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2017年10月 6日
長期留学報告(北京語言大学 高橋 美帆)
長くて短い一年間
私は一年間、公費交換留学生として北京語言大学に留学しました。元々中国に興味があり、ずっと留学をしたいと思っていました。そのため、一年間の留学が決まった時は、本当に嬉しかったです。しかし、現実はそんなに甘くありませんでした。大学に入って一から中国語を始めたこともあり、簡単なように見えて中国語は難しく大変でした。留学が決まり、更に勉強に力を入れましたが、完全に力不足でした。中国に着いたばかりのとき、あんなに勉強したのに、とても簡単な中国語ですら何も分からなくて、今までの勉強は何だったのだろう...と本当にショックでした。そのため最初の半年は、半年留学する同級生二人が居たので、とても心強かったです。今はもうほとんど慣れましたが、中国人の接客態度、言葉は結構きついです。来たばかりの時、とてもたくさんの手続きをしなければいけませんでした。そのため学校内、また学校の外にまで色々しに行きましたが、ゆっくり話してもらっても聞き取れない自分にイライラと悔しさ、中国語が全く出来ない外国人と分かっていながらの態度の冷たさなどから、もう手続きの段階から心は完全に折れ、私は本当にここでやっていけるだろうか、ましてや一緒に来た二人のように半年ではなく一年を選んでしまったから、残り半年私は一人で生きていけるのだろうか、私はまだ留学するのには早かったのではないか、ここに居てはいけないのではないかなどと思いました。今まで海外旅行にはよく行っていたし、三週間ほどオーストラリアにホームステイしたこともあったけど、ホームシックになったことはありませんでした。しかし、今回初めてホームシックになりました。泣きながら親と電話しました。元々泣くつもりはなかったし、ただの状況報告として電話しただけなのに、気が付いたら号泣していました。友達とも電話をしましたが、やはり懐かしさや安心感から号泣してしまいました。ルームメイトには恵まれていて、私が泣きながら電話をしていたら、私も来たばかりの時は同じような感じだったよ、などと日本語で書かれた手紙と、目を冷やしてとパックをくれました。本当に嬉しかったです。
学習面では苦労しました。新学期に入って授業が始まり、このように授業が行われると分かってはいましたが、全て中国語、たまに英語で行われる授業は、中国語はまだろくにできない、英語は全く出来ない私にとっては地獄のようなものに感じました。ステップアップをしたいのなら、クラスは高めを選んだほうが良いと色んな人に言われましたが、私は耐え切れず一つ下に落としました。一つ下に落としたとはいえ、簡単になったのではなく、私はちょうどいいと感じたし、無事単位もとることが出来たので、最終的にはそうして良かったと思いました。
前期は初級だったので、後期は中級に上がりました。どうせ分からないので、私からしたら問題はありませんが、初級の時の先生は中国語で言ってもまだ理解しにくい説明を英語でしてくれていましたが、中級はそうでもなくほとんど全部中国語でした。そして、やはり話すスピードも速くなりました。個人的にはまだ中級のレベルではないのではないか、初級の中でもクラスを一つ下げたのに、本当に大丈夫だろうかと心配でしたが、初級の単位が取れたのなら中級に行くのが条件だったので、選択肢はありませんでした。先生が優しく、何とか後期も全て単位をとることが出来て良かったです。
生活面では色んな体験をすることができ、楽しかったです。私は中国にいる間、上海、山東省、内モンゴル、大連、天津に行きました。上海では、日本の友達がわざわざ中国に来てくれて、念願だった上海ディズニーに行くことが出来て嬉しかったです。内モンゴルには、旅行とボランティアで二回行きました。一回目に旅行で行き、砂漠に行くなど貴重な経験がたくさんでき楽しかったのですが、砂漠が思った以上に過酷で、もう一度モンゴルに行くのは良いけど、砂漠には行きたくないと思っていました。しかし、モンゴルの砂漠に木を植える植林ボランティアを友達に誘われ、また行くことになりました。最後まで行くのを迷いましたが、このボランティアは日中韓の3カ国の人たちで行われるという事、植林なんてそうそうしない体験だからきっと貴重な体験になるということ、もともと中韓で行われていて今回初めて日中韓に変わったため、日本人は全て無料ということから、参加を決めました。やはり砂漠は過酷だったし、旅行の時は春の始めで寒かったですが、ボランティアの時はもうすぐ夏の時で、暑くて正直より辛かったです。ですが、日本のことが好きな韓国人や中国人もたくさんいる中でのボランティアで、とても嬉しかったです。最後のパーティーも楽しく、最終的には行って良かったなって思うことが出来ました。天津も二回行き、一回目は一緒に留学した友達に会いに遊びに行きました。二回目は北京から近いので、学校の行事でクラスのみんなと行きました。山東省へは半年留学の友達と、その子の最後の旅行として行きました。半年間、本当にお世話になったし、帰ってしまうのが本当に寂しかったです。大連は私の最後の旅行として行きました。大連は日本と繋がりがあったりして、地下鉄で日本語のアナウンスが流れたりしたため、なんだか嬉しかったです。夏だったので海を見に行けたり、美味しい海鮮を食べることが出来たり、良い最後の思い出になりました。
旅行以外のイベントだと、冬休みに十日間ほど、中国語を勉強する日本人と日本語を勉強する中国人と泊まり込みで勉強したりする合宿に参加しました。これは本当に貴重な体験となりました。たくさんの中国人と知り合うことも出来たし、日本大使館で日本人は中国語、中国人は日本語のスピーチ大会をするという貴重な体験をする事が出来ました。十人と一つの部屋で生活をするシステムだったり、設備がそんなに良くなかったり、正直大変なことがたくさんありましたが、日本語を一生懸命勉強する中国人に、たくさん刺激をもらうことが出来ました。その他には様々な交流会もあり、中国人の友達もでき、ご飯に行ったりして楽しかったです。友達の紹介で、語学スクールにも少し通っていました。宿題とかもあり通うのは大変かなと思いましたが、会話力が本当に低く、その向上のためにも通ってみてもいいのではと思い行くことにしました。そこの先生達は学生も多く、歳も近い人もいたため親しみやすく、会話も合うので楽しかったです。発音も教えてくれて、中国語は発音がとても大事なので学ぶことが出来て良かったです。
ハプニングの面では、携帯を学校ですられてしまったことが一番でした。海外は危険というのは良く分かっていたし、注意をしてはいたものの、だんだん生活にも慣れてきてやはり油断をしてしました。しかし、外ではなく学校のエスカレーターですられたことにはよりショックでした。この事件以降、大きなトラブルは無かったし、私は一回も病院に行くような大きな病気や怪我をしなかったので、良かったです。
今回留学をしてみて、学んだことが本当に沢山あるなと思いました。私は実家住まいなので、初めて自分のことを全て自分でしたりして、親のありがたさをとても感じました。留学を経て、もともと中国の文化が大好きな私はたくさん満喫する事が出来たし、ご飯も私の口にはとても合うので、毎日美味しいご飯を食べることができ、おかげで8キロも太ってしまいました。中国というか、韓国人留学生が多いことも関係しているのか、私の学校の周りは韓国料理屋さんも沢山あるなど、韓国に繋がりがある店が多く、韓国も大好きな私はすごく嬉しかったです。日本料理屋さんもちらほらありましたが、私はそんなに日本料理が恋しくならなかったのでそんなに行きませんでしたが、行くと中国ではありますが、他の料理の飲食店よりおもてなしがあり、日本っていいなと感じました。また私の学校は本当に色んな国の留学生が多いことから、中国文化以外の様々な文化を学ぶことが出来たため、それもまた良かったです。日本を離れてみて、改めて日本についてどんな国か考えることが出来ました。中国は日本人から見ると、やはりイメージがあまり良くないと思います。実際私の友達や親も、そんなに中国に良いイメージを持っていません。私自身も中国は好きですが、とても良いイメージを持っているわけではありませんでした。しかし、今回実際に1年間暮らしてみて、中国人に対するイメージは変わりました。そして、日本人に対するイメージも変わりました。私自身も日本人であるため、やはり日本は良い国、日本人は良い人ばかり、そんな良いイメージばかり持っていましたが、正直全て良い国というわけではないと思います。悪いところもよく見ればあるなと思いました。中国人は親切な人やフレンドリーな人結構が多いです。中国に良いイメージは持っていないけど、中国に遊びに来た友達は、思った以上に中国は良い所!思った以上に中国人は良い人!と言ってくれて嬉しかったです。そんなこともあり、日本人には中国の良さを、中国人には日本の良さを、もっと知ってもらいたいとより強く思いました。その気持ちを将来に繋げていこうと思いました。
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