★Bridge★No.34 肥田 朋子 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

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リハビリテーション学部 肥田 朋子(こえだ ともこ)先生です。

 

肥田先生は、「機能障害診断学・演習」「痛み学評価論」「体表解剖学実習」などの科目を担当されています

  

それでは、先生の思いをご紹介★

 


 どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨んでいらっしゃいますか? 

 

●「体表解剖学」はどんな授業ですか?


1年次の秋学期に、「体表解剖学」という体の表面から体を知るという実習メインの

授業があります。春学期から「解剖学」という体の構造を学ぶ授業が始まっていますが、

この段階では、いわば紙の上で人の体を解剖している感じなんです。

でも実際は、皮膚の上から患者さんたちの「痛い」「違和感がある」という場所を診て

いかなくてはいけないので、三次元的に人体を捉えるために設けている授業なんです。


教科書的に言えば「解剖学」だと血液は血液だけ、内臓は内臓だけ、筋肉は筋肉だけと

いった具合に系統立てて学んでいたものが、「局所」でみるときには全部が入ってきます。

皮膚をめくれば筋肉もあるし、血管もある。

同時にみることで機能もわかってくるので、バラバラだった知識が繋がっていくわけですね。

内容は盛りだくさんなので、学生は結構大変だと思います。


解剖学は、言ってみれば医学系の知識のベースになるので、漢字ばかりで覚えなければ

いけないことも多いですが、必要で大切な知識ばかりです。

ベースとなる知識なので、忘れないでほしいですし、そういう大切な知識に対する勉強・

モチベーションを上げてもらうことができたらいいですね。


実際にちょっとした動作をしたときに「●●筋が働いている」とか、筋肉痛になったときに

「●●筋が筋肉痛になった」とか、知識を体感に繋げることで、覚えなければいけない

ことをもっと楽しいものだと思ってもらえたらいいと思います。



ともかく「人を触る」ということに慣れてもらいたいですし、

「人に触られる」側の人がどのように感じるのかも知ってもらいたいです。

実習では、クラスメイト同士お互いの体を使って、三角筋はどこで、上腕二頭筋はどこで・・・と

実際に触れて確かめあったりします。

筋肉などの形を見るために、Tシャツで腕まくりしたり、胸部なんかは男の子に被験者に

なってもらって、実際の体にペンで形を書かせたりもします。

教科書で二次元的に見たのと同じ形がとれるというのは、ちょっとした感動になる思うんです。

そういうところからちょっとずつ興味を持って、人の体というものを知ろうとしてくれるといいな
と思っていますね。


患者さんを診る時には、いわゆる"触診能力"が必要です。

自分だと「触っている感覚」と、「触られている感覚」があるので、すごく分かり

やすいんですけど、他の人を触診するときは「触っている感覚」しかないので、

自分の触れている部分が本当に自分の思っている部位なのか、触り慣れないと分から

ないんです。

加えて、授業では構造的知識を得るとともに、そこから「動き」に繋げて考えたり、

「この部位の横には神経が走っているので、下手に触るとビリビリするから、むやみに

触っちゃいけない」といったことも学びます。


「筋肉」や「骨(コツ)」が学びのメインではありますが、内臓についての復習内容も

入れています。

ろっ骨を指標に「上から何番目の裏あたりに心臓があるのよ」とか「このくらいの形を

していて、こんなに大きいのよ」とか、体表から投影してみるんです。

最近では肺などの体の中にある臓器の病気の人もたくさん診ますので、後々内臓の「病気」

を学ぶことになります。

内臓には直接触れられないですが、どの位置にどういう形でどんな臓器があるのか、

ということを1年生で見ておくことは、結構大事かなと思っています。

 

1年生で触ることに少し慣れてもらうと、2年次以降の演習の授業(例えば機能障害診断学演習)

にもその知識と技術がつながっていきます。




●「体表解剖学」の面白いところは?


人の体の見えていないところが見えるようになることでしょうか。

例えば、ギックリ腰で痛みを訴えている患者さんがいたとして、

患者さんの体に触れて「ここがそうでしょ?」と分かるということは

理学療法士の醍醐味ですから。 



●「痛み学評価論」はどんな授業ですか?


痛みは、ケガした時などに感じたことがあると思いますが、傷が治れば痛みも治まっていた

と思います。

でも見た目からは治ったように見えるのに痛みが続いていたり、なぜかわからないけど痛みが

出てきた場合には気になって病院に行きますね。


疫学調査によると6か月以上痛みが続いている人は、興味深いことに、肉体労働者よりも

デスクワークの人に多く、高齢者よりも働き盛りの3050歳代に多いことが分かってきました。

動かさないでいると痛くなるんですね。

他にも無くなった手足が痛い(幻肢痛といいますが)という理解に苦しむ痛みがあります。


このような痛みは、ケガした時の痛みとは別のメカニズムで生じていることが分かって

きており、原因がはっきりしないものもあって、人々を困らせています。


つまり原因がはっきりしている痛みとはっきりしない痛みがあるのです。


このような痛みに悩む患者さんに理学療法を行うためには、これらのメカニズムの違いや

それを判別する力と個人に適した治療法の選択が求められます。

「痛み学評価論」の中では、この大きく分けて二つの違いとその鑑別に必要な評価方法について

学修し、治療へつなげていく知識の習得を目指しています。

と言ってもすべて解決しているわけではないため、私たちも日々研究しているところです。


 

先生のゼミはどんなゼミですか?

 

ゼミは実験系の研究が多いですが、

色々試行錯誤して問題解決していく経験が患者さんを診るときに生かせたらよいと思っています。

動物(ラット)を扱う場合もありますね。

人を相手にするテーマと両方扱っていますけれど。

動物を飼っていない期間は、どのように研究発表するかグループで練ったり、

痛みに関係していそうな物質に目星をつけて、染色や計測など色々な方法を学びながら

解析したりします。


ラットの実験は、まず動物に慣れてもらうことから始まります。

私自身の研究テーマが「痛み」なので、ネズミさんには申し訳ないけれど、

ギブズをはめて動きが悪くなった状態を人為的に作り出して実験しています。


一日中椅子に座っていると、腰が痛くなったりしますよね。

寝たきりの人も、別にどこか悪いわけじゃなくても痛みを訴えることがあります。

ネズミも同じで、ギブスをはめて動きにくい状態を作っていると、やっぱり痛くなるんですよ。


 

●でも、どうしてネズミが「痛くなった」とわかるのでしょうか?

 

ネズミは痛いって言わないですからね(笑)

ちょっとつつくんです。

普通なら痛くないような刺激を与えてみる。

人間でも、本当に痛い時は「痛っ!」ってなりますよね。

ネズミも同じで、逃避反応が出れば、きっと痛いんだろう、と見るんです。

 

最初は、「これくらいの強さだったら逃げる」という刺激量を量っておきます。

でも不活動な状態を作っておくと、普通なら無視するような刺激量でも逃げる

ようになるんです。

刺激の種類によって逃避反応の計測方法はさまざまですが、その刺激量を定量的

にしておくと、だいたいどれくらいの強さで痛みを感じているのか推測できる

というわけです。


今のゼミ生は、「マッサージの効果が見たい」と言って、ネズミをマッサージする

研究をしているんですよ。比較対象も必要なので、膝の上でマッサージするネズミの

グループと、抱っこだけしているグループと作って比べています。

 

面白いんですよ、膝の上で抱っこしているだけですけれど、マッサージの刺激が

入っている方が痛みが少ないんです。

2年前の学生が実験したんですけれど、ホットパックなんかもいいですね。


研究結果は卒業研究発表会で発表します。

内容によっては卒業後に学会で発表することもあります。

卒業研究として最後に論文を作成はしますが、きれいな結果が出なくてもいいと

思っているんです。

患者さんのどこが問題なのか探りだし理学療法という手段を使って治療していき

ますので、ものを見たり考えたりするトレーニングになればいいかな、と。

一生懸命考えてやってみて、うまくいけばそれでいいし、うまくいかなかったら

何が問題だったか考えて、次に修正ができる。

そういう気づきに繋がればいいですね。


 

●今、学生に伝えたいことは?

 

とにかく、リハビリテーション学部は忙しいんですよ。


忙しいんだけれど、やっぱり時間があるのは大学生の間なので、

アルバイトばっかりするんじゃなくて、もっと遊んでほしいんです(笑)


結局卒業したら働くじゃないですか。

自分も忙しかったと思うけれど、お金の無い中で結構旅行にも行ったんですね。

お金がないから青春18きっぷで東京に行ったり、北海道まで陸路を行ってみたり...

快速の夜行列車もあったので、そういうものを使って旅行しましたね。


周りにモノがあふれているからかもしれませんが、今の学生は、あまり遊びをしない気が

しますね。

遊びたいけど遊べなくて、中途半端に単位を落としてしまう学生もいるんです。

現役の子が多いので、1年の留年をものすごく重いことに捉えているんですね。


でも、そういう学生には、「遊びたいならいっそ休学して遊びにいきなさい」と

言っています。


現に、学生の間に遊んでいた学生のほうが、社会に出てから勉強しているように

思います。

学校ですごく優秀だった学生のほうが、卒業してからはサラリーマンPTになっている

っていうか。

 

 

理学療法士を続けていれば、日進月歩のところがありますから、いろんな研修会に参加して

自分を磨く人や、目の前の患者さんとは向き合うけれども必要最低限で終りの人、

色々出てきます。

どんな働き方がしたいのかは人それぞれですけれど、働いてしまえば1年や2年は

さほどの問題ではないので、いっそしっかり休学して、また気持ちを切り替えて勉強

するのもいいのでは?と私は思います。



■ 先生のお薦め本 

 

今回は、" 多読本 "のご紹介です!


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イングリッシュリーダーズ各種 


先生は、このMAGIC TREE HOUSEシリーズを、1年以上少しずつ読み進めて

いらっしゃるそうです。


こうした英語学習者向けのレベル別読本は、図書館やi-Loungeにたくさんあります。


是非一度足を運んで、自分にあった本を探してみましょう!




 今日の一枚 


今日の1枚は、 " 先生の趣味 " です!


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ゴルフ

 

先生は、ここ数年、他の先生方と一緒にゴルフをされているそうです。

ウワサによると、持ち前の真面目さで努力を欠かさず、めきめきと腕を上げられているのだとか。

白いゴルフバックがキュートです!

 

 

 

お話を聞かせていただいて、肥田先生は、真摯に人と向き合い、語学にしろゴルフにしろ

コツコツとたゆまず努力される方なのだな、と感じました。

(ゴルフの上達が早いのもうなずけます!)

とても親切で、しっかりと人と向き合ってくださる、お話ししやすい先生なので、

理学療法士を目指す方はもちろんのこと、チャンスのある方は是非、肥田先生の

研究室の扉を叩いてお話を伺ってみてはいかがでしょうか。

 



次回の★Bridge★も、お楽しみに!

 



チョッパー子4年生中心の回




このブログ記事について

このページは、教育学習センターが2017年4月17日 09:22に書いたブログ記事です。

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