★Bridge★No.11 山内 義廣 先生
学生さんと先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・
法学部教授 山内 義廣 先生です。
山内先生は2014年5月現在、法学部教務主任 をしていらっしゃいます。
刑法が専門の先生。「刑法」って聞いただけで何だか堅そうな人柄のイメージになりませんか?
でも、実は山内先生って・・・・!!
それでは早速、先生の"思い"をご紹介します★
■■■ どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨まれていますか? ■■■
授業やゼミをさぼったり、楽しくないと思うってのは、家庭が面白くなくて家庭から遠ざかることと一緒。
だから、暖かい雰囲気づくりに努めています。その方が学生さんも話しやすいでしょ。
そして学生と目線を一緒にすること。こやまかしく言わない。一方的に怒らない。
相手が何をしたいのか、やりたいことやらせてそれを一生懸命応援してあげる。
歌舞伎の黒幕的存在に徹するようにしているんです。
それじゃ教育にならないと言われてしまうかもしれない。
でもその黒幕的存在で学生を応援するために、言葉や態度に自分の精神を吹き込んでやっています。
---- 授業への取り組み
授業ではあまり欲張って教えようとはしないんです。「今日はここまで教えよう」と欲張って焦ると、それが授業で伝わってしまうんですよね。学生の皆さんには授業を受けて達成感を感じてほしい。
だから、欲張らずに様子を見ながらお互いの満足のいくところを探していく。そうすると仕事も勉強もスムーズに進み、気持ちもずいぶん楽になる。もちろん初めは要求水準を高くしていてもいい。やっていくうちに、これはまずいな、と思ったら柔軟的に変更すればいいじゃない。ちょっと脇道にそれてもいいと思ってる。
だから学生さんによく言ってます。「結果を急がないよ、急いだらダメだよ」って。
もちろんやるべきことはする。期間が決められている試験は頑張ってやんなきゃいけないとも言っている。
正論で進めなければならないこともある。でもそれだけに縛られないようにね。
授業に出る前は「一生に一回の授業だ」と思って気合を入れて自分の部屋を出るようにしています。
授業がマンネリ化しないよう、自分を戒める。教壇は舞台だと思って。そうすると自然と力が入って来るんです。授業を生きた言葉・生きている言葉でしていきたい。惰性は気持ちで変えられると思っています。
一期一会の精神でね。
(これは先生の大好きな歌舞伎・中村雀右衛門さんが舞台に臨む姿勢から学んだ精神だそうです)
---- 一方的に怒らない。
僕は学生さんに対して "心の・気持ちの逃れ道" を作ってあげるようにしているんです。すごく大事ですよ。
例えば、ゼミを欠席した学生さんに対して、まずはなぜ休んだのか理由を聞く。理由を聞いて「それではダメだ!」と一方的に怒ったり責めたりしない。「そうか、そういう理由もあるんだね」と一旦受け止めるようにしている。ここで怒って終わったら、きっと学生はゼミに来るのが嫌になる。だから、叱りもするけど「また頑張って来るんだよ、待ってるからね」と添える。これが心の逃れ道となる。先生から怒られて、逃れ道がないと息が詰まって嫌になるじゃない?ね。(笑) そうやっている内に自然と心を開いてくれ、自ら話しかけてくれるようになる。僕はなるべく学生の個性が出るような方向をとりたいと思っているからね。
---- 法の原点
法学部の学生さんには特に法の原点を知ってほしい。「なぜ、法が必要なのか」ということを。
刑法は情熱や愛情がなければやってはいけません。
ただただ処罰すればいいってものじゃないんです。その人のことを同じ目線で理解してあげることが大事。
裁判や刑務所に行くと、誰かが手を貸してあげて(心の)逃れ道を作ってあげてたら違ったんじゃないのかな、と感じます。だから僕らのような機会を持った人が手を差し伸べてあげてほしい。正論で責めすぎるのではなく逃れ道を作ってあげるんです。
だから、自分が今、学生さんたちに対しても思うことは一緒なんです。
叱っただけではプラスになることはないと思っています。時には叱らなければならないこともあるが、
「愛情・情熱・情念をもって」対話します。
---- 対話の心
「話しをする」のと、「対話をする」とは違うんです。話をするってのは、知識の伝達もそう。対話となるとそこにプラスアルファが生まれます。その人の人間性や体験がそこ(対話の中)にすべて入ってくるからね。そういうものを伝えられるような授業をしたいと思ってます。非常に大事だけどなかなか難しいです。それには、まず自分が元気でないとね。しっかりと体力をもって、相手のエネルギーに押されないように自分を押し出す。そうしないと対話力が生まれません。自分で工夫してやってます。
努力したものは救われるから大丈夫と思ってるからね(笑)
■■■ 先生のお薦め本 ■■■
先生からは法学部の学生さん向けに「法の心」を学ぶ本をご紹介いただきました。
『法の根底にあるもの』井上 茂著 有斐閣
『法というものの考え方』渡辺 洋三著 日本評論社
「人の情念が縮小されて簡潔な形に変えてあるのが法律。法は人間に憎しみや悲しみを解決させるためにある制度。その制度ができた根本的なところを知ってほしい。」
愛情を持って法を扱う心を学んでほしい!と、願いをこめて選んで下さった本です。
ぜひ、読んでみてくださいね。
■■■ 今日の一枚 ■■■
今回は先生の "青春の日" の1コマを紹介します。
先生の後ろに見えるドイツ語新聞に注目!写真は「サムライ」!?
先生は、まさに、世に言う「江戸っ子」。とても人情味があり、そしてやんちゃ!(笑)
さらには 歌舞伎や詩吟、小唄に和歌、と多彩な趣味をお持ちなんですよ!びっくり!
ぜひ、いつかご披露いただきたいですね。
次回の★Bridge★も、お楽しみに★
チョッパー子