『2015年度法学部ゼミ研究発表会』

|


 サワディークラップ!(こんにちは!)

ESCサポーター主幹の重松歩月(法学部法学科3年)です。


122日(水)、『2015年度法学部ゼミ研究発表会』が、曙館1階・101教室で

開催されました!

この研究発表会は、ある一つのテーマについて、それぞれのゼミが、さまざまな

法分野の視点から考察・検討し、その研究成果を発表するものです。


今回はみなさんに、ESCサポーター重松歩月による、

2015年度法学部ゼミ研究発表会リポートを、お送りします!!!



初めてとなる今回は、「18歳成人問題」をテーマに、5つのゼミが発表しました!


 1大原寛史ゼミナール:「成年」年齢をめぐる民法上の課題

2木棚照一ゼミナール:成人年齢-グローバル・スタンダードを考える-


3國井義郎ゼミナール:18歳選挙権と公職選挙法


4鈴木 隆ゼミナール:若年層の政治意識と投票行動に関する一考察


5萩野貴史ゼミナール:成人年齢の引き下げが刑事法に及ぼす影響



1大原寛史ゼミナール:「成年」年齢をめぐる民法上の課題


成年」年齢を18歳に引き下げると、現行法上、さまざまな矛盾や摩擦が生じます。


その中でも、最も影響を受けるのが、人と人との間における法律関係を国家が規律した、

私たちが生活するうえで切っても切れない関係にある「民法」なのです!


大原ゼミの研究発表では、1044条という膨大な条文から成る民法の中から、

一部をピックアップし、「成年」年齢を18歳に引き下げることで、民法上、

どのような課題が生じるのかについて、考察・検討していました。


研究会_1.jpg



2木棚照一ゼミナール:成人年齢-グローバル・スタンダードを考える-


日本では平成15年、「国民投票法」という法律が制定され、国民投票年齢が18歳以上

となりました。このような措置は、国際的なグローバル基準に合わせたものであり、

多くの国々では、選挙年齢を18歳以上としています。


しかし、成人年齢を引き下げたことで、消費者被害の拡大など、さまざまな問題が生じ

る可能性があり、成人年齢引き下げに伴う法整備を行う必要があります!


木棚ゼミの研究発表では、成人年齢引き下げによって生じたさまざまな問題を、

どのように解決することが望ましいのかについて、考察・検討していました。


研究会_2.jpg



3國井義郎ゼミナール:18歳選挙権と公職選挙法


成年年齢とは、物事の善悪や行為の結果を認識することができ、一人の人間として行動

することができる年齢を言い、選挙権は納税や勤労などの義務を完全履行した者に付与

される権利なのです!


國井ゼミの研究発表では、納税や勤労などの義務を果たさない18歳以上20未満の者に、

選挙権を付与すべきか否か、また、未熟者である18歳以上20歳未満の者に、選挙権を

付与するとしたら、その者には、どのような教育を施すべきかについて、考察・検討し

ていました。


研究会_3.jpg


4鈴木 隆ゼミナール:若年層の政治意識と投票行動に関する一考察


若者は政治に対し、保守的でもなく、革新的でもなく、両者の間に位置づけられる、

「中道的」な意識を持っており、どの党派にも偏らない「無党派層」が、大多数を占め

ています。また、多くの若者は、政治に対する関心が薄く、それは投票率などによって、

はっきりと表れています。


そのため、政治家や党派は、団塊の世代や高齢者にスポットを当てた政策を多く立案して

国民に提示し、若年層にスポットを当てた政策を謳わない現象が生じています!


鈴木ゼミの研究発表では、若年層の政治意識を高めるためには、どのような策を講ずる

必要があるのか、選挙年齢引き下げによる若年層の政治参加の機会が拡大したことを前

提に、考察・検討していました。


研究会_4.jpg


5萩野貴史ゼミナール:成人年齢の引き下げが刑事法に及ぼす影響


成人年齢が引き下げられると、家庭裁判所の非行少年に対する観護措置および保護措置

が無くなり、成年の刑事事件と同様の手続を踏むこととなって、少年が健やかに育ち、

国家が親に代わって愛情を与えることで、その者の良さを更に伸ばすことを目的とする、

少年法の理念に反します。


このように、成人年齢を引き下げれば、さまざまな刑事関係法において、矛盾や摩擦が

生ずるのです!


萩野ゼミの研究発表では、成人年齢引き下げによって生じる、刑法や少年法などの刑事

関係諸法との摩擦を、どのようにして解決すべきであるかについて、考察・検討してい

ました。

研究会_5.jpg


【研究発表を聞いてみて...】


発表会には、法学部の学生・先生方はもちろん、他学部の学生のみなさんや先生方の姿も

見られました。

多くのみなさんが、各ゼミの「努力の成果」を、真剣に観ていました。


18歳成人問題」については、民事法や刑事法をはじめとする法律上の問題に留まらず、

児童労働や子どもの人権侵害をはじめとする国際社会上の問題などにも、大きく関係する

問題であり、法政治学の学修に日々勤しんできた法学部の学生でも、なかなか理解する

ことが難しい、かなりハイレベルな研究領域です!


このように、法学部の学生でも難しい「18歳成人問題」を、法的観点のみならず、

政治的観点からも考察・検討した各ゼミの研究発表は、法学部以外の学生にも、

非常にわかりやすい発表になっていたと思いました!


コップンカー!(ありがとう!)


このブログ記事について

このページは、教育学習センターが2015年12月22日 12:43に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「『翼法律研究会2015年度研究報告会』」です。

次のブログ記事は「『現代社会学部開設記念シンポジウム 名古屋の現代、ナゴヤのミライ社会を考える』」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

QRコード

携帯版ブログへ

携帯版ブログへ