争で、時間の戦闘で10万人死んだ例はありません。」


「日本の66都市が空爆を受け、名古屋では、8千人ほどの人が亡くなっています。」


「名古屋を含む、模擬爆弾(いわゆるパンプキン爆弾)による原爆投下実験が30都市

 行われました。」


「沖縄上陸戦では、20万人が亡くなりました。

 民間人が約94千人含まれているといわれています。」


「長崎では、194512月までに、73千人の方が、亡くなったと言われています。」

 

具体的な数字や、知っている場所に置き換えることで、イメージの手助けになりますし、

記憶に残り易くなりますよね。

 

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<工夫その④>Q&A方式で要点を整理


先生は、まず疑問を投げかけてから、内容を解説する、という順番で話されることが

多かったです。

 

例えば・・・


ポツダム宣言は、なぜポツダムで行われたのでしょうか?

 ポツダムって、どこかわかりますか?

 ポツダムは、ドイツの都市で、しかも軍事都市だったのです

 "ドイツはもう降伏しているんだぞ、日本も降伏しろよ"という意図を含ませて、

 わざとドイツで開催したんですね。」

 

他にも、

・なぜ日本は、絶望的な状況にありながら、なかなかポツダム宣言を受諾しなかったのか?

⇒「今降伏したら、天皇が殺されるかもしれない!」との考えから、降伏しなかった。

 

・広島・長崎に投下された原子爆弾の威力は、どちらが大きかったのか?

⇒投下された原子爆弾の名前:  広島:リトルボーイ  長崎:ファットマン

 名前からも想像できる通り、持っている威力は長崎の方が大きかった。

 

・なぜ原爆が投下されたのは、広島と長崎だったのか?

⇒第1目標は広島だった。これはアメリカ人の捕虜が居ないとされていたからであり、

 また、中国地方最大の軍事都市であったから。

 第2目標は九州の小倉だったが、この日、小倉には雲が多く、爆弾が投下できなかった。

 飛行時間にも制限がある為、第3目標である長崎へ向かったものの、こちらも雲が多かった。

 しかし、雲の切れ目が一瞬できたことから、そこに爆弾を投下した。

 なので、広島はほぼ狙った場所に投下できたが、長崎は市の中心地からかなり離れた

 場所になった。原子爆弾を投下した飛行機は、燃料が残りわずかであったため、沖縄に

 着陸した。

 

このように、

「押さえておきたいところ」が初めに問われて明確だと、話が頭に入り易くなり、

流れがおさえやすくなりますね!

 

 

<工夫その⑤>今日の授業は、次に繋がる


授業中に、そこここで使われるフレーズがあります。

そのフレーズは、こんな風に使われます↓↓

 

「・・・日本が唯一のヒバク※2国という言い方は正しくありません。当時広島の人口は

 約35万人でしたが、広島への原子爆弾投下で、194512月までに亡くなったのは、

 朝鮮人韓国人約2万人を含む、約14万人とも言われています。

 なぜこんなに朝鮮人韓国人が広島にいたのか?

 それは今後授業で話します。」

 


きゃー!


先生、その話、そこで終るのは殺生というものです!


唯一のヒバク国じゃないって、どういうことですか...!?

どうして?

どうして広島には、当時そんなに多くの外国人がいたのですか?


続きが聞きたい...!


他にも、授業のそこここで、「詳しくは次回」「今後」のお話が沢山

これは、授業を欠席するわけにいきません。

千夜一夜物語ではありませんが、次回を期待させる工夫のひとつかと思います。

 

※2原子爆弾投下など、戦争行為の際には「被爆」という漢字を、

  原子力発電の事故などの際には「被曝」という漢字を、

  両者を合わせた場合には「ヒバク」と表記されることが多くあります。)


     ※  ※  ※


授業にお邪魔してみて、飯島先生の授業は、興味深くあっという間に惹きこまれ、なおかつ

考えさせられるものでした。履修者250人を超える授業であるにも関わらず、響くのは先生

の声のみ。学生さんはみんな、話に聞き入っていました。

チョッパー子も、叶うことなら、毎週逃さず聴講したいくらいです。


そのチャンスがあるのは、他でもない、このブログを読んでくれている学生の皆さん、

あなたたちです!

まだ先生の授業を受けたことのない学生の皆さん、是非、

飯島先生の「平和学入門」を履修してみてくださいね。

 

チョッパー子

今回は、商学部髙木直人先生の授業「発展セミナー」にお邪魔してきました!

 

「発展セミナー」では、企業が学生に求めている様々な要素の中から、

特に「やる気」について考え、自らにとって意味ある大学生活を描ける

ようになることを目的とした授業構成がなされています。

 

 

内容の前に。


この授業、入室した瞬間から、ちょっと変わっているのです。

というのも、座席が、1年生、2年生、3年生で分けられており、

授業内で出た下級生の疑問質問に、上級生が答える、というスタンスを取っているのです。


先生が、1年生に質問を投げかけてわからないと、今度は上級生に水が向けられます。

1年生にとっては、分からないことを知ることができ、

上級生にとっても、おさえておきたいことの確認になりますね!


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さて、それでは早速、「発展セミナー」の授業風景を見ていきましょう!

 

本日のテーマは、

「学生生活を充実させるために必要な学習計画表の作成」

授業は、資料を使って進められます。

 

1週間の予定表【大学時間割】作成


まずは、配布された資料に、1週間の授業の時間割を書き出します。


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1年生はパソコンを持ってくることになっていて、CCSの履修登録表で自分の授業

予定を確認します。1年生は、上級生や先生から教えてもらい、

画面の見方や先生への質問メールの送り方などを、その場で体験しながら学びます。


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先生は、1人1人に気を配りながら、きめ細かい指導をされていましたよ!

ちなみに、上級生は、スマートフォンで履修登録表の確認を行っていました。


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先生の口調は、優しいけれど明快な関西弁。

とっても親しみやすく聞きやすいのです!


           「1コマの授業に、どれくらいの予習・復習時間が見込まれているか知ってるか?

              大学で90分講義、家庭で180分の勉強が、大学で1コマ分の単位をもらう

     ということの条件や。1週間で、どのくらい勉強しないとあかんか?」


先生のこのセリフに、学生さんたちからどよめきが。

愕然としている様子も見受けられました。

 

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ここでは、先生から、大学での学習ペースや予習の仕方、

時間配分のコツや単位修得ペース、就職活動と学業の両立など、

4年間の大学生活を俯瞰するのに必要な考え方を教えていただきました。

 

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1週間の予定表【大学以外】作成


次に、アルバイトなどの大学以外での予定を書き出していきます。

 

              「朝、何時に起きるか書いてみ。時間割と連動するはずや。

               これが健康管理になるんや。」

 

先生が、学生さんたち身に付けてほしいことの一つとしてお話しされていたのが、

自分で健康管理をする大切さです。

 

                「...アルバイトばっか入れたらあかんで。バイトするなとは言わへん。

                 けど、バイトはあくまでも、学生生活をエンジョイするためにするもので、

                 学業に支障を出すほどするものではない、ということ。」

 

自分で自由にできることが多くなる大学生だからこそ、生活習慣が乱れてしまうこともあります。

先生は、アルバイトの失敗例や、睡眠時間についての知識など様々なエピソードを交え、

自己管理の大切さ、そのために必要な情報や、判断能力を養うことについてくり返し

注意を与えていらっしゃいました。

 

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さて、1週間の予定がわかったところで、ここからさらに、

「将来の夢のために使う時間」

「健康管理に使う時間」

「検定取得や就職関係に使う時間」

を曜日別に書き出していきます。

 

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                    「長い目で見なければならないこと、 瞬間的に判断しなくては

                      いけないことを、よく考えてな!」


学生さんたちが書き出しを行っている間にも、先生からは、

学生さんたちのキャリアプランニングの手助けになる情報が、どんどん提供されていきます。

正規雇用・非正規雇用の生涯年収差や、退職年齢・退職後に必要な蓄えについてなど、

具体的な数字を用いたシミュレーションは、自分の思い描く未来をどう実現していくか考えるのに

大変参考になります。 

 

 

「将来の夢のために使う時間」について


               「夢は持ってください。 自分では"こんなんでええかなー"と思うことでも、

                 夢を持つのは自由だから。夢もない人生なんて、面白くないやん、なぁ?

               何でもええよ、夢!」

 

先生の好きな言葉は「年中無休」ではなく「年中夢求」

そのあたたかな口調からは、学生さんたちが自分の夢を見つけて、その夢に向けて努力ができるよう

応援する気持ちが伝わってきます。


ちなみに先生の夢は・・・ここでは内緒。

気になった方は、ご本人に、聞いてみてくださいね!

 

 

「健康管理に使う時間」について

 

                   健康管理、これはムチャクチャ大事 

                     ええか? "太く短い人生"は、ほとんどありえません。

                    最近は、"細く長く"生きてるかな?

                  自己健康管理ができないことで病院生活を送るなよ(笑)

                   だから、"健康大事!"っていう意識は今から持っておいてください。

                   みんな "健康管理やろう!"と思わな、やりませんから。」


先生は、ご自分でなさっている健康管理の方法を引き合いに、ユーモアあふれる、

でもとても大事なお話をしてくださいました。

まずは意識すること。

学生さんたちは、お話しを聞いて、自分で健康管理する大切さがよくわかったのではないでしょうか。

 

「検定取得や就職関係に使う時間」について


                     「資格講座の説明会、聞きに行った人、手挙げてみ。

                      ...はい、みんな、資格ってどんなものがあるかわかるか?

                      聞きに行かなわからんよな。

                     だから、講座を受ける受けないに関わらず、説明は聞きに

                     行ってください。」

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先生からは、1年時の必修科目である「基礎セミナー」のテキストを用いて、

商学部生にお勧めの資格や、 

"こういった分野の職業に就きたい人は●●の資格を持っておくと良い、取得するなら●級を" など、

夢を形にするための行動目標となる情報も盛り沢山に提供されます。

 

 

...改めて確認してみると、学生生活は思った以上に忙しいのではないでしょうか。

自分の生活をイメージしながら書き出しを行うことで、どんどん、自らの大学生活が

彩られていきます。

また、すべきこと・やりたいことを具体的に書き出すことで、自覚が促される効果もありそうですね!

 


「自分らしさ」を見つめなおす作業として、「人生年表」の作成


授業後半では、「学生生活を充実させるために必要な学習計画表」に自分で書き出したことをふまえ、

「自分らしさ」を見つめなおす作業として、「人生年表」を作っていきます。

 

しかしこの人生年表も、一味違うのです。

 

なんと、今までの人生だけではなく、62歳まで書く仕様になっているのです!


 

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                「 "自分の人生は、自分で考えないと誰も助けてくれませんよ。" 

                    ということで、"今までの私"と"これからの私"を、しっかり

                    書いてみてください。

                    結婚したかったら、いつくらいに結婚するか具体的に書いてもいいし、

                    一生働きたければ一生働くと書けばいい。

                   車が買いたかったら、いつ頃どんな車が買いたいか書いたらいいし。

                   書けることを書いてください。」


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最近では、大学でキャリアプランニングの仕方を学んだことを前提に、入社後の将来設計を

エントリーシートに書かせる企業もあるのだとか

自分の人生を、自分で設計できる人材が求められている、という企業の考え方も同時に学びながら

、学生さんたちは、自分の将来を描き出していきます。


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                                                  「これ、ええんちゃう?」


年表全部を埋めることはなかなか難しいですが、先生が、記入できている部分から話を広げる

お手伝いをして下さいます。

探してみると、個性がキラリと光る部分が出てくるのですね。

思わず前の席の子が振り返ってしまうくらい、面白そうなエピソードもあったようです。


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                                     「先生は、何歳で結婚したんですか?」


先生ご本人の人生についての質問も出ていました。

先生は、笑顔で、色々とお話をして下さいました。

 

この後宿題も出され、充実した90分の授業でした。

 

 


どうでしょう、詳しい授業内容が、知りたくなりませんか?

チョッパー子は、どのお話も、学生さんたちが「これから」を思い描く手助けになるものばかりで、

夢がある人も、まだ何をしたいかわからない人にも、必ず役立つ内容だと感じました。

 


商学部生のみなさん、是非、髙木先生の「発展セミナー」を履修してみてくださいね!

 

 

 

チョッパー子

 

今回は、前回の★Bridge★でご紹介した榎澤幸広先生の授業「現代社会と法律」にお邪魔してきました!

 

 

「現代社会と法律」は、履修者250人を超える、大型授業です。

しかし、そんな大人数にもかかわらず、私語がありません。

Bridge★でのお話にもありましたが、真面目に勉強している人のために、

私語厳禁が徹底されているのです!

みんな授業が始まった瞬間から、先生の話に集中しています。

 

 

この授業では、まず初めに、前回の授業の簡単なまとめを行います。

まとめは全員がそれぞれに行い、任意で、前に立って発表してもらう形式でした。

多くの人の前でのプレゼンは良い経験になりますね!

 


授業で使用する資料を配布する間、タイ・コンケン大学への短期留学の紹介がありました。


先生ご自身の中国留学の体験をもとに、語学力向上や日本文化の良い点・悪い点の発見が

あったこと、スイカの屋台の方と仲良くなり、その際に友好関係を築くために工夫された点

など、コミュニケーション力アップのヒントがたくさん詰まったお話を伺うことができました!


「法律の授業で留学のススメ?」と思われるかもしれませんが、これが後々効いてくるのですよ~!


 

さて、資料も学生さんの手に渡り、いよいよ今回のテーマに沿って問題を検討していきます。



今回のテーマは《なぜ、法律が必要なのか?》

先生の作ったお話をもとに、法律の必要性について考えていきます。

 


お話は、あなたが船の難破で、無人島に辿り着くところから始まります。

食料はたくさんありそうですが、人は誰もいなさそうです。



ここで第一問。



①あなたはここで、どのように生活しますか?



制限時間は5分なので、みんな、静かに集中して考えます。



制限時間の後は、周りの人と意見交換をします。

自分の考えを周囲にいる人達と共有し、比べてみると、

自分と似た考え方や、異なる考え方、いろいろな考え方に出会うことができます。



食料は豊富そうなので、当面無人島で生活していくという意見、

すぐにSOSを出すという意見、

イカダなどを作って島を脱出するという意見・・・


みんな色々な意見を持っていましたが、

他人からの制限を受けず、"何でも自由にできる生活"であるという点が問題①のポイントです。

 

さて、お話は進み、次の問題です。

数か月後、島に新たに2人の人間が流れ着いてきました。

幸い同じ言葉を話し、同じような文化を持つ人たちでした。



あなたは彼らとどのな生活をしますか?





ここで再び5分のシンキングタイムです。

今度はどのような意見が出たのでしょうか?



再び周囲の人と意見交換タイム★

榎澤先生は、学生さんたちがどんなことを書いたのか、教室内を回って見ていきます。



その後、この検討問題2では、榎澤先生の目に留まった学生さんに意見を発表してもらいました。



新たな仲間と協力しあうという人、お互いに距離をとって生活していくという人・・・

わずか数人に聞いただけでも、意見は様々です。



さて、新たなメンバーが加わった無人島には、"他人との関係"が発生しました

3人という少人数ではありますが、"社会"が生まれたわけです


"社会"は英語で"society"ですが、福沢諭吉がこの英単語を初めに訳した時には、

"人間交際"と訳したのだそうです。人と人との関係を築くこと、という意味合いの

単語なのだそうです。

 

さて、人が人との関係を築こうとするときは、お互いが仲良くしていくためにルール(法律)が必要になります。

法律というと、悪人を罰するのが目的のような気がしてしまいますが、

本来は、みんなが仲良くするために考えられたものなんですね。

このことは、この授業の中だけでも、先生は何度も繰り返していました。


法律の本来の存在意義、重要事項ですね!!



最終問題では、無人島だと思っていた島に、先住民族がいることがわかります。

この島に関する知恵をたくさん持っているようですが、言葉や文化が全く違います。



③あなたは彼らとどのような生活をしますか?





さて、本日最後のシンキングタイム&意見交換です。

先住民族に生活の知恵を教えてもらう、協力しあって生活する、

あるいは、彼らとは別々に暮らすなど、ここでもさまざまな方向性の回答がありました。


どのような形にしろ、

諍いなく生活していくためには、お互いの事情を考慮したルールが必要になりそうです


また、法律のもう一つの役割は、

諍いが起こり、憎しみの連鎖と復讐が繰り返されることを防ぐことなのだとか。


なるほどです。



検討問題③では、社会がより複雑になり、多文化・多言語状態になりました。

社会が複雑になればなるほど、ルールも複雑になってきます。


「法律って難しいな。」

「なんでこんなに膨大で細かいことまで書くのかな?」


そう思われるかもしれませんが、「言った・言わない」で争いにならないように、

言葉や文化が違えば違うほど、文書にして細かくルールを示しておく必要がある

のだそうです。

 

ほんの短い1文にも、争いを避けるための知恵が詰まっており、

それが積み重なったものが現在の法律なのですね。


 

 

お互いの言語や文化を理解しようとする相互努力は、歴史のいたるところで繰り返されてきました。

 

さて、学生のみなさんは、言語や文化の相互理解の手段として、どのような手段があると思いますか?


その一つの形が、留学ですよね。


チョッパー子はここで、冒頭で先生からあった"留学のススメ"にピリリと説得力が加わったなぁ~と感じました★

 


なぜ、法律が必要か?答えが示されたところで、今回の授業はここで終了。


学生さんたちは、今日の検討問題3題に対する自分の意見と、

今日の授業で得たこと学んだことを3点以上書き出したレポートを提出して帰ります。


 

退出時も徹底されているのが、私語厳禁のルールです。


これはもちろん、まだ真剣にレポートを書いている人のため。

"まじめに勉強をしている人を大切にする"という先生の姿勢が、

最後の最後まで貫かれています。

 


授業を受けてみると、法律というものが、歴史的背景や、文化の違いなどを考慮し、

この国に住む人たちが仲良く共存していくためのルールだということが非常に分かりやすく

体験できました。


重要な部分は、説明の中で何度も視点を変え言葉を変えくり返し出てくるので、

しっかり覚えられますね★

 


どの学部の学生さんにもお薦めできる内容で、

早く次の授業が聞きたい!とワクワクするような授業でした♪

 

 

チョッパー子

今回は、経済学部教授 児島完二先生の13週目7/8(火)1限 情報経済論お邪魔しました。

 

 

児島先生の授業は、本学独自のICTシステム(=CCS)を全面的に取り入れたスタイルです。

先生のシラバスには 【学習到達目標:「実力がつく」授業を目指します。ネットワークの関連知識では、講義開始時よりも理解が深まるようにします。具体的には、就職活動や社会で活躍する時に必要となる情報ネットワークに関する基礎知識を確立します。】 と記載があり、昨年12月に掲載したBridge No.3のインタビューでは、 いかに全体の満足度を高めるかが腕の見せ所!」と授業に対する思いを話して下さっています。  

 

キャプチャ1.JPG

 


 

 

 

 

 そんな児島先生の、履修者100名で大教室での授業をご紹介します。

 

 

この授業の一部ではパソコンを使いますが、児島先生はパソコンの代わりにスマートフォン(以下、スマホ)の使用を許可しています。スマホからもCCSにログインできることは学生の皆さんもご存知ですね。

先生の授業は、課題(宿題)や授業内の小テスト、その日の授業の理解度調査までもCCSのメニューを活用して行っているのが大きな特徴!

どのようにCCSを活用しているのかを以下にご紹介します。

 

 

 

①「予習」と「小テスト」


この授業を履修している学生さんは、日頃から「授業の予習をCCS「自学自習」システム」で行います。選択問題が10問程度設問されており、これを予め解いておくことで授業の内容も頭に入りやすくなります。

そして授業開始5分間は、この「予習」ができているか確認の「小テスト」が行われます。もちろん、小テストは紙媒体ではなくCCSに設問されているので、学生さんはそれぞれパソコン 又は スマホ でログインをし、解答していきます。


(^^)習していれば満点取れるはず!  ①問題を解く様子 390ピクセル.jpg




 

 





                   問題を解く様子→




 

キャプチャ 自学自習.JPG

              スマホなら移動中やちょっと空いた時間にサクッと問題を解くことができますね!



 

 

②提出課題(宿題)の評価・講評


小テストが終わると次は先週の宿題でもある「ミニッツペーパー」の評価が始まります。

先生は、提出された解答の一覧をスクリーンに映し出し学生に紹介していきます。良い解答は褒め、そして何が良いのかを皆で共有します。逆に、良くなかった解答は、何が良くないのかを説明し共有します「答えが間違っている」という指摘ではなく、内容は合っていても自分の言葉で書けていないもの(インターネットで検索して貼付けた誰かの文)だったり、箇条書きの解答はnot goodと評価されます。学生は、紹介された解答が自分のものとすぐに気づき、ドキッ!とします。もちろん、他学生の解答も集中して見ています。しっかり説明されるので、自分の解答でなくとも、参考になります。

 

1対多数の授業であっても、1対1の気分になれる工夫がここにあります。

 

キャプチャ3.JPG



 

 

 

 

③授業の進行はPad




今日の授業テーマは『#13 Webの進化と社会の変化』


世界的に有名なGoogleをモデルに話が進みます。Googleがいかにして私たちの社会、特に経済社会に変化や影響を与えてきたかという内容です。


そして、授業を進める先生の特徴がここにも!


授業の内容や資料は全てiPadに用意されていて、先生は手元のPadの画面を、プロジェクタを使ってスクリーンに投影しています。先生が「ここが大事!」など強調させたいときはPadのアプリを使ってPDFの画面に書き込むとそのまま投影されます。話の流れに沿って強調されるので、学生の皆さんにとっても、すぐ分かる上に見やすくて、理解しやすいようです。


ほぉ~!ハイテクな時代ですね~(o)!!



ペイント機能.JPG

授業内容を終えると、本日投影したiPadのスライドを一通り復習します。


もしも板書が追いついてなくても、同じスライドをもう一度見ることができるのは嬉しいですね!先生自身にとっても、パソコンより準備が簡単で、手軽に授業で使える所がiPadの魅力の一つなのだそうです。

 

 


 




④宿題(ミニッツペーパー)



復習の後は、今日の宿題となる「ミニッツペーパー」に取り掛かりました。

■本日のお題は『Googleの検索技術であるページランクを授業で説明したように簡潔に述べる。』

お題は授業の冒頭でも、「今日の課題は○○だからしっかり授業を聞いておいてください」と、予め案内がありました。


学生の皆さんは提出期限(当日22時まで)にこれを仕上げなければなりません。 


みんな頑張れ!






 

 

 

 







⑤学生の理解度に沿ったおさらい小テスト


今回は授業の最後におさらいの小テストも行いました。もちろん小テストはCCS上にありますので、各自パソコン or スマホ で解答します。


この小テスト、実は学生のみなさんがキャプチャ 最後から2番目 400300.jpg毎授業後に行っているCCSの「授業理解度調査」の結果をもとに、児島先生が必要に応じて実施しているものだそうです。当日の授業の理解度を学生の皆さんが4択の中から回答します。


「わかりにくかった」「わからなかった」という反応が特に多かった回の授業内容を、この小テストで振り返り、フォローすることで、学生の皆さんにより理解を深めてもらえるよう工夫されているのです。



このように様子を見ながら先生が察知して工夫してくださるので、「自分だけが理解していないのかも・・・」「先生に分りませんと言えない」などの不安な気持ちを抱える学生も、安心して取り組むことができますね。

 

 

そして、ここでも特徴を発見!

 

小テストの回答率や残り時間などを示す画面がスクリーン上に映し出されています。

この授業の履修者数に対し、今テストを行っている受験者数やその回答率が一目瞭然!

 

最後のキャプチャ.jpg


実はこれで "真の出席" も分かっちゃいますね (_)!!

この日も、授業が終わってから当日22時までに学生の皆さんは「授業理解度調査」をポチっとクリックして先生に自分の理解度を伝えました。これこそ、先生と学生とで『授業をより良いものにする働きかけ』の一つですね!




     ◆      ◆      ◆      ◆      ◆      ◆     

 


この様に、児島先生の授業は、本学独自のICTシステムCCSを駆使した、

「分かる・身につく・力になる」授業でした! CCSという有効なツールと先生の工夫で、大人数の授業がスムーズに行っていてすごい~!


ブログを読んでみて気になった経済学部生の方は、是非、先生の授業を履修してみてくださいね。




チョッパー子


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