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2017年10月19日

中期留学報告(ペンシルバニア・インディアナ大学 内田 憲吾)

国境を越えた繋がり


 今回、私は秋学期にIndiana University of Pennsylvania大学(以降IUP)に、中期公費留学生として派遣させてもらいましたが、全て自分の予想を上回ることばかりで、良い経験ができたと強く実感しています。


 最初に、環境についてです。私の留学先であるIUPには、日本人の留学生が極めて少なかったです。名古屋学院からは、私を含めた二人が交換留学生として行きましたが、その他というと、宮崎大学から一か月の短期留学としてきた一名のみで、大学に日本人が3名しかいませんでした。同じアジア圏の学生を例に挙げると、IUPには中国人の留学生が多く、よく目立ちました。私は、日本人と仲良くするよりも外国人とたくさん話して友達を作りたかったこともあり、そのような意味でも、非常に適した環境であったと言えます。それは、厳しく、時に辛いことかもしれません。文化の違いや言語の違いなど、異なることは多くあります。でもその分、学べることも多くあるため、これから留学へ行く人たちにも、挑戦する心を持って歩いて行ってほしいです。実際に、親友と呼べる仲間にも出会うことができ、今でも毎日連絡を取り合っています。


 では、その友達についてです。私の場合、タイミングと良い機会に恵まれていたと思います。というのも、到着し、留学生活が始まってすぐに、自分の元へ一通のメールが来たのです。それは、IUPで日本語を教えている韓国人の教員からのもので、「受講者が多いけど教える人が自分しかいないため、授業をサポートしてほしい。」という内容のものでした。これを聞いて、私の授業がない金曜日に早速行ってみたのですが、これほどの外国人が日本語に興味を持っているということを誇りに思いました。やっていることは、挨拶から始まり、単語を使っての会話などでしたが、英語で日本語を教えるというとても貴重な経験をすることができ、最初は教えるのも難しかったですが、みんなが徐々に話せるようになって、受講者がふざけて簡単な日本語を使って話してくれたりして、指導冥利に尽きると実感しました。


その最初の授業で、「日本に興味のある人たちが入るコミュニティのイベント(ピクニック)があるから、来てほしい。」と言ってもらい、日本人三人で行くと、みんながどんどん質問とかしてくれて、すぐに友達になり、そのときに遊んでいたメンバーが今でも連絡を取り合っている仲間たちです。このような機会はタイミングもありますが、どこの大学でも日本に興味がある外国人はいると思います。そして、そこから友達になったりもするため、面白いと思います。

 

 クラスが始まって少しすると生活にも慣れてきて、授業後や週末は友達と遊ぶというのが流れになりました。そして、到着して一か月というときに、宮崎から来た日本人の学生が去る時期になり、時が過ぎる速さを実感するとともに、悲しさがありました。しかし、自分も悲しかったですが、アメリカ人の友達のみんなも、普段見せないような泣き顔をしていて、本当に仲間と思ってくれたのだなーと嬉しくもあり、自分が別れる時を想像したくなかったです。でも何よりも、仲良くなって楽しく順風満帆になってきた時期に去る日本人の友達のことを考えると、辛かったです。


そうこうしているうちに、あっという間にそれから一か月が過ぎ、秋の終わりを告げる時期になりました。インディアナの気候について、昨年行った方から冬は寒いと聞いていましたが、夏場や秋頃は過ごしやすい気候のため、衣服には困りませんでした。しかし、10月の後半になると一気に気温が寒くなり、気温が一桁になるという日も珍しくなかったです。寮は暖房が効いているため、扉を開けた瞬間に温かい空気が来て、外との気温の差を思い知ります。


10月の初旬に、11月には東アジアの国を取り上げたお祭りのようなイベントがあるということを日本語の先生から聞き、日本人が二人しかいないということもあり、是非、何か披露してほしいと頼まれ、もう一人の日本人がダンス経験者ということもあり、ダンスを披露することになりました。ジャンルは、東アジアのためのイベントでもあるため、K-popの曲を披露することになりましたが、もう四人ほど人数がほしいと思っていた時に、アメリカ人の友達がやりたいと言ってくれて、人数は四人になりました。しかし、一人以外は未経験者、そして本番まで一か月ということで、毎日授業後に集まっては練習、集まっては練習の繰り返しでした。この時期が一番、時が過ぎるのを速く感じたかもしれません。あっという間に本番の日はやってきて、見事に自分たちの力を出し切って、いろんな人から賞賛の声をいただき、これをきっかけに知らなかった人とも友達になれて、満足のいく日でした。そのイベントでは、アジアの料理も運営側の方々が作ってくれて、カレーをおいしくいただきました。


その日が過ぎるとすぐにサンクスギビングがやってきて、アメリカ人の友達の実家に泊まらせてもらってターキーを食べるなど、伝統的なサンクスギビングの料理を食べることができ、ブラックフライデイには、早起きして色々なものをモールに買いに行き、サンクスギビングを存分に楽しむことができました。


これらのことは全て、友達のおかげだと思います。常に私たちのことを考え、楽しませてくれる素敵な仲間ばかりで、自慢の仲間たちです。夏には日本に遊びに来てくれると言っているので、今からすでに楽しみです。留学前は、このような友達ができるとは思いもよらなかったため、余計に感動しています。


アメリカの人は本当に優しい人ばかりで、自分が情けなくなりました。親友というのは数えるほどしかいないものですが、親友だと言える仲間がアメリカでできたというのは、自分にとってはもちろん初めての経験で財産です。国境を超えるというと大きな響きになってしまうかもしれませんが、国境を越えた繋がりとはこのようなことを言うのかなと、自分でも納得できました。全部ひっくるめて、最高の留学でした。改めて、学校側や友達、そして何よりも家族に感謝したいです。



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