« 中期留学報告(メンフィス大学 松本 将郎) | ホーム | 中期留学報告(アルゴマ大学 酒井 花子) »

2017年10月19日

長期留学報告(ノースセントラル大学 渋谷 拓海)

留学を通して学んだこと


 私は昨年の8月から6月までの約10か月、アメリカのイリノイ州にあるノースセントラル大学に、交換留学生として留学した。経験した全てが新鮮で自分にとっては新しいもので、とても良い経験をすることができた。正規授業が始まる前の8月は、ESLの授業を受けつつ、メインはアメリカのカルチャーに触れ学ぶために、色々な場所に連れて行ってもらったり、週末にはシカゴに観光しに行ったりした。今までは、日本人以外と話す機会やどこかに遊びに行くことが中々なかったので、最初は戸惑ったし、少なからず、いくつかはカルチャーショックを受けることもあった。しかしながら、そのような経験やその環境の中で、どのように立ち振る舞うかなど、自分自身が成長できるチャンスが、とても多くあったと感じる。


 9月からは正規の授業が始まり、初めてアメリカの授業を受けることになり、あまりの大変さや日本の授業形態とのギャップに戸惑った。日本とアメリカの授業の違いはたくさんあったが、自分の中で印象的だったのが三つあり、一つは生徒と教授との関係性の違いだった。アメリカの授業では、教授が教壇の上に立つことはなく、とてもフェアな関係で、分からないことはすぐに聞ける関係であることだ。また、最も大きな違いは、授業形態だ。日本の授業は、ものによっては数百人を対象にした大講義授業があり、それは教授の話を聞きノートを取るといった受け身の授業だ。一方でノースセントラルの講義は、大きい授業で30人規模であり、多くの講義は15~20人くらいと小規模な講義だった。更に、受け身の講義は全くなく、基本ディスカッションで考えを深めていくという授業スタイルだった。自分自身、まだディスカッションについていける英語力もなく、中々自らの意見を言えなかった。その中で、今まで以上の予習が必要だと感じ、今までよりも予習に時間をかけ、また、自分の意見もある程度考えたりした。ノースセントラルは3学期制で、各タームの授業の進み方が他校よりも早く、宿題として次の授業の内容の予習をするとうものだったので、予習に4~6時間かかるなどは最初の頃は当たり前だった。日本の大学では日々遊んでいるような生活だったので、とても大変で慣れるのにも時間がかかったが、課題のおかげで勉強しなければいけない時間が必然的に増え、自分の英語力、特に読解力と筆記の力を日々養っていっていることを実感することができた。授業を受けるのは本当に大変だったが、経験した全てが自分の力になり、成長する要素になっていたと思う。 


 ノースセントラル大学には、フレンドシップファミリーーという、週末や休日に一家族と共に過ごすという制度があった。アメリカではいくつかの大きな休日があり、その中でも一番大きいのはサンクスギビングというものだ。その日は家族で集まり食卓を囲み、ターキーなどの代表的な料理を食べ、食材や神に感謝を示す。その日は、ダウタウンの店などは全て閉まっていて、そこでもアメリカと日本の違いを感じた。翌日はブラックフライデーという日で、衣服などが大きく割引される日だった。その日はアウトレットに行き買い物をしたりと、充実した休日をフレンドシップファミリーと過ごし、アメリカの文化について学ぶことができた。 


 授業以外では、友達とサッカーのチームを作って校内対抗トーナメントに参加した。当初、英語力の低かった僕が友達を作ることのできた一番の理由が、サッカーだった。小学校から高校までサッカーをしていたので、サッカーで魅了をすることができ、サッカーで輪を広げていくことができた。毎週末サッカーの試合があり、チームで優勝するために真剣に試合に挑んだ。また、週末以外にも平日授業終わりに練習したりと、部活とまではいかないが、サッカーに時間を費やすことが多かった。僕にとっては、友達と過ごす時間すべてが英語力の向上につながり、言葉の壁や文化の壁にぶつかる度に、それは自分の考え方を変え成長するきっかけとなった。サッカーの大会には2回出場し、一度目は負けてしまったが二回目は優勝することができた。 


 課題や試合のない週末には、友達と外食に行ったりした。その中で色々な話をし、今まで違和感を感じなかった日本人にとって普通だと思っていたことが、広い目で見ると全然普通でなかったりし、今までの自分の価値観や固定概念を少し崩すことができたと思う。アフリカからの留学生は、とても宗教に対して強い思いを持っていたり、多くの国の多くの人と関わることによって、新しい発見や考え方を持つことが大切だと感じた。 


 留学での過ごし方や授業を通して私が一番成長できたと感じるものが、考え方の変化やどのように人と接するかなどの、自分自身の成長だ。もちろん語学力の向上は、留学をするにあたって欠かせないことだと思う。しかし、実際に留学をして、考え方の変化は語学力の向上よりもとても大きなものだった。アメリカの学生は、自分というものをとても強く持っていて、アイデンティティを確立していることに驚いた。日本人の多くは、とても協調性がありグループを作りがちで、行動する時も大人数が多いと思う。一方で、海外の人は大人数で遊ぶことももちろんあるが、その中でも自分を強く持っていて、決して他人に依存し過ぎてない姿に惹かれる部分が多かった。また、慣れない海外で生活するに当たって、決して避けられなかったのはカルチャーショックだった。大なり小なり、文化の違いを受け入れるためにしなければいけなかったことが、日本人としての過ごし方や文化を捨てることだった。日本の文化に誇りは持ち続けてはいるが、その概念が強すぎると他の文化を受け入れがたくなると実感した。そこで、一度日本の文化にこだわりを捨てることで、今までよりもより他の文化を受け入れることができるようになった。そのように、他の文化を受け入れることができるようになり、自分自身の器や力量が大きくなり、自己成長することができたと思う。このように、語学力の向上や、更には自己成長を実感できたりと、留学はとても良い経験だったと本当に思う。



to_top.jpg

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://blog.ngu.ac.jp/mt/mt-tb.cgi/6493

コメントする

このブログ記事について

このページは、インターナショナルラウンジが2017年10月19日 11:24に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「中期留学報告(メンフィス大学 松本 将郎)」です。

次のブログ記事は「中期留学報告(アルゴマ大学 酒井 花子)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。