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2017年10月 5日

中期留学報告(ジョージ・ブラウン大学 細川 裕貴)

トロント留学で得たもの

私にとって留学は初めての経験でした。海外自体は旅行で何ヵ国か訪れたことがあるので、どんなところか大体想像できましたが、4ヶ月も滞在したことがなかったので、外国人とコミュニケーションが本当に取れるのか、とても不安でした。私は、お父さんとお母さん、お姉ちゃんにペットの犬と、最初の1ヶ月はベトナム人、最後の2ヶ月は台湾人のルームメートがいる家でホームステイをしました。家族は私を家族の一員として温かく迎えてくれたおかげで、なに不自由なく、まるで実家にいる感覚で過ごすことができました。しかし日本ではないため、食事には少し戸惑いを感じました。朝からピザやハンバーグ、夕食もピザという食生活のせいで、日本食に恋しくなる時期がありました。トロントには日本食料理店がいくつもあるので、日本食に恋しくなったときは友達と行くことが何度かありました。それでもお店を経営しているのは中国人や韓国人ばかりで、本物の日本食を口にすることはなかなかありませんでした。また、お風呂もお湯に浸かるという文化がないらしく、旅行で訪れたホテル以外ではシャワーで済ませていました。ホストマザーは私にとって第二の母のような存在で、私が街でホームレスにお金を迫られると困っていると相談したときは、真剣になってアドバイスをくれたり、学校の授業はついていけているか聞いてくれたりしました。また、課題で分からないところは教えてくれました。

最初、授業では先生がいったい何を話しているのか、理解することが全くできませんでした。理解できても、今日は課題があるという程度で、どこが課題なのかも分からない状態でした。グループワークをしていても、周りの学生が何について話しているのか、何を自分に質問しているのか分からず、とても恥ずかしい思いをしました。しかし、先生も周りの学生も、私がどれ程英語を話すことができないのか知ってくれたため、恥ずかしがらず、できないならできないなりに頑張ろうと決心して取り組みました。始めのほうは全く英語が理解できませんでしたが、最後の1ヶ月には先生の話す英語がまるで日本語を聞いているようにすんなりと頭の中に入ってくるようになり、数ヶ月ながら自分の英語力が向上したと、実感することができました。学校には日本人だけでなく、中国や韓国、ロシアやドイツなど、様々な国から来ているクラスメートがおり、彼らとコミュニケーションを取るときは、英語を使わざる得ない環境で勉強していました。しかし、英語を母語とするカナダ人が全くクラスにいないため、ネイティブスピーカーの友達はあまりできませんでした。

授業では、文法やライディング、リスニングなどを中心に勉強し、プレゼンテーションをする機会もありました。私が1番印象に残っているのは、プレゼンテーションです。本当に私が作った英文が相手に伝わるのか、この発音で合っているのか、そんなことを不安に思いながらも、何とか相手に伝えることができました。ペアでプレゼンテーションをした際には、1番仲の韓国人とやりました。プレゼンテーションの準備の段階で、同じアジア出身ということで文化も少し似ていることから話が盛り上がったことは、私にとって楽しかった思い出の1つです。私が1番驚いたのは、周りの学生の積極性です。彼らは自分が納得するまで質問をします。先生が話している途中でも質問をする光景に、自分は彼らと比べ勉学に対する意識が低いと感じてしまうことがありました。

もう1つ意識の違いを体験する機会がありました。それは、英語を学ぶ目的です。彼らは将来学びたい学問があって、その授業は英語で行われる、だから英語を勉強していると言っていました。彼らにとって、英語は手段にすぎないのです。それに比べ私たち日本人は、ただ留学に行きたい、英語を話せるようになりたい、といった目的で英語を勉強していることが多いので、彼らの勉学に対する意識を見習わなければならないと思いました。クラスの平均年齢もかなり高く、自分の両親と同じくらい、それ以上の年齢の人たちが多かったです。日本では30歳を過ぎても学生という人は珍しいことですが、世界を見れば何歳になっても学ぶ権利があって、学生でいてもおかしくないと気がつくことができました。

私は毎日地下鉄を使って通学していました。トロントの地下鉄には時刻表がありません。そのため、いつ電車がくるのか、何時に目的地に着くのか分かりません。更にしょっちゅう停まります。土日なると工事をするため地下鉄が走らなくなり、代わりにシャトルバスが運行されるなど、日本では考えられないことに戸惑いがありました。このようなことにも慣れ、今度の土日はどこの区間がシャトルバスになるのか、アナウンスを聞き取れるようにもなりました。

私はこの留学中に、モントリオールという街へ旅行に行きました。トロントは人口の9割が英語を第一言語とする街ですが、モントリオールはその逆で、人口の9割がフランス語を第一言語とする街でした。街の標識や看板はフランス語で書かれており、レストランのメニュー表や地下鉄のアナウンスまでもがフランス語のため、同じカナダという国にいるとは思えませんでした。モントリオールに住む人々も、基本会話はフランス語ですが、英語も話せます。バイリンガルで羨ましいと思いました。

トロントの地下鉄は日本と比べ運転が荒いと思っていましたが、モントリオールはそれ以上でした。電車は完全に停止する前にドアが開きます。これにはとてもびっくりしました。日本の地下鉄がどれ程素晴らしいのか、モントリオールの人たちに教えてあげたいと思いました。

トロントの冬はとても厳しいです。最低気温が-18度や最高気温が-8度といった、名古屋では考えられない日々が何日か続きました。服は何枚も重ね着をして、防寒対策をしていました。この寒さのせいで家の鍵が凍りつき、家に入れないというハプニングも経験しました。雪もたくさん積もり、雪が降る日は雪かきを手伝いました。雪かきを怠った家の前の歩道だけは雪が積もったままで、歩くのに一苦労しました。

私は、この4ヶ月という短い間ではありましたが、たくさんの貴重な体験をさせてもらいました。今ではもっと学びたいと思い、もう一度留学しようと考えています。この気持ちを忘れずに、次のステップへ進んで行きたいと思います。 

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