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2017年10月 6日

中期留学報告(オカナガン大学 荒木 彩峰)

ホストファミリーとの出会い

 留学をする前とした後で大きく変わったことは"留学"についての考えだ。今までに「英語を勉強するために留学すべきか」というような議論を何回かした。留学する前は問答無用で留学すべきだと考えていたが、留学を実際にしてみて、日本でも十分英語の勉強ができるので無理に留学しなくても良いと考えるようになった。決して留学は悪いものではない。私が過ごした4か月のカナダ生活に無駄なことは一つもなかったと思っている。しかし、英語を勉強する全員が必ず留学すべきだとは思わないようになった。

 私がオカナガン大学に留学した時はほとんどの生徒が日本人か中国系だった。クラスはレベルで分けられるが、だいたいの日本人はレベルが同じで、日本人と話さないようにしていてもクラスのほとんどが日本人の授業もあった。留学前に留学経験のある先輩方から話を聞いたように、アカデミックな科目(歴史や経済などのdiscussion, reading, writing以外)を取らなければ、日本を離れて勉強しに来ても環境の変化は少ない。私はアカデミックな科目を取ることができなかったので、留学をしなくても英語力が上がると考えたのかもしれない。

クラス分けテストの内容はwriting、listening、reading、speakingの4つ。writingの問題は、自分のお気に入りの本や映画について、用紙1枚裏表に自由に書くものだった。listening、readingの問題はTOFFLより基本を問うものが多く、思っていたよりは易しく感じた。speakingは先生と一対一で会話するもので、日本でどんな勉強をしていたかなどの質問をされた。speakingはテストだからとかしこまらず、気楽に話しても良さそうだったので、1つ質問されたら3つ4つと積極的に自分から答えて、色んな話をすると良いと感じた。

 留学生が普通受けるESL(English Second Language)の授業は、reading、writing、discussionとあった。例えばreadingだと、ESLR010,020,EAPR010-040のように、どの授業も6つのレベルに分けられ、EAP○040になるとアカデミックな科目を取ることができた。1つの学期で成績が65%以上だと次の学期でレベルが1つ上がり、90%以上だと2つ上がることができるが、中期留学は1学期で終わるのでレベルを変えることができない。しかし、授業が始まって1週間は、レベルが合わないと思ったら下げることも上げることもでき、クラス分けのテストが全てではないのかなと感じた。

授業を受けて思ったことは、先生によって内容が全く異なるということだ。レベルが同じでも片方のクラスは宿題が多く、もう片方はレベルが一つ下のクラスと内容がほとんど変わらない、もしくはレベルが一つ下のクラスの方が宿題の量が多かったり内容が充実していたりする。授業は毎日2コマ(1コマ1時間~2時間くらい)くらいで、空き時間はたっぷりあった。

 私のホームステイ先の家庭はカナダ人で、母、父(遠くで仕事しているため1か月に2回ほど帰る)、兄(大学院生)、妹(大学生)、そして家の地下にはもう一人の兄と婚約者が住んでいて、たまに一緒に夕食を食べた。また、私と同じ留学生の韓国人の女の子(大学3年生)が同じ時期に来た。

私のホストファミリーは色々なところへ連れて行ってくれた。カナダに来て1週間後、車で6時間以上かかるホストマザーの実家へキャンプに行った。家の前の湖でジェットスキーをしたり、近くの洞窟体験ができるところへ行ったりと、素敵な場所だった。ホストマザーがアウトドア派だからなのか、週末にはハイキングやバイキングにも行った。他には、学校の企画でBanffという有名な観光地へ2泊3日で行ったが、参加する生徒の大半が日本人だった。ハロウィンやクリスマスも本当の家族のように接してくれたホストファミリーのおかげで、日本とは違う過ごし方を経験できた。

私が留学した大学はケロウナという田舎にあり、主な交通手段はバスか車だった。家から学校までバスで45分かかるが、車だと10分くらいなので時間が合うとマザーやブラザー、シスターが迎えに来てくれて、本当に優しい家庭だった。

 大きなショッピングモールやダウンタウンが、学校からバスで20分くらいかかるところにあった。他に特にこれと言ったところはないので、休みの日や学校が終わった後は大体行く所はみんな同じだ(だからと言ってモールもダウンタウンも大した場所ではないが、、、)。

留学している間に一度、バスストライキが起こった。日本では考え難いことだが、カナダでは以前、郵便局や先生のストライキもあったようで、労働者に強い力があると感じた。車を持っていない留学生の交通手段はバスしかないので、いつ終わるか分からないバスストライキの時期は辛かった。私のホストファミリーには、universityに通うシスターや学校の先生のマザーがいるので、登下校の時間は大体同じだったが、毎日、細かい時間や場所の連絡をしてお願いするのは面倒で申し訳なかった。ホストファミリーによっては送迎するたびにお金を払わなければいけない人もいて、大変だと感じた。バスが動かないと唯一のショッピングモールさえも行けないので、平日はもちろん、休日はもっと退屈だった。

 食事は、私が好き嫌いもなく食にこだわりがないのもあるが、思っていたより不便ではなかった。いまいちカナダ料理が何かは分からなかったが、日本と同じようにイタリアンだったり、メキシコ、アジア料理だったりと、たまに味付けが合わないものもあるが、食べられないほどではなかった。いくつかのアジアンマーケットがあり、ポッキーなどの日本のお菓子が値段は2倍ほど高いがあった。また、SUSHIが人気で、カルフォルニアロールだがスーパーなどでよく見かける。日本料理のレストランもたくさんあった。ホストファザーとシスターがベジタリアンなこともあって、野菜や果物は毎日摂取した。他の留学生から、肉やピザばかり出たり、家の飲料水が水道水だったり、ホストファミリーがフィリピン人であったりという話を聞き、本当にホームステイ先によって全く違うなと感じた。

 この4か月は本当に貴重な時間だった。英語力を上げるには留学が最適な方法だと思っていたが、実際は日本でもできる勉強方法だった。だからと言って留学が悪いものではない。そう思うことができたのは、ホストファミリーのおかげだと強く思う。寮では味わうことができない日常の食事や、日本では考えられない生活を体感できたし、こんな素晴らしい人たちに出会えたこと、ホストファミリーとして一緒に過ごせたことに感謝したい。

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