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2017年10月 5日

中期留学報告(センテニアル大学 大谷 真央)

留学で体験したこと

私が留学先に選んだ大学は、トロントのダウンタウンから少し外れた郊外にある、センテニアル大学でした。カナダにある大学で、その中でも寮で生活ができるという条件で選んだこの大学は最近提携が始まったばかりだったようで、私を入れても名古屋学院大学からの留学者は3人しかいませんでした。そのため、情報が少なく、昨年度に行った先輩に連絡を取って相談をしたり、手続きの仕方や学校の雰囲気を教えてもらったりしながら、留学準備が始まりました。入学書類の提出や学費の振り込みは割とすんなりと終わり安心していたころ、寮の手続きの際に、今年から寮が新しくなったことで半年の留学者は寮に住めないと大学先の担当者に言われて、何とかならないか掛け合ってもらうことになりました。担当者から一週間後にまた返事すると言われ待ちました。しかし、1ヶ月経っても全く返信が来ないことに焦り、自分から問い合わせると、まだ会議中だと言われ、ついには解決できないかもしれないとホームステイを勧められました。私はどうしても寮で自分の力で生活し、生徒と交流を持ちたくて寮がある大学を選んだので諦めきれず、寮の担当者に直接メールを送ることにしました。その後許可が出て入寮手続きは完了し、無事に寮で生活することができるようになりましたが、まさか現地に行くまでの段階で躓くなんて思ってもいなかったので、正直心配でなりませんでした。直前まで荷造りが進まず、手続きがバタバタして本当に行けるのか心配だったけれど、時間が経つのは早いものであっという間に出国の日になりました。

日本を出てカナダに到着するも、今度はピックアップが来ない、自分が見逃したのかとターミナルをぐるぐる回るも見つかりませんでした。どうしようとまたここで焦りながらとりあえず待ってみようと思い、沢山ピックアップの札を持つ人たちがいるところに行き待ちました。途方に暮れながら大学に電話してみたけれど、誰も電話に出ないので必死に担当者の連絡先に電話をして、やっとのことで連絡が取れました。ピックアップがその場にいるか確認を取ってもらおうと相談したら、オフィスの担当者がもう帰宅しているとのことで確認が取れないため、取りあえずタクシーで大学まで来るように言われなんとか到着しました。

この2つの出来事で、授業が始まる前から不安ばかりが募っていましたが、周りの環境に恵まれ、学校生活はとても楽しかったです。大学には日本人がほとんど居なかったため日本語を使うこともなく、他の大学に比べて環境はとても良かったです。しかし、カナダがマルチカルチャーな国で色々な人種の人を町中で見かける中、クラスメイトや寮の生徒はインディアン系とアジア系が多く、周りから聞こえてくる英語は訛りがあり、ここがどこの国だか分からなくなる時もありました。アジア系が多かったため、食事や性質などの感覚はとても似ていて、居心地はとても良かったです。ルームメイトのベトナム人のJunはカナダに到着した初日の夜、自分も昨日来たばっかりなのに、私に気を遣って夕飯を作ってくれたり、まだ身の回りが整っていないだろうと必要なものを貸してくれたり、空港にて一人で待っていて心細く疲れていたことから、彼女の優しさが本当に身に沁みました。もう一人のルームメイトXiaoは年上の中国人で、落ち着いていて頼れる姉のような存在でした。以前、友人から中国人がルームメイトだったときの話を聞いていたために、彼女に対してすごく不安があったのですが、考え方や好きなことも似ていて、とても仲良くなれたので、偏見や外から聞いた情報に左右されてはいけない、自分で実際に会ってどうだったかで判断することが大事だと思いました。そして、二人ともとても優しく、会話をしていて分からなかったり聞き取れなかったりしても、きちんとコミュニケーションをとってくれたので、自分の英語力とコミュニケーション力の両方の向上にもなったと思います。特に毎日一緒にいることや出かけることはなかったけれど、たまたまみんな同じ月に誕生日だったことで、他にも仲の良い友人を誘って一緒に外食を食べにダウンタウンまで行き、誕生日を祝いました。今まで部屋で一緒に食事を共にすることはありましたが、いつも外に遊びにで出かけているJunと、外出があまり好きでないXiaoと、みんなで揃って食事に出かけることは私にとってとても楽しく、いつもと違ったわくわく感でいっぱいで、とても素敵な誕生日会になりました。

ルームメイトと仲は良かったと思うのですが、一回だけどうしても理解できないと、Junと言い合いになってしまった出来事がありました。Junは体調が悪いと言い、学校を休んでいたので夕飯を変わりに作っていたのですが、突然彼女の友人が部屋を訪ねて来てソファでずっと話し込んでいました。夕飯の準備ができ、友人がいつ帰るのかとJunに聞くと、夕飯に招待していると言われました。夕飯を作っていた私としては、人数分しか作ってないし、もし招待しているのなら教えてほしかったことと、自分が風邪を引いているのになぜ友人を夕食に招待したかが理解できず、なぜそんなことをするのか、もっと自分の体を大事にして体調を戻すようにするべきだと責めてしまいました。とりあえず、夕飯を取った後に彼女と話し合いをし、解決はしました。ベトナム人は、風邪や体調が悪いときは、自分ではできないから友人に頼って、頼られた友人はその人を助けてあげる文化があるそうです。日本の場合は、風邪を引いたら友人にはうつさないよう会わないことが多いと思います。お互いの文化と価値観の違いを知らなかったために、理解できないとぶつかってしまいましたが、この事がきっかけで何でもお互いに言い合え、気まずくなることもなく、その後からの生活がしやすくなりました。今でもインターネットを通して、近況の報告などの連絡を取っており、貴重な友人を作ることができたと思います。

留学で初めて親の元を離れ、何事も自分で解決し進めていかなければいけばいけないこと、そして自分のことは自分でしっかり管理していくことの大変さを、とても感じました。自分で毎日食事や洗濯、掃除など全部身の回りのことをこなさなければいけないのは初めてで、一人で生活してみて、普段は親がいるからと言って甘えていた自分がよく分かると同時に、当たり前のように世話をしてくれていた親の有難みを改めて感じました。留学してみて、勉強面だけの成長だけでなく、日本で今までのように生活していたら経験できなかったような体験や気づきが増え、4ヶ月という短い時間だったけれど、とても貴重な留学期間だったと思います。

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