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2017年10月 6日
中期留学報告(ジョージブラウン大学 小島 健汰)
留学を通して見えた新たな世界
私は、2016年8月28日から2017年3月13日まで、トロントにあるジョージブラウン大学に留学をしていました。留学を通して自分で感じた事や考えさせられた事を、大きく3点にまとめ、述べたいと思います。
1つ目は、アメリカとカナダとの違いです。皆さんは、アメリカとカナダの違いを考えた事はあるでしょうか。私は、現地に行くまでに下調べをする事なく、トロントへ行きました。また、調べなかった理由としては、基本的にアメリカと変わらないと考えていたからです。ですが、調べなかったために、現地での生活に馴染むまでに、予想していたよりはるかに時間がかかりました。特に、コミュニケーションの取り方には苦労しました。なぜならば、私はカナダ人もアメリカ人同様、フランクで陽気にコミュニケーション取る事が出来ると考えていました。ですが、その様な態度で話をしていると、大きな壁を感じる事が、生活をしていて多々ありました。そして、この問題について現地で知り合ったカナダ人やホストファミリーに聞いてみると、驚きの答えが返ってきたのです。始めに言われたことは、トロントはアメリカではなく、カナダだということ。また、カナダ人はカナダ人の国民性があると言われました。そして最後に、トロントは沢山の移民で作られた街であるために、トロントに元々住んでいるカナダ人は、カナダの他の地域に住んでいる人よりも保守的であるという事を知りました。これらの事を聞いた時に、自分の中で納得出来ていなかった部分が全て納得出来たと同時に、自分の知識不足を悔やみました。もっと、カナダ、トロントの事を調べておけば、このような当たり前の事に気づく事が出来たと思います。この問題が解決してからは、以前とは異なり、コミュニケーションを上手く取ることが出来るようになりました。物事の見方を少し変える事で、時に世界は大きく変わるという事を改めて学び、実感する事が出来ました。
次に、日本人の第二言語習得が進まない理由です。なぜ日本人は英語が話せないのか、また、国内で普及しないのか。一番の要因は、日本の経済力だと感じました。世界トップレベルの経済力があるために、国外に仕事を求めて出て行く国民が他国に比べると圧倒的に少ないからだと考えています。現在、日本でも格差社会と言われていますが、世界では日本とは比べ物にならない格差が存在します。また、私は現地で様々な人種の人々と話す機会がありました。そこで、明らかになったことが一つあります。それは、私達多くの日本人は、英語を習得目的に留学をしますが、他国の方々は仕事を求めて、もしくは、苦しい母国での生活から逃げ出し、より良い生活をするために来ている方が多いといいうことです。その為に、第二言語に対する考え方が異なっており、英語習得の必要性が我々に比べてとても高いです。これらの意識の違いだけを見ても、一目瞭然でした。そして、更にこの問題の詳細部分に言及するならば、日本の英語教育にも問題があると現地で感じました。我々日本人が考えている理想の英語は、イギリス英語やアメリカ英語であります。しかしながら、我々は日本人です。多くの日本人は、イギリス人やアメリカ人の様な表現や発音をする事は難しいです。そして、現代では英語は、イギリスやアメリカだけのものではなく、グローバル化が進んでいます。そのため、インドのように、自分達で基準を作り、インド英語のように英語を自分達に使いやすくする事が出来るようになれば、日本でも英語普及率は上がり、第二言語習得率の割合を大幅に上げることが可能だと考えています。
そして、最後は現地での自分自身の成長です。留学を通して、語学力の部分では、話す力や聞く力は留学以前よりも伸びたと、自分でも実感しています。しかし、語学力以上に、現地で出会った素晴らしい人々のおかげで、1人の人間として成長する事が出来たことが、留学を通しての1番の財産になったと思います。自分が留学を終えて一番に感じたことは、「感謝」です。日本にいた時は、自分自身のことは全て出来ると思っていました。しかし、一度外に出てみると、最初から全てを自分自身の力のみで補うことは不可能でした。その時に、私に手を差し伸べてくれた家族、友人、ホストファミリーがいてくれたおかげで、私は留学生活を無事に終えることが出来たと感じています。留学をして得たこれらの多くの経験を、大学卒業後の長い人生に活かしていきます。
そして最後に、これから留学をする方に1つだけ伝えたいです。留学を通して学ぶことは、決して英語の能力だけではありません。現地では、様々な人々との交流や、自分のやりたかったことに挑戦してみてください。そうすることで、沢山の失敗や成功から学び、今までには見たことがなかった景色が見えてくると思います。そして、それこそが、留学をする意義だと考えています。
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