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2017年10月 6日

中期留学報告(アラスカ大学フェアバンクス校 森 純弥)

アラスカでの体験

 中期留学を終えて、感じたことや思ったことなどを、書き記していきたいと思います。学業だけでなく、自分がこの留学を通してどのようなことを変えることが出来たのかも、併せて書いていきます。


 始めに、なぜこの大学を選んだのかについて、書きたいと思います。私は私費留学でしたので、学校側から指示された約十校の仲から、留学先を選ぶことが出来ました。私は個人的に人口が密集しているところを避けたかったので、すぐに自分の中での候補は三個に減ったのです。そして、なぜ人が多いところを避けたのかというと、必然的に勉学がおろそかになってしまうと考えたからです。人が多い所にはやはり、それなりに遊ぶところが存在するもので、それらの誘惑に果たして自分が勝てるかと考えると、考えることそれ自体を煩わしく思って、思い切りよく「人のいないところに身を置いて、自分の学びたいことをやろう」という考えに至りました。結果として、この選択は大正解であったと確信しております。話は少しそれますが、正直なところ、中期か長期かも選ぶことが出来たので、長期にしたかったのです。しかし、お金も大変にかかりますし、それに加えて、半年で帰ってきて間違いではなかったと、今は感じています。


 次に、アラスカで起こったことや体験した出来事を、書いていきたいです。私はアラスカに到着してから、短い期間でしたが、先輩の友達を紹介してもらい、その子の家で宿泊をしました。ホームステイをもし自分が選択していた場合は、こんな感じで生活するのかと、お得な体験でした。その友人はたいへん優しくて、仕事か用事で家を空けているとき以外は、いつでも話し相手になってくれました。また、自転車を持っていたので、彼女にそれを貸してもらい、サイクリングもできました。アラスカの夏は一瞬で終わって雪が降ってしまうので、サイクリングが出来た私は、大満足でした。


 私はその後、寮に移ることになるのですが、そこで初めて一人で生活することの大変さを実感することになりました。生まれてこの方、一人暮らしというものをしたことがなかった私がまず初めに直面したのは、部屋に帰って着た時の何とも言えない寂しさです。私にはスイートメイトはいたのですが、残念ながらルームメイトがおらず、「おかえり」を言ってくれる相手が存在しませんでした。序盤はあまりの悲しさに耐えきれず、部屋に帰りたくありませんでした。しかし、ここまで書いておいてなんですが、寮暮らしは良いことの方が多かったと感じています。というのも、寮に住んでいると、そこの住人と簡単に仲良くなることができます。すれ違う人、キッチンで料理をしている人など、外に出れば誰かしらと会います。そういった人たちと、とても仲良くなることが出来ました。


 私は趣味でゲームをやるのですが、寮で知り合った人がゲーム好きで、私が日本に帰ってきても、オンラインでたまに話しながらゲームをしています。彼はゲームをやっていると、少し感情的になって口が悪くなるのですが、なかなか教科書には載っていないようなスラングを連発するので、ためになります。


 また、月一で何かしらのイベントが寮内であるので、それにも積極的に参加していました。無料で参加できたので、勉強が忙しくないときには、欠かさず出ていました。私のいた寮はWickershamという名前で、他の寮に比べると、三、四年生や院生の生徒がとても多かったため、寮内がとても静かでした。友達に聞いた話ですが、他のところでは若い生徒たちが昼夜関係なしに騒いでいるときもあるため、床に着きにくいと聞いたことがあります。心から、Whickershamに住むことが出来て良かったと思いました。


 次に、Outdoor adventureについて書きたいと思います。Outdoor adventureとは、ハイキングやアイスクライミング、カヌーイングなど、自然が広がるアラスカにぴったりのアクティビティーを少しのお金で体験できる、いわばクラブのようなものです。装備などを一式貸してくれるので、私は合計で三回の活動に参加しました。一番初めはデナリ国立公園で、三泊四日のハイキングをしました。この行事は、Wilderness Welcomeといって、新入生と留学生を対象に行われる活動で、私はここでたくさんの友人を作ることが出来ました。ハイキング自体は実に過酷で、何度も心が折れそうになりました。また、私はハイキングの途中で、全治約一か月の捻挫をしてしまいました。ただ、一人で下手を打っただけなのですが、これはかなり良い経験というか、笑い話になりました。少し自慢をすると、捻挫をした後私は、9 miles (約15km)を歩いて下山をしました。Outdoor adventureの人にも、「けがをして、こんなにも歩いた人を見たのは、君が初めてだ。」と言われたので、単純に嬉しかったです。


 そして、二回目はカヌーイングに参加しました。フェアバンクスに流れる川を、二時間ほどかけて川下りを行いました。このアクティビティは、とても楽で楽しかったです。


 最後の三回目は、雪山で一泊二日のハイキングを行いました。山は一面雪化粧、広がるツンドラはアラスカの気候の厳しさを物語っており、その中を歩いていくのは格別でした。宿泊地は、Dry cabinという山小屋のようなところでした。自分たちで薪を割り、火でとる暖は、これまた格別でした。電気が通っていないので、夜はランプに火をともし、暖かい飲み物をすすりながらカードゲームをしたり語り合ったりした夜を、私は今でも鮮明に思い返すことが出来ます。とても良い思い出となったし、アラスカの地でしか体験できない良い経験であったと思います。ちなみにオーロラは、ほぼ毎日のように見ることが出来ます。満点の星空に棚引く北極光は、それだけで心洗われますし、来て良かったと思える代物でした。


 三つ目に、学業について書きたいと思います。とは言っても、アメリカにいるからといって、日本でやっていたことと別段変わる部分はありませんでした。英語を聞いて、本を読み、文章を書く。それをただひたすらに繰り返すことが、上達への道なのだと感じました。しかし、やはりアドバンテージとしてあるのが、英語を必ず使わなければいけない状況なので、積極的に話すようになることと、生活のあらゆる場面でどのような言葉選びをすればよいのかを、すごく自然に学ぶことが出来ることだったかと思います。余談ですが、授業にはかなり個体差があります。履修は、一度決めると取りやめることが出来ないので、授業を取る前の事前準備が大切かと感じました。あまり簡単な授業を取ると、あまりためにならなかったりするケースがあるので。私もそれを、一つの授業で体験し、少し後悔しました。


 最後に、今回の留学は、自分にとってとても大きな人生の起点になったかと思います。私が今回の留学で学べて一番良かったことは、「人生の楽しみ方」です。これは、単に海外の遊び方を知ったという意味ではありません。これを学べて、自分の根幹となる部分がとても強くなりました。自分でも、言葉で言い表すことのできない部分の成長を実感することができ、とても心が満ち足りました。しかし、これで満足せず、これからも日々を邁進していきたいと存じます。




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このページは、インターナショナルラウンジが2017年10月 6日 15:53に書いたブログ記事です。

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