2014年2月アーカイブ

★Bridge No.7★吉野 勇夫先生

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学生さんと先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

 

 

外国語学部教授 吉野 勇夫 先生です。

 

 

吉野先生は、2014年2月現在、キャリアセンター運営委員をされています。

それでは、先生の思いをご紹介★

 

 

 どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨まれていますか? 

 

「自分で考える」・・・講義は、スタート地点

 

僕は、米国政治経済論という科目の担当なのだけれども、まず基本的な事...アメリカはどのくらいの広さで、どのくらいの人が住んでいて、どんな国で、どんな人達が生きているのか、まずはそういった全体像を掴む・基礎の基礎を固めるのが大事だと思うんですね。

 

 

あと、気をつけていたのは、アメリカと日本を比較して考えること。

 

 

アメリカのことを勉強しても、これからアメリカに行く人ばかりではないでしょう?

講義で学ぶことを、アメリカという遠い遠い国の事としてではなく、日本と比較することで、歴史にしろ文化にしろ、身近なものとして考えてほしい。

たとえば、道路の広さ一つとっても、どうしてアメリカの道路は広くて、日本は狭いのか?と自分の身近な物に置き換えて考えて、講義を聞いて欲しいんだね。

 

 

 

僕は、「自分で考える」ということを、よく講義で言っていますね。

 

講義で配る資料にしても、暗記するのでなくて、これをヒントに、「自分はこれを考えてみよう。」と思うキッカケにしてくれって、いつも言ってます。資料をきれいにファイルするのもいいけれど、家に帰って「あの先生は、この講義で何が伝えたかったんだろう?」と思いながら資料を見てると、その中に必ずキーワードがあるから、そこからさらに調べる、あるいは自分の意見をまとめる材料にしてほしい。

 

「ここ(講義)はスタート」であって、「それから自分で考えることが大切」なんです。

 

 

僕の話も、7掛け・8掛けくらいで聞けと言っています。

僕がああだこうだ言っても、それは僕の体験談にすぎません。

全てに当てはまるわけじゃないから、自分自身で調べて確認してみなさい、と。

 

 

 

毎授業学生に感想文を書かせていますけれども、これを全部見て、科目毎・学生毎にそれをファイルする。

そうすると、学生が僕の講義をどんな風に受け止めていて、それが4カ月でどう変わったか分かるわけです。

最初は、「先生がこう言った。」と書いているだけだった学生が、だんだん深く掘り下げるようになってきて、「これを調べてみようと思った。」と書きはじめたり、「先生はこう言っていたけれど、僕はこう思います。」なんて書き出す。

 

 

面白いですよ、学生がどう変わったかを知ることができるから。

 

 

僕の研究室に就職相談に来る学生に、「あの時こんな事言っていたよな。」と話すと、「先生、どうして知ってるんですか!?」と驚く。「感想文書いただろう?」って言うと、学生にも、その子自身にこちらが興味を持っているんだという事が伝わるんでしょうね、自分を磨くために、どんどん話をしてくれるようになりますよ。

 

 

 

 

吉野"セミ"・・・良い所をみつけ、自ら輝くきっかけ作り

 

私は、ゼミを受け持っていません。

でも実質的に、毎日、就活相談を中心に学生さんと話をしているので、これが実質ゼミのようなものでしょう。

 

ゼミは単位(点)がでますが、僕の場合は単位(点)がつきませんから、

"吉野セミ(点が無い)"と呼んでいますね(笑)

 

これをずーっとやっている。1週間に5日だから、ゼミより頻度は高いですね。

たくさんやればいいという訳ではないけれど、本当に相談したい人は、週に2回、3回来ればいい。

 

 

研究室に来るのは、学生には勇気がいるらしいんですね。

メールでの頼み方もわからない。

だから、まず相談には来ないんです。

来るまでが大変でね、教室で相談に来るように言うと、やっと、恐る恐る来るわけですよ。

こういう風にして、少しずつ"吉野セミ"が浸透してきて、私は春休みも学生相談の為に毎日大学に来ています。

こうすると、僕自身が、ものすごく学生のことがわかる。

研究室でしばらく話をしていると、学生も、

「あ、この人は、一方通行で自分の意見を押しつけようとしているわけではないんだな。」

「自分の良いところを探そうとしてくれているな。」

と分かってくる。

そうなってくると、研究室には他の人の目が無いですから、ぶっちゃけ話をしてくれる。

 

学生が自分から垣根を取っていくんです。

 

一番弟子(といっても沢山いるのですが(笑))は、みんなこのパターンです。

ものすごく面白いですよ。

これはサラリーマン時代とは違った醍醐味で、やめられません。

相手は社会人ではなくて、社会人予備群ですから、ものすごく責任もあるしね。

 

 

僕は人に興味があるし、良いところを見つけるのがクセになっているね。(笑)

どんな人間にだって、良いところと悪いところがありますよね。

でも、悪い点は見つけやすいけど、良い点は見つけにくい。

だから、学生と話している時に、この子の良いところはどこかな?と探っていく。

 

でも、すぐには言わない。

言うと、自分で探さなくなるから。

 

(就活相談の)最初の1時間ぐらいは、自分の良い所を書かせるわけ。

なかなか書けなくて、書いては消して、書いては消してしながら10項目くらい書くのに、30分か、もう少しかかる。

それをじーっと待って、書き終ったら1つずつ聞いていくわけ。

なぜこの項目を挙げたのか、消した項目も、なぜこの項目を消したのかと聞くと、「自分では大したことではないと思ったから...。」と言うわけだけれども、「いいから言ってみて」と掘り下げると、「実はこういう事があって・・・」と話し出して、それがものすごくいい事であることが多い。

 

学生は自分の良い所が分かっていないし、世の中でこれが大事で、これが大事じゃないという判断が、まだ甘いわけ。

だから、本人が大したことないと思っても、僕から見ると凄く良い部分であることも多い。

 

そうやって、1時間くらい「自分の良い所探し」をすると、学生はびっくりする。

「自分には、こんなに良いところがあるんですか!」って。

 

 

ネガティブな表現ばかりする学生もいるね。

「私の欠点は●●です。」という言い方をするわけ。

だから、「私の欠点は●●ですけれども、それを自分で分っていて、良くしようとしてます。」という言い方にしてみなさい、「"NOT"を文に入れず、肯定文で文を終えなさい、そうすると自分の気分がいいから。」って言うんです。

ネガティブな表現の言い直しをしていると、「あ、そういう風に言えばいいんですね。」って、物凄く短時間に学生が変わるわけ。

この変化は、ものすごく面白いんですよ。

 

 

研究室に来たばかりの時には固い表情だったのが、ニコニコになって帰っていく。

 

本人は気づいていないよ。

僕は、学生が入ってきてからずっと見ているから気づいているけれども(笑)。

昨日も、ある学生が2時間半くらい相談したあと、「次回は...」と予約して帰りましたよ。

これは、すっかり調子が出てきた証拠です。(笑)

 

 

「こうしろ」「ああしろ」とうるさく言わなくても、

ちょっと背中を押してやるだけで、本人が動き出す

ものすごく学生が生き生きしてくる。

これ、とても大事なことだと思うんだよね。

ものすごく時間がかかるけれど、この楽しさは、やめられない。

本当に困っている人の面倒を見たいから、みんなにどんどんPRして、今は口コミで広めているんだけれども。

一気には広がらないから、少しずつ広げていますよ。

 

 

というわけで・・・

 

 

お知らせ

 

学生のみなさん、僕のオフィスアワーは、月曜~金曜のAM830~PM830です。

何か相談があれば、isaoyoshinola@yahoo.co.jp までご連絡ください。

アポもこちらからどうぞ。

 

 

 

 

 

■ 先生のお薦め本 

 

先生からのお薦めは、本ではなくて、スマホで見られる情報です!

 

・NBC   ・CBS   ・ABC   ・FOX

 

何のラインナップか分かるでしょうか?

そう!アメリカの4大テレビ・ネットワークですね!

こういったテレビ局は、Web上でテキスト、あるいは動画ニュースを無料配信しており、5分、10分といった短い時間でも、生の英語による情報を得ることができます。スマホ時代となり、学生のみなさんも本よりも触れやすい情報源かもしれませんね。

色々な物事のバックグラウンドを知ってもらいたい、日本とのものの見方の違いを比べてほしいという思いからのご推薦です。リスニングの練習にもなるし、一石二鳥ですね♪15分からでも、始めてみましょう!

 

 

 

 

 今日の一枚 

 

今日の一枚は"先生の宝物"!

 

 

吉野先生画像2.jpg★学生さんからのプレゼント・

 葛飾北斎の富嶽三十六景神奈川沖浪裏の手作りクッキー&富士山のお茶碗

 

先生のお誕生日に、就職の決まった一番弟子のお一人からもらった、手作りクッキー&お茶碗。先生は葛飾北斎がお好きで、その事を学生さんが知っていて、プレゼントしてくれたのだそうです。

細部にまでこだわったクッキーは逸品!愛情が伝わります!!

こんな力作、チョッパー子なら食べられません~~!

 

★開化堂の茶筒

 

全て人の手で手作りされた、非常に気密性の高い茶筒です。

日本の"ものづくり"精神の結晶、美しいですね。

 

チョッパー子には、富士山のお茶碗がツボです。ステキすぎる。

 

 

 

 

 

先生とお話ししていると、どんどん色々なアイディアが出てきて、その行動力とバイタリティに驚かされます。葛飾北斎がお好きと言うだけあって、今に安住することなく、いくつになっても向上心のあるお姿が印象的です。

 

先生は、インタビュー当日も学生さんに門戸を開いており、この後相談予約が3名も入っているということでした。

春休みこそチャンスです、吉野先生に相談したい事がある学生さんは、まずメールをしてみましょう!

 

 

 

 

 

 

さて、次回の★Bridge★は・・・

 

 

外国語学部准教授 八亀 五三男 先生 です!

 

 

お楽しみに★

 

チョッパー子

★Bridge No.6★湯浅 康正先生

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学生さんと先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

 

外国語学部教授 湯浅 康正 先生です。

 

湯浅先生は、2014年2月現在、外国語学部の学部長です。

それでは、先生の思いをご紹介★

 

 どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨まれていますか? 

 

僕は、出来るだけ学生目線で考えるようにしています。

語学の科目を担当し、講義・ゼミを持っていると、4年間続けてずっと同じ学生に授業をすることがある。それぞれの学生を理解して伸ばしてあげたいと思っています。お互いに1つの教室の中で1つのことをしている共感みたいなものを、学生と僕とで持ちたいなと。今どきの先生はみんなそうだと思いますが、みんな僕の生徒で、それぞれ少しでも前進してくれたらな、と思っています。

 

4年間ずっと見ていると、学生って凄く成長するんですよね。

1年生の夏休みが終わったころから、どんどん大人になってきて、4年生になる頃には、話すことも、書くことも、1年生の時とは劇的に違うんですね。それは本当に、学校で仕事する喜びというか、醍醐味というか。授業であったり、アルバイトであったり、そして就活を経験しますから。挫折して挫折して、それを乗り越えて、成長しますよね。2年次から4年次の配当科目で、それぞれの学年の学生に同じテーマでレポートを書いてもらっても、全然違う。

 

こういうのを見ていると、大学って意味のあるところだなって思います。

 

学習する喜びを感じてほしい

 

授業では、知る喜び、理解する喜び、要するに、学習する喜びを感じてほしいなと。

 

これは、ただ単に"楽しい"ということとはちょっと違います。

勉強することって面白いんだな、と思ってほしいなと。

 

たとえば、難しいフランス語の構文なんかも、原文と意味だけ言うのではなくて、黒板に書いて細かく分割して、それぞれの部分がどんな意味で、全体でどのように意味が組みあがっていくか説明して、プロセスを理解する喜びを感じてもらうというか。

 

これは語学だけの話じゃないんです。

僕は文学や比較文化社会論という、ヨーロッパの男女関係の授業をしているんだけど、結果的な現象だけを話すんじゃなくて、どうしてそういう風になったかという過程を、できるだけ説明して、「なるほどな」と納得してもらえるよう、そこに重点を置くんです。知る喜びですね。

 

 

幸福になってほしい

 

それと、学生たちには、(本学を)卒業して、幸福になってほしい

そのために、ここで準備していってほしい。

幸福の物差しは、それぞれ違いますから、"こうでなくてはいけない"というものはなくて、それぞれ見つけてくれればいいわけで、社会に出てからそれを見つけられるように、準備をしてくれればいいなと思います。

 

社会で必要なルールを身につける

 

また、どんなところへ行っても、社会に出て基本的に守らなくてはいけないルールっていうのがありますよね?そういうものは、どんな形の幸福を見つけるにしろ、みんな共通して持っていなきゃいけないことなので、共通のルールは厳しく言うようにしています。それを身につけてほしいから。

 

 

■ 先生のお薦め本 

 

湯浅先生から学生さんに今、一番お薦めの本は・・・

 

『職業は武装解除』

瀬谷ルミ子著  朝日新聞出版

 

武装解除の専門家って?

戦争が停止した地域に入って、もうそれ以上戦争が起きないように平和を構築するのがお仕事。

まだ世界全体で100人くらいしかいない専門職だとか。

 

湯浅先生は仰っていました。

「グローバル社会を生きる学生のみなさんには、自分の周りだけではなく、海の向こうの出来事にも目を向けて欲しい。世の中には、厳しい現実があると知って欲しい。でもそんな中、辛いことに直面しても、それをなんとかしようと行動している人がいるということを知って欲しい。

外国語学部には「語学を使って仕事をしたい」という学生さんも多いですが、こういうのも、英語を使った仕事の一つなんですね。内容は、かなりドラマチックな内容が淡々と描かれています。著者の瀬谷さんは、自分のことを欠点だらけのありふれた人間だと思っていて、自分の普通さを意識されている。

特別に才能があるわけでも性格的に強いわけでもないけれど、そういう人が決心し、目的に向かって一生懸命に努力している。

すごいことをしているのに気負いがない。

現地で体験しなければわからないことが色々書かれており、女性の生き方としても、若い日本人の生き方としても読めるので、お薦めです。」

 

著者の瀬谷ルミ子氏には、去る11月4日(月)、本学外国語学部国際文化協力学科企画・運営による公開公演会『紛争地に、生きる選択肢を 平和構築と女性と子ども』でご講演いただきました。

内容は本を読んでのお楽しみです。

本学にも蔵書がありますので、是非手にとってみて下さい!

 

 今日の一枚 

 

今日の一枚は"先生の最近の趣味"!

湯浅先生は、2年ほど前から、フルートを練習されているそうです。

ちなみに今練習中の曲は「美女と野獣」だとか。

 

 

湯浅先生写真.jpg 

お話しを伺っていると、先生ご自身、本当に学ぶことを喜びとなさっているんだな、と感じます。

そして、先生はいつも、ダンディーでおしゃれなんです★

おしゃれと言っても、常に流行の服を着ている、という意味ではありません。

先生は、色あせないカッコよさを身にまとっていらっしゃいます。

一つ一つ丁寧に考え、真面目でありながら、豊かな笑顔。

その知性や思慮深さと温かい笑顔が、先生の醸し出すカッコよさの秘訣かもしれません。

 

そんな湯浅先生とお話ししてみたい学生さんは、是非、先生の研究室をたずねてみて下さいね。

 

 

次回の★Bridge★もお楽しみに!

 

チョッパー子

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