★Bridge No.9★秋山 太郎 先生
学生さんと先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・
経済学部准教授 秋山 太郎 先生です。
それでは早速、先生の"思い"をご紹介します★
■■■ どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨まれていますか? ■■■
自立した人材を育てる
学生には、自分で物事を考えて、自分で判断する、自立した人材になってほしいな、と思っています。
ですから、学んだ知識を使って考えることや、学んだ知識を使ってoutputをする機会をたくさん作ろうと考えています。
『学生論文コンテスト』参加で養う自立のノウハウ
僕のゼミでは、必ず『学生論文コンテスト』に参加させています。
アイディアの時点から自分たちで考えて、3・4人でグループワークで行います。
入賞を目指して頑張るわけですが、なかなか上手くはいきませんし、正直、なんとか間に合わせたような論文もあるんです。でも、出来あがりがどうということではなく、"これが自分たちが出した結果だ"というものを学生自身に持ってもらいたいんです。
もっとどんどん手を掛ければ、良いレポートができるかもしれないですけれども、他人がそれをしてしまうと、学生のためにはならない。学生論文コンテストに参加して、「たった一つのレポートでも、こんなに自分はできないんだ。文章を書くということは、難しいのだ。」と自らが気づくことが大事だと思うんです。
もちろん、アドバイスはします。
「こういうところが弱い」とか「こういう文章の書き方は良くない」「レポートを作成する時はこういった手続きを踏んだ方が良い」といったノウハウは教えますが、それさえ分かって自立していれば、あとは自分で進められますので、行き詰まった時には手を差し伸べるという形で、これを1年間かけて行っています。
学生には厳しいと思いますが、「学生時代に何をやっていたか」といった質問に対する材料には絶対になりますから、多くの学生は、そういう面で「良かった」と、よく言いますね。
授業でも、大切にしているのは、自ら考え、outputする機会
ゼミの学生に教えるようなことを、一般科目で教える学生にも、授業の中で教えられたらいいなと思っています。授業が一方的になると、あまり学生のためにならないので、ゼミと同じく、ノウハウは教えますけれど、自分でやりなさい、自分で考えなさい、結果は自分で作りなさい、というスタンスで行っています。
科目にもよりますが、応用科目では、実際に学生たちに、毎回自分で考えてもらった内容を(書かせて)集めて、他の学生が書いたものとあわせてスライドで紹介しています。最終的には、全く何もないところから、自分のアイディアを出すというレポート課題を課しています。
基礎科目も、学んだ知識を使って、「これをちょっと考えてごらん」といったことを学生にさせていて、まずは、学んだことを使ってみて、自分で考えてみる、という機会を与えるようにしていますね。要するに、知識を得て、それを使わずに、単位を取った後何も残らないということは避けたいな、と。
意外に、学生は文章を書いたことが無くて、それが難しいということにすら気づいていない場合があるんです。
毎回、最終レポートを提出した後に、学生に聞くんです。
「今、4月の段階に戻れるならば、もっと良いレポートが書けると思うか?」って。
みんな大抵、「そう思う」と言います。
大学とは、自立した人間になるために自分を磨く場所
アクティブ・ラーニングが出てきたのは最近の話で、僕が学生だった頃には、一方的な授業がほとんどでした。知識として学んだものを外に出す機会というのは、卒業論文くらいだったんです。
僕が大学生だった頃と、今の学生に求められているものはかなり違って、今の学生さんには、自分で考え、行動できる能力が、より求められていますよね。社会人になった時に、どれだけ"無いもの"から考え出せるか頭を使って考えないといけません。
自分で考えられない人というのは、自分で判断ができないですので、他人に依存してしまうことになりますが、そうなった時に一番損するのは自分です。
逆に、自分の頭で考えて行動する能力をつけてあげれば、どんな環境でも、評価されると思います。だから、そういう力をつけて、大学を出てもらいたいですよね。
自分が大学でやらなかったからこそ、なおさらそう思うのかもしれません。
大学というのは、自立した人間になるために自分を磨くということができる最後の場でもありますし、それが大学の役割・使命だとも思っていますね。
■■■先生のお薦め本■■■
今回は、ジャンルの違う2種類の本のご紹介です!
『思考・理論・分析「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践』
波頭 亮 著 産業能率大学出版部
最近、様々なロジカル・シンキングに関する本が出版されていいますが、先生が読まれた中では、この本が一番うまくまとまっており、物事の整理の仕方や考え方がしっかり身につく内容なのだそうです。基礎セミナーのテキストにも、この考え方を反映させているのだとか。
学生さんには、是非買って読んで欲しい一冊とのことです!
『再生巨流』 楡 周平 著 新潮文庫
こちらは、文庫本で読みやすい、ビジネス小説です。本の中で展開される事業がとてもリアルで、しかも緻密なのだそうです。アイディア自体もとてもおもしろく、「物事を考えるということは、そういうことなんだ!」ということがよく分かり、大学を出る前に読んでいて損の無い一冊なのだとか。
アカデミック本派のあなたも、小説派のあなたも、是非、好きな方から読んでみて下さいね!
■■■今日の一枚■■■
今回は、先生の"宝物"の写真です。
★大学祭で、当時3歳だったお嬢さんが作ってくれたペン立て★
「やっぱり娘の作ったものは捨てられない」と優しい笑顔で笑う先生は、とっても素敵なイクメンでした♪
お話を伺って、秋山先生は、優しく、それでいてしっかりと学生さんに向き合う方なんだな、という印象をうけました。自分が得た知識を、実際に使ってみる練習がしたい学生さんは、是非、秋山先生の授業を履修してみてくださいね。
次回の★Bridge★も、お楽しみに★
チョッパー子