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2012年5月アーカイブ

3人の登場人物

 5月19日(土),クラインホールで「ベースボールの魅力」と題した公開講演会を催しました。今回の講演会は2部構成で,登壇人物は3人。

 一人目はメインスピーカーの大島康徳(おおしまやすのり)さん。元プロ野球選手,そして監督。現在は,NHKなどで野球解説者をされています。現役時代には中日ドラゴンズ・日本ハムファイターズ両球団で主軸として活躍され,通算安打数は2,204を数え,日本プロ野球名球会の会員です。

 二人目は,犬飼俊久(いぬかいとしひさ)さん。元東海ラジオ放送アナウンサーで,プロ野球中継に関してはプロ中のプロ。現在は,コラムニストとして中日ドラゴンズ関係の記事を執筆されています。講演会の第一部では,聞き手役として登場いただき,大島さんからとっておきの話を引き出す役を担っていただきました。

 三人目は,本学スポーツ健康学部の齋藤健治(さいとうけんじ)先生。齋藤先生が専門とする研究分野は,身体運動のバイオメカニクスです。高校時代は,愛媛県代表の甲子園球児。大学でも野球を続け,現在は本学野球部の部長です。齋藤先生には,講演会第二部で「速いボールを投げる方法」,「バットでボールをより遠くへ飛ばす方法」を科学的・理論的に説明して頂きました。その折,大島さんには,齋藤理論に対する,実践者の立場で実技やコメントをお願いしました。

 

大島さんの人柄と会場

 大島さんは,実に多弁でユーモアあふれるエンターテイナーでした。私を含め大学スタッフ数名は,打ち合わせを兼ねて,講演会が始まる1時間前から大島さんとお話しさせて頂きました。その時間中,彼を中心に笑いの渦でした。もちろん,本番の講演会でもそうでした。

 とにかく大島さんはサービス精神が旺盛で,一人一人の聴衆の顔を覗き込むようにしてお話しします。飾り気ない,ざっくばらんな口調で,ご自身や有名大打者の失敗談,野球選手たちの秘話を語ってくれるのです。会場は何度となく,ドッと笑いが起き,ヤンヤの拍手で沸きました。

齋藤先生を交えて「運動の理論と実践」が話題になると,大島さんはジャケットを脱ぎ,Yシャツ姿で実際にバットを振って実技のデモンストレーション。ブンブンと振り回すというわけには行きませんでしたが,「こうして」,「ああして」,「こうなって」と視覚に訴えるパフォーマンスでした。

 会場は,往年の中日ファンで埋め尽くされました。中には,野球少年と思しき小学生の姿もありましたが,圧倒的に多いのは中高年層。講演後に出されたフロアからの質問や意見も,「語り継がれる野球名場面」を材料にした質問や,プロ野球そのものに対する評論。いわゆる「ドラキチ」が一杯,というところでしょうか。

 

大島さんのメッセージ

 さて,大島さんは何を語ったか? 印象に残った幾つかのメッセージをあげておきたいと思います。

 ○自分の人生は,風に委ねるように,自然任せでここまで来てしまった。

 ○常に「負けてたまるか!」で生きてきた。それは,身近なライバルにも自分にも。

 ○勝者になるには,頭(理論)とハート(熱意)が大切だ。

 ○理論が教える理想的な身体の動きが判ったとしても,身体は直ぐにその通りには動かない。無意識にその動きができるようになるくらい,練習しなくてはならない。

 ○基礎体力のある人間(外人)とそうでない人間(日本人)とでは,理想的な身体の動きが異なるだろう。

 ○「天才イチロー」は努力人間の代表だ。だから,普通の人がイチローと同じくらいの努力では「イチロー」に勝てない。

 ○誰もが「天才イチロー」には成れないが,「イチロー」に近づくことはできる。だから努力しよう。

 

 明日から,BS放送のMLB ( Major League Baseball ) 観戦が一段と楽しめそうです。周りからは「しゃべり過ぎ」だと言われても,きっと大島さんは,多弁の解説を止めないだろうな。

GW明けのCCS


5月連休明けに,装いを新たにしたCCS (Campus Communication Service)が本格稼働を始めました。学生諸君や教職員の皆さんは,連休明けにCCSを立ち上げた途端,そこに広がるポップで明るい色調と見やすいレイアウトの画面に,「オオッ」と感嘆の声を上げたに違いありません。新しい機能も追加され,一段と便利で使い易いものになりました。

CCSが初めて導入されたのは2002年。それから10年ぶりの改訂です。バージョンアップは,3年間にまたがる大プロジェクトです。また,この機に,CCSのSはSystemから Serviceへと名前を変えました。従来以上に高品質なサービスをユーザーに提供しよう,という担当者たちの心意気が,こういう語彙の変更に表れているのでしょう。

システム移行という大作業に携わった皆さんには,心からお礼申し上げます。5月のゴールデンウィークは休日返上,不眠不休でその作業を行っていただきました。改訂版のCCSが稼働を始めた1週間は,おそらく,何かエラーが発生するのではないかとヒヤヒヤされていたのではないかと思います。大きなトラブルも無く,無事に軟着陸したようで,ホッとされていることでしょう。

 

優れモノのCCS

いうまでもなく,CCSは,学生・教員・職員の3者を結ぶ学習支援そして事務支援のための学内情報LANシステムです。インターネットを介しても利用できますから,事実上,いつでもどこでも,利用可能というわけです。

このCCS。なかなかの優れモノであることを,皆さん,ご存じでしたか?日常的にこのシステムを利用している学内の教職員には「何を今さら」と言われそうですし,在学生たちも,入学時から当たり前のように使っているから,その「優れモノ」具合は感じてないかもしれません。しかし,CCSが無い状態を想定してみれば,その優れモノの理由が自ずと理解されるでしょう。

 学生の皆さんは,4月の履修登録(授業科目の選択)はCCSを通じて行いましたよね。インターネットを介して,自宅に居ながらにして履修登録をする学生が,年々増えてきています(そのため,今年の登録時には,学外からの接続がドッと増えて,一時期,外部からの接続ができないといった事態もありました)。また,自分自身が,いつ・どこで授業を受けるのかといった授業予定やイベントなどの学内行事の予定も,画面から一目瞭然です。

急な休講や補講さらには教室変更の情報については,CCSのみならず携帯メールでも配信されています。「大学に行って掲示板を見て,初めて今日の休講を知らされる」といった事態は,私の学生時代には日常的なことでしたが,本学ではとうの昔のことです。

また,悩み相談窓口,成績や就職活動,留学経験など,自分がどんな大学生活を送ってきたのか,その履歴もCCSから一覧できます。

 加えて,対面授業を補完する教育支援機能も秀逸です。授業で使う教材の受取り,レポート課題の提出,授業の内容に関する質問,学生同士での意見交換,授業の終わりの小テストと採点結果の確認など。これらは,学生にとっても教員にとっても便利な機能です。

それらから「自学自習」です。「自学自習」は,択一式の問題とその正解および解説で構成されています。これは,パソコンや携帯電話の上で,繰り返し学習するバーチャル自習室です。経済学部が2度にわたり文部科学省のGP(Good Practice,優良事例,Golden Prize?)を獲得したプロジェクトは,いずれもCCSの「自学自習」機能を活用したものです。また,リハビリテーション学部の学生たち向けに,国家試験の過去問題がアップされています。それ以外の学部でも,多くの先生方が多種多様な問題を作成してくれました。「自学自習」の問題数は,な~んと,31,800題も用意されているのです。学生の皆さん,知識の定着のために,是非とも「自学自習」機能をご利用ください。

さらにCCSには「キャリアデザイン・カルテ(CDK)」と呼ばれる機能があります。これは,学生の自分発見につながるようなキャリア形成支援に関連したものです。「キャリアデザイン」の授業や「NGU自分発見ノート」の作成を通じて,学生とクラスアドバイザーで記入してゆくこのカルテは,学生・教員・職員で共有され,学生支援の資料として活用されています。

 

外部評価の高いCCS

 こうしたCCSが持つ様々な機能を紹介すると,学外関係者からは驚嘆の声があがります。

「そんなパワフルなシステムを持っているのですか?」

「システムを構築するのに相当なお金がかかったでしょうね?」

「今度,見学させてください」

「売ってくれませんか?」,「おいくらですか?」。

数年前まで,学外からCCSに関するヒアリングや視察の調査団がひっきりなしに来ていました。今ではその数は減りましたが,その理由は,ここ数年の間に,本学のCCSを参考に他大学でも様々な機能を備えた学内LANが導入されてきたからだと思います。

本学のCCSが高い評価を得るのは,既に紹介した多くの機能の他に,もう一つ大きな理由があります。それは,利用実績です。昨年1年間のCCSのログオン回数は110万回でした。学生数を5千人と置くと,1人あたり年間220回CCSを立ち上げたことになります。これは,全ての学生が,学期中にほぼ毎日1回はCCSを見ている数です。CCSが,いかに学生・教職員に定着しているかという証左でしょう。

学生の皆さんは,是非,他大学に通う友達に本学のCCSのことを紹介してあげてください。きっと「名古屋学院大学のCCSはすごい」と改めて感心されると思います。


このシステムを支えている学術情報センターの皆さんに感謝。これからもどうぞよろしくお願いします。