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2011年10月 5日アーカイブ

長い夏休みが終わり,秋学期がスタートしました。学期初めの1~2週間を「マナー向上キャンペーン期間」と位置付け,教務部・学生部と協働しながら,朝の挨拶運動・教室内ルールの徹底・マナー向上のための学内巡回などを行いました。

「朝の挨拶運動」では,1時限目の授業が始まる前の20分間,たくさんの教職員の方々が自主的に大学周辺に立ち,登校してくる学生たちに「おはよう」の声かけをしていただきました。また,教室内ルールの徹底のために,全ての教員が一度は授業中に「守るべき教室内ルール」の説明をしていただいたと思います。さらに,学生部の皆さんには,昼休みを利用してマナー向上のための学内巡回をしていただきました。皆様のご協力に心より,感謝申し上げます。

 

さて,こうしたキャンペーンについて,在学生の皆さんはどう感じているのでしょうか?

大学生にもなって,そんな基本的マナーについて,どうして指導されなきゃいけないんだ?「挨拶運動」なんて小学校でもやってたし,遅刻をしない,ごみはゴミ箱へなんて,そんなの当たり前じゃん。こんな思いや疑問を持った方もいるでしょうね。

ところが,知っていることとそれが出来ることとは違います。実際,企業の採用担当者たちの多くが「(本学の学生に限らず)大学生のマナーがなっていない」と吐露しています。小学生の時にはできたけれども,中学・高校・大学と学年が上がるにつれて,基本的マナーができていない,という現実があるのです。社会人としての基本的なマナーは,条件反射のごとく,意識しないで出来ることが重要です。それには,普段からの実践とその習慣化が求められます。

 

なぜ,基本的マナーが重要か?もちろん就活のためだけではありません。それは,人は一人では生きていくことができず,他人との関係のなかでのみ生きているからです。この他者との関係を円滑にするために,自然発生的に社会のマナーが形成されました。それは,「不必要に敵をつくらず」,「より多くの味方を得る」方策でもあります。他者に配慮し,配慮に基づいた行動が,マナーの基本です。だから,本学の建学の精神「敬神愛人」そのものでもあるのです。

 

円滑な人間関係が構築されれば,人生はもっと楽しくもっと明るくなるに違いありません。挨拶やマナーを守ることは,他の誰のためでもない,自分のために,自分が清々しく快適に生きるために行うのです。逆に,マナーから外れた自分勝手な振る舞いは,他人に迷惑をかけ,他人を不快にさせ,それがひいては,自分を不幸に導いていきます。

 

ニコッと笑顔であいさつ,マナーを守り,自らを幸せにするよう努めましょう。

9月9日(金)雨
<再び韓教授>
今日は朝から雨が降っている。韓国を訪問して以来,4日間は日本よりも少し涼しくて,快適な日々であったが,帰国日は本格的な雨模様となった。今日の移動行程は,車で江陵からソウルに戻り,ソウル仁川空港からKE751で中部国際空港に飛ぶ。

朝8時,昨日と同じ時刻に朝食のために階下のレストランに向かう。そこで見た光景は,デジャブではないのかと我が目を疑う。
昨日と同じテーブルの同じ席に,伊藤理事長と姜先生が席をとり,その向かいには,昨日と同じように韓教授が椅子にかけている。近づいて席に着くと,昨日と同じようなバスケットの話が続いていた。
江陵に到着して以来,我々は5回の食事の機会を得たが,韓教授はその全てに同席している。初日の夕飯,2日目の朝・昼・夕,そして今日の朝だ。これほどの密着接遇は,日本では考えられない。
そして,話題は終始バスケットである。最近のバスケット理論,練習の方法,コーチ理論など。韓教授は,韓国のスポーツ番組でバスケットの解説者をしているそうだが,朝から晩まで只管バスケットの話ができることに脱帽である。

<Thank you for your hospitality.>
出発予定時間の8時半にホテルのロビーに降りていくと,そこには吉 センター長をはじめ江陵大学のスタッフ6人が待っていた。見送りに来ていたのだ。「えぇっ,こんなにも沢山の人が・・・」と驚く。
しかも,そのタイミングを見計らったように,昨日の午後からソウルに出かけていた朴総長から職員の携帯電話に着信がある。職員は,「朴総長からです」と告げながら,携帯電話をボクに預けた。電話を介して,朴総長と挨拶を交わしお礼を述べる。1~2分後に,伊藤理事長もロビーに姿を見せたから,その電話を理事長に預けた。理事長も恐縮したように何度もお礼を述べていた。
韓国流の徹底した接待には,心底,驚嘆させられる。文字通り,Thank you for your hospitality. である。

<2016年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック>
ホテルからソウル仁川国際空港までは,国際関係教育センターの鄭さんが運転する車で送って貰う。道中には,幾つかの観光スポットに立ち寄ったが,なかでも2016年に冬季五輪の開催地となる平昌(ピョンチャン)オリンピック会場が印象的であった。
平昌(ピョンチャン)スキー場では,開会式,アルペン,クロスカントリー,ジャンプ競技などが行われる予定だ。コンベンションセンターやコンサートホール,ホテル群の大半は,既に出来上がっている。選手村や周辺地域の再開発がこれからの予定だ。
開会式が行われるジャンプ台会場では,90Mと120Mのジャンプ台がそびえ立ち,4人のナショナルチームの選手たちが練習していた。彼らは,我々の目の前で何本も大ジャンプを披露し,ついでに記念撮影にも応じてくれた。
2016年の冬季五輪の開催に合わせて,KTX(韓国新幹線)がソウル―江陵間にも敷設される予定である。両都市を移動するのに要する時間は,高速道路では3時間半だが,KTXが利用できれば1時間半程度に短縮される(江稜は,アイスホッケーとスピードスケートの競技会場になる)。また,KTXは,五輪の大会本部が置かれる平昌にも支線でつながることから,ソウルからのアクセスは格段に改善される。

江稜も平昌も,2016年の冬季五輪開催への期待は大きい。万博もそうだが,大規模イベントが持つ経済効果は,イベントが開催されている期間よりも,イベント開催に合わせて事前に行われる周辺地域の再開発やインフラ整備に拠るものが大きい。これは,万国共通のようである。

夕方5時,ソウル仁川国際空港に到着。運転手をしていただいた鄭さんとも,ここでお別れだ。実家がソウルにある彼は,週末を実家で過ごすという。
KE751便は,ほぼ予定の時刻通り19:00にターミナルを離れ,20:50に中部国際空港に着陸した。名古屋の気温は,ソウルに比べて数度高いのだろう。汗が滲んでくる。預け入れた荷物の回収場所(Baggage Claim)で,3人の韓国訪問団は「解散」となった。
 これで,韓国協定大学訪問記を終わります。

9月8日(木)曇り,小雨
<韓教授のこと>
 朝食を採りに8時にホテルのレストランに下りて行く。既に,伊藤理事長と姜先生の姿がある。二人は横に並んで席に着き,彼らの前には,テーブルを挟んで江陵大学の韓昌道 客員教授が席をとっていた。
 韓教授は,昨日のホテル前での出迎えにも,夜の晩餐会にも出席されていた。さらに,自宅からここまで来るのには車で1時間強はかかるという。それにも拘らず,我々の朝食にまで付き合おうというのだから,その徹底した接待精神には頭が下がる。
 韓教授のターゲットは伊藤理事長であり,話題の大半はバスケットだ。バスケットを介した江陵大学と本学との交流機会を模索している。交流試合や合同練習という企画はどうか,本学のバスケットチームが合宿に江陵大学に来たらどうか,宿泊施設は用意する,バスケットが無理ならサッカーはどうか,など。

<江陵大学の充実した施設>
 午前9時,江陵大学国際関係教育センターの鄭さんらが,車でホテルまで迎えに来てくれた。午前中は,朴総長との面談と江陵大学内の施設見学だ。
 江陵大学は,医療・観光リゾート・教育師範・工科・人文・スポーツ・軍隊・警察公務など8つの単科大学(日本の学部相当)を抱え,全国から集まってきた15,000人の学生が学んでいる。とりわけユニークなのは,観光リゾート単科大学である。
 観光リゾート単科大学で学ぶ学生たちのために,キャンパス内に実習用のホテルを備える。その建物は,Universtel(ユニバーステル:大学+ホテルの造語)と名付けられ,1階から6階が学生寮,7階と8階がホテルである。この客室は,大学を訪問するゲストに限らず,広く一般客も利用できる。宿泊料金は,VIPルームが1泊12万ウォン(約1万円),一般客室は4万ウォン(3,000円)。海水浴客で賑わうシーズンには,ほぼ満室になるという。
 伊藤理事長は,江陵大学の体育館に垂涎の様子であった。大型体育館は,天井が高く,観客席も用意され,床材は樫の木で,全てがアメリカ仕様であるという。これは,韓教授の自慢の種でもある。「日本では,ここまでお金をかけられない」と,伊藤理事長。

<宮廷料理とチャングム>
12:00から朴総長主催の昼食会。メニューは,伝統的な韓国の宮廷料理だ(嬉しいっ!)。食事処(「チョダン韓食」)の建物は,少し大きめの戸建て民家の様相。とても齢70とは見えない,初老の女性オーナーが店主である。彼女が,にこやかにそして上品に,次から次へと出してくる料理を,逐次,説明してくれる。どれもこれも美味で,人生の幸せを感じる。
小生は,韓国宮廷料理に少し思い入れがある。もう7~8年前になるが,そのきっかけは, NHKで放映された韓国ドラマ『大長今(デジャングム):宮廷女官チャングムの誓い』にハマってしまったことだ。
ドラマの前半では,チャングムがスラッカン(王様の料理を準備する厨房)の女官として生きる姿が描かれ(ドラマの後半ではチャングムが女医になる),料理番組を見るがごとく,ストーリーの展開に並走しながら,様々な食材と料理および調理方法を紹介していた。食の基本思想は,食を通じて人の健康管理を図ろうということだと知る。
日本でも「1日に30品目」の食材を採ろう,と栄養士が言う。少量多品種の食事は,栄養バランスを意識したものであり,王様が食べる韓国宮廷料理はその典型なのだろう。

<再び活魚の店へ>
午後は,国際関係教育センターの鄭さんが,車で近隣の名所(正東津など)を案内してくれた。そして,夕飯は,再び「活魚」の食事処(オファ刺身屋)で晩餐会。
ホストは,学生部長で体育教育学の尹相昊教授だ。自転車競技のアスリートであったといい,しばしスポーツ談議に花が咲いた。
食事処は,鏡浦海水浴場の海岸通りに隣接する食堂街の一画にあり,ホテルから徒歩で15分の距離だ。今回の「活魚」の店でも,当然のように,海ミミズが皿に盛られて出てくる。注意深く,これに箸をつけないようにしながら,活魚を堪能した。
食後には,江陵大学による車の手配を丁重にお断りし,腹ごなしと酔いざましを兼ねて,3人で歩いて帰った。

9月7日(水)晴れ

<二等辺三角形の二つの辺を行く行程>

 朝7時に起きる。7:30からNHKの国際放送で朝の連続テレビ小説「おひさま」を見る(前作「ゲゲゲの女房」に引き続き,井上真央主演のこの番組を見るのがボクの日課です)。釜山は日本に近いこともあって,NHKのテレビ番組をほぼリアルタイムで見ることができる。便利な時代だ。

 9時にロッテホテルをチェックアウトし,タクシーを拾って釜山駅に向かう。約20分で釜山駅に到着。今日は大移動の日だ。

 釜山から鉄道でソウルに移動し,ソウルから江陵(カンヌン)までは車を使う。地図を広げれば,釜山は朝鮮半島の下(南)に位置し,ソウルは半島の左側(西側)。そして江陵(カンヌン)は半島の右側(東側)で,ソウルからほぼ真東にある。だから,今日の移動工程は,逆さにした二等辺三角形(▽)の下の頂点(釜山)から,斜め左(西北)方向に鉄道で上がり(ソウル),その後,底辺を水平方向に右(東)に向かうというものだ。

 なぜ,逆二等辺三角形(▽)の右側の辺のコースを辿らないか?そのコースは,時間と心に余裕のある旅人のものだからだ。確かに,朝鮮半島の東側の海岸線を辿るコースは,各所に風光明媚な観光スポットが点在していて,ドライブにはもってこいらしい。しかし交通手段としては車しかなく,釜山から江陵まで,ただ走るだけでも7~8時間かかると言う。そのため,この観光コースは却下となった。

 

<KTXに乗って>

 釜山10:00発のKTXに乗る。KTXは,韓国が自慢する新幹線である。車内は冷房が利きすぎて,少し寒いくらいであったが,車で移動するよりも圧倒的に快適だ。

 ソウルまでの所要時間は2時間半。ちょうど,東京―大阪の移動距離である。釜山―ソウル間のKTXは,朝鮮半島を縦断するようなコースを辿る。だから,車窓に映る景色の多くはトンネルの中。時折,山裾に広がる段々畑が見える。「車窓の景色は,東海道新幹線の方が勝っているな」と感じるのは,東海道に住まう日本人だからだろうか。

 東海道新幹線では,大都会に林立するビルの間を抜け,海が見え富士山が見えて大きな川に架けた鉄橋を渡る。農村地帯に広がる田んぼや畑の姿もあるし,郊外型工場が忽然と現れたりもする。景色は目まぐるしく変化するように思う。

 

 KTXは,予定時刻通り12:31にソウル駅に着いた。駅の構内あるレストランで昼食を採る。ここから,江稜(カンクン)までさらに車で3時間の移動が待っていると思うと,心の準備が必要だ。腹ごしらえと共に,固まった筋肉を少しほぐしておかねば,と思う。

 昼食に小一時間をかけ,タクシーを拾って,いざ江稜(カンクン)へ。お腹が膨れた後だということもあって,3時間半の車の移動は,覚悟するほどのこともなかった。というのは,移動の大半の時間を不足がちな睡眠に充てることができたからだ。

 

<江陵の現代ホテルにて>

 さて,夕方5時過ぎにタクシーは「江陵鏡浦 現代ホテル」に到着。やれやれ,やっと着いたか,と思っていたら,姜先生が「江陵大学の人たちがホテル前で出迎えている」と声をあげた。

 いるわ,いるわ。なんとここでも4人の出迎え者。今日は移動日と,ジーンズにポロシャツ姿の小生は,「こりぁ参った」。最初に挨拶を交わした国際関係教育センター長の吉又暻先生は,8月にこの職に就任したばかりだという。

 今回もまた,荷物を解く余裕もないまま,着替えをして(ネクタイを付けて),ホテルのレストランで晩餐会となった。参加者は,江陵大学側が朴熙宗 総長(専門は経済学)をはじめ10人。料理は,韓流フレンチ(ありがたい)。

 食事の前には,しっかり公式セレモニーが準備されていて,朴総長の挨拶,伊藤理事長の返礼,そして小生にも挨拶の機会を与えられた。食事中の会話は,朴総長が流暢な英語を操るため,英語とハングル語と日本語とがごちゃまぜ状態であった。それでも,姜先生は通訳に忙しくて,美味なるご馳走を楽しむ余裕は無い。

 夜8時半に,晩餐会は閉じられた。

 アルコールと料理で満腹になった我々3人は,腹ごなしに夜の散歩に出かける。

 「江陵鏡浦 現代ホテル」は,海水浴で有名な鏡浦海岸に立地するリゾートホテルである。9月初旬,既に韓国では,大学を含めほぼ全ての学校で秋学期が始まっている。そのため,この時期にこのリゾートホテルに宿泊している客は,我々3人を加えても10人と満たない。ホテルの庭先から建物を見上げると,窓に明かりが点いた部屋は数えるほどしかない。

 散歩に出た海岸通りには,歩き勝手が良いように,砂浜の上に木材で組んだ長い遊歩道が続いていた。この遊歩道を辿って,ホテルから海岸管理センターまで往復する。所要時間は約1時間。こりゃぁ,デートコースに持ってこい,である。若者たちが羨ましい。

 海岸を照らす照明塔は,地面に垂直(90度)ではなく,80度ほどに傾斜していた。伊藤理事長はその姿にいたく感心する。「こういう照明は日本には無いなぁ~」と。

 砂浜の前に広がる海の向こうには,日本がある。