『平成猿蟹合戦図』 - 名古屋学院大学読書ブログ
2012年2月23日 スタッフ

吉田修一著
誰かとの"めぐり会い"は、ふしぎなもの。
出会った時は気が付かなくても、後で驚くような運命を感じることがあります。
あの出会いがなかったら、現在の自分はここにいなかったはず、と。
それは、出会いじゃなくても、"出来事"だったりすることもあります。
どん底だったあの出来事があったからこそ、今の自分になれたことに
気づくことがあったり。
『平成猿蟹合戦図』は、いろんな登場人物がでてきます。
歌舞伎町で働くバーテンダー、九州から来た子連れのホステス、ホスト、
クラブのママなどの夜の世界に生きる人たちから、有名なチェロ奏者と
そのマネジャー、冤罪の父を持つ女の子、東北で1人暮らしをしているおばあちゃん・・・。
彼らがめぐりめぐって出会い、そしてある"ひき逃げ事件"が彼らを結び付け、
物語は思いもしなかった方向へと向かいます。
はじまりは、生活感のないゆるい若者たちの登場に、
この先物語はどうすすんでいくのだろうと思っていたら、
途中からジェットコースターのごとくの展開で、目が離せなくなり一気にラストへ。
手に汗握るところあり、途中ほろりとするところあり、
最後には思わず拍手を送りたくなるような痛快な気持ちで読み終えた一冊です。
(なごやのスタッフ 春)





