イベント: 2016年7月アーカイブ
① K-POPから見る韓国
日本でも人気のある「K-POP」。
21世紀に入り、金大中大統領が、科学技術やIT技術と並んで、
韓国の「大衆文化」を世界中に発信する政策を大々的に推進したことで、
日本のみならず世界中で、人気を博すようになりました。
「K-POP」は、1980年代までの「軍政時代」において、国策と密接に
関係していました。
軍政時代、「K-POP」の歌手がリリースしたCDアルバムには、
歌手が歌う曲のみならず、「健全歌謡」という、軍政が認めた歌を
収録することが、義務付けられていました。「健全歌謡」とは、
「思いやりのある社会をつくろう」とか「祖国を敵から守ろう」
などを歌詞とした、健全な社会を作るために国民を啓蒙するための軍歌です。
世間一般に販売されるCDアルバムに、「健全歌謡」を収録させること
で、国民が「健全歌謡」を必然的・強制的に聴くようになり、
世の中は健全になると、軍政は本気で考えていました。
しかし、みなさん。
「健全歌謡」が収録されたCDアルバムなんて、買いますか?
買いたくありませんよね。
案の定、このようなCDアルバムは、「健全歌謡」によって、
アルバムのコンセプトがことごとくブチ壊され、
リスナーのみならず、音楽関係者からも不評でした。
ところが、このような状況を逆手にとって、「健全歌謡をヒット
させればいいじゃないか!」と、考えられるようになります。
その契機となった健全歌謡が、丁秀羅(チョン・スラ)女史が歌った、
「ああ!大韓民国(아! 대한민국)」という歌でした。
この歌は、K-POP調で、従来の「軍歌や祖国賛歌としての健全歌謡」
というイメージを根本から覆し、世代に関係なく人気を博しました。
これによって、軍政とリスナーや音楽関係者、双方の思惑に反する
ことなく、「K-POP」は、韓国という「国」の民主化に先んじて、
「韓国大衆社会」を民主化の道へと導いたのです。
② 「中華」と「台湾」
「台湾」を一人旅していると、意外にも「台湾」の2文字を、
なかなか目にすることはありません。
しかし、「中華」の2文字は、さまざまな場所で目にすること
ができます。
なぜ、台湾なのに「台湾」の文字が少ないのでしょうか?
これは、台湾にある中華民国政府が、本来であれば中国大陸の
すべてを、支配していると考えており、台湾=中華民国ではな
く、中華民国=台湾と中国大陸であると考えているからです。
そのため、台湾にある国営航空会社や郵政事業などは、
台湾のものではなく、あくまでも、中華民国のものであると
認識され、台湾では「台湾」の文字を見かけることが殆ど
ありません。
また、「中華」の2文字を排斥して、「台湾」の2文字を広く
用いることで、中華人民共和国と中華民国(台湾)との、
微妙な「パワー・バランス」が崩れる可能性もあります。
中華人民共和国は、中華民国と「どちらが中国の正当政府
なのか」を長年争っています。
中華民国自体は、中華人民共和国よりも前から存在している
独立国であり、あくまでも、台湾及び中国大陸を支配している
と主張しています。
このため、中国共産党政府が最も恐れる、大陸と台湾の
「国家分裂」の事態は防ぐことができます。
しかし、「中華」の2文字を排斥し、「台湾」の2文字を正式
な名称として広く用いることとなると、中国共産党からすれ
ば、台湾が「台湾」として独立し、大陸と台湾の「国家分裂」
の事態が生じてしまうことになります。
台湾独立を避けたい、中国共産党から台湾に対して独立・国家
分裂を阻止するための強い圧力が、社会全体にかけられてしま
うと、台湾自体が非常に大きな不利益を被る恐れがあります。
このため、台湾は「台湾」と「中華」を、うまく使い分け続け
ることで、中台関係の微妙な「バランス」を保っています。
③「繁体字」と「簡体字」
中華圏で広く用いられる漢字は、
台湾や香港などで一般的な「繁体字」と、
北京や上海など主に中国大陸で一般的な「簡体字」に、
大きく分けることができます。
中国大陸でも古くから「繁体字」が一般的ではありましたが、
「簡体字」の方が利便性に長けていることから、「繁体字」
よりも「簡体字」がポピュラーとなりました。
また、18世紀末ごろに中国国民党率いる中華民国政府が正式に
採用していた「繁体字」を、中国共産党率いる中華人民共和国
政府が「繁体字はブルジョアが使う字であり、プロレタリア階
級(無産階級)は、誰でも書ける簡体字を使うべきである」と
指導したことで、中国大陸では「簡体字」が一般的に用いられ
るようになったとも言われています。
この様にみると、中国共産党は「簡体字」を好む一方で、中国
国民党は「繁体字」が好んでいるということがわかります。
しかし、「繁体字」が広く一般的に用いられている、
香港(=中華人民共和国香港特別行政区)では、近年、
「繁体字」よりも「簡体字」がポピュラーになりはじめ、
「簡体字」が香港社会に大きな影響を与えています。
この様な現象は、北京政府が影響下に置いている香港政府を
通じて、大陸化の圧力をかけているからではないかと
言われています。
いかがでしたか、みなさん?
少しでも、関心を持っていただけたでしょうか?
『LEARNCH IN THE World』は、7月21日までの毎週木曜日、
ランチタイムに、希館2階・ステューデントルーム1で開催しています。
みなさんのお越しを、こころよりお待ちしています!
来てね(^0^)/
謝謝大家!(=ありがとうございました!)
①
料理
韓国の辛い漬け物といえば、「キムチ(김치)」ですよね。
② お金
中国の通貨って、何だと思いますか?
もちろん「元」ですよね。
しかし、中国には「元」という通貨はありません。
これはどういうことでしょうか?
中国には、日本の中央銀行である日本銀行に当たる、
「中国人民銀行」があり、通貨を発行しています。
中国人民銀行が発行した紙幣は、「人民幣」と呼ばれ、
人民幣には「元」と言う文字が記されていません。
そうです、中国には、「元」と言う通貨は存在せず、
「人民幣」が正式な通貨なのです。
よく、上海や香港などにある証券取引所や、国内外のニュースでは、
中国の通貨を「RMB」と表記してありますが、このアルファベットは、
漢語読みの、「Rén Mín Bì=人民幣」を略したものです。
では、「元」とは一体何なのでしょうか?
「人民幣」には、「圓」と言う単位が記されています。
「圓」は、画数が多く、非常に書きづらいです。
そこで、「圓」と同じ漢語読みの発音をする「元」が広く用いられ、
今日の日本では、「元」自体が中国の通貨として、認識されています。
③
治安(公安・軍事)
朝鮮半島には、2つの国と地域があります。
この2つの国と地域は、「休戦状態」ではあるものの、1953年以降、
現在に至るまで「戦争状態」にあります。
そのため、この2つの国と地域では、有事に備えて、
軍事レベルのみならず、市民生活のレベルにおいても、
さまざまな「準備」が為されています。
例えば、地下鉄(지하철)。
地下鉄は、日本の地下鉄とは比べものにならないほど、
深いところに設けられています。
これは、有事の際、空爆や空襲が発生した場合に、多くの市民が
逃げ込むことができるようにするためです。
また、全ての地下鉄駅構内には、何百人分の「ガスマスク」が赤いケース
に備蓄され、消火栓の如く、発見し易い場所に設置されています。
これも、有事の際に、毒ガスや有害物質などから身を護るために
設けられています。
地下鉄以外にも、ソウル特別市(서울특별시)や非武装地帯(DMZ)
付近の高速道路や一般道の両脇には、ダイナマイトが仕掛けられた
大きなコンクリートが設置され、有事の際には、仕掛けられた
ダイナマイトを爆破させて道を封鎖し、少しでも敵の侵攻を遅らせる
ための対策が講じられています。
ちなみに、朴正熙政権から盧泰愚政権にかけての「軍政時代」には、
大小問わず全ての橋にもダイナマイトが仕掛けられていました。
こういったものは、旅行で訪れた私たち「外国人」が地下鉄やバスなど
に乗っても、至る所で目にすることができます。
一見、平和そうにみえても、これらを目の当たりにすることで
「戦争中なんだ。」と、肌で感じ、そこで生活する方ような感覚で、
現地の事情を理解しながら「大人の旅行」を楽しむことができます!
いかがでしたか、みなさん?
少しでも、関心を持っていただけたでしょうか?
『LEARNCH IN THE World』は、7月21日までの毎週木曜日、
ランチタイムに、希館2階・ステューデントルーム1で開催しています。
みなさんのお越しを、こころよりお待ちしています! 来てね!
それでは、안녕히 계세요. 또 만나요!
(=さようなら。また、会おうね!)