★Bridge No.8★八亀 五三男先生
学生さんと先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・
外国語学部准教授 八亀 五三男 先生です。
AOやオープンキャンパスで、先生にお世話になった人もいるのでは?
それでは、先生の思いをご紹介★
■■■ どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨まれていますか? ■■■
日本から羽ばたこう。
学生たちには、国際的な視野を広げてもらうために、その国の文化や言語、歴史、社会の情報を提供しています。そうした刺激を受け、自分から動き出してもらいたいと思っています。一生狭い日本にいるなんてもったいない。若いうちに留学しなさい。色々な事を経験しなさい。どこの国でもいいんです。英語圏でなくても、どこでもいいですから。
問題解決はその週のうちに!
私の授業は、アナログです。face to faceで話す機会をできるだけ作っています。
学生たちの悩みは、オフィスアワーの時間に合わせて起こるわけではありません。ですから私は、オフィスアワーの時間がその日なくても、学生が相談ができるように心がけているんです。
私は学生たちにはこう言っています。
「その週に問題が起こったら、絶対にその週のうちに解決しなさい。教務課でも、学生課でも、キャリアセンターでも、S-Platzでも、教育学習センターでもどこでもいいから、その週の金曜日の午後5時までに解決しなさい。」と。
そうすると、土日楽しいでしょう?(笑)全く問題なく、新しい月曜日が迎えられる。そうすると、トラブルゼロで次の週をスタートできるので、ものすごく精神的に余裕があるわけです。逆に、問題を持ち越したまま次の週に突入して、その上またその週に新たな問題が発生したら・・・。単純に考えれば(問題の数が)1+1=2(個)なわけですけれど、精神的には、そうではない。3倍、4倍しんどくなるんです。問題を2つ解決しなくちゃならないだけで、その週はすごい暗い気分ですよ。その上さらに問題が繰り越されて、追加されて、増えていったら・・・嫌になっちゃうわけ(笑)。
とにかく問題は、早め早めに解決する。
鳥になった気持ちで、自分をみつめる。
私は、学生さん達には是非、鳥になってもらいたいんですよ。
そういう気持ちになってもらいたいというか。
鳥になって、こう、ひゅーっと空の上から見下ろしてみると、自分の居場所がわかるでしょ。
過去の自分、将来の自分が見えてくる。
今大学2年生だったら、3年生4年生の自分や、就職のことが見えてくる。
そうすると、自分の行く方向が分かってくる。
10年前の自分から、今の自分を見たらどうか、とか。
10年後の自分がいて、そこから今の自分を見てもらったら、「おいお前、もっと英語勉強しろよ!」って言われるかもしれない(笑)。
今この時点でガチガチに生きているのではなくて、鳥になったつもりで自分・自分の周りを広く見渡すんです。そうすると、"今"にも余裕がでてくるからね。
マニュアル力から思考力、そして創造(想像)力へ
高校生までに必要な能力は"マニュアル力"です。
"この問題をどう解いたらいいか?"っていうことが分かっていればいいわけです。
でも大学は違う。
大学で必要な能力は、"思考力"(考える力)。
これを使わないとダメなんです。
できれば、一つの問題を1週間考え続けるとか。それが大学ではできるんですよ。この切り替えが必要になるんです。大学にいる間に"思考力"を使うことに慣れれば、社会で"創造力(想像力)"を培うことができるのです。マニュアル力から思考力、そして創造(想像)力へ。社会に出たら、自ら企画を立てて、実行していく人間が必要とされます。
これも、さきほどの「鳥になる」ことの一つの形です。
英米語学科の学生には特に、次の3本立てを考えています。
① input
② output
③ genuine(本物の、心からの)
"input"は、リスニングやリーディング、新聞読んだりすることですね。
"output"はライティングやスピーキング、人と意見を交換すること、自分の意見をちゃんと述べることなどです。
そして"genuine"・・・「本物の、心からの」という意味ですけれども、inputやoutputすることを、いかに自分のこととして考えられるか、ということです。
これが非常に重要なんです。
例えば、"I'm hungry."と英語で言うとしましょう。アメリカ人の子どもが、学校から帰ってきて言う、本気の"I'm hungry."と、先生に「はい、これを読んで」と言われて読む"I'm hungry."では全然違うんです。ただ言うだけであれば、コンピュータでもできます。だから、本当にお腹が空いていないと、言葉の勉強にはならないんです。留学すると、生きていくために必死になりますから、とても語学の勉強になるんです(笑)。
本気になるためには、世界で起こっている色々なできごとの情報を集めて、自分の身近なものとして、心から"I'm hungry."を言ってみる。
input、outputを、気持ちの入った本物(genuine)の表現にする。
そうすると、本物の英語が身につくんです。
■■■ 先生のお薦め本 ■■■
先生のお薦めの本は・・・
『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方 想定外の時代を生き抜くためのヒント』
上田 正仁著 ブックマン社
先生のお話しにあった、マニュアル力から思考力、そして創造(想像)力へと考え方の切り替えをするヒントになる本だそうです。
是非、読んでみてくださいね。
■■■ 今日の一枚 ■■■
今回は、"先生の学びの歴史"の写真です。
学生のころは、英文学に興味があったという八亀先生、今は北ヨーロッパの国々の言語について研究をなさっています。英文学の本と、北欧の国々の国旗が、先生の学びの歴史を象徴していますね。みなさんは、どの国旗がどの国か、わかりますか?
お話しを伺って感じたこと。それは、先生ご自身のお話しにあった通り、八亀先生は、鳥になって物事を考えていらっしゃる、ということです。10年後、20年後の自分から「もっと頑張ればよかったのに。」と言われないために、今この瞬間に手を抜かない。
より良い未来のために、今出来ることに骨身を惜しまない。
そんなお姿が印象的でした。
ご紹介しきれなかったエピソードもたくさんありますので、学生のみなさんには、是非、直接先生とお話しして、知識だけでなく、先生の物事に対する姿勢なども、学んでほしいと思います。
次回の★Bridge★も、お楽しみに★
チョッパー子