古きよき時代の...

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あの頃の誰か』 東野圭吾/著 


東野圭吾の作品はガリレオシリーズしか読んだことなかったのですが、
図書館に文庫があったので、通勤途中に読んでみました。

短編8本が収録された一冊。
長編のイメージが強い作家さんでしたが、短いお話の中にもほどよくナゾが
含まれていて、移動時間の短い合間におもしろく読むことができました。

基本的に舞台はバブル時代。
お弁当箱サイズの携帯電話や、外車の数々、クリスマスには一年も前から
高級ホテルとレストランを予約して...などなど、体験したことはありませんが
ならでは!なものがたくさん登場します。

何の先入観もなく読み始めたので、どうしてバブル期が舞台となっているのか
さっぱり??でしたが、最後のあとがきの「バブル景気真っ只中に書いた」
の部分を読んで納得。
なかなか本にまとめる機会がなかったものを集めた一冊みたいです。

同じあとがきで、今回収められている作品について「わけあり物件」と
言っていますが、どの作品もおもしろく読めました。

中でも、「さよなら『お父さん』」がよかったです。
とっても短いお話で、同作者の『秘密』の元になった作品です。
(『秘密』については、前に栞輪で詳しく紹介されています。)
著者はこの作品が気に入らなくて『秘密』を執筆したそうですが、
この短編バージョンもさらりと読めて、とてもよかったです。
ここから、一冊の本まで膨らませていったんだなぁ、と思うと
改めて、作家さんってすごいなぁと感じました。


(栞)

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