6月18日に,父母会の総会がありました。私立大学にとって,学生のご父母は学納金を負担してくれる直接のスポンサーです。大切にしなくてはなりません。当日は朝から雨であったためか,参加者の数は事前の申込者数を下回り,120名程度でした。
昨年は,父母会総会が「荒れた株主総会のようになった」という反省から,今年は事前準備に余念がありません。父母会役員の方々は議事運営の仕方を念入りにチェックし,大学の事務方も課長職以上の管理職を全員招集・待機させ,ご父母の関心が高い「本学の学生支援について」は学長が講演する,という段取りです。
その当日です。総会は午前10時半にスタート。前年度の報告,今年度の事業・予算計画,新役員の選出,そして学長講演と続き,12時に終了しました。フロアから出された意見は至極妥当なものばかりで,今年の総会は極めてスムーズに終了しました。役員の方々も大学の役職者もホッと胸をなでおろした次第です。
その後,参加されたご父母は,曙館2階の食堂で教職員とともに昼食・懇談時間を持ち,午後2時をめどに流れ解散となりました。
後日,参加者が記述したアンケート結果を見ると,全体としては「良かった」という評価が7割近くで,まずますの好評を得たように思います。ただし,①さらに教員との懇談を希望する,②自主性を促す教育が必要,③事業・予算計画についてさらに詳細な説明が必要,といった要望もありました。
私自身は,「名古屋学院大学の学生支援について」というテーマで45分間の講演を行った後,昼食・懇談時間には,経済学部政策学科の1年生の御子息を持つご両親とお話しする機会を得ました。このお二人からは,本学がCCS上に展開している自学自習プログラムについて,強く背中を押してもらったように思います。
経済学部では「コア6」と称して,1~2年生を対象に,毎月1つのテーマを掲げ,それに則した60個の5択問題を解かせています。PC上で行うケーススタディです。「息子がゲーム感覚で問題を解いている」,「ランキングが親子の会話のネタになることがある」,「時代にあった教育手法の開発に感心している」など,望外のお褒めの言葉も頂戴しました。全ての学生がこのような状況であるとはとても思えませんし,おそらくこうした学生は稀でしょう。しかし,効果的な教材になるはずだという信念の下,苦心惨澹しながらこのプログラムや教材を開発してきた当事者の一人である私自身には,能動的に問題を解いている学生やその姿に微笑むご両親の存在を知って,アドレナリンが湧きあがってくるのを感じました。
父母会総会とその後の懇談会のように,在学生のご父母から直接意見を伺う機会は,大学運営に携わる者にとって,クライアントを知り,マーケットを知る情報収集の場とも言えます。夏季休暇中には,大学主催の「父母懇談会」が本部会場・地方会場と合わせて5回ほど予定されています。その折には,さらに多くの教職員がその会合に参加し,ご父母との懇談や個人相談の時間を持つことになります。