写真は上海の"田子坊"という場所です。
写真の中の建物は、租界があった時代の上海の集合住宅である石庫門。
伝統的な石庫門住宅を利用して、芸術家たちのアトリエやギャラリーが構えられています。
普段はこんなおしゃれなところへは行かないのですが、今回は小学校を卒業したばかりの息子を同伴していたので、
彼が飽きないように、こんな似合わない場所にも行ってきました。
息子は4歳の時に上海で一年間生活していたことがあり、ある程度記憶が残っているかと期待していろいろと連れ回したのですが、やはり小さすぎたせいか、完全に忘れている場所が多かったですね。
せっかく身につけた中国語もスッカラカンになってしまったし‥‥(-_-;)
それでも、自分が住んでいた場所や通っていた幼稚園はおぼろげに記憶しているようでした。
そうそう、私たちが住んでいた住宅の横に自転車置き場がありまして、安徽省の農村から出てきた夫婦が管理人室に住んでいました。
夫婦にはうちの子と同い年の娘がいて、よく一緒に遊んでいました。いわゆる"農民工(出稼ぎ労働者)"だったようで、お父さんは昼間建設現場で働いていたようです。当時、農民工に対する差別意識を何となく感じていました。同じぐらいの年格好の子供は近所にたくさんいたのですが、彼女と遊ぶことがあったのは、うちの息子だけでしたね。
今回久しぶりに自転車置き場のあった場所へ行ってみると、いやー、懐かしかったですね。昔と変わらない佇まいで残っていました。
そして驚いたことに例の夫婦がまだ住んでいるではありませんか。娘は実家の学校に通っているとのこと。娘さんの写真を見せてもらいましたが、あのお転婆娘が、とても別嬪さんに変身していました。変わるもんやなー(^0^)/ 皆で記念写真を撮り、懐かしい思い出の詰まった自転車置き場を後にしました。
写真の石庫門住宅。庶民の香りを漂わせた集合住宅は今はどんどん取り壊され、替わりに高層ビルが建てられています。ビルの建設現場で働いているのは自転車置き場のお父さんのような出稼ぎ労働者。留学する学生さんには、発展する中国の光と影の両面をしっかりと見てきて欲しいものです。
田子坊でおもしろグッズを発見。社会風刺の効いた文字が入ったグッズがたくさんあり、私は"好好学习 天天上网"の文字入りのマウスパッドを購入しました。学校の標語によくある"好好学习 天天向上"をもじったもの。意味は自分で調べてみてください。
"我爸爸是李刚"の文字入りのマグカップを発見。2010年に公安幹部の息子が飲酒運転死亡事故を起こし、取り囲んだ河北大学の学生や警察に「できるものなら訴えてみろ!僕のパパは李剛だぞ!」と歴史にのこるフレーズを吐き捨てた事件。ネットには「僕のパパは李剛だぞ!」のパロディがあふれかえり、息子の李啓銘は懲役6年に。日本でも知っている人が多いでしょう。
ふとあることに気づきました。自転車置き場のお父さん、名前は確か李剛じゃなかったっけ(;°Д°)!
あの女の子大丈夫だったかなあ。いじめられたりしなかっただろうか......。