『マゼラン船団 世界一周500年目の真実 ー大航海時代とアジアー』
本書は2023年11月刊行。筆者は大野拓司。ジャーナリスト。マゼランと言えば
世界一周の航海を初めて成し遂げたということで、世界史上の有名人。そのマゼランが
亡くなって約500年。フェルディナンド・マゼラン(1480-1521)は、
ポルトガル人でしたが、スペイン国王に西回りの航海で太平洋の東アジアとの香辛料
交易を提案。スペインの船団を率いて大西洋を南下、南米大陸の先端、後年自分の名前
が冠せられるマゼラン海峡を抜け太平洋に出ます。さらに太平洋を西北上し、現在の
フィリピン諸島に到着。現地の部族、部族長と交流しキリスト教の布教を図り、諸島の
支配に向けて動き出します。しかし、これに従わない部族と交戦となり戦死。
1521年4月のことです。生き残った船員達は航海を続け、
翌年にはスペインに戻り、世界一周を成し遂げ、東アジアの
存在と情報、香辛料をもたらします。その後、このことが切
っ掛けで、戦国時代の日本にも南蛮人が渡来すようにもなり、
キリスト教も布教されることになったようです。東アジアの
海洋域の人々にとっては大きな転換点となったといえるでし
ょう。航海者としてのマゼランの姿しかイメージされなかった
のですが、大航海時代、植民地化時代の魁(さきがけ)とし
ての姿がそこにはあったのです。
(しろとり図書館スタッフ 東空)