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2017年10月19日

中期留学報告(パシフィック大学 井上 駿)

パシフィック大学
 
 私は、2016年の8月中旬から約4か月間、アメリカに中期留学をしていました。パシフィック大学は、アメリカの西海岸に位置するオレゴン州フォレストグローブにあります。フォレストグローブは、小さな町でのんびりしています。小洒落たお店が何軒か連なっており、一つ一つが私や周りの学生にとって大きな存在でした。私のお気に入りの店は、ピッツァスミッツァというピザ屋さんで、パシフィック大学の生徒には値引きをしてくれます。こういったお店は大学付近のお店には多く、学生にとっては住みやすい町でした。一番衝撃だったのが、映画館です。映画のチケットが学生割引で2ドルだったので、一時期映画館に行くことにハマっていました。 
 
 さて、この留学を通して私は、行って良かったと感じる機会が本当に多くありました。英語を学びにパシフィック大学に行きましたが、英語の習得以上に価値のある経験と知識を得て、考え方が変わり視野も広がりました。留学をしている間、毎日が刺激的で新しいことの発見の連続でした。なので、今回はこれらのことについて書いていきます。 

 幼いころに一度海外には行ったことがありますが、私の記憶にはそこの景色の記憶が少しあるだけで、今ではほとんど覚えておらず、海外はほとんど初めてのようなものだったので、今回アメリカに行けるという楽しみや期待が大きかった分、不安も多くありました。実際に、国際便の飛行機の乗り方もろくに分からなかった私は、周りの人に助けられることによって、無事にアメリカに着くことができました。 
 
 いざアメリカに着いてみると、やはり英語を主流に全員がコミュニケーションを取っており、焦ったのを覚えています。現地の大学生や飲食店の店員に話しかけられても、まず聞き取ることに精一杯で苦戦しました。聞き取れても頭がいっぱいいっぱいで、思うように話すことができず、本当に会話が成り立ちませんでした。言葉がうまく伝わらないことが、こんなにもストレスになり悩みになるとは思いませんでした。 

 そんな日々が続き、どうしようと思っていた時に、ある程度耳が英語に慣れていることに気づきました。ある程度聞き取ることができれば、何を話しているのか大体理解できるので考えることに余裕ができ、会話を返すことができるようになりました。そのおかげで、ご飯やスポーツなどにも誘うことができるようになり、現地の人たちとも仲良くなっていきました。様々な国の人たちが集まるアメリカで、人種に関係なく英語という言語でみんなとコミュニケーションが取れるのは、本当に素晴らしいことだと思いましたし、これからも継続して、英語に触れていきたいと思いました。それと同時に、他の言語や国にも興味を持つようになりました。私はそれまで、日本の価値観の中でしか物事を考えられていなかったので、視野が広くなったことが本当に良かったです。 

 高校生の頃までは、英語が本気で嫌いで学ぶ意図が分からず、英語の勉強をしていませんでした。でも、大学に入るにあたって、進路を決めるときに外国人とコミュニケーションが取りたいと思うようになり、それなら英語を学んでみようと思い、今の大学に入りました。そのきっかけは、当時やっていたバンドです。よくライブハウスでライブをしていたので、他のバンドの人たちとのつながりが多くありました。その中に外国人のバンドもいて、時々一緒にライブをしていました。もともとアメリカやイギリスの音楽に興味は持っていたので、いろんな話を聞きたかったのですが、英語で話すことができず終わりました。その時は何とも思っていなかったのですが、なぜかそこから更に世界のバンドにも興味を持つようになり聞くようになりました。そうなると、歌詞は日本語ではなく英語だったので、自分でも知らない間に英語に興味が向くようになりました。留学に行って帰ってきた今、あのとき英語を学ぶ道に進んで良かったなと思います。留学中、様々な音楽に触れることができたので良かったですし、ギターを中学生の時からやっていたので、パシフィック大学の授業で先生とギターでセッションをすることもでき、先生の普段とは違った面も見ることができて面白かったです。あとは何といっても、違う授業の先生のタトゥーが最高にかっこよかったです。 授業内容は、宿題やプレゼンの発表などが多くあり大変でしたが、どの授業も先生とクラスの雰囲気が良く、学んでいて楽しかったです。 

 授業面以外でも学ぶことは多く、ただ単に外国人の友達と話していても勉強になるし、英語でのコミュニケーションに慣れることにもつながっていきました。特にジャパンクラブというクラブのおかげで、友達の輪も広がっていきました。ジャパンクラブはその名の通り、日本の文化について共有するクラブで、ここに参加する外国人は日本に興味があって来ているのですごい話しやすく、相手からも話しかけてきてくれます。週一回あるので私も参加し、日本の文化について教えていました。一番印象に残っているのが、かるたをやったときのことです。私が日本語で読み札を読みあげると、外国人が聞き取ってちゃんと札をとっていくのが驚きで、アメリカなのに日本語を学んでいる人たちもいることに衝撃を受けました。日本人の私が英語を学んでいるように、日本語を学んでいるアメリカ人もいてくれたので、一緒に話したりしてお互いに教え合えたりでき、その点でもジャパンクラブは良いクラブでした。

 その他の良かったことは、いろいろな場所に行けたことです。最初にオレゴン州で栄えているポートランドに行きました。オレゴン州は税がないのですごく住みやすい街で、尚且つおしゃれな町でした。ポートランドは何回か行きましたが、全体を回りきることなく結局帰ってきました。もう一度行ってみたい場所です。そして、そこで初めてNBAの試合を見ました。本場のバスケットボールの試合を見ることができて、すごく嬉しかったです。また、マンザニータビーチという、地元では有名なビーチに9月頃行きました。午前中は天候が曇っていましたが、午後は晴れてビーチを堪能することができました。また、12月頃にマウントフットという、オレゴン州の富士山と言われている山にも行きました。その日は晴れていて、マウントフットを横目に山登りしました。西海岸に位置するオレゴン州ですが、この時期は凄く寒かったです。
 
 Fall AとFall Bの間の休みでは、ニューヨークに行きました。観光するところが多くあり、テレビや雑誌で見た世界がありました。実際に行ってみると、人の数がすごく活気があり、世界の中心という言葉がぴったりでした。10月頃は、土日を使ってオレゴン州の上の州であるワシントン州のシアトルに行きました。私が好きなギタリストたちがここの出身なので、行けて良かったです。ガムウォールという変わった壁や大きい魚の市場などの観光もでき、楽しかったです。また、ロサンゼルスを訪れる機会もあり、本当に楽しかったです。

 アメリカの中で、私が何回でも行きたい州がカリフォルニア州です。私的にはディズニーランドやユニーバーサルも楽しかったですが、西海岸の文化が一番好きでした。ビーチがあり、スケートボードやサーフィンなどといったストリートの文化が根強く、退屈しない場所だと思います。絶対にまた来たいと思いました。更に気温も暖かく、12月でも半袖で過ごせました。それと、ハリウッドも凄く良かったです。ハリウッドの中心街は、ニューヨークのタイムズスクエアの雰囲気に似ていた印象があります。西海岸の州全部に行きましたが、気温も文化も全然違い、それだけアメリカは大きな国だと思いました。まだ、アメリカ全体のほんのちょっとしか行って見てないので、またアメリカに行きたいです。アメリカは膨大な土地で、その土地ごとに文化が発達しており、とても楽しい国でした。

 ロサンゼルスを訪れた後に約3週間、カナダのトロントの友達のホームステイ先にお世話になりに行きました。3週間は思ったよりも長く、トロント市街やモントリオール、ナイアガラの滝などにも行くことができました。トロントは気温がマイナスだったので、本当に寒かったです。人生で初めてアイススケートもしました。カナダにも行くことができて、本当に良かったです。 

 旅行以外ですと、ハロウィンのイベントやクリスマスなどといったイベントや、パーティーも楽しかったですし、大統領選に立ち会えたことも良い経験になりました。今回初めて留学に行ってみて、数知れない多くの新しい経験を得ることができたことが、私にとっての本当に価値のあるものになったのだと思いました。


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