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2011年7月アーカイブ

名古屋駅から徒歩5分,「ウィンク愛知」から1分の辺りに「こいこい」という居酒屋があります。

 7月23日(金),本学職員の懇親会がこの居酒屋で催され,私も参加しました。大学の立地場所からすれば,懇親会の場所はやはり金山駅周辺だろう,どうして今回は名古屋駅なのだろうか,などと其処に行くまでは思っていました。

 しかし,その店に到着しオーナーを紹介されて,合点がいきました。この店のオーナーの飯田貴文氏は,本学外国語学部の卒業生(03F)なのです。しかも彼は,在学当時から,学内はもとより世間にもちょっと知られた有名人。

 何故,有名人であったか?彼は,「金魚すくい名人」であったからです。テレビ東京系列(愛知県ではテレビ愛知)で放送されていた「テレビ・チャンピオン」では,「金魚すくい王選手権」で,日本一を三連覇。「金魚すくい名人」の技は,様々なメディアで取り上げられ,あちこちの自治体主催の夏祭りイベントにも招待され,一躍時の人でした。

 飯田さんは,その一芸を評価されて(?),卒業と同時に大手企業に就職。そこを2年で退職し,株式会社KINGYOを立ち上げます。飲食業を主体とするこの会社は,既に名古屋市内6か所で店舗を展開し,年商ウン十億円の企業に成長しているそうです。

 飯田さんの活躍を見ると,「芸は身を助く」という諺が想起されます。しかし,この諺のオリジナルな意味からすれば,これは正しい用法ではないようです。それは,一芸に秀でていれば,それが生計の助けとなる,というのがこの諺の本来の意味(広辞苑)だからです。同氏の場合は,「金魚すくい」の芸そのものが,彼の生計を救ったというのではなく,「金魚すくい」で日本一になるほどの集中力や忍耐力といった資質が,同氏のビジネス展開に活かされたということでしょう。「金魚すくい名人」は,今やKINGYOにすくわれているのです。

 中世のレオナルド・ダビンチを牽くまでも無く,ある分野で一流の人物が,全く違う分野でも素晴らしい才能を発揮する例は珍しくありません。日本でも思想家として高名な寺田寅彦や岡潔は,傑出した物理学者や数学者でした。

 大学の一芸入試や,高校の成績評価に依存しないAO入試は,この側面の可能性に期待を込めた選抜方式と言えましょう。ただし,飯田さんの本学への入学許可は,「金魚すくい」の一芸に拠るものではありません。

 かつての(現在もか?)「金魚すくい名人」は,今や大規模に飲食ビジネスを展開する会社社長です。今日も元気に「金魚」ではなく「金(かね)」をすくうビジネスを展開しています。時間とお金のある在学生は,是非とも名古屋駅周辺まで足を伸ばして,先輩の活躍する姿をご確認ください。大いに刺激を受けること,間違いありません。

 今年もオープンキャンパスの季節がやってきました。

 本学の最初のそれは,7月23日(土)に名古屋キャンパスで行われました。当日1日の来場者数は1,004人で,前年のオープンキャンパス初日のそれに比べれば,6割強の増加です。ただし,前年は2日間連続で行ったのに対して,今年は1日だけでしたので,単純な比較はできません。

 当日は,いずれのブースも大盛況。熱心に担当者の説明を聞く高校生の姿で溢れていました。来場者を受け入れる大学側の教職員・TA学生は,NGUマーク入りの赤いポロシャツに身を包み,活気あふれる統一感を醸し出していました。事前準備に忙殺された入学センターの皆さん,当日に模擬講義を担当していただいた先生方,相談窓口で対応された教職員の方々,そして,様々な部署で支えてくれた学生諸君,どうも御苦労さまでした。そして,ありがとうございました。

 数年前に比べて,今年の来場者は,落ち着きのある小ざっぱりとした感じの高校生が多かったように思います。世の中の景気や流行(ファッション)とも関係しているのかもしれませんが,既に「敬神愛人」の精神を身につけているのかもしれません(そんなこたぁ~,ないか)。

 ところで,リクルート社の調査によると,現在の大学1年生のうち,高校3年間の内に1度でも大学のオープンキャンパスに参加したことがある学生の割合は,94.0%だそうです(出所,リクルート進学総研:http://souken.shingakunet.com/research/2011sennsasu2.pdf,以下同じ)。要するに大学進学者の9割は,事前に大学見学をしているということです。学年別でみた参加率は,3年生の時が81.1%で最も高く(と~ぜん,ですよね),2年生で66.9%,1年生でも38.1%。

 これらの値は,2009年の前回調査のそれに比べて,いずれの学年でも高まっています。とりわけ,高校1年生の参加率は13.4ポイント上昇していて,早い段階から進学先への関心が高まっている傾向が伺えます。また,男女別でみると,参加率は,全ての学年で女子は男子よりも10ポイント以上高く,一人当たり平均参加校数は,男子の3.5校に対し,女子は4.8校。女子のほうが男子よりも,しっかりと大学を値踏みしているということでしょう。

 確かに,本学のオープンキャンパスでも女子高校生の姿は増え,高校1年生や2年生の顔も多くなりました。しかし,本学経済学部の女子比率は,未だ1割です。女子生徒がちゃんと大学を値踏みしてくれているのであれば,本学経済学部にはもっとたくさんの女子学生が集まってもいい筈なのになぁ~,と思うのは私だけでしょうか?

 エレベーターホールで4人組の男子高校生と立ち話をしました。高校2年生の彼らは,担任の先生に,オープンキャンパスに足を運んで,自分の目でしっかり大学を見てくるようにと指導されたそうです。オープンキャンパス参加は,既に高校の生徒指導の一環です。このイベントが始まったのはわずか10年前ですが,今や大学の年中行事の一つに定着し,高校側もそれを所与として対応する時代です。

 そうだとすれば,これをさらに大学広報の絶好のチャンスとして活用することが求められるように思います。そこで提案。オープンキャンパスが実際の大学紹介の機会であるのだとすれば,入試・教務・就職・奨学金・留学といった学校側の説明だけでなく,学生たちの活動(クラブやサークル,イベント,ボランティア等)も紹介メニューに加えたらどうでしょうか。豊かな学生生活の実像に触れて貰うのです。

 数年前,ある会合で一緒になった早稲田大学の先生に,早稲田のオープンキャンパスでは5万人強が来場するということを伺いました。これはほぼ,同大学の在校生の数です。現在はもっと多くの高校生が集まっているのかもしれません。本学のオープンキャンパスも,集客力として在校生の数並み(5,300人)を期待したいところです。来年には,そうなるかなぁ~。楽しみです。

 今週末の7月30日(土),31日(日)は,瀬戸キャンパスでオープンキャンパスが行われ,8月27日(土)には,再度,名古屋キャンパスでそれが催されます。関係者の皆様のご協力をお願いすると同時に,興味関心のある高校生とご父母の皆様の多数のご来場をお待ちしています。

S-Plats(学生支援推進センター)サポーター学生が主催する七夕祭が7月7日に,翼館1Fのロビーで行われました。参加団体は,昼コンプロジェクトクラブのほか,カフェマイルポスト,アクションサークル,お笑い研究サークル,アカペラサークル,S-プラッツサポーター学生などで,参観者は教職員も含め100名近くを数えました。雨天にも拘わらず,会場は熱気でムンムン(会場内が暑かったのは,節電のためにエアコンの効きを抑えていたのでしょうか?)。

 私自身は,当日午後に三重県の某高校で出前授業を行い,それから大学に戻ったので,この「七夕祭り」イベントを参観できたのは,後半からです。アクションサークルの演技とアカペラのコーラスを堪能できました。

 このイベントを企画運営するために,S-Platsのサポーター学生諸君は,何日もかけて事前準備を行ってきたのでしょう。司会進行班・写真撮影班・大道具小道具班・軽食準備班など(実際の班の呼称名は知らないので,ここでは便宜的に私がそう呼んでいるだけです),それぞれが自身の役回りを見事にこなしていました。ピンク色のTシャツがS-PlatsをサポートするSA学生のユニフォームであることは,一目で解りました。御苦労さまでした。

 今回イベントの出し物は,一部の文化サークルによるパフォーマンスでしたが,彼ら・彼女らの普段の練習成果を発表する場は,もっと沢山あって良いと思います。望むらくは,こうしたイベントを学生自治会や文化サークルの学生諸君によって,日常的に開催して貰いたい。今日は,某所で演芸イベント,明日はクラインホールで教養セミナー,といったように。また,文化サークルの発表の場は,学内に留まらず,学外の他流試合にも求めて欲しいと思います。井の中の蛙になることなく,外部団体が主催する○○コンテストのような場所にも積極的に出て行き,己のレベルを全国大で相対化し,さらに高みを目指して欲しいと思います。

 とは言いながら,このイベントで私はとても感動を覚えました。それは,一生懸命,真面目に取り組む学生諸君の姿を確認できたからです。一生懸命は,美しい。

 例えば「アクションサークル」です。彼ら・彼女らが舞台で演じたことは,悪者に奪われたお姫様を正義の味方が奪還するという単純なストーリーに,殴る蹴るの派手な立ち回り(アクション)を演じるパフォーマンスです。想像してみましょう。彼ら・彼女らが,舞台での発表の前に,人知れず,飛んだり跳ねたり,アクロバティックな格闘シーンを一生懸命に練習している姿を。一歩距離を置いて,シラケた目で,その練習風景を見たら,「なんでそんなことしているの?」「それが将来何かの役に立つの?」などと思ってしまうことでしょう。

 しかし,彼ら・彼女らは,マジなのです。ストーリーを考え,効果音やBGMそしてセリフを選び,それらを録音し,音やセリフに合わせて出来るだけ派手な立ち回りに見えるようにパフォーマンスを構成する。それを繰り返し練習してきたのです。おそらく,その過程では,どんな音が最も効果的か,その音源をどこに求めるのか,BGMはどんなものがフィットして,どのタイミングでセリフを入れるのか,など協議と工夫を重ね,何度となく改良を行ってきたことでしょう。その工夫・アイデア出し,そして改良の過程が重要なのです。

 自ら考え,それを行動に移していくという態度と改良を重ねるプロセスが,多くの学びと成果を獲得する道なのです。その経験は,今回のアクションものに限らず,人生の他の場面でも必ず活かされるに違いありません。

 だから,美しい。だから,その真摯なパフォーマンスに対して「おおっ」,「へぇ~」という感嘆の声が会場からもあがります。

 学生諸君の可能性は無限大です。アクションスターに限らず,大いに好きなことを一生懸命にやってください。一生懸命は,格好良い。マジになること,大事です。