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韓国の協定大学訪問記(その3)  釜山から江陵(カンヌン)へ

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9月7日(水)晴れ

<二等辺三角形の二つの辺を行く行程>

 朝7時に起きる。7:30からNHKの国際放送で朝の連続テレビ小説「おひさま」を見る(前作「ゲゲゲの女房」に引き続き,井上真央主演のこの番組を見るのがボクの日課です)。釜山は日本に近いこともあって,NHKのテレビ番組をほぼリアルタイムで見ることができる。便利な時代だ。

 9時にロッテホテルをチェックアウトし,タクシーを拾って釜山駅に向かう。約20分で釜山駅に到着。今日は大移動の日だ。

 釜山から鉄道でソウルに移動し,ソウルから江陵(カンヌン)までは車を使う。地図を広げれば,釜山は朝鮮半島の下(南)に位置し,ソウルは半島の左側(西側)。そして江陵(カンヌン)は半島の右側(東側)で,ソウルからほぼ真東にある。だから,今日の移動工程は,逆さにした二等辺三角形(▽)の下の頂点(釜山)から,斜め左(西北)方向に鉄道で上がり(ソウル),その後,底辺を水平方向に右(東)に向かうというものだ。

 なぜ,逆二等辺三角形(▽)の右側の辺のコースを辿らないか?そのコースは,時間と心に余裕のある旅人のものだからだ。確かに,朝鮮半島の東側の海岸線を辿るコースは,各所に風光明媚な観光スポットが点在していて,ドライブにはもってこいらしい。しかし交通手段としては車しかなく,釜山から江陵まで,ただ走るだけでも7~8時間かかると言う。そのため,この観光コースは却下となった。

 

<KTXに乗って>

 釜山10:00発のKTXに乗る。KTXは,韓国が自慢する新幹線である。車内は冷房が利きすぎて,少し寒いくらいであったが,車で移動するよりも圧倒的に快適だ。

 ソウルまでの所要時間は2時間半。ちょうど,東京―大阪の移動距離である。釜山―ソウル間のKTXは,朝鮮半島を縦断するようなコースを辿る。だから,車窓に映る景色の多くはトンネルの中。時折,山裾に広がる段々畑が見える。「車窓の景色は,東海道新幹線の方が勝っているな」と感じるのは,東海道に住まう日本人だからだろうか。

 東海道新幹線では,大都会に林立するビルの間を抜け,海が見え富士山が見えて大きな川に架けた鉄橋を渡る。農村地帯に広がる田んぼや畑の姿もあるし,郊外型工場が忽然と現れたりもする。景色は目まぐるしく変化するように思う。

 

 KTXは,予定時刻通り12:31にソウル駅に着いた。駅の構内あるレストランで昼食を採る。ここから,江稜(カンクン)までさらに車で3時間の移動が待っていると思うと,心の準備が必要だ。腹ごしらえと共に,固まった筋肉を少しほぐしておかねば,と思う。

 昼食に小一時間をかけ,タクシーを拾って,いざ江稜(カンクン)へ。お腹が膨れた後だということもあって,3時間半の車の移動は,覚悟するほどのこともなかった。というのは,移動の大半の時間を不足がちな睡眠に充てることができたからだ。

 

<江陵の現代ホテルにて>

 さて,夕方5時過ぎにタクシーは「江陵鏡浦 現代ホテル」に到着。やれやれ,やっと着いたか,と思っていたら,姜先生が「江陵大学の人たちがホテル前で出迎えている」と声をあげた。

 いるわ,いるわ。なんとここでも4人の出迎え者。今日は移動日と,ジーンズにポロシャツ姿の小生は,「こりぁ参った」。最初に挨拶を交わした国際関係教育センター長の吉又暻先生は,8月にこの職に就任したばかりだという。

 今回もまた,荷物を解く余裕もないまま,着替えをして(ネクタイを付けて),ホテルのレストランで晩餐会となった。参加者は,江陵大学側が朴熙宗 総長(専門は経済学)をはじめ10人。料理は,韓流フレンチ(ありがたい)。

 食事の前には,しっかり公式セレモニーが準備されていて,朴総長の挨拶,伊藤理事長の返礼,そして小生にも挨拶の機会を与えられた。食事中の会話は,朴総長が流暢な英語を操るため,英語とハングル語と日本語とがごちゃまぜ状態であった。それでも,姜先生は通訳に忙しくて,美味なるご馳走を楽しむ余裕は無い。

 夜8時半に,晩餐会は閉じられた。

 アルコールと料理で満腹になった我々3人は,腹ごなしに夜の散歩に出かける。

 「江陵鏡浦 現代ホテル」は,海水浴で有名な鏡浦海岸に立地するリゾートホテルである。9月初旬,既に韓国では,大学を含めほぼ全ての学校で秋学期が始まっている。そのため,この時期にこのリゾートホテルに宿泊している客は,我々3人を加えても10人と満たない。ホテルの庭先から建物を見上げると,窓に明かりが点いた部屋は数えるほどしかない。

 散歩に出た海岸通りには,歩き勝手が良いように,砂浜の上に木材で組んだ長い遊歩道が続いていた。この遊歩道を辿って,ホテルから海岸管理センターまで往復する。所要時間は約1時間。こりゃぁ,デートコースに持ってこい,である。若者たちが羨ましい。

 海岸を照らす照明塔は,地面に垂直(90度)ではなく,80度ほどに傾斜していた。伊藤理事長はその姿にいたく感心する。「こういう照明は日本には無いなぁ~」と。

 砂浜の前に広がる海の向こうには,日本がある。

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