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2017年10月 6日
中期留学報告(ジョージ・ブラウン大学 齋藤 彩乃)
カナダで得たもの
私が留学することを考え始めたのは、高校生の頃でした。そして英米語学科に入学し、1年生の時に留学選考を受けたものの、残念ながら切符を掴むことができませんでした。その後悔しさをバネに、2年生の一年間は、日本にいながらできる英語の勉強に力を入れました。そして3年生の夏から、私費留学という形ではありましたが、志望していたカナダ・トロントにあるジョージブラウンカレッジ(GBC)へ、4か月間の留学が決まりました。
GBCのESLでは、8週間ごとにプレイスメントテストがあり、私はレベル4の授業から受けていました。授業が始まって驚いたことは、クラスメイトの幅広い年齢層と国籍の多様さでした。12か国から集まったクラスメイトは、同年代の学生から子どもがいるお母さん、医者、牧師など、個性溢れる人たちで毎日が新鮮でした。
授業は、月曜日にリスニングと発音中心、その他の曜日にグラマー、ライティング、リーディング、スピーキングを行っていました。それぞれ定期的にテストやプレゼンテーション、それに加えてオンラインでの課題もありました。プレゼンテーションは有名な日本人・カナダ人というテーマで、今まで得意ではなかったものの、1・2年生からしてきたことを活かせて良かったです。留学当初は、先生やクラスメイトが話す英語は、集中して聞いていると理解できるような状態でしたが、話すとなると、言いたいことが言えず、スピーキング力の低さを感じる日々でした。ESLにはアジア圏からの生徒が多く、同じ言語を話して固まっている光景を目にすることもよくありました。実際に私自身も日本語を話してしまうことがあり、そんなときにウクライナ人のクラスメイトと仲良くなりました。すると彼女から、あなたはもっと英語を話すべきだよ。もっと話したら絶対上手くなるよ。と言われ、どこかで変わらなければいけないと考えていた私に、彼女はきっかけを与えてくれました。
それからは、間違いを恐れずにどんどん話すことが大切だと感じ、授業以外に2種類のスピーキングのワークショップに参加していました。一つ目のSpeak Upは、毎週行くうちに新しい人と出会えるのが楽しくなり、仲良くなりたいという気持ちから、自分から話しかけることも増えていきました。もう一つは、Public Speakingというスピーチやグループディスカッションをするワークショップで、人前で話す練習をしたいという人が多く集まっていました。最初は緊張しましたが、徐々にアイコンタクトをとって話すことに慣れることができ、参加して良かった「と思っています。私にとってワークショップは、英語を学んだのはもちろんですが、それ以上に大切なことを学べた場でした。
そしてレベル5になると、中国や韓国、ベトナムなどアジア圏出身のクラスメイトが多くなりました。授業はライティングに力が入れられていて、要約やエッセイなどをよく書いていました。周りのクラスメイトに比べて、書くのに時間がかかって苦労することもありましたが、たくさん書いているうちに他の英語力もかなり鍛えられました。レベル5のプレゼンテーションはペアで行うもので、中国人のクラスメイトと放課後に図書館でたくさん話し合いながらパワーポイントを作り、一緒に頑張りました。ムスリムファッションという宗教的で難しいテーマでしたが、ムスリムの友人からも話を聞けて、留学に行ったからこそ学べた内容だったと思います。
そして、4カ月の間にボランティアも経験しました。一つは地域の秋祭りで、子どもたちにフェイスペインティングをしお菓子を受け渡すボランティア、二つ目はサンタクロースパレードというイベントで、コスチュームを着て6㎞ほど歩くボランティア、三つ目はクリスマスマーケットで、ブースの受付を行うものでした。留学生活の中で、学内だけでなく地域の方々と関わりを持てたことは、貴重な体験になりました。また、特に印象的だったのが、キャラバンというESLのイベントです。それぞれの出身国を祝うお祭りで、教室を飾り付けし、伝統的な衣装を着て文化を紹介しました。私たちにとっては小さい頃から慣れ親しんでいる、浴衣や折り紙、書道を新鮮に感じ、すごい!綺麗!日本に行ってみたくなった!いろんな国の人が言ってくださり、日本の魅力に改めて気づかされました。他の国の部屋にもそれぞれ魅了される衣装や文化があり、人柄を感じて、GBCを選んで良かったと思った一日でした。
ホームステイ先には、ジャマイカ人のマザー、コロンビア人の高校生の女の子、猫がいました。ジャマイカは音楽が有名なこともあり、家の中ではよくレゲエが流れていて、いつも陽気なマザーでした。これまでに100人ほどの留学生を受け入れてきたというベテランの家庭らしく、ホームステイの決まりごとが項目ごとにしっかりとリストになっていました。また、2ヶ月が経過した頃から、アメリカに住んでいたホストシスターと彼女の赤ちゃんも一緒に暮らすようになり、家の中が一気に賑やかになりました。それまで部屋にいることが多かったハウスメイトとも、リビングで団欒する時間が増えて、毎朝駅まで一緒に登校するほどの仲になり、嬉しかったです。サンクスギビングやクリスマスには、家族で集まって大きなターキーを食べるカナダ流の過ごし方を楽しみ、ホームステイでの忘れられない思い出になりました。マザーとホストシスターはいつも笑顔で優しく、手料理は本当に美味しいものばかりで、ホームステイ先は自分で選ぶことができない中、この家庭で暮らせたことはとても幸せだったと思います。
一年を通してたくさんのイベントがあり、様々な国の移民や文化を受け入れ、尊重し合っている人種のモザイク都市・トロントは、とても魅力的な場所でした。そして、世界中から人が集まっているなか、英語が話せることで世界が広がっていくのを体験したことで、改めて英語の偉大さを感じました。友人のほとんどはESLのクラスやアクティビティを通して出会い、帰国しても連絡を取り続けていて、世界中に友人ができたことが私にとって一番留学して良かったと思うことです。ESLで出会った人達はGBCの本科に進むため、よりよい職に就いてカナダで暮らすため、といった明確な目標を持って英語を学んでいて、英語を習得して何をするのかが大切だということを改めて実感しました。なので、これから留学に行く方にも、留学先で何がしたいのかが一番大切だということを忘れないでいてほしいと思います。
振り返ってみると、本当にあっという間の4ヵ月間でしたが、どんな時も周りの人の支えがあったからこそ、様々なことに挑戦していけたのだと思います。いつも温かく接してくれたホストファミリー、友人、先生、そして日本から支えてくれた方々のおかげで、貴重な体験ができたことに感謝します。
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