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2017年10月17日
長期留学報告(マドンナ大学 須藤 郁美)
私の留学から学んだことと成功
私はアメリカ、ミシガン州にあるマドンナ大学にて、2016年8月上旬から2017年5月中旬までの約10ヶ月間、長期交換留学を経験しました。海外留学というのは、私が中学生の頃から抱いていた夢の1つであったため、夢が現実したことを心から嬉しく思っています。アメリカへは、英語を学ぶために語学留学を主として行ったのですが、留学期間中を思い返すと英語以外にもたくさんのことを学びました。もちろん、英語学習にもしっかりと取り組んだのですが、その中でも私は、勉強するだけではできないことをたくさん学びました。今回、この報告書では英語力の向上以外に、私が学んだ最も印象に残ることを大きく分けて3つ紹介します。
まず1つ目は、自分の感情に素直になり、相手に伝えることです。この事について、大きく2つ学びました。まず1つ目に学んだことは、母に対する感謝の気持ちです。親元を離れ、アメリカでの寮生活が始まり、日本に居た時は当たり前だと感じていたことは決して当たり前なものではなく、全て母のおかげだったということです。母はいつも一人で家庭を支え、毎日疲れ切って帰ってくるのにも関わらず、全ての家事をこなしていました。また、そんな私のために、高いお金を支払ってこの長期の海外留学にまでも行かせてくれました。母のおかげで、安全で苦しくも楽しい、非常に貴重な10ヵ月をアメリカで送れたのだと思います。以前までは何だか照れくさく、「ありがとう」と直接口に出して感謝の気持ちを伝えることができませんでしたが、寮で生活をし慣れないことをする中で、ほんの少しながらでも、母の苦労を感じることができました。「ありがとう」の言葉だけでは決して足りませんが、感謝の気持ちを忘れずに、まず伝えるということが大切だと学びました。もう1つ目は、自分の気持ちに正直になるということです。留学生活が始まったばかりの頃は、他国の生徒と過ごしている時に何か自分に不都合なことがあったとしても、正しい英語での言い方が見つからなかったこともあり、自分の気持ちを抑え、いつも受け身になっていました。しかしある日、韓国の友人と些細なことですれ違いが生じ、仲たがいになりました。日本に居た頃の自分だと、その時点で大きな問題に発展することを避け、また、それ以上に友人関係が悪化するのを恐れ、いつも自分の気持ちは出さず、相手に従う傾向にありました。しかし、そのままでは留学に行ったにも関わらず、自分自身が何も成長せずに帰国することになると気がつき、勇気を出して自分の気持ちをすべて相手に言い、お互いに理解し合おうとしました。すると、相手に自分の意見を伝えるだけでなく、自分の至らなかった部分も知ることができました。今では、以前までの友好関係よりも、より一層絆が深まった気がします。相手に素直に気持ちを伝えることは良い内容、悪い内容と関係なく簡単なことではありませんが、伝えることは人との関わりを深めるためのに大切なことだと改めて学びました。
2つ目は、社会やグループの一員としての意識を持つということです。アメリカ人と過ごしていると、日本人と比較した時に目には見えないことで、多くの違いがあることに気がつきました。そして、その中で、大きく分けて2つの違いと大切なことを学びました。1つ目は、自国の政治に対する価値観の違いです。留学が始まった頃、アメリカではバラク・オバマ元大統領の後継者を決める、アメリカ大統領選挙の真最中でした。そんな頃、親しくなったアメリカ人の友人が、「アメリカ大統領候補について、どう思う。」また、「日本の政治について、どう思う。」と尋ねてきました。その時私は、何も意見することができませんでした。なぜなら、それまで世界の政治だけでなく、日本の政治についてさえもほとんど知識がなく、自国の政治に関して、まるで他人事かのような価値観の持ち方だったからです。しかしその反対に、アメリカの人々は、彼ら、彼女らの自国の政治に対して、自分の周りで起きている非常に身近な出来事として捉えているように感じました。私よりも年下の生徒も、皆が日常会話で大統領選挙について話し合うなど、幼い頃から国の政治について親しみがあるのかなという印象も受けました。海外に対して興味を持ち、知ろうとする意志も大切ですが、そのためにも、しっかりと自国に対する知識を持つことも必要なことだと学びました。もう1つは、自分の意見やアイディアを、相手にしっかり伝えることです。留学中は、日本で授業を受けていたときに比べ、グループでのディスカッションやグループプレゼンテーションなどの、グループ活動がたくさんありました。始めは言いたいことがしっかりと伝えられずに戸惑うことが多くありました。特に、グループプレゼンテーションを作り上げるとき、言いたいことが伝えられなかったのは、単に英語力だけが原因ではないと思いました。最も大切なのは、なぜ、どのように、何を相手に伝えたいかを、自分がしっかりと把握し、仲間にも明確に自分の考えとして提案することです。グループの仲間任せにするのではなく、自分もグループの一員として意識を持つことで成功に近づくと、直接経験することで学びました。留学中、授業でグループプレゼンテーションを作成している時に何度も仲間と集まり、アイディアを出し合うなどして試行錯誤を繰り返しました。始めは皆意見がまとまらず、苦労をしたこともありましたが、結果として、私が所属したグループのプレゼンテーションが最高得点を取れた時は、非常にやりがいと達成感を感じ、仲間と喜びを分かち合えたことが最大の恩恵でした。
最後の3つ目は、結果が全てではないということです。私は留学が始まり、1セメスター目の約半学期分を、自分の偏ったプライドのせいで無駄にしてしまったと、1セメスター目が終わった頃にひどく後悔していました。しかし、結果が全てではないということを学べたのは、この失敗があったからこそだと今は感じます。失敗というのは、特に授業中に、間違いえることや失敗を恐れ、いつも萎縮していました。その頃の自分はいつも自分の殻に閉じこもり、一人で英語の勉強しかしませんでした。授業が終われば部屋や図書館に閉じこもり、黙々と机に向かっていました。また、授業では他の生徒の自分よりも優れた英語力に圧倒され、めったに手を挙げず、まるで参加していないかのようでした。しかし、ある日、「今やっていることは留学ではない。日本でもできることだ。」と気がつきました。真面目に勉強することが決して間違いとは言いませんが、この留学期間中、アメリカでしかできないことを経験することが成功ではないかと気が付きました。そこで、私が個人的に一番大切としていたのが、「とにかく何でも参加してみる」ことです。マドンナ大学は小さな学校で、比較的大きなイベントはあまりありませんが、この言葉をモットーに、自分が参加できるイベントにはできるだけ出席するようにしました。すると、自然と友達の輪が広がりました。また、イベントに参加するだけでなく、授業では積極的に挙手をして参加するようにしました。多くの人と触れ合い新しいことに挑戦するので、いくつか失敗したことや、もう少しできたと悔しい思いをしたこともありました。失敗し、恥ずかしい思いをしたことで挫けそうになったこともありましたが、そんな中、「始めからできないのは当たり前。」また、「誰も自分が思っているよりも、他人の失敗など気にしていない。」と、自分をうまく開き直らせることも大切だと学びました。また、それらの失敗から学ぶこともたくさんありました。なぜなら、失敗してみないと、どのように自分が間違っていたのかが分からないことが多いと気がついたからです。
2セメスター目のTOEFLの点数を見ると、むしろ下がってしまいましたが、私は2セメスター目で、自分自身が1セメスター目と比べて大きく変化できた時間であったと信じています。今では後期に参加したConversation Partnerという、様々な国から来た留学生や教授とがグループになり、各国の慣習や文化を話すイベントの様なものを通して、親友と呼べるほどの友人ができたことに、心から「参加して良かった。」と思っています。例え気が向かないこと、興味がないことであったとしても、まず参加することで、そこから新しい発見に気がつき、その発見により、自分の生活が大きく変わるということを心から学びました。ですので、殻に閉じこもり受け身で待つのではなく、まずは行動しチャレンジすることが大切だと思います。
約10ヶ月の留学生活で、不自由なこと、辛かったことはたくさんありましたが、それよりも、たくさんの人々と出会い新しいことを経験し、英語力の向上だけではなく、自分を人間として大きく成長させることができました。マドンナ大学で過ごした10ヶ月はあっという間で、かけがえのない時間となりました。今では、日本とアメリカとが離れ離れになり寂しく感じますが、その気持ちと、これらの経験と学びを活かして、これからも成長し続けたいです。
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