★Bridge★No.35 平野 孝行 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

 

 

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リハビリテーション学部 平野 孝行(ひらの たかゆき)先生です。

 


平野先生は、「理学療法学概論」「理学療法学研究法演習」運動学」「基礎運動療法学」

「運動療法学A・同演習」「ヘルスプロモーション論」「地域リハビリテーション演習」など

の科目を担当されています。

  

それでは、先生の思いをご紹介★

 

 

 どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨んでいらっしゃいますか? 

 

 

リハビリテーション学部は「資格職(理学療法士)を育てる」学部ですので、学問というだけでなく、患者さんをイメージしながら学び、実際に臨床で患者さんたちと接する機会があります。

 学生には、自分のための学習ではなくて、「先々に見える患者さんのために学習していくんだ。」「そういう方たちの為に自分は何ができるのか。」、そういうことを思い描いていてほしいと思っています。

 

そこを踏まえ、人間的な部分も、この4年間で少しでも成長してくれたら、とも思っています。

 けれども、私があんまり思わなくても、4年生くらいになると学生たちには成長の跡がしっかりと見えてくるんですよ。

 

 

4年生になると学生は病院実習に行くんです。

3年間大学で勉強してきたことを、実習に行って知識整理して、実際に患者さんと接する経験をしてくる。そうすると、おのずと顔が理学療法士っぽくなって帰ってくるんですよ。

面白いもんだなと思いますね。1年生の頃におおちゃくだった子が、「ああ、こんなことを言うくらい成長したんだ。」というほど変わることがよくあります。


私たちの教育成果ではなくて、学生たちが大学で学んできたことを、最後に実習で患者様から学ばせてもらうと、こういう風にまとまっていくんだな、と。

 

 

たいていの学生は、卒業後病院へ勤めるものですから、次の年、あるいはまたその次の年に、学生が実習に行く際に卒業生のいる病院に顔を出すことがあります。そうすると、現場で教え子が患者さんを診ていることがあって、そんな様子が見られると「ああ、良かったなぁ!」と実感します。

同じ業種ですから、学会等で教え子に会うことがあって、「ああ、勉強しているね」と分かったりもしますね。


 

 

■先生が教えていらっしゃる事柄について教えてください。

 

私が教えているのは、「運動学」「運動療法学A」といった運動器疾患...一般的には整形外科の扱う疾患の理学療法治療をどう行っていくか、ということを教える科目が中心なんです。

 

私自身が、もともと整形外科の治療領域の研究や、臨床では病態と治療に関して研究してきましたから、そういう点では関連深い科目です。

 

最近では、学内外で、高齢者の運動器疾患...高齢になって全般的に運動器の機能が低下して、膝が悪くなったとか、バランス能力が悪くて転倒してしまうといったこと...の研究をしています。

 

これらの症状の研究のため、現場へ出て行って、高齢者の運動機能や体力を測定したり、筋肉の状態を検査して、どれくらい衰えていくのか、ということを計測したりします。また学内では、実習室で筋肉の強さを測ったり、運動していく中で筋肉をどうやって使ったらいいか、ということを測定研究しています。

 

 

■授業をされていて面白いところは?

 

1年次に「運動学」という、人が立ったり座ったりといった運動を行うのにどんなことが必要かを学ぶ科目があります。ここで基礎を習っておいて、3年生になると、それが障害されるとどういった不自由が起こるのか、それに対する治療はどういうものなのか学びます。

臨床に繋がる一番の基本を1年生で教えながら、3年生でそれをまとめていける。

そこが面白いところでしょうか。

 

あと、「ヘルスプロモーション論」という授業も受け持っていますが、ここでは、学生と一緒に現場に赴いて高齢者の体力を測ったり、認知症の計測をさせていただいきます。

結果をもとに、その方に合ったトレーニングや健康面のアドバイスをしていきますが、その過程で、基礎学習と同時に臨床も体験でき、具体的に地域の方を念頭において取り組むことができるので、面白いですね。

 

■実際に顔の見られる地域の方を診させて頂けると、学生の学びにも影響がありそうですね。

 

そうですね、学生たちも、目の前に顔の見られる方がいらっしゃると、意識が高くなりますし、真面目に取り組みます。

学内で学ぶだけよりも、責任感を持って、勉強して、必要なことをまとめてくる、ということをやってくれますね。

 

■何度も地域の方を診るのでしょうか?

 

2016年度は年1回でしたが、瀬戸市で高齢者の介護予防事業が計画されていて、2017年度はその事業の一部を委託してもらっています。

 

6月から12月ぐらいまで半年ほどかけて、月1回対象者にお会いしながら診させていただく、ということを学生と共にやっていこうと考えています。

 

スクールバスを利用して、半年で6回ほど対象者に瀬戸キャンパスに来ていただいて、体力測定をして、どうやって家庭で運動に取り組んでもらうかアドバイスをします。

 

この指導を通して、年度の最後に、最終的にどのくらい回復したか、あるいは回復しなくてもその方の機能が維持できたか、そういうことを見せていただけるんです。

 

6月~12月というと、春学期と秋学期をまたいでの経過観察になりますね。

 

そうなんです。

3年生科目に、春学期には「ヘルスプロモーション論」、秋学期は「地域リハビリテーション演習」があり、春学期は健康増進と介護予防、秋学期は地域の方のリハビリテーションと介護予防を考えていくということで、双方が繋がった内容になっています。この科目に関連して、3年生になった学生が年間を通して関わり学習を深めていきます。

 


2016年度までは、特に緑区をメインに活動してきました。

文科省の補助事業で、「なごやかモデル」という未来医療人の育成事業がありまして、名古屋市立大学と名古屋工業大学、そして名古屋学院大学が連携して取り組んでいるんです。それが名古屋市緑区をフィールドとして取り組んでいるものですから、さきほどの高齢者の体力測定を、緑区へ出向いて地域の活動として展開していたんですね。

せっかく緑区で活動できていましたから、今度は日頃お世話になっている瀬戸で、地域密着という形で貢献していけたらと思っています。

 


3年生の授業ということで、リハビリテーション学部生全員が体験できますね。

 

地域の方々と学生が継続して接する機会があることは、双方にメリットがありますので、2017年度を楽しみにしています。

 

本の上というか、机上の勉学だけでは、なかなか本当のところが身に着かない。

患者さんと接してこそ、学生一人一人にこの仕事の楽しさが伝わりますから、そういう機会ができるといい。面白い活動だと思います。

 

今、理学療法では、「ヘルスプロモーション」「地域リハビリテーション」に加えて、もう1つのキーワードとして「予防」があります。

今までは、患者さんになった方が...つまり病気になったり怪我をしたりして、具体的に症状が出てはじめて、理学療法やリハビリテーションの対象でした。

でも今は、もう少し悪くなる前から医療者が関わって、健康な状態をいかに長く維持できるか、ということが注目されているんです。


 

最近よく言われているのが、寿命ですね。

いわゆる「平均寿命」と、もう一つ「健康寿命」というものを聞いたことがあるかと思います。

「平均寿命」は、今生まれた子が何歳まで生きる事ができるか、ということですけれども、「健康寿命」というのは、健康でいられる年齢はどれくらいなのか、というものです。

今現在、「平均寿命」と「健康寿命」の年齢差・・・健康で人の手を借りずに生活できる期間と亡くなるまでの期間の差が、8年から10年くらいあるんです。

つまり、その期間は、何らかの医療の看護・介護が要りますよ、ということです。

 


■結構長いですね。

 

そうなんです。

そして、この期間に非常に多くの医療費がかかるものですから、国としては、医療保険でどう面倒を見ていくかということが課題なんです。

例えば、この「健康寿命」がもうちょっと長くて、あと2年長くなったとすると、その分医療費もかからないし、国の福祉費用もかからない。

ですから、「平均寿命」と「健康寿命」の差をいかに縮めていくか、ということに費用を掛けた方が、圧倒的に国の予算を圧縮できるんです。

 

 

このように、どうやって「健康寿命」を延ばしていくかということが国家戦略として言われているのですけれども、その中で、理学療法においては、倒れられた患者さんを診るのではなくて、「倒れない」「転ばない」方をどう増やしていくか、ということがポイントになってきています。

ですから、先ほどの「地域へ出向いていく」ということには、こういった観点もあるんです。

 

 

いかに医療者が地域へ入って、予防の段階から関わっていくか、それが日本の医療で今後求められることの1つになります。

それを考えると、少しでも在学中の経験が生きるといいですよね。一度経験しておけば、病院や地域へいった時にそのまま実践していけますから、今、極力経験させてから現場へ、という試みをしているところなんです。

 


■自分ではどうしようもなくなってから病院に行く、という方も多いと思いますので、予防段階から関われる場所があるということが広まればいいですね。

 

はい。国も、地域で医療福祉を管理をしていこうという方向性を打ち出していますから、地域の現場へ進んで出て行ける人材を育成しようとしているんです。

 

これからは病院や施設が中心ではなくて、医療者が地域へ入り、地域でどうやって周りの方の健康を維持していくのかを考えていく社会に向かっているんですね。

 

 


■そう考えると、学生が地域の方と接することは、Win-winの関係ができていて、とてもいいですね。

 

先々の話ですけれど...大学の中だけでこういった活動を行ってしまうと、授業とか教育の範囲内になってしまいますよね。でも、クリニックなどの医療施設ベースでやれば、もう少し、地域の健康管理というような部分も担っていけるのではないでしょうか。医学的な管理を含めた健康増進をやっていけると、クリニックとしても、もっと幅広い展開ができるでしょう。

 

今は、クリニックの病院機能にかかっている人だけが対象になってしまいますけれど、そういった学生の教育と協働することで、よりたくさんの人たちにクリニックを活用してもらえるようになると思うんです。

 

 


■地元に、ジムを併設した接骨院があって、専門トレーナーにアドバイスが受けられて、各種筋トレや運動に使用する機器は使い放題なんです。1回500円、院利用者は300円で利用できる施設で、接骨院を受診しなくてもワンコインで利用できるので、もっとこういった場所があるといいのにと思っていました。

 

ワンコインくらいだと、割と利用しやすいですからね。

「結果にコミットする」ってボディメイクの流行もありますしね(笑)

美容を考えていくと、ある程度医療や健康に結びつくことがあります。

色々なマシンを使うのもいいでしょうし、体作りは健康に繋がっていきますから。

医療と美容の境目がなくなってきているというか、高齢者だけでなく、もっと若い方から、健康維持に気持ちが向かうといいですね。

 

 


■患者目線の医療職について

 

病気をしてこと初めて分かる事もあります。

 以前入院した際に、看護婦さんのナースシューズの音ひとつでこんなに違いがあるんだということが分かりました。「なんでそんなにパタパタと歩くんだろう?」という人、穏やかに静かに歩く人、歩き方ひとつでこんなに違うんだな、と。カーテンの開け方でも、バッと開ける人、少しだけ覗いて中の人に配慮しながら開ける人、色々です。

 

これは患者になってみなくてはわからないですね。

患者さんはこうやって医療職を見ているんだな、と色々勉強になりました。

 



■平野ゼミはどんなゼミですか?

 

私のゼミ活動は、学内と地域の2本柱です。


学内では、運動器に関して興味のある事を自分で見つけて、疑問に思ったこと解決していきます。

過去の文献ではどこまで分かっていて、何がまだわかっていないのか、どうしたらそれが計測できるか、まず学生の興味にあったテーマを設定するんです。

 


もう一つが、地域の高齢者を対象とした研究活動です。

例えば、昨年度のゼミでは、地域の運動教室をやっていました。

その運動教室の効果を見ることがひとつ、もうひとつは先ほどの緑区での活動です。

 

緑区には「みどりっちのうた」というものがあるのですが、地域の方に、「これにあわせてできる体操、作れない?」とご相談いただきまして。学生が体操を作って、地域の自治会や催しで「みどりっちのうた」で体操してもらおうという話になったんです。

 

でも、版権や著作権の問題もありますので、緑区の区役所に「みどりっちのうた」を使用していいのか確認することから始めました。「みどりっちのうた」には、既に"踊り"があったんです。でも、学生が作成しようとしていたのは健康促進のための体操ですから、踊りとは違う別の位置づけということで、「みどりっちのうた」を使ってもよいと許可をいただいたんです。

 

その活動報告と、作った体操をやる時に活動量計を使って、身体負荷量がどれくらいか、心拍数や血圧がどれくらいか、平常時とどう違うか、といったこの体操の安全性と効果をゼミの研究として行いました。

 

データをとる時には、様々な計測器を車に積んで地域に赴くのですが、研究している学生以外のゼミ生も測定補助として手伝いに出掛けるんですよ。

 

 


■今、学生に伝えたいことは?

 

今、勉強が辛いかもしれないけれど、理学療法士になるためには必要なことです。

その先には自分たちを待っている患者さんがいて、責任を持って仕事をしなくてはいけないですが、現場に行ってこそ、この仕事の良さや、やりがいが分かります。

 

患者さんの喜んでくれる顔を見た時に、治療者として、あるいは職員としての嬉しさが待っていますので、今の辛さを乗り越えて頑張ってほしいと思います。

 

 

私たちリハビリテーション学部の教員は、もともとは研究者や教育者ではなく、医療者としてその道に進んだ者が多いんです。私も現場でずっと勤めていて、目の前の患者さんのことだけを考えて仕事ができて、自分の仕事で喜んでもらえることに幸せを感じたものでした

 


今は学生相手に教える立場になって、そういう喜びからは少し離れてしまったわけですが、1年間に関わった学生が70人いたとしたら、その学生たちが卒業して、1日に2030人の患者さんを診ていくことになります。今まで私が20人、30人の患者さんのためにしてきた役割を、今度は卒業生たちが担うようになりますから、卒業していく学生たちを通して、目の前には膨大な患者さんがいると思いながら、そこを楽しみに仕事をしています。

 

学生たちにも、はやく臨床にいって、患者さんたちと喜びを分かち合ってほしいですね。

 




■ 先生のお薦め本 

 

今回は、" 多読本 "のご紹介です!

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「銃・病原菌・鉄 : 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上)(下)」

(草思社文庫)ジャレド・ダイアモンド著 ; 倉骨彰訳

 

 

 

お薦めポイントについて、先生はこんな風におっしゃっていました。

 

 

『リハビリテーションや医学の本ではありませんが、読んで面白かったので学生へもおすすめします。最近の本ではなく、少し前に話題になった本です。

 


高校までの歴史の捉え方として「日本史」「世界史」などのくくりがありますが、「人類史」という別の観点と理系寄りの科学的な見方も併せて新たな視点を経験できる良い本だと思いました。

 


上下巻に分かれ、ページもやや多めですが、章ごとに読めますから、区切って読んだり興味のある章から読んだりできます。 


現在の世界の区分けを理解でき、食料・環境・文明・力などから改めて人と世界を考えられます。

 

 


 

本学にも蔵書がありますので、是非手に取って読んでみて下さいね。

本学図書館蔵書リンクはコチラ↓

「銃・病原菌・鉄 : 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(上)」

「銃・病原菌・鉄 : 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎(下)」

 




 今日の一枚 

 

今日の1枚は、 " 先生の趣味 " です!

 

収穫2016夏 (1).jpg 2016年夏の収穫↑

 

家庭菜園



先生のご趣味は家庭菜園!


上の写真にもある通り、色々な野菜を栽培されているそうです!

取材当時の冬(2016年~2017年)は、お庭には大根・エンドウ、家の中の窓際ではプチトマトを栽培中でした。


トマトは夏にしかできないのでは?と思われた方がいらっしゃるかもしれません。

ところが、冬でも家の中で栽培を続け、春になったらお庭に出すと、夏まで収穫ができるそうです。


他にもお家の中では、来る芽吹きの季節に向けて、大根菜、スティックブロッコリー、パプリカなどを芽出し中とのこと。





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昨年(2016年)は、たまたま籾が手に入り、プランターで稲作もなさったそうです!

家中のプランターを集めて栽培した稲は、立派!

でも先生、取材の時点では、収穫したお米をまだ召し上がっていないと仰っていました。


味はいかがだったのでしょうか?

自分で育てた収穫物が食べられるのは、家庭菜園の醍醐味ですよね!

次はどんな新しい野菜に挑戦されるのでしょうか。

 

 



 

平野先生は、とっても優しい話し方をされます。素敵な笑顔で優しく話されるので、聞いているこちらの心がとても温かくなりました。

理学療法士を目指している方はもちろんのこと、「相談してみたいことがある」「実は野菜を育てるのが好き・・・」という方も、一度先生の研究室を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 






 

次回の★Bridge★も、お楽しみに!

 



チョッパー子

 

 

 

★Bridge★No.34 肥田 朋子 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・

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リハビリテーション学部 肥田 朋子(こえだ ともこ)先生です。

 

肥田先生は、「機能障害診断学・演習」「痛み学評価論」「体表解剖学実習」などの科目を担当されています

  

それでは、先生の思いをご紹介★

 


 どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨んでいらっしゃいますか? 

 

●「体表解剖学」はどんな授業ですか?


1年次の秋学期に、「体表解剖学」という体の表面から体を知るという実習メインの

授業があります。春学期から「解剖学」という体の構造を学ぶ授業が始まっていますが、

この段階では、いわば紙の上で人の体を解剖している感じなんです。

でも実際は、皮膚の上から患者さんたちの「痛い」「違和感がある」という場所を診て

いかなくてはいけないので、三次元的に人体を捉えるために設けている授業なんです。


教科書的に言えば「解剖学」だと血液は血液だけ、内臓は内臓だけ、筋肉は筋肉だけと

いった具合に系統立てて学んでいたものが、「局所」でみるときには全部が入ってきます。

皮膚をめくれば筋肉もあるし、血管もある。

同時にみることで機能もわかってくるので、バラバラだった知識が繋がっていくわけですね。

内容は盛りだくさんなので、学生は結構大変だと思います。


解剖学は、言ってみれば医学系の知識のベースになるので、漢字ばかりで覚えなければ

いけないことも多いですが、必要で大切な知識ばかりです。

ベースとなる知識なので、忘れないでほしいですし、そういう大切な知識に対する勉強・

モチベーションを上げてもらうことができたらいいですね。


実際にちょっとした動作をしたときに「●●筋が働いている」とか、筋肉痛になったときに

「●●筋が筋肉痛になった」とか、知識を体感に繋げることで、覚えなければいけない

ことをもっと楽しいものだと思ってもらえたらいいと思います。



ともかく「人を触る」ということに慣れてもらいたいですし、

「人に触られる」側の人がどのように感じるのかも知ってもらいたいです。

実習では、クラスメイト同士お互いの体を使って、三角筋はどこで、上腕二頭筋はどこで・・・と

実際に触れて確かめあったりします。

筋肉などの形を見るために、Tシャツで腕まくりしたり、胸部なんかは男の子に被験者に

なってもらって、実際の体にペンで形を書かせたりもします。

教科書で二次元的に見たのと同じ形がとれるというのは、ちょっとした感動になる思うんです。

そういうところからちょっとずつ興味を持って、人の体というものを知ろうとしてくれるといいな
と思っていますね。


患者さんを診る時には、いわゆる"触診能力"が必要です。

自分だと「触っている感覚」と、「触られている感覚」があるので、すごく分かり

やすいんですけど、他の人を触診するときは「触っている感覚」しかないので、

自分の触れている部分が本当に自分の思っている部位なのか、触り慣れないと分から

ないんです。

加えて、授業では構造的知識を得るとともに、そこから「動き」に繋げて考えたり、

「この部位の横には神経が走っているので、下手に触るとビリビリするから、むやみに

触っちゃいけない」といったことも学びます。


「筋肉」や「骨(コツ)」が学びのメインではありますが、内臓についての復習内容も

入れています。

ろっ骨を指標に「上から何番目の裏あたりに心臓があるのよ」とか「このくらいの形を

していて、こんなに大きいのよ」とか、体表から投影してみるんです。

最近では肺などの体の中にある臓器の病気の人もたくさん診ますので、後々内臓の「病気」

を学ぶことになります。

内臓には直接触れられないですが、どの位置にどういう形でどんな臓器があるのか、

ということを1年生で見ておくことは、結構大事かなと思っています。

 

1年生で触ることに少し慣れてもらうと、2年次以降の演習の授業(例えば機能障害診断学演習)

にもその知識と技術がつながっていきます。




●「体表解剖学」の面白いところは?


人の体の見えていないところが見えるようになることでしょうか。

例えば、ギックリ腰で痛みを訴えている患者さんがいたとして、

患者さんの体に触れて「ここがそうでしょ?」と分かるということは

理学療法士の醍醐味ですから。 



●「痛み学評価論」はどんな授業ですか?


痛みは、ケガした時などに感じたことがあると思いますが、傷が治れば痛みも治まっていた

と思います。

でも見た目からは治ったように見えるのに痛みが続いていたり、なぜかわからないけど痛みが

出てきた場合には気になって病院に行きますね。


疫学調査によると6か月以上痛みが続いている人は、興味深いことに、肉体労働者よりも

デスクワークの人に多く、高齢者よりも働き盛りの3050歳代に多いことが分かってきました。

動かさないでいると痛くなるんですね。

他にも無くなった手足が痛い(幻肢痛といいますが)という理解に苦しむ痛みがあります。


このような痛みは、ケガした時の痛みとは別のメカニズムで生じていることが分かって

きており、原因がはっきりしないものもあって、人々を困らせています。


つまり原因がはっきりしている痛みとはっきりしない痛みがあるのです。


このような痛みに悩む患者さんに理学療法を行うためには、これらのメカニズムの違いや

それを判別する力と個人に適した治療法の選択が求められます。

「痛み学評価論」の中では、この大きく分けて二つの違いとその鑑別に必要な評価方法について

学修し、治療へつなげていく知識の習得を目指しています。

と言ってもすべて解決しているわけではないため、私たちも日々研究しているところです。


 

先生のゼミはどんなゼミですか?

 

ゼミは実験系の研究が多いですが、

色々試行錯誤して問題解決していく経験が患者さんを診るときに生かせたらよいと思っています。

動物(ラット)を扱う場合もありますね。

人を相手にするテーマと両方扱っていますけれど。

動物を飼っていない期間は、どのように研究発表するかグループで練ったり、

痛みに関係していそうな物質に目星をつけて、染色や計測など色々な方法を学びながら

解析したりします。


ラットの実験は、まず動物に慣れてもらうことから始まります。

私自身の研究テーマが「痛み」なので、ネズミさんには申し訳ないけれど、

ギブズをはめて動きが悪くなった状態を人為的に作り出して実験しています。


一日中椅子に座っていると、腰が痛くなったりしますよね。

寝たきりの人も、別にどこか悪いわけじゃなくても痛みを訴えることがあります。

ネズミも同じで、ギブスをはめて動きにくい状態を作っていると、やっぱり痛くなるんですよ。


 

●でも、どうしてネズミが「痛くなった」とわかるのでしょうか?

 

ネズミは痛いって言わないですからね(笑)

ちょっとつつくんです。

普通なら痛くないような刺激を与えてみる。

人間でも、本当に痛い時は「痛っ!」ってなりますよね。

ネズミも同じで、逃避反応が出れば、きっと痛いんだろう、と見るんです。

 

最初は、「これくらいの強さだったら逃げる」という刺激量を量っておきます。

でも不活動な状態を作っておくと、普通なら無視するような刺激量でも逃げる

ようになるんです。

刺激の種類によって逃避反応の計測方法はさまざまですが、その刺激量を定量的

にしておくと、だいたいどれくらいの強さで痛みを感じているのか推測できる

というわけです。


今のゼミ生は、「マッサージの効果が見たい」と言って、ネズミをマッサージする

研究をしているんですよ。比較対象も必要なので、膝の上でマッサージするネズミの

グループと、抱っこだけしているグループと作って比べています。

 

面白いんですよ、膝の上で抱っこしているだけですけれど、マッサージの刺激が

入っている方が痛みが少ないんです。

2年前の学生が実験したんですけれど、ホットパックなんかもいいですね。


研究結果は卒業研究発表会で発表します。

内容によっては卒業後に学会で発表することもあります。

卒業研究として最後に論文を作成はしますが、きれいな結果が出なくてもいいと

思っているんです。

患者さんのどこが問題なのか探りだし理学療法という手段を使って治療していき

ますので、ものを見たり考えたりするトレーニングになればいいかな、と。

一生懸命考えてやってみて、うまくいけばそれでいいし、うまくいかなかったら

何が問題だったか考えて、次に修正ができる。

そういう気づきに繋がればいいですね。


 

●今、学生に伝えたいことは?

 

とにかく、リハビリテーション学部は忙しいんですよ。


忙しいんだけれど、やっぱり時間があるのは大学生の間なので、

アルバイトばっかりするんじゃなくて、もっと遊んでほしいんです(笑)


結局卒業したら働くじゃないですか。

自分も忙しかったと思うけれど、お金の無い中で結構旅行にも行ったんですね。

お金がないから青春18きっぷで東京に行ったり、北海道まで陸路を行ってみたり...

快速の夜行列車もあったので、そういうものを使って旅行しましたね。


周りにモノがあふれているからかもしれませんが、今の学生は、あまり遊びをしない気が

しますね。

遊びたいけど遊べなくて、中途半端に単位を落としてしまう学生もいるんです。

現役の子が多いので、1年の留年をものすごく重いことに捉えているんですね。


でも、そういう学生には、「遊びたいならいっそ休学して遊びにいきなさい」と

言っています。


現に、学生の間に遊んでいた学生のほうが、社会に出てから勉強しているように

思います。

学校ですごく優秀だった学生のほうが、卒業してからはサラリーマンPTになっている

っていうか。

 

 

理学療法士を続けていれば、日進月歩のところがありますから、いろんな研修会に参加して

自分を磨く人や、目の前の患者さんとは向き合うけれども必要最低限で終りの人、

色々出てきます。

どんな働き方がしたいのかは人それぞれですけれど、働いてしまえば1年や2年は

さほどの問題ではないので、いっそしっかり休学して、また気持ちを切り替えて勉強

するのもいいのでは?と私は思います。



■ 先生のお薦め本 

 

今回は、" 多読本 "のご紹介です!


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イングリッシュリーダーズ各種 


先生は、このMAGIC TREE HOUSEシリーズを、1年以上少しずつ読み進めて

いらっしゃるそうです。


こうした英語学習者向けのレベル別読本は、図書館やi-Loungeにたくさんあります。


是非一度足を運んで、自分にあった本を探してみましょう!




 今日の一枚 


今日の1枚は、 " 先生の趣味 " です!


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ゴルフ

 

先生は、ここ数年、他の先生方と一緒にゴルフをされているそうです。

ウワサによると、持ち前の真面目さで努力を欠かさず、めきめきと腕を上げられているのだとか。

白いゴルフバックがキュートです!

 

 

 

お話を聞かせていただいて、肥田先生は、真摯に人と向き合い、語学にしろゴルフにしろ

コツコツとたゆまず努力される方なのだな、と感じました。

(ゴルフの上達が早いのもうなずけます!)

とても親切で、しっかりと人と向き合ってくださる、お話ししやすい先生なので、

理学療法士を目指す方はもちろんのこと、チャンスのある方は是非、肥田先生の

研究室の扉を叩いてお話を伺ってみてはいかがでしょうか。

 



次回の★Bridge★も、お楽しみに!

 



チョッパー子4年生中心の回





みなさんこんにちは。

教育学習センターです。

 

46日(木)に、教育学習センター(ESC)サポーター主催で、

イベント『STUTEA(スタティー)』を開催しました。

 

今回のテーマは「履修登録」。

ESCサポーターたちが、自分たちの履修経験から、

授業で押さえるべきポイントや試験勉強のコツなどについて、

さまざまなアドバイスを行いました。


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STUDYTEAの名の通り、お茶の時間にお菓子を食べながら、

なごやかな雰囲気で相談&科目についての学びができたようです。


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NGU生のみなさん、

今後もESCサポーターのイベントに、是非ご参加くださいね。

 

 

チョッパー子

桜が見ごろです

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NGU生のみなさん、春学期がはじまりましたね!

新入生の方は、ご入学おめでとうございます。

今年は桜の開花が遅く、4月に入ってからも楽しめていいですね♪

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白鳥キャンパスの隣には公園があり、ソメイヨシノを始め、数種類の桜が楽しめます。

この季節になると、老若男女のみならず、犬猫鳥に昆虫と春を喜ぶ生き物にあふれ、

絶好のお花見スポットとなっているのです!

 

さて、中でも人気の撮影スポットが、こちらの桜↓

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お気づきでしょうか?

地面スレスレまで桜の花が咲き乱れており、小さなお子さんやペットと一緒に

写真が撮れちゃうんです!

ハッキリした桃色をしているため、写真映えしますよ!

 

さて、この桜、良く見てみると、こんな生き物も。


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そう、みつばちです!


ソメイヨシノにはほとんどいないのに、この桜に多いのが不思議です。

ミツバチは比較的おとなしいハチのようで、多くの人や動物が近づいても

攻撃してくる様子はありませんでした。

(かくいう私も、かなりの至近距離で撮影しております・・・)

きっと、蜜を集めるのに一生懸命なのでしょうね。

 


ところで、名古屋学院大学(以下NGU)の屋上で養蜂を行っているのをご存知でしょうか?

NGUでは、「みつばちプロジェクト」として学生と教員で養蜂を行っています。

 

採取されたハチミツは、近隣のレストランで使用されています。

また、NGU生の運営するMile Post(日比野学舎1階)では、

このハチミツを使用したパンが販売されています。

他にも、NGUグッズの1つである「カステラスク」(丸善で販売中)にも、

ハチミツがついてきます。

カステラスク.jpg

季節によって色も味も違って、楽しめますよ。

 

 

 

話はもどりますが、桜について。

新しいお友達や、サークルメンバーとのお花見にもぴったり♪

みなさん、この美しい「始まりの春」を存分に楽しんでくださいね!


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チョッパー子


ESCサポーター 加入者、大募集中!!

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新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

ESCサポーターの一圓(いちえん)昌樹(商学部商学科4)です。

教育学習センター(ESC)では、ESCサポーターになっていただける、みなさんを大募集しています。

 

 

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ESCサポーターとは?】
私たち『ESCサポーター』は、希館1階にあるESCのサポーターとして、授業やテスト、履修登録など、大学での学習面で困ったことや解らないことなど、みなさんが抱いている不安や疑問を「みなさんと同じ視点」に立って、サポートすることを目的に活動しています。今年度からは、『ESCサポーター』が履修した科目についての「授業用レポート」を書くことに取り組む計画をしています。

 

【活動場所】

希館1階にあるESCと希館2階にある「スチューデントルーム13」という場所で活動しています。

 

注意点として、活動は不定期ですので、下記のメールアドレスまでお問い合わせ下さい。

 

【活動内容】
みなさんに「楽しく学んでもらう」ための、様々なイベントを企画しています。これまでに、『LEARNCH(ラーンチ)』というイベント を企画してきました。今年度からは、新たに『STUTEA(スタティー)』というイベントを開催していこうと考えています。  

みなさん、私たち『ESCサポーター』と一緒に、様々なことに「チャレンジ!」してみませんか?

 

1年生だけでなく、もちろん、2年生以上の学生も大募集しています

 

ESCサポーター』に興味のある方は、「ngu.esc2017@gmail.com」まで連絡をお願いします。


~チャレンジする「あなたの熱意」をキャッチします!~

お待ちしています((´∀`))!!((´∀`))!!((´∀`))!!((´∀`))!!((´∀`))!!((´∀`))!!

新イベント開催します!

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新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

ESCサポーターの一圓(いちえん)昌樹(商学部商学科4)です。

 

私たち、『ESCサポーター』は、46()15001630に、『STUTEA(スタティー)』というイベントを開催することに決定しました


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STUTEA』とは、「STUDY(勉強)」と「TEA(ティータイム)」を融合した、

学んで楽しめるイベントです。


ESCサポーター』と一緒にお菓子を食べながら、楽しく学びましょう!!

 

今回のテーマは「履修登録」です。1年生の皆さんはどの科目を履修するかどうかで悩んでいませんか?科目選択は皆さんに深く関わるテーマなので1年生以外の皆さんも是非、参加してみて下さい。

 

場所は、希館2階にある「スチューデントルーム1」という教室で開催します。

 

時間のある方や木曜日の4限に授業のない方は、是非、ご参加してみて下さい!!

お待ちしています(^_-)-

「生徒」から「学生」へ

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こんにちは。
教育学習センターです。


3月も終わりを迎え、新年度新学期がやってきますね。
もう間もなく、在学生は学年がひとつ上がり、本学は多くの新入生を迎えることになります。

そんなタイミングで、是非一度手に取っていただきたいのが、この本です!

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『大学生学びのハンドブック』3訂版

世界思想社編集部 編 世界思想社

 

NGU生のみなさん、「生徒」と「学生」の違いがわかりますか?

この本は、「スタディ・スキルズ」「パソコン・スキルズ」「大学生の基礎知識」の
3部で構成されており、レポートの書き方や資料の探し方、ゼミ発表の仕方など
高校生のころとは違った勉強の仕方から、
WordExcelPower Pointといったパソコンの使い方や大学でよく耳にする用語まで、
イラスト・図入りでわかりやすく書かれており、生徒⇒学生になるみなさんの「?」に広く応える内容となっています。


新入生はもちろん、メールの書き方やゼミ発表の仕方など、
在学生にも参考になることが盛りだくさんなので、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。

図書は貸し出しできます。
是非、教育学習センターに足を運んでみてくださいね。


チョッパー子

ご卒業おめでとうございます

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2017年3月21日、名古屋学院大学の卒業式が行われました。

あいにくのお天気となりましたが、今まさに巣立っていく学生たちが、

卒業の挨拶に、元気な姿を見せてくれました。


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みんな本当に素敵で、きらきらと輝いています!


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お見送りの後輩たちも顔を出してくれて、学生支援センター・教育学習センターは

多くの笑顔であふれていました。


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ここにはご紹介しきれていませんが、他にも多くの卒業生が、挨拶に来てくれました。


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卒業していくみなさんの顔を見ると、色々なことが思い出されます。

彼ら・彼女らが今後歩む道に、幸多いことを願ってやみません。


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ご卒業、本当におめでとうございます!!

 


チョッパー子・スタッフ希

【お知らせ】閉室日について

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こんにちは。

教育学習センターです。

 

 

プレイスメントテスト業務のため、

323日(木)24日(金)2日間、

教育学習センター・学生支援センターは

終日閉室とさせていただきます。

 

 

ご用の方にはご不便をおかけいたしますが、ご協力をお願いいたします。

 

 

 

 

【上記日程以外の春休み開室時間(開室日は、学年暦をご参照下さい)】   

 

          9:00~12:00、13:00~17:00

 

※12:00~13:00は昼休憩のため、一時閉室となります。

 

 

教育学習センター

★Bridge★No.33 野村 良和 先生

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学生と先生を繋ぐ連続企画★Bridge★、今回の先生は・・・


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スポーツ健康学部 野村 良和(のむら よしかず)先生です。

野村先生は、2017年3月現在、スポーツ健康学部の学部長をなさっており、「健康管理論」「こどもと健康」「こども研究教育論」「スポーツ中級Aテニス」「スポーツ実技(テニス、スキー)」など、健康やスポーツに関連する科目を担当・分担されています
それでは、先生の思いをご紹介します★


 どんな思いをもって、授業(ゼミ)に臨んでいらっしゃいますか? 


スポーツ健康学部は2学科ありますが、いずれの学科でも、スポーツや健康に関する知識をできるだけ多く得て、その知識を使って自分で考え、行動できるようになってほしいと思いながら授業を行っています。


最近は、学生もなかなか新聞やTVを見ないので、正しい情報が伝わりにくいのです。
Webで不確かな情報を得たり、友達から聞いたり、あまり客観的ではない"流行"のような情報に触れる事が多いです。スポーツや健康は、さまざまなメディアで取り挙げられる機会が特に多い。
健康でいえば、その時々でさまざまなブームが起こります。
スポーツでいえば、最近はオリンピックのことが色々取り挙げられています。でも、自分のやっているスポーツには興味があるけれども、他の競技のことは全然知らなかったり、関東圏が会場だからか、全般的にあまりオリンピックに興味がない学生も多い。
オリンピックは東京だけのものではなくて、日本全国の問題ですから、今後の日本を考える上でも大きな節目となる催しとして、学生にも正しい情報を得ると同時に自分なりの意見を持ってほしいと思います。


●流行の健康情報などを授業で扱うこともあるのですか?


例えば、私が担当する「健康管理論」の授業では、健康について基本的なことから実践的な内容まで扱っていますので、現代的な問題、あるいは、報道で取りざたされた情報などを積極的に取り挙げながら、できるだけ学生の興味に繋がるようにしています。


スポーツや健康といった分野は、一般に流布された情報を整理し、間違った情報は修正しながら取り入れていきますから、結果としてマスコミより早く授業で取り挙げるということはほとんどありません。健康情報はどんどん流れていってしまいますが、学生のみなさんには、新たな情報に出会った時に、それの良い所・悪い所、間違っている所などがちゃんとわかるように、そういう理解の仕方をしてほしいと思います。


なぜなら、全国的に、全世代で一番生活習慣が乱れているのが、だいたい大学生~30代くらいなんです。高校までは、家で親が朝食を用意してくれていたのが、一人暮らしをはじめて、朝ごはんは食べずに起きた瞬間動き出して・・・という生活が、独身時代30代くらいまで続く。家庭を持つようになれば家族との関係でこれが是正されていくのですけれど。NGU生に限らず、大学時代は、朝食を食べなかったり夜型の生活になったりと、食生活や睡眠など生活習慣が乱れがちで、一番よくない時期なんですね。ですから、大学時代にあまり生活が乱れず健康な生活が送れるように、授業内容にからめて色々話すようにしています。
社会全体の傾向ですので、授業や大学の指導ですぐに良くなるとは思いませんが、少なくともそれが良くないと気付いてほしいと思っています。


●基本に重点を置いて、プラスアルファの知識を得るために授業で実践していることは?


例えば、小学校では「早寝早起き朝ごはん」という標語で、昼型の生活にして朝ごはんをしっかり食べましょうという指導を行います。小さな子の場合は「先生が言うから」とか、「なんとなくそうしなくてはいけない」とか、"言って聞かせる"ところがありますが、大学生の場合は、「なぜそれが良いのか、それを止めたら悪いのか」・・・例えば、「睡眠は人間にとってどんな意義があるのか」「なぜ運動をしないといけないのか」など「なぜか」という理論的で科学的な根拠を示して理解してもらい、「言われるからやる」のではなく、自ら判断して行動できるようにしています。


また同時に、運動することによる、実体験としての感覚的な成果も必要だと思っています。
私は実技の授業も受け持っており、主にテニスを、あと集中講義でスキーも担当していますが、そういった授業の中で、できなかったものが「できた」という実体験をすることによって、運動に対する積極的な姿勢が維持できると思うんです。
高校までは、みんな結構運動をしています。大学に入っても、部活動をやっている学生はやり過ぎぐらいやっていますけれど(笑)
一方で、大学生になった途端、全く運動しなくなる人もいます。一旦運動習慣が途切れると、また始めるのは難しいので、なんとか運動をする感覚や、「できた」という実体験を、授業を通して体感させたいと考えています。


●先生ご自身は、どんなスポーツをなさっていますか?


テニスは昔からずっとやっていて、職場のサークルに参加したり、地元の大会に出たりしてきました。瀬戸キャンパスに勤務してからは、スポーツの授業も担当していますし、職員の方たちと週一回夕方にテニスをしています。1月初旬はとんでもなく寒かったですけれど、1時間半くらい楽しみました(笑)


●研究演習はどんな風に進めていらっしゃいますか?


仕組みは先述の授業と一緒ですが、大きく分けて、前半は関連する基本的なことを教えて自分の考えを作らせ、後半は、自分の興味関心のあることを掘り下げていきます。そこに、前半で得た知識をうまく使ってほしいと思っています。

自分で疑問を感じて、何かに取り組み解決することが得意でない学生も多いので、まずは何でも自分の関心のあることについて、問答形式で「なぜそれに関心があるのか?」を突き詰めていき、自分なりのテーマを見つけられるようにしています。


●以前、模擬遠足の授業を拝見しましたが、色々な先生が、1つの学部を全員で面倒見ている印象を受けましたが。


そうですね。こどもスポーツ教育学科ができたので、学部の雰囲気が大分変わりましたね。
幼稚園・小学校の教職過程を作ったので、非常勤の先生方も含めて国・数・社・理から音楽などの科目まで、全科目の色々なタイプの先生がいます。
また、以前も「人間健康学部」として、現在のリハビリテーション学部とスポーツ健康学部が1つの学部だったこともあって、福祉、心理なども含め、全然違う領域の先生が沢山いらっしゃるんです。
そんな学部をまとめるためには、皆が共通でできることを一緒にやろう、と考えました。


1年生の「基礎セミナー」を12クラスに分けて、教員2人で1クラスを担当しています。こどもスポーツ教育学科は2015年度新設で、新任の先生が多くて、いきなりゼミを担当するのが大変だったという事情もあって、従来から在籍していた先生と、こどもスポーツ教育学科の新任教員をペアにして12クラスに配当したんです。これが結構うまくいったので、今年も引き続きこの体制を続けてきました。今、学部の教員は26名在籍しています。原則は1人ずつで担当したほうがいいとは思うのですが、これを2人で担当すると、同じ時間帯にほとんどの学部教員が1年生を受け持つことになるんです。

同じ時間に全員が同じ方向を向いて授業を行うということは、学部としても良いチャンスだと思っているので、来年もこの体制でいけたらいいと思っています。

学生にとっても、何か不都合があって一方の先生に相談しにくい場合があっても、もう一人の先生に相談できるというメリットがありますし、今のところはうまくいっています。


学部教員の共通理解・協力体制をしっかり作りたいということで、学部教員で正月旅行を行っています。今年で3年目で、今までに下呂温泉や昼神温泉などに行きました。大勢の先生方が参加してくださいますよ。


●「これだけは学生に毎回伝えていること」は?


私は、「学校保健」という、子供たちの健康をどうやって維持増進させるかという領域の歴史研究が専門なんです。歴史研究の原点といいますか、歴史から学んで今後に活かすという、いわば"温故知新"といったことに興味があるので、学生には、「どんなことが起こって、どういう結果になったのか」ということをしっかり把握して、過去に学んで今に繋がる教訓を多く知り、今後同じことが起きないように役立てていくということを期待しています。


●今、「学生に伝えたいこと」は?


よく「ニュースの深堀り」と言いますが、表面に流れている情報の、一歩でも半歩でもいいから掘り下げる、その行動を自ら行う、ということをしてほしいですね。

人から答えを聞くのではなくて、自分で調べ、確認する。

解説してもらって理解することも大切ですが、自分で「なぜだろう?」と思って追究してみるということを、やってみてほしいです。


今年(2016年度入学)の1年生は、去年の夏に選挙で初めて有権者になったので、投票したかどうか、いろんな所で聞いてみたんです。
そうしたら、1年生は結構投票に行っているんですよ。
これは多分、「来年から選挙権が与えられるから」と高校で指導が行われていたり、社会で話題になっていたからだと思うのです。


ところが、この投票率が、2年生になるとガタッと落ちる。
全国でも傾向は同じで、投票率は18歳は高いが19歳は低いということが起きているんです。
せっかく18歳が関心を持っているなら、その関心を持ち続けてくれるといいと思うのですが。


これに付随して、厚生労働省がお酒と煙草の解禁年齢引き下げや、オリンピック関係で居酒屋を禁煙にする法案を作成しているので、このあたりの話題は身近なんじゃないかと思い、授業で取り挙げたり、ゼミで討論させたりしています。
ここでも、一歩踏み出して、自分から情報を掴む姿勢が欲しいですね。


●自分が欲しい情報に辿り着くために、指導していることがありますか?


3年生は、自分の興味関心のあることをネットで調べて学び、4年生になると卒論を書きます。ここでは、いわゆる一般の間違った情報も含めたプールではなく、研究情報に限って探してみるという取り組みをします。文献検索ですね。論文を検索します。ネット情報はあてにならなかったり、いつの間にか無くなっていたりしますから。


●学生のみなさんと接する時に大切にしていることは何ですか?


「学生を子ども扱いしない」ということです。

子どもなんですけれどね(笑)考えもいいかげんだったり、ちゃんと文章も書けなかったり。
それでも学生が大人なんだということを周りが認めてあげないと。そうしているうちに、学生も成長するのでしょう。
私自身、学生時代は変に子ども扱いされるのが嫌でした。自分が嫌だったことはしない。たまたま、私が育った環境では、それを認めてくれた方もいたので、必ず同じ社会人として対等だということを心掛けています。私も学生も同じ1票をもっている大人ですから。


色々な可能性があるのが学生時代です。
今のうちに幅広く色々な経験をして、社会に出た時に何とか太刀打ちできる力がつけばいいと思うんですよね。

授業だったら、1回授業をサボっても、テストを頑張れば挽回できて単位がとれたりするんですが、会社に勤める社会人だったらサボるというわけにいかないですからね。失敗してもまたやり直すということが学生のうちはできますから、今のうちに失敗を経験しておくといいと思います。



また、スキーは昔から色々なところでやってきたので、その中で得たことは学生に伝えたいと思っています。本学のスキー実習では、菅平高原スノーリゾート(長野県)や赤倉温泉スキー場(新潟県)に行きます。学部専門科目のスキー実習は、今年もバス3台で90人以上が参加します。スキーが全くできない学生も結構います。それを10人の先生で面倒見るんです。


授業で行くので缶詰状態なわけですが、今はスキーだけの為に山に行く人は少ないので、逆にできるだけこういう経験をさせたほうがいいと思っています。

「できないことができるようになる」、そういうきっかけを、スキーを通して伝えたいですね。



■ 先生のお薦め本 


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『オリンピックの身代金』 奥田 英朗  角川書店



先生は、推薦理由として、こんなお話をして下さいました。


「この本は、東京オリンピックを舞台にした小説で、随分前に友人に進められて読みました。ちょうどその頃、私は小説の舞台となった地のすぐ側に住んでいたので、当時の原風景が浮かんでくるような感覚で読んでいました。


この作品が、3年前にフジテレビでドラマ化されたので、学生にも「観ろ」と宣伝しました(笑)


なぜ薦めるかというと、この作品は、1964年オリンピック当時の警察資料などを参考に、経済的に発展し始める日本で、発展の裏側にある東京と地方の経済格差・健康格差が描かれていて、それが今度の2020年東京オリンピックとよく似た構図・流れになっていると思うからです。


これを読むと、今まさに2020年オリンピックで問題視されていることと全く同じようなことが過去に起こっており、繰り返されているのだとわかるんです。


主人公は、秋田出身で、東京の繁栄と地方の衰退の格差に矛盾を感じてテロリストになります。この物語の様にテロとまでは行かなくとも、東北の方でオリンピックに反対されている方々はいますよね。「東北を見捨てて東京に何兆円と投じてオリンピックを行うのか!」と。


震災のあった当時は、私も関東に住んでいましたので、家が被害にあったり、勤め先で倒壊した部分があって、復旧に何年かかかりました。


名古屋に来てみると、あれほど大きな地震があったことがウソのようですけれど・・・。逆に関東にいると、阪神・淡路大震災の実感があまり無いんですよね。ちょっと距離が離れると、実感が無い。ですが、今でも福島以北へいくと、震災当時のままという場所がまだ随分あるんです。


また、今、いじめも問題になっていますが、どこへ行っても新しい共同体内で差別化・序列化があるし、てんでばらばらに逃げて、住み慣れた故郷に戻りたくとも戻れない人が沢山いる。そんな中で、ウソをついて何兆円ものお金を動かしている人がいる。その格差というか、社会の抱える問題は、1964年のオリンピックの頃と全く変わらない。


過去に学べば、同じ轍を踏まなくて済むはずなのに、残念ながら全く同じことが繰り返されている。


ドラマの放送があった後、主人公役の竹野内豊さんの特集記事があって、その中で彼は『このドラマで演じてみて、考えさせられた』と仰っていましたね。ちょっと長いですか、じっくり読むと深みのある話です。」


本書(『オリンピックの身代金』)は名古屋学院大学の図書館にも所蔵されていますので、興味を持った方は、是非手に取って見て下さいね!


 今日の一枚 


今日の1枚は、 " 先生の宝もの " です!



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スキー指導者であるハンネス・シュナイダー氏の1930年来日が、日本でスキーが普及する発端となりました。


スキーがお好きな野村先生にとっては、2つとない宝物ですね!


名古屋学院大学がスキー実習でお世話になる菅平高原スノーリゾートは、氏の雪上セミナーの開催地の一つでした。今でも、「シュナイダーゲレンデ」「ハンネスコース」など、その名に当時の記憶が残り、記念碑も設置されています。NGU生も実習中に立ち寄るのだとか。





野村先生は、2016年オリンピック招致活動の際に、前任校で尽力された方でもあります。ここでは割愛しましたが、実はオリンピックの裏話などもお話しくださいました。オリンピックやスキー、テニス、学校保健に興味のある人は、是非研究室の扉をたたいてみて下さい。きっと面白いお話が聞けますよ!


次回の★Bridge★も、お楽しみに!


チョッパー子

Photos

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