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2017年10月13日

長期留学報告(ノースセントラル大学 伊藤 紗里那)

私にとっての留学経験の価値
 
 私は、10ヵ月間、アメリカのノースセントラル大学で勉強をしました。大学に入学した目的でもあった留学でしたが、自分が想像していたよりもはるかに素敵なものでした。また、私の留学生活をノースセントラル大学で送ることができたことが、本当に良かったと思います。この報告書では、私の留学生活を2016年8月から学期ごとに書いていきます。まず、8月のELIプログラムから紹介します。

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  2016年8月8日から、English Language Institute(ELI)という大学での授業を受ける前に、英語運用能力を補う講座を1ヵ月間受講しました。クラスには、中国出身の生徒3人と、私を含む日本出身の生徒5人の少人数のクラスでした。先生は、世界中で英語を教えた経験を持つドイツ出身の方でした。授業は、午前9時から午前11時45分までで、午後はアクティビティとして、RA達が色々な場所へ連れて行ってくれました。初めの授業では、アメリカと母国の文化の違いや、先生へのメールの書き方などを学びました。私は、留学を始めるにあたり、知っておいた方が良いことを知ることができたので、アメリカでの生活をスムーズに始めることができました。特に、メールの書き方や大学のホームページの使い方は帰るまで必要だったので、オリエンテーションの授業は役に立ったと思います。リスニングとリーディング力を鍛えるために、伝記やシカゴの歴史を読んだり聞いたりしました。その日の宿題では、授業内容に基づいてリサーチのテーマを決め、調べた内容をまとめて、次の日にプレゼンテーションをしました。プレゼンテーション後には、先生とクラスメイトからフィードバックをしてもらいましたが、指摘がとても細かくて勉強になりました。最後のプロジェクトとして、環境問題についてのリサーチをしました。ペアを作り、実際に街でインタビューをし、回答をグラフにまとめてプレゼンテーションをしました。私は、中国人のクラスメイトとペアになり、約30人に街頭インタビューをしました。私は、見知らぬ人々にインタビューをするなんて初めてのことだったので緊張しましたが、すぐにインタビューに答えてくれたので嬉しかったです。また、その人々は、私の日本語訛りの英語を真剣に聞いたり、「頑張ってね。」と声をかけてくれたりと、とても親切に対応してくれて、優しい人ばかりの街だと感じました。インタビューの結果をまとめ、表を作り発表をしました。そして、無事この夏のプログラムを修めることができました。午後のアクティビティは、RA達が考えてくれていて、買い物に行ったりゴルフをしたり、みんなが楽しめるような企画をしてくれました。
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 9月から始まった秋学期では、レギュラーのクラスを取りました。それは、ドイツ語、コミュニケーションとESLの3つでした。ドイツ語は、1番初歩のレベルの授業でした。そのため、日本で受けていたドイツ語の授業と同じような内容でした。でも、こちらの授業は、日本での文法を学習するドイツ語の授業と違い、Speakingを中心に行われていたため、達成感を感じる授業だと思いました。授業中に即興で会話を続けなければならないので、予習と復習は欠かせなかったし、話したさから単語を覚えるようになりました。そのため、日本で勉強していたよりもドイツ語が理解できるようになり、また、Speaking力も上がったと思います。コミュニケーションの授業では、効果的に伝える演説やプレゼンテーションの仕方を、教科書から理論的に理解した後、それらを踏まえ実践をしました。私にとっては、"英語で話すこと"で精一杯になってしまうことが多かったため、不安と自信の無さで気持ちはいっぱいでした。でも、先生からのアドバイスを基に、プレゼンテーションを行いました。プレゼンテーション後にもらうクラスメイトからの評価では、プレゼンテーションを重ねるごとに良い評価が増えていった気がしたし、私のトピックに興味を持ってくれた人が多かったため、伝えることができたのかなと思い、とても嬉しかったです。

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 11月の終わりから1月の初めまでの冬休みを終え、冬学期が始まりました。私は、ライティング、ドイツ語、ESLの授業を取りました。ライティングの授業では、いくつかの記事やエッセイを読んで、それについて様々な論述の仕方を実践しました。例えば、2つの記事を比較したり、その記事について賛成か反対か自分の意見を書きました。エッセイを書くのは、課題として家でやることが多く、授業では、その日に決められた記事について、クラスやグループになってディスカッションをしました。記事やエッセイがアメリカの社会問題につながるものが多かったため、私にとっては、アメリカ社会の知識も得ることができました。ディスカッションでは、アメリカの社会問題を日本人の視点から見たらどうなのかよく聞かれ、私はクラスメイトとお互いに新しい考え方を知る機会になったと思いました。この授業のテストは、基本的にエッセイを書くことでしたが、ファイナルプロジェクトとして、ポッドキャストの作成をしました。ポッドキャストとは、ラジオのようなもので、原稿から編集まで自分でやりました。テーマは、今まで自分が書いたエッセイの中から、アカデミックで興味のあるものを選びました。私は、言語学に興味があったため、マルチリンガルの筆者らが書いたエッセイを基に書いた比較論文を用いりました。概要は、マルチリンガルとして社会で通用している筆者らと家族の間で起こるトラブルを、様々な言語学者らの記事や自分の経験を用いて、そのトラブルを長所として展開していくものです。私は、ポッドキャストを作ったことがなかったため編集に苦労しましたが、新しい意見の発信方法として、おもしろいと思いました。また、それぞれの個性が活かすプロジェクトだったと思います。ドイツ語は、過去形や1日のルーティーンを話せるようになるような授業でした。私は、前学期よりもエッセイの提出が増えたり、積極性が重要になったりと、クラスがより活発になっていたように感じました。エッセイを書いた中で、バレンタインの時期に書いた恋愛についての論述はとても難しかったけれど、興味深いものでした。授業内で、ペアになった相手と即興で恋愛について会話をしたり、自分の両親の馴れ初めを語ったり、ラブストーリーを書いたりしました。私は、ラブストーリーを書いたときにドイツ語で書けたことに自分で驚き、ドイツ語のライティングと語彙の力がついてきていることを実感しました。ESLでは、リーディングとライティングに焦点を当てた授業でした。また、その中で、アメリカの歴史や偉人について勉強しました。リーディングでは、インディアンや名高い偉人の伝記を読むことが多かったです。中には、イギリス英語で書かれたものもあり、アメリカ英語との単語や言い回しの違いに苦戦しました。私のルームメイトはイギリス出身だったため、よく教えてもらいました。この学期には、課外授業がありました。土曜日にシカゴ歴史博物館に行きました。そこで、興味をもったことをファイナルプロジェクトとして、自分の意見も述べた論文を書きました。私が選んだテーマは、禁酒法のあった時代のギャングの活動や、その目的と社会への影響でした。私は、ギャングのイメージとして、殺し屋の印象が強かったのですが、調べていくと、反社会的な姿勢がみられ、その行動が経済へ影響を及ぼしていたことを知ることができ、より興味を持ちました。現在のシカゴでは、アルカポネという有名なギャングのグッズを売っているため、その点からも、歴史的に社会に大きな影響を与えたことを感じることができると思いました。 

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 10日間の春休みを終え、3月の終わりから春学期が始まりました。私は、ドイツ語、東アジアの研究、ESLの授業を受けていました。ドイツ語の授業は、前学期に比べ、とても人数の少ない9人での授業でした。その分、発言力や協調性、積極性が求められました。スピーキングを高めるため、語彙力を補いながら会話をすることが多かったです。新しい単語を即興で例文に組み入れたり、その単語の意味をドイツ語で説明したりしました。また、ドイツの歴史や観光地にまつわる動画を見て、要約したり自分の意見を述べたりしました。今までのドイツ語の授業でやったこと全てを、実際に使うような授業だったように感じました。東アジアの研究では、中国、韓国、ベトナム、日本のそれぞれの歴史や文化を学び、現代の東アジアの経済や社会に与えた影響を考えました。私が1番感じたのは、アメリカ人と、日本人としての自分の東アジアに対するイメージや考え方の違いです。授業内では、日本人からの視点を求められることが多く、特にアメリカ軍の沖縄の基地についての議論が白熱していました。そのため、教科書には載っていないような、お互いの東アジアについての様々な問題に対する考え方や現状を知ることができ、より理解を深めなければならないと思いました。ESLでは、文法の見直しと、慣用句とリーディングに力を入れた授業をしました。リーディングでは、1冊の本を読み進めながら、その物語についてディスカッションをしました。その本は、スカポーネインディアンのリザベーションに住む男の子の日記をもとにした、実話の物語です。主人公の男の子は、リザベーションにある学校でいじめを受けていましたが、希望を持ち続け、隣町の学校に転校し新しい世界を知ることで、自分自身にとって大切なものを改めて見出していく物語です。その男の子は落書きをすることが好きだったため、挿絵として多くのイラストが入れられています。また、スラングや話し言葉が多く使われているため、読んでいてとても楽しいです。私は、とても重い内容のように思えることでも、主人公が面白おかしく綴ることに驚きながらも、楽しく読み進めることができました。ディスカッションでは、主人公の心情について議論することが多かったので、さまざまな意見を聞くことができ、楽しい授業だったと思います。

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 ノースセントラル大学では、レギュラーのクラスを積極的に受けることができるという点が、他の提携校とは違う魅力だと思います。出国する前は、自分が授業についていけるのかという不安が大きかったですが、毎日、様々な発見があり、どんなことも自分の持つ不安からくるイメージとは違い、想像していなかったような素敵な出会いや経験がたくさんありました。私の留学に行く目的は、自分の英語力を上げることと。文化に触れることでしたが、その目的以上のものを、経験として自分に身につけることができました。留学中は、友達やルームメイト、先生方に助けられてばかりでしたが、これからは、自分からその経験を発信し、助ける側になりたいと思いました。また、様々な人々と話すことで、世界の広さと自分の無知さを実感したため、これからはより大きな視点を持ち、色々な分野に目を向けていきたいと思いました。今回の留学は、私にとって生涯の大きな財産になりました。

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